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覚醒
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「なんだこれは・・・」
ルーチェ国に出向き『行動』を起こすべく自身のコンディションを確認すると、俺の体から今までになかっただけの魔力が溢れているのを感じた。
これまでの俺ならばどれだけの修練を積んでも身に着かなかっただろうはずの魔力量が、俺の体に満ち足りているのがわかった。
「馬鹿な・・・これだけの力が何故・・・?」
突然何かをきっかけにして目覚めたというのか?しかし何故?
もちろん自身の魔力量が爆増すること自体は悪いことではないが、理由がわからず不気味であった。
「それは私と契約を結んだからですわ」
訳が分からず混乱している俺にアリス様が言った。
「契約・・・ですか?」
アリス様が俺の現状を把握をしていることに驚きつつも、彼女の言葉の意味を考える。
うん、さっぱりわからん。
「ルーチェの王族に伝わる力です。自分の信頼する臣下に対し、契約を成すことでその者の持つ力を潜在能力を超えるだけの量を増大させることができるのです。たった一人までですが」
「なんと・・・王族にまさかそんな力が・・・」
なるほど、今の俺の増大した力は、アリス様の能力が与えてくれたものなのか。
「レイツォが喜ぶかと思い、私から一方的に勝手に結んでしまった契約でしたが、ご迷惑でしたか?」
不安そうにそう言うアリス様に対し、俺は首を振った。不満などあるはずもない。
「いいえ、ありがとうございます。私は果報者です。これだけのアリス様のお心づかいを頂けるなど!」
アリス様は「一人まで」と限定された力を俺のために使ってくれ、俺は莫大な力を期せずして手に入れた。この力はこれからの俺に必要なものだ。感謝の気持ちがあれど、迷惑などととんでもない。
「アリス様。これから私は少しだけ外に出て参ります・・・お待ちいただけますでしょうか?」
「はい。レイツォの帰りをお待ちしております」
すぐに王城に帰らないことに対し、どう説明したものかと思っていたものの、アリス様は特にその辺の話をしてくることはなく、素直に頷いてくれた。
・・・もしかしたら、どこかしら俺の考えていることを理解しているのかもしれない。
俺はすぐ様部屋を飛び出した。
時間をかければ王都からアリス様の捜索隊が出されてしまうことだろう。その前に俺は目的を果たさねばならない。
急いで王城へ・・・と考えていると、ふと俺は直感的にある能力が備わっていることに気付いた。
「これは・・・」
俺は自身の状況に驚愕した。
なんと俺の体が宙に浮いているのだ。かつて高位の魔術師も使うことが出来たという浮遊術。どうやらアリス様の力で魔力の増大した今の俺ならば、この伝説だった浮遊術を自在に使いこなすことが可能なようだ。
「フフ・・・フハハ」
思わず俺の口から笑いが漏れていた。
「フゥーッハハハ!俺は、俺は今度こそお前を超えたぞ!ディオーーーッ!!」
浮遊術を使い、俺はルーチェ城を目指した。数刻もしないうちに余裕でルーチェ城までたどり着けるだけの速度だった。
「これまで散々俺に惨めな思いをさせてきた報いを受けるがいい!ざまぁの時間だ!!」
ルーチェ国に出向き『行動』を起こすべく自身のコンディションを確認すると、俺の体から今までになかっただけの魔力が溢れているのを感じた。
これまでの俺ならばどれだけの修練を積んでも身に着かなかっただろうはずの魔力量が、俺の体に満ち足りているのがわかった。
「馬鹿な・・・これだけの力が何故・・・?」
突然何かをきっかけにして目覚めたというのか?しかし何故?
もちろん自身の魔力量が爆増すること自体は悪いことではないが、理由がわからず不気味であった。
「それは私と契約を結んだからですわ」
訳が分からず混乱している俺にアリス様が言った。
「契約・・・ですか?」
アリス様が俺の現状を把握をしていることに驚きつつも、彼女の言葉の意味を考える。
うん、さっぱりわからん。
「ルーチェの王族に伝わる力です。自分の信頼する臣下に対し、契約を成すことでその者の持つ力を潜在能力を超えるだけの量を増大させることができるのです。たった一人までですが」
「なんと・・・王族にまさかそんな力が・・・」
なるほど、今の俺の増大した力は、アリス様の能力が与えてくれたものなのか。
「レイツォが喜ぶかと思い、私から一方的に勝手に結んでしまった契約でしたが、ご迷惑でしたか?」
不安そうにそう言うアリス様に対し、俺は首を振った。不満などあるはずもない。
「いいえ、ありがとうございます。私は果報者です。これだけのアリス様のお心づかいを頂けるなど!」
アリス様は「一人まで」と限定された力を俺のために使ってくれ、俺は莫大な力を期せずして手に入れた。この力はこれからの俺に必要なものだ。感謝の気持ちがあれど、迷惑などととんでもない。
「アリス様。これから私は少しだけ外に出て参ります・・・お待ちいただけますでしょうか?」
「はい。レイツォの帰りをお待ちしております」
すぐに王城に帰らないことに対し、どう説明したものかと思っていたものの、アリス様は特にその辺の話をしてくることはなく、素直に頷いてくれた。
・・・もしかしたら、どこかしら俺の考えていることを理解しているのかもしれない。
俺はすぐ様部屋を飛び出した。
時間をかければ王都からアリス様の捜索隊が出されてしまうことだろう。その前に俺は目的を果たさねばならない。
急いで王城へ・・・と考えていると、ふと俺は直感的にある能力が備わっていることに気付いた。
「これは・・・」
俺は自身の状況に驚愕した。
なんと俺の体が宙に浮いているのだ。かつて高位の魔術師も使うことが出来たという浮遊術。どうやらアリス様の力で魔力の増大した今の俺ならば、この伝説だった浮遊術を自在に使いこなすことが可能なようだ。
「フフ・・・フハハ」
思わず俺の口から笑いが漏れていた。
「フゥーッハハハ!俺は、俺は今度こそお前を超えたぞ!ディオーーーッ!!」
浮遊術を使い、俺はルーチェ城を目指した。数刻もしないうちに余裕でルーチェ城までたどり着けるだけの速度だった。
「これまで散々俺に惨めな思いをさせてきた報いを受けるがいい!ざまぁの時間だ!!」
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