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1.ほんの一瞬のふわり
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桜の花びら散る季節。教室のドアが開いて、男の子がふたり入ってくる。
「で、そしたら蛇が出てきてさ、踏みそうになったんだよ!」
朝から元気にそう訴えているのは、学年一のモテ男子(無自覚)、八神 乃希くん。
「ふーん。良かった良かった。」
興味なさげに八神くんの話を右から左に流しているのは、八神くんのお友達の、佐和田 怜くん。もし、これが私を主人公とするおとぎ話なら、王子様は佐和田くんがいいな。そう、お察しの通り、私は佐和田くんが好き。生まれてこのかた男の子にキュンなんてしたことなかった私にとって、佐和田くんは初恋の相手っていうのかな。高校生にもなって、恥ずかしいけどね。
「……イケメン×イケメン来た。」
そう呟いてふんすふんす言ってるのは、私の友達の早乙女 茉琴。普段は爽やかイケメン系女子なんだけど、実は正真正銘の腐女子。
「あ~、だいきくんだぁ。」
そう言って八神くんに軽く手を振ったこの子も、私と茉琴と1年から仲良しの小鳥遊 いのりちゃん。たしか、いのりちゃんと八神くんは幼馴染だったとかなんとか。校内ではあんまり話さないけどね。八神くんガチ勢に見つかったら大変だもんね。ふんわりほわほわしてるいのりちゃんだけど、そういうところは敏感で繊細なんだよね。まぁ、空気の読めない男子、八神くんは普通に話しかけにくるんだけど。
「いのりも2組か!よろしくな!」
「うんうん、よろしく~。」
八神くんの横でシャツをぱたぱたしてる佐和田くんに目を奪われながら、八神くんにニコッとする。
「瑞木さんと早乙女さんもいのりとまた一緒なのか~。よろしくな!」
「うん!」
「よろしく!」
そうそう。言い忘れてたけど、私は瑞木 紗華っていいます。
「あ、仲良し3人隊か。どうも。」
「ど、どうも~。」
き、急に話し出すからびっくりするよ、も~!……目、合っちゃった……。
「今日、暑くない?始業式だってのに、やる気なくなっちゃうよね。」
「そ、そうだね。暑い暑い。」
私が暑いのは佐和田くんのせいだっての!佐和田くんと八神くんは、教室の前の方の席に座った。
バス停でバスを待ってた、夏の暑い日。隣のクラスで、同じ委員会の佐和田怜くんも、同じバス停でバスを待っていた。
「……あー、マジ暑い。委員会、長引き過ぎじゃない?」
「ね~。」
いつも、やる気が無さそうな感じで、正直、好きなタイプではなかった。良いのは顔だけだよねーって。
「瑞木さんってさぁ、なんかスポーツやってんの?」
「あぁ、水泳をちょっとね。」
「あー、ぽいわ。いいね、爽やかで。」
「佐和田くんは?」
「僕はスポーツとかやりそうなタイプじゃないでしょ?あー、まぁ、オセロは好き。部活とかでやるほどでもないけど。」
「へぇ。」
「あ、ちょっと動かないで。」
佐和田くんの細長い指が私の額に伸びる。
「……?」
「ん。取れた。見て、桜みたいなの付いてた。」
「え、今の季節に!?」
「ほら。」
この時、ふわって、ほんの一瞬だけ微笑んだ彼に、心を奪われた。"あ、この人、笑うんだ。"って。
この日から、気が付いたら佐和田くんを目で追ってた。もう一度でいいから、あの笑顔が見たい。
To be continued…
「で、そしたら蛇が出てきてさ、踏みそうになったんだよ!」
朝から元気にそう訴えているのは、学年一のモテ男子(無自覚)、八神 乃希くん。
「ふーん。良かった良かった。」
興味なさげに八神くんの話を右から左に流しているのは、八神くんのお友達の、佐和田 怜くん。もし、これが私を主人公とするおとぎ話なら、王子様は佐和田くんがいいな。そう、お察しの通り、私は佐和田くんが好き。生まれてこのかた男の子にキュンなんてしたことなかった私にとって、佐和田くんは初恋の相手っていうのかな。高校生にもなって、恥ずかしいけどね。
「……イケメン×イケメン来た。」
そう呟いてふんすふんす言ってるのは、私の友達の早乙女 茉琴。普段は爽やかイケメン系女子なんだけど、実は正真正銘の腐女子。
「あ~、だいきくんだぁ。」
そう言って八神くんに軽く手を振ったこの子も、私と茉琴と1年から仲良しの小鳥遊 いのりちゃん。たしか、いのりちゃんと八神くんは幼馴染だったとかなんとか。校内ではあんまり話さないけどね。八神くんガチ勢に見つかったら大変だもんね。ふんわりほわほわしてるいのりちゃんだけど、そういうところは敏感で繊細なんだよね。まぁ、空気の読めない男子、八神くんは普通に話しかけにくるんだけど。
「いのりも2組か!よろしくな!」
「うんうん、よろしく~。」
八神くんの横でシャツをぱたぱたしてる佐和田くんに目を奪われながら、八神くんにニコッとする。
「瑞木さんと早乙女さんもいのりとまた一緒なのか~。よろしくな!」
「うん!」
「よろしく!」
そうそう。言い忘れてたけど、私は瑞木 紗華っていいます。
「あ、仲良し3人隊か。どうも。」
「ど、どうも~。」
き、急に話し出すからびっくりするよ、も~!……目、合っちゃった……。
「今日、暑くない?始業式だってのに、やる気なくなっちゃうよね。」
「そ、そうだね。暑い暑い。」
私が暑いのは佐和田くんのせいだっての!佐和田くんと八神くんは、教室の前の方の席に座った。
バス停でバスを待ってた、夏の暑い日。隣のクラスで、同じ委員会の佐和田怜くんも、同じバス停でバスを待っていた。
「……あー、マジ暑い。委員会、長引き過ぎじゃない?」
「ね~。」
いつも、やる気が無さそうな感じで、正直、好きなタイプではなかった。良いのは顔だけだよねーって。
「瑞木さんってさぁ、なんかスポーツやってんの?」
「あぁ、水泳をちょっとね。」
「あー、ぽいわ。いいね、爽やかで。」
「佐和田くんは?」
「僕はスポーツとかやりそうなタイプじゃないでしょ?あー、まぁ、オセロは好き。部活とかでやるほどでもないけど。」
「へぇ。」
「あ、ちょっと動かないで。」
佐和田くんの細長い指が私の額に伸びる。
「……?」
「ん。取れた。見て、桜みたいなの付いてた。」
「え、今の季節に!?」
「ほら。」
この時、ふわって、ほんの一瞬だけ微笑んだ彼に、心を奪われた。"あ、この人、笑うんだ。"って。
この日から、気が付いたら佐和田くんを目で追ってた。もう一度でいいから、あの笑顔が見たい。
To be continued…
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