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俺のせいなのか
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「はぁ・・・退屈ですわね。レイツォ、何か面白いことしてくださいな」
思念体となったアリスが、俺にそう話しかける。
「うるせーバカ女。お前こそ何か面白いことしてみせろよ」
同じく思念体となっている俺はアリスにそう言い返した。
俺とアリスは結局大きな魚の言う通り、変なダンジョンに永久に閉じ込められた。
死んだ俺達は既に肉体を持っていない。だから外に出ることは叶わないし、出たところで出来ることは何もない。永遠とこのダンジョンに縛り付けられ、こうして無駄話をしながら存在していく。厳密にはアリスがここに縛り付けられ、俺がその監視であるというわけらしいが、まぁ実質アリスも俺も似たようなものだ。
「正直すまんかった。ワイ、誰かを管理するとかそう言うの苦手なんや」
「本当お前役に立たないよな!むしろ何が出来るの?」
棒読みであまり申し訳なさそうに見えない大魚が形ばかりの謝罪をしてきた。
「はぁ~最悪ですわ。このようなつまらないところに押し込められて、つまらない男が隣にいて、どうしてこんなことになったのかしら?」
「お前のせいだよ」
あれだけの悪事を働いておきながら、アリスは己の身に起きた不幸を嘆いている。全て自業自得だというのに。
いや、俺のせいでもあるのか。こいつに誑かされたとはいえ、ディオを嵌めた俺の自業自得でもあるのだこの状況は。
ディオといえば、魚の話を聞くとルーチェで魔王として君臨しているらしい。何を言ってるかわからねーと思うが、俺も何が起こっているのかわからなかった。
つまるところ強大な軍事力を持ったと勘違いしたルーチェ新国王をけん制するために魔王として君臨したということなのだろうが、もう目茶苦茶だ。俺が生きていたルーチェは混沌を極めた世界になってしまった。
「今のところルーチェ国がビビって大人しくなっとるけど、また戦乱の世になるんやろな」
「えっ」
「魔王ってそういうもんや。魔王が栄え続けたためしってもんはないんや。いずれは人間から勇者が出て、魔王を倒すんや。けど、ディオいやオースデッドはわかっててそれでもルーチェのためと思って魔法になったんやな」
「ディオ・・・」
「せこいことしか考えないレイツォと全然違うやで」
「・・・」
いや、一応アリスを倒すために自爆したよ?
あぁ、でもこれからずっといつか討たれることを知りながら覇業を続けていくディオに比べれば小さいのか?
結局、俺は死してなおディオとの格の違いを思い知らされながら、こうして永遠に思念体となってルーチェの地に留まり続けなければならないのか。
「どうしてこうなった・・・いや、俺がこうなったのは、結局俺のせい・・・なのか?」
きっとディオを裏切ったあの瞬間から、こうして無限地獄編が始まることが決まっていたのだ。全ては俺の自業自得なのだ。
あそこで裏切りさえしていなければ、あるいはまた別の道があったのだろう。
「愚か者ですわね。本当にディオ様の足元にも及びませんわ」
「うるわー馬鹿女!大人しく死んでろ!!」
俺は自身の愚行を後悔していたが、長すぎる時の中で神経はすり減り、やがて考えることをやめた。
完
思念体となったアリスが、俺にそう話しかける。
「うるせーバカ女。お前こそ何か面白いことしてみせろよ」
同じく思念体となっている俺はアリスにそう言い返した。
俺とアリスは結局大きな魚の言う通り、変なダンジョンに永久に閉じ込められた。
死んだ俺達は既に肉体を持っていない。だから外に出ることは叶わないし、出たところで出来ることは何もない。永遠とこのダンジョンに縛り付けられ、こうして無駄話をしながら存在していく。厳密にはアリスがここに縛り付けられ、俺がその監視であるというわけらしいが、まぁ実質アリスも俺も似たようなものだ。
「正直すまんかった。ワイ、誰かを管理するとかそう言うの苦手なんや」
「本当お前役に立たないよな!むしろ何が出来るの?」
棒読みであまり申し訳なさそうに見えない大魚が形ばかりの謝罪をしてきた。
「はぁ~最悪ですわ。このようなつまらないところに押し込められて、つまらない男が隣にいて、どうしてこんなことになったのかしら?」
「お前のせいだよ」
あれだけの悪事を働いておきながら、アリスは己の身に起きた不幸を嘆いている。全て自業自得だというのに。
いや、俺のせいでもあるのか。こいつに誑かされたとはいえ、ディオを嵌めた俺の自業自得でもあるのだこの状況は。
ディオといえば、魚の話を聞くとルーチェで魔王として君臨しているらしい。何を言ってるかわからねーと思うが、俺も何が起こっているのかわからなかった。
つまるところ強大な軍事力を持ったと勘違いしたルーチェ新国王をけん制するために魔王として君臨したということなのだろうが、もう目茶苦茶だ。俺が生きていたルーチェは混沌を極めた世界になってしまった。
「今のところルーチェ国がビビって大人しくなっとるけど、また戦乱の世になるんやろな」
「えっ」
「魔王ってそういうもんや。魔王が栄え続けたためしってもんはないんや。いずれは人間から勇者が出て、魔王を倒すんや。けど、ディオいやオースデッドはわかっててそれでもルーチェのためと思って魔法になったんやな」
「ディオ・・・」
「せこいことしか考えないレイツォと全然違うやで」
「・・・」
いや、一応アリスを倒すために自爆したよ?
あぁ、でもこれからずっといつか討たれることを知りながら覇業を続けていくディオに比べれば小さいのか?
結局、俺は死してなおディオとの格の違いを思い知らされながら、こうして永遠に思念体となってルーチェの地に留まり続けなければならないのか。
「どうしてこうなった・・・いや、俺がこうなったのは、結局俺のせい・・・なのか?」
きっとディオを裏切ったあの瞬間から、こうして無限地獄編が始まることが決まっていたのだ。全ては俺の自業自得なのだ。
あそこで裏切りさえしていなければ、あるいはまた別の道があったのだろう。
「愚か者ですわね。本当にディオ様の足元にも及びませんわ」
「うるわー馬鹿女!大人しく死んでろ!!」
俺は自身の愚行を後悔していたが、長すぎる時の中で神経はすり減り、やがて考えることをやめた。
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