戦隊ヒロイン16

うかかなむらる

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Marron's Day

第120話

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 間もなく日付が変わる、夜も深い時刻。今日も俺とマロンは2人で夜な夜な飲んでいる。でも俺は、密かにそわそわしていた。日付が変わったら、俺は……。
「……はぁ。」
にしても、マロンは最近ため息が多い。
「……はぁ~……。」
「ま、マロン。なんでそんなため息ばっかりついてんだよ。」
「……そんなにため息ばっか?」
「うん。」
いつも酔ったらネガティブ吠えガールになるのに、今日はネガティブ垂れ尾ガールだ。
「……代わり映えしない日々の繰り返し。なんか、怖くなっちゃって。」
「怖いのか。」
「うん。……ケンカーズ4の時みたい。本当の目的も知らないまま、ただ自分の居場所のために街を荒らす。でも結局は、何度戦っても勝てない。まるで、勝つことを目的としていないみたいに。朝から寝るまで、同じことの繰り返し。それがふと、崩れてしまうんじゃないかって……あいたんとあなたが引き金を引いた時、 私は心のどこかで、ちょっとだけ嬉しかった。いつもと違うことが。何かが起ころうとしていることが。変化のないものの繰り返しには、私は向いてないのよ。……画家をしてると、生活リズムは定まらないし、同じ絵を何度も書くことなんて無いし、心地いいのよ。」
マロンはそう言って物げに俯いた。今日が特別だってこと、覚えてないのかな。
「なぁ、きぃちゃんは楽しくなかったの。」
「え?」
「ケンカーズ4の時、俺は楽しかったよ。家族みたいに一緒の建物に暮らしてさ、色んな行動を共にして。」
「……楽しかったよ。みんなのことは好き。」
「じゃあ、それを見ればいいじゃん。今だって、楽しいことはたくさんあるじゃん。」
「……まぁ。でも、いつまで続くの?いつか終わるんだよ。」
「はい、おわり。」
「えっ。」
「マロン、ちょっと待ってて。」
「ご、ごめん、面白くないよね、そんな話。」
「あっ、いや、そういう意味じゃなくて。」
俺は慌てて寝室に行った。自分のかばんの中から、小さな箱を取り出す。それを持ってリビングに戻ると、マロンは新しいシャンパンを開けていた。時計の針は、0:03を指し示す。
「マロン。」
虚ろな瞳で俺を見上げている。俺はマロンの目の前に座った。
「9月9日だよ。」
「……?」
「マロン、誕生日おめでとう。」
マロンはハッとした顔をした。俺は、背中の後ろから箱を出した。
「俺と、付き合ってください。」
箱を差し出し、頭を下げる。鼓動が不規則に暴れ出す。騒がしい静寂が、俺の家に充満した。


○本日の出演キャラ
・阿部ライチ
・菊池マロン



To be continued…
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