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アニドル6『ラブレター交換』
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蓼丸は、一人悩んでいた。撮影が終わったのが二十四時。そこから一人で家に帰る。寂しいなぁ、とかそのようなことはもはや頭にはない。あるのは「麗亜」の文字のみ。「記念パーティーに行きたかったのに、ライブはさすがに休めない……。今の仕事が嫌いなわけでは全然ないけれど、ライブでのファンの歓声と……麗亜ちゃん(厳密に言うと麗亜の声優を務める杉菜遥娘)と過ごす時間……明らかに麗亜ちゃんが勝つ。うぉー!仕事は休めねぇー!」という気持ちがずっと脳を渦巻いていた。やり切れないぜ、と空を見上げたら、星ひとつ見えない、都会の空だった。今じゃ見慣れた、都会の夜空。
えっ!?
星ひとつないはずの明るい夜空に、何かがヒラついた。鳥なのか、はたまた風船とかそういうものの切れ端なのか。蓼丸はその物体をマジマジと見た。明らかにそれは、蓼丸に向かって落ちてきた。落ちてくる。
「え、ど、どうしろって?き、キャッチすればいいの?」
すごい勢いでもなく、ヒラッヒラッヒラッヒラッと蓼丸の広げた手の平の中に舞い落ちてきた。それは、手紙だった。差出人は書いてない。宛先は……「蓼丸賢太郎様」。淡い桃色の封筒には、なんとも可愛い字で蓼丸の名が書かれていた。蓼丸は、その手紙を家に持ち帰った。ゆっくり開けよう、と思ったのだ。
家に帰り、パジャマに着替えた蓼丸は、ベッドに座り、さっきの封筒をそっと開けた。なかには、封筒よりも薄い色の便箋が入っていた。その便箋をそっと取り出し……
蓼丸賢太郎様
初めまして。新島麗亜です。私のこと、ご存知ですか?私は、hoperさんがデビューした頃から、hoperさんの、蓼丸さんの大ファンです。今度のライブに参戦しようと思っていたのですが、あいにくその日はごぉですのイベントのため、行けません。どうか、この気持ちだけ、受け取ってください。
新島麗亜
「嘘だろっ!?」
思わずでかい声を出してしまった。それもそのはず。手紙の差出人は、「新島麗亜」だ!!驚かぬはずがない。「いや、待てよ。いくらなんでもそれはありえない。誰かのいたずらか?にしては……。俺が麗亜ちゃんが好きだということを知っている人物の犯行か?いや、それも違う。唯一知っているhoperのメンバーとはずっと一緒にいたし、この多忙の中、書いたということはないだろう。となれば答えはひとつ……新島麗亜ちゃん本人からの手紙。」などといろいろ考えた蓼丸は、とりあえず返事を書くことにした。
新島麗亜様
お手紙ありがとうございます。実は僕もそのことでちょうど困っていました。僕は、アニメが始まった頃から「☆ごぉです☆」が大好きです。そして、麗亜さんのことが大好きです。なので、イベントに行けなくて残念です。とても残念です。代わりとして、ここに僕の電話番号を記載しておくので、お暇なときに電話をかけてください。メールでもオッケーです。長々とすみません。
○△○-□△○□-??■□
蓼丸賢太郎
書いてから蓼丸は思った。「これどうやって届けよう。風に乗せたらいいのかなぁ……。」蓼丸はベランダに出た。ちょうどその時大きな風が吹いた。
あっ
蓼丸が書いた手紙は、そのまま風に飲まれて夜空に消えていった。
次の日の仕事はクイズ番組の収録で、その後は雑誌の取材。今日も多忙なhoperである。クイズ番組では、高学歴である蓼丸と淳田が活躍し、見事hoperチームが勝利。蓼丸はお掃除ロボットを獲得した。その後、マネージャーが運転する車で急いで移動。雑誌の取材に応じた。今日のお題は「最近うれしかったこと」だった。蓼丸は、麗亜のことを言ってしまいたくて仕方がなかったが、恭兄さんの視線が怖いので、言うのはもちろん控えた。雑誌の取材が終われば、後はフリーだ。
「今日も大忙しだったな。」
「昨日よりゃマシだよ。まだ十六時だぜ!?」
「だな!」
蓼丸は、今から桜小路と一緒に桜小路の彼女(一般人)の誕生日プレゼントを買いに行くのだ。取材のスタジオがあるビルの三階にいい感じのアクセサリー店がある。二人はそこに向かった。
「賢ちゃんは彼女とか出来ないの?」
「んー、麗亜ちゃんを超える子が現れたらそれはもう好きになるほかないよ。」
「やっぱり麗亜ちゃんか。」
「そんな残念そうな顔するなよ。」
「いや、正直麗亜ちゃんは可愛いと思うよ。」
「だろだろ!!」
「え、じゃあ賢ちゃんの部屋の中は麗亜ちゃんのポスターとかがいっぱい貼ってあるの?」
「突然のドッキリとかそういうの用にこの間全部剥がした。」
「んー、そっか。まぁ、賢ちゃんのイメージと麗亜ちゃんねぇ……おかしくもないと俺は思うけど。ハハ。」
「いやー、自分でもテレビでの印象に麗亜ちゃんはやめたほうがいいと思うわ。」
桜小路は、まん丸でピカピカの真珠のイヤリングを光に当てたりしながら、蓼丸と麗亜について真剣に語っていた。桜小路にしてみれば、蓼丸が麗亜が好きという事実が意外でならないのだ。と……
トゥルルルルルトゥルルルルル
蓼丸の携帯が鳴った。
アニドル7『Let'sチャッティング!』へ続く!
えっ!?
星ひとつないはずの明るい夜空に、何かがヒラついた。鳥なのか、はたまた風船とかそういうものの切れ端なのか。蓼丸はその物体をマジマジと見た。明らかにそれは、蓼丸に向かって落ちてきた。落ちてくる。
「え、ど、どうしろって?き、キャッチすればいいの?」
すごい勢いでもなく、ヒラッヒラッヒラッヒラッと蓼丸の広げた手の平の中に舞い落ちてきた。それは、手紙だった。差出人は書いてない。宛先は……「蓼丸賢太郎様」。淡い桃色の封筒には、なんとも可愛い字で蓼丸の名が書かれていた。蓼丸は、その手紙を家に持ち帰った。ゆっくり開けよう、と思ったのだ。
家に帰り、パジャマに着替えた蓼丸は、ベッドに座り、さっきの封筒をそっと開けた。なかには、封筒よりも薄い色の便箋が入っていた。その便箋をそっと取り出し……
蓼丸賢太郎様
初めまして。新島麗亜です。私のこと、ご存知ですか?私は、hoperさんがデビューした頃から、hoperさんの、蓼丸さんの大ファンです。今度のライブに参戦しようと思っていたのですが、あいにくその日はごぉですのイベントのため、行けません。どうか、この気持ちだけ、受け取ってください。
新島麗亜
「嘘だろっ!?」
思わずでかい声を出してしまった。それもそのはず。手紙の差出人は、「新島麗亜」だ!!驚かぬはずがない。「いや、待てよ。いくらなんでもそれはありえない。誰かのいたずらか?にしては……。俺が麗亜ちゃんが好きだということを知っている人物の犯行か?いや、それも違う。唯一知っているhoperのメンバーとはずっと一緒にいたし、この多忙の中、書いたということはないだろう。となれば答えはひとつ……新島麗亜ちゃん本人からの手紙。」などといろいろ考えた蓼丸は、とりあえず返事を書くことにした。
新島麗亜様
お手紙ありがとうございます。実は僕もそのことでちょうど困っていました。僕は、アニメが始まった頃から「☆ごぉです☆」が大好きです。そして、麗亜さんのことが大好きです。なので、イベントに行けなくて残念です。とても残念です。代わりとして、ここに僕の電話番号を記載しておくので、お暇なときに電話をかけてください。メールでもオッケーです。長々とすみません。
○△○-□△○□-??■□
蓼丸賢太郎
書いてから蓼丸は思った。「これどうやって届けよう。風に乗せたらいいのかなぁ……。」蓼丸はベランダに出た。ちょうどその時大きな風が吹いた。
あっ
蓼丸が書いた手紙は、そのまま風に飲まれて夜空に消えていった。
次の日の仕事はクイズ番組の収録で、その後は雑誌の取材。今日も多忙なhoperである。クイズ番組では、高学歴である蓼丸と淳田が活躍し、見事hoperチームが勝利。蓼丸はお掃除ロボットを獲得した。その後、マネージャーが運転する車で急いで移動。雑誌の取材に応じた。今日のお題は「最近うれしかったこと」だった。蓼丸は、麗亜のことを言ってしまいたくて仕方がなかったが、恭兄さんの視線が怖いので、言うのはもちろん控えた。雑誌の取材が終われば、後はフリーだ。
「今日も大忙しだったな。」
「昨日よりゃマシだよ。まだ十六時だぜ!?」
「だな!」
蓼丸は、今から桜小路と一緒に桜小路の彼女(一般人)の誕生日プレゼントを買いに行くのだ。取材のスタジオがあるビルの三階にいい感じのアクセサリー店がある。二人はそこに向かった。
「賢ちゃんは彼女とか出来ないの?」
「んー、麗亜ちゃんを超える子が現れたらそれはもう好きになるほかないよ。」
「やっぱり麗亜ちゃんか。」
「そんな残念そうな顔するなよ。」
「いや、正直麗亜ちゃんは可愛いと思うよ。」
「だろだろ!!」
「え、じゃあ賢ちゃんの部屋の中は麗亜ちゃんのポスターとかがいっぱい貼ってあるの?」
「突然のドッキリとかそういうの用にこの間全部剥がした。」
「んー、そっか。まぁ、賢ちゃんのイメージと麗亜ちゃんねぇ……おかしくもないと俺は思うけど。ハハ。」
「いやー、自分でもテレビでの印象に麗亜ちゃんはやめたほうがいいと思うわ。」
桜小路は、まん丸でピカピカの真珠のイヤリングを光に当てたりしながら、蓼丸と麗亜について真剣に語っていた。桜小路にしてみれば、蓼丸が麗亜が好きという事実が意外でならないのだ。と……
トゥルルルルルトゥルルルルル
蓼丸の携帯が鳴った。
アニドル7『Let'sチャッティング!』へ続く!
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