戦隊ヒロイン16

うかかなむらる

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僕が守るね

第125話

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 昼食前最後の競技。台風の目。冬音ちゃんはまた出る。でも、もう限界っぽい。誰も気づいてないけど、ふらふらしてる。誰か気づけよって思う。いや、思わない。変なの。僕は黙って台風の目の編成所に向かった。冬音ちゃんのチームは最後尾に並んでいる。立ってるけど、頭のあたりが不安定に揺れてる。僕は近づいた。
「冬音ちゃん。」
「た、武雪くん。どしたの?」
「きついね。」
冬音ちゃんは斜め下を見ながら気まずそうに頷いた。
「そりゃそうだよ。さすがに出すぎだもん。クラスに文句言いなよ。」
「い、いいよ。楽しいし。」
冬音ちゃんはそう言いつつも、しゃがみ込んでしまった。
「あっ、だ、大丈夫?」
僕もしゃがむ。
「……だめだぁ。もう立てないかもぉ。」
「み、水飲み行こ。」
「行きたいけどね……ちょっときついかも……。」
僕は冬音ちゃんを抱きかかえた。
「っ……!」
冬音ちゃんの頭を自分の肩にもたれさせる。
「じっとしてて。保健室まで連れて行くから。」
「……でも、台風の目。」
「いいよ。チーム競技じゃん。大丈夫。冬音ちゃんの分までみんな頑張ってくれる。」
「うん……は、ぁ……。」
僕は保健室に向かって歩き出した。
「見てぇ……手、震えてる~……。」
冬音ちゃんはへらへらと僕に自分の震える手を僕に見せた。
「見てぇ、じゃないよ。なんで無理すんの。」
「……怒らないでよ……。」
冬音ちゃんは僕の体育服をきゅっと握った。
「だってねぇ……みんな、冬音ちゃん速いねぇって、褒めてくれるんだもの……嬉しくてね、頑張っちゃうのよ……?だめ?……冬音の運動会にはパパが来ないんだもん。その分、他の人に、見てほしいんだもん……。」
「分かってるよそんなの。……分かってるよ。」
保健室のドアを開ける。
「先生、経口補水液ありますか?」
「熱中症?」
「っぽいですかね。」
冬音ちゃんをベッドに寝かせる。冬音ちゃんは僕の体育服を離さない。
「たけゆきく~ん。」
「ちょっと離して。」
冬音ちゃんは僕の手をぶっ叩いた。
「えっ。い、痛いよ。」
「喉乾いた、早く、なんか飲む。飲む。」
先生が慌てて冬音ちゃんに飲み物を飲ませる。飲み終えた冬音ちゃんは虚ろな瞳で僕を見上げた。
「中村くんありがとう。戻っていいよ。」
「あっ、はい。じゃあ冬音ちゃん。ちゃんと休んでね。」
「……ばいばーい。」
僕は保健室を出た。でも、なかなか前に進めない。弱っている冬音ちゃんが、いつもの何倍も可愛く見えた。おかしい。そんなの。最悪だ。不意に、保健室のドアが開いた。
「あっ、中村くん。ちょっと。」
保健室の先生に、連れ戻される。
「う、うっ……。」


○本日の出演キャラ
・中村武雪
・中村冬音
・保健室の先生



To be continued…
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