国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る

はにわ

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クーデター

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ルーデル辺境伯騎士団・・・通称『黒の騎士団』の副団長ブラホードは、戦闘のセンスも秀逸だったが、穏やかな人柄と高い統率力が人を惹きつけ、騎士団内でも非常に厚い人望を持っていた。

まだ時期辺境伯であったショウの信頼も厚く、いずれは騎士団長・・・誰もがそう思う人材だったブラホードには、実は裏の顔があった。

ブラホードは叛意があったのである。
少しずつ、静かに、ブラホードはそのコミュニケーションを駆使し、何年もかけ、黒の騎士団で自分の信頼できる配下を作っていた。それもこれも時が満ちたときに反逆を起こし、ルーデル領の実権を握るためだ。
クーデターのタイミングにはいくつかのプランがあり、即座にというのあれば、十数年後に・・・というのもあった。

通常ならクーデターを起こしたところで、王家がクーデター政権を認めなければ征討されて終わりなのだが、実は王家とブラホードは繋がっているので、最終的には認められてなぁなぁで終わるという段取りになっているのである。

とはいえ今回はイレギュラー。
王家には事後通達になってしまうなとブラホードは溜め息をつくが、自分が拘束されてしまってはもはや叛意を隠しておく意味がない。だから行動を起こしたのである。

ショウの代わりに当主となったリュートは実に良い傀儡なので、クーデターを起こす必要はないのだが、彼にはあまりに実権が無さ過ぎた。黒の騎士団はもはや大儀無き彼の命令は聞かず、オミトや騎士団長タルカスなど旧辺境伯候補だったショウに近かった人間しか実権を持たない。

今回は、その黒の騎士団を主体としたルーデルのショウ派の人間を一掃するための蜂起だった。
要するに騎士団全体をより自分の都合の良い方向に変革するためのクーデターである。


「まさかこんなことになるとはな・・・」


ブラホードは、万が一のための逃走用に用意しておいた馬で駆けながら呟いた。
オミト達がブラホードを嗅ぎまわっていると知っていたときから、何となくこうなる可能性を考えて急ごしらえながら用意はしていたが、それでも実際に行動を起こしてみるとなんと言えない感覚になった。


「はてさてどうなるか・・・勝率は半々・・・いや、多分もう少しこっちに分があるかな?」


ブラホードは笑みを湛えながら、ある場所まで駆け続けた。
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