戦隊ヒロイン16

うかかなむらる

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屈託のない笑顔と無邪気なキラキラの心

第130話

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 月の綺麗な夜。偶然、公園で出逢った青年は、不意にこう呟いた。
「……月に行けば、幸せかなぁなんて、思ったりして。」
どこか切なげで、縋るような声にハッとした。その時。

ぐぅ~~

「……!?」
お腹の虫の音?
「お腹空いてるの?」
「はい……」
「夜ごはんは?」
「食べてないです。なんか、タイミング逃しちゃって。」
「そうなの?実は、私もまだ夜ごはん食べてないんだよね。」
一緒に食べる?いいのかな……だいぶ年下とはいえ、相手は男の人。そんな安易に……。しかし、彼の"ごはん一緒に食べたい"みたいな期待のまなざしに、いとも簡単に折れた。
「一緒に食べる?」
「いいんですか?」
「うん、いいよ。」
その子は、お財布をポケットから取り出して、中身を確認した。
「割り勘でお願いします。」
「もちろんだよ。」
なんだか、ちゃっかりしてるなぁ。見た目とのギャップ。
「何食べたい?」
「なんでもいいですよ。」
「うーん。すぐにお腹にたまる美味しいものって言ったら、お好み焼きかなぁ。このあたりに、美味しいお店があるんだよ。」
「そうなんですか。」
「うん。そこにしよっか?」
「はい。」
「お好み焼き好き?」
「はい。満月みたいなので。」
「ちょっと言うと思った。」
私たちは、私がときどき行っている、お好み焼き屋さんに向かった。美味しいのよ!

 お好み焼きを食べている最中も、ずっとお月様とお星様の面白いお話を私にしてくれた。きっとこの子は、誰かに話を聞いて欲しかったのかな、みたいな、先生みたいなことを思ったり、笑顔が素敵だな、みたいな、乙女みたいなことを思ったりした。実は今日、誕生日なんだ、と告げたら、満開の笑顔でお祝いしてくれた。"か、かわいい……!?"っていうのが、私の率直な感想。しかし彼は、なかなかなだった。

 お好み焼き屋さんを出る。11時すぎ。
「ありがとうございました。」
「こちらこそ。」
「あの……また俺の話を聞いてくれませんか?」
「うん、いいよ。」
嬉しそうに瞳を輝かせる。
「あ、お名前は?」
「そ……宙良そらです。吉野よしの、宙良。」
「あら、っふふ。」
思わず笑ってしまった。
「私、山本 佳柿野っていうの。」
「あ!"よしの"なかまですね!」
「うん!それじゃあね。」
「はい。また!」
私たちは、手を振って別れた。屈託のない笑顔と、無邪気なキラキラの心。でもその傍らには大きなビールジョッキが。そのアンバランスさに、なぜか少しだけ惹かれてしまった。あ、フラグ回収じゃないのよ?ただ単に、面白いなって。見ていたいなって。なんだか、久々に特別な誕生日になったなぁ。胸が何か正体不明の幸福感に満たされている感覚。またひとつ新しくなった山本先生は、明日からもっと頑張れそうです。またいつか、彼に会う時を楽しみに。


○本日の出演キャラ
・山本 佳柿野
吉野よしの 宙良そら



To be continued…
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