国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る

はにわ

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英雄キアラ

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10歳になる頃、キアラはダグラスの言いつけにより、大規模な魔物の討伐が行われる戦場に足を運ぶことがたびたびあるようになった。
幼子を魔物が押し寄せる戦場に立たせるなど、狂気の沙汰としか言いようがない。実際に同じ戦場に立つ兵士達は、上からの命令とはいえ、実の娘を戦場に行かせるダグラスのことを軽蔑した目で見ていた。一体こんな子供に何が出来ると言うのだ?と。

だが、彼らは驚愕に目を見開くことになる。
平原にて大きな絨毯のように押し寄せてくる魔物の大群が、一瞬にして火だるまになった。ただの一匹も残すことなく、こんがり焼き払われたのだ。


「なんだ・・・?夢でも見ているのか??」


戦場には騎士だけでなく、魔法使いの部隊も存在する。
彼らは一斉に同じ攻撃魔法を使い、魔物達の先陣を吹き飛ばしたり騎士達の露払いを行う。
だが、魔物達全てを薙ぎ払うだけの魔法は使えない。否、そもそも存在を知らない。
小さな少女キアラはその誰もがやってのけないことを、平然とやってのけた。

別の戦場でも同じようにキアラは己の魔法で大人たちを驚愕させた。
時には氷漬け、時には爆発四散、キアラが魔法を使うと、まるで手品のように凶悪な魔物の大群が一瞬で姿を消した。

キアラは英雄と持て囃されるようになる。キアラの名が、ルーベルトの名が称えられたのだ。


「キアラ。私のためだと思って、少し頑張ってくれないか」


幼子に戦場に立てと願うダグラスの姿は傍から見て異常だ。
だがキアラにはそれがわからない。自分の父がそう望むなら、その期待に応えたいとだけ考えていた。
むしろ年相応の娯楽を知らぬキアラにとって、父に連れられて思う存分魔法を使うことの出来る場へ赴くことこそが娯楽・・・微かにだが遣り甲斐のようなものを感じる瞬間であった。

やがて、激戦が予想される大規模な魔物の討伐となると、キアラの姿を見ないことはないと言われるほど彼女は戦場に姿を見せた。
幼子が先陣に立ち、魔法を使って魔物を壊滅させる。その隣には彼女の父親。
人々は当初こその異様な光景に唖然としていたが、やがて慣れてくると何とも思うことはなく。それが当然と考えるようになっていった。

キアラが戦場に立つようになり数か月、秘匿されていたことにより、それまでキアラがそのようなことをしているとは知らなかったルーベルト公はキアラの近況を知って驚愕することになる。
それにより、大きく彼女のその後の環境が変わることになった。
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