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終焉
偽りの神
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カイの指摘の通り、女神ラビスは神ではなくただの堕天使。長きに渡り、人間に対して自分は神だと偽って信仰を集めてきた。
心の力というのは馬鹿に出来たものではない。
ラビスは堕天使であって神ではないが、人々が神だと信じ、想いが彼女に集まると、やがてはそれは強大な力となる。ラビスは堕天使でありながら、長い時間をかけて信奉を得ることで次第に力をつけていった。
並の堕天使以上の力を得たラビスは、やがて神の力のそれとは違うが、それなりに人を騙せる程度の奇跡紛いの力を見せつけることくらいは出来るようになった。
力を見せつけることで信心を集めるようにしたところ、ラビスの名は爆発的に広まることになり、一気に信徒が増えた。
特にそのようなことをした事実などないのに、人々は勝手にラビスの偉業はあれこれ色を付けられて広まっていく。
そうしていると、やがて長い時間をかけてラビスを崇める者達で国家が作られるようになった。
これが神国サンクレアの誕生である。
力を持ったラビスにかかれば、神都サンクレアには悪天候が起きないなどとの加護らしいものを与えることが出来た。こうして人々はサンクレアに集まり、信奉することによってラビスは更なる力を得ることになる。
やがてラビスは考えた。
自分はあくまで堕天使であるが、このまま力をつければゆくゆくは本物の神に等しき存在になれるのではないか、と。
人間個人の力は大したことはないが、彼らが群れとなって一つの対象に対し信仰を捧げたのなら、それによって得られる力は無限大の可能性を秘めていることに気付いたのだ。
つまり、人の信仰さえ得られ続けていれば何でも出来るようになる・・・。
ラビスはそう確信した。
そして自分を信奉する人間に命じたのは、自分が忌み嫌う魔族の殲滅だ。
神々は人間と魔族の両方を地上に住まわせていた。だが、ラビスは魔族は地上に必要ないと思っていた。
理由はただ単に魔族が醜いから嫌い・・・それだけだ。
だがラビスに命じられた人間は、その真意もわからず聖戦と言って魔族との戦争を開始した。
長きに渡り多大な犠牲が出た無益な戦いだったが、それでも人間は神だと信じていたラビスのために命を賭けて魔族を殺し続ける。
そしてついに人間は魔族を殲滅するという取返しのつかない愚行を成し遂げてしまった。
全てはラビスの自己満足のためなどと知ることもなく。
心の力というのは馬鹿に出来たものではない。
ラビスは堕天使であって神ではないが、人々が神だと信じ、想いが彼女に集まると、やがてはそれは強大な力となる。ラビスは堕天使でありながら、長い時間をかけて信奉を得ることで次第に力をつけていった。
並の堕天使以上の力を得たラビスは、やがて神の力のそれとは違うが、それなりに人を騙せる程度の奇跡紛いの力を見せつけることくらいは出来るようになった。
力を見せつけることで信心を集めるようにしたところ、ラビスの名は爆発的に広まることになり、一気に信徒が増えた。
特にそのようなことをした事実などないのに、人々は勝手にラビスの偉業はあれこれ色を付けられて広まっていく。
そうしていると、やがて長い時間をかけてラビスを崇める者達で国家が作られるようになった。
これが神国サンクレアの誕生である。
力を持ったラビスにかかれば、神都サンクレアには悪天候が起きないなどとの加護らしいものを与えることが出来た。こうして人々はサンクレアに集まり、信奉することによってラビスは更なる力を得ることになる。
やがてラビスは考えた。
自分はあくまで堕天使であるが、このまま力をつければゆくゆくは本物の神に等しき存在になれるのではないか、と。
人間個人の力は大したことはないが、彼らが群れとなって一つの対象に対し信仰を捧げたのなら、それによって得られる力は無限大の可能性を秘めていることに気付いたのだ。
つまり、人の信仰さえ得られ続けていれば何でも出来るようになる・・・。
ラビスはそう確信した。
そして自分を信奉する人間に命じたのは、自分が忌み嫌う魔族の殲滅だ。
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だがラビスに命じられた人間は、その真意もわからず聖戦と言って魔族との戦争を開始した。
長きに渡り多大な犠牲が出た無益な戦いだったが、それでも人間は神だと信じていたラビスのために命を賭けて魔族を殺し続ける。
そしてついに人間は魔族を殲滅するという取返しのつかない愚行を成し遂げてしまった。
全てはラビスの自己満足のためなどと知ることもなく。
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