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屈託のない笑顔と無邪気なキラキラの心
第129話
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職員室。
「山本先生、なんですかそれは?」
さっき貰ったメッセージの色紙を眺めていたら、隣の先生に尋ねられた。
「クラスのみんなに貰ったんです。私、今日が誕生日で。」
「そうなんですか!おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「6-1は本当に心優しいクラスになっていますよねぇ。」
「そうみたいで、嬉しいです。」
色紙に書いてあるメッセージは、みんな似たり寄ったりで、さして語彙力が高いわけではない。それでもその、飾り気のない嘘偽りのない言葉のひとつひとつが、私の心を温めて溶かす。
ところで、25歳になったわけですが、私は未だに"彼氏"がおりません。ものすごくものすごく欲しいってわけではないんだけど、いつかは誰かと結婚したいと思ってるから、そろそろ見つけたい。でもさすがに、職場内恋愛は無いかなぁ。歳の近い男の先生って少ないし、歳は近くても、もう既に結婚してたりするし。誰か居ないかなぁ……。と、フラグを立ててみたりする。
夜10時。仕事が終わり、明日の授業の準備も済ませ、帰路に着く。帰りにケーキ買おうと思ってたけど、こんな時間に空いてるのはコンビニくらいかな。まぁ、コンビニのケーキもじゅうぶん美味しいし、私は満足です。最寄りのコンビニに入店した。ショートケーキとチョコレートケーキとモンブランが売っている。それからこの時期は、ハロウィンをモチーフにしたスイーツも売っている。かわいい~!どれにしよっかなぁ~。
コンビニを出て、公園を通って家に帰る。コンビニに寄ることはあまり無いけど、寄ったらここの公園を通りたくなる。なぜかって、この公園は、明乃ちゃんと夏湖ちゃんが初めて変身した場所だから。懐かしいね。楽しかったなぁ。もう社会人だった私だけど、立派な青春の思い出になっている。と、公園のベンチに腰掛けて天を仰いでいる少年が目に入った。教員の血が騒ぐ。指導の対象か……?私はいつの間にか、その少年に近づいて、声をかけていた。
「こんな時間に、ひとりで何してるの?」
近づいてみても、やっぱり高校生か、中学生くらいに見えた。
「月を見てます。綺麗じゃないですか?」
見た目よりだいぶしっかりした話し方で、そう答えた。
「月?」
見上げてみると、たしかに、ほぼまんまるのお月様が煌々と夜空という大舞台で輝いていた。
「たしかに綺麗ね……」
と思わず見惚れてしまった。
「あっ、ここ座ります?」
さらっと隣に座るよう促され、なぜか素直に座ってしまった。
「あなたは、何年生?」
「俺ですか?大学生ですよ。大学2年です。よく声かけられてるんです。童顔なんで。」
「……えっ、だ、大学生!?」
「はい。」
大学生は守備範囲外だ!よくよく見るけど、いやがうえにも大学生には見えない。
「あなたは学校の先生ですか?残念ながら、俺を補導することは出来ませんね。」
「……ま、まぁ。」
「若いですよね。まだ新人の先生ですか?」
「うん。まだ3年目かな。」
「ふーん。楽しいですか?」
「うん。楽しいよ。」
会話はそれでおしまい。彼は再び空を眺め始めた。ただひたすらじっと、月を見つめているだけ。
「……楽しいの?」
「はい。月が好きなんです。あの色と、フォルムが。」
そう言われて見つめてみるけど、月は月だ。美しいことに変わりはないけれど、ずっと見ているのは流石に飽きてしまう。
「……月に行けば、幸せかなぁなんて、思ったりして。」
ふと、彼はそう呟いた。どこか切なげで、縋るような声にハッとした。
○本日の出演キャラ
・山本 佳柿野
・童顔大学生
・隣の先生
To be continued…#
「山本先生、なんですかそれは?」
さっき貰ったメッセージの色紙を眺めていたら、隣の先生に尋ねられた。
「クラスのみんなに貰ったんです。私、今日が誕生日で。」
「そうなんですか!おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「6-1は本当に心優しいクラスになっていますよねぇ。」
「そうみたいで、嬉しいです。」
色紙に書いてあるメッセージは、みんな似たり寄ったりで、さして語彙力が高いわけではない。それでもその、飾り気のない嘘偽りのない言葉のひとつひとつが、私の心を温めて溶かす。
ところで、25歳になったわけですが、私は未だに"彼氏"がおりません。ものすごくものすごく欲しいってわけではないんだけど、いつかは誰かと結婚したいと思ってるから、そろそろ見つけたい。でもさすがに、職場内恋愛は無いかなぁ。歳の近い男の先生って少ないし、歳は近くても、もう既に結婚してたりするし。誰か居ないかなぁ……。と、フラグを立ててみたりする。
夜10時。仕事が終わり、明日の授業の準備も済ませ、帰路に着く。帰りにケーキ買おうと思ってたけど、こんな時間に空いてるのはコンビニくらいかな。まぁ、コンビニのケーキもじゅうぶん美味しいし、私は満足です。最寄りのコンビニに入店した。ショートケーキとチョコレートケーキとモンブランが売っている。それからこの時期は、ハロウィンをモチーフにしたスイーツも売っている。かわいい~!どれにしよっかなぁ~。
コンビニを出て、公園を通って家に帰る。コンビニに寄ることはあまり無いけど、寄ったらここの公園を通りたくなる。なぜかって、この公園は、明乃ちゃんと夏湖ちゃんが初めて変身した場所だから。懐かしいね。楽しかったなぁ。もう社会人だった私だけど、立派な青春の思い出になっている。と、公園のベンチに腰掛けて天を仰いでいる少年が目に入った。教員の血が騒ぐ。指導の対象か……?私はいつの間にか、その少年に近づいて、声をかけていた。
「こんな時間に、ひとりで何してるの?」
近づいてみても、やっぱり高校生か、中学生くらいに見えた。
「月を見てます。綺麗じゃないですか?」
見た目よりだいぶしっかりした話し方で、そう答えた。
「月?」
見上げてみると、たしかに、ほぼまんまるのお月様が煌々と夜空という大舞台で輝いていた。
「たしかに綺麗ね……」
と思わず見惚れてしまった。
「あっ、ここ座ります?」
さらっと隣に座るよう促され、なぜか素直に座ってしまった。
「あなたは、何年生?」
「俺ですか?大学生ですよ。大学2年です。よく声かけられてるんです。童顔なんで。」
「……えっ、だ、大学生!?」
「はい。」
大学生は守備範囲外だ!よくよく見るけど、いやがうえにも大学生には見えない。
「あなたは学校の先生ですか?残念ながら、俺を補導することは出来ませんね。」
「……ま、まぁ。」
「若いですよね。まだ新人の先生ですか?」
「うん。まだ3年目かな。」
「ふーん。楽しいですか?」
「うん。楽しいよ。」
会話はそれでおしまい。彼は再び空を眺め始めた。ただひたすらじっと、月を見つめているだけ。
「……楽しいの?」
「はい。月が好きなんです。あの色と、フォルムが。」
そう言われて見つめてみるけど、月は月だ。美しいことに変わりはないけれど、ずっと見ているのは流石に飽きてしまう。
「……月に行けば、幸せかなぁなんて、思ったりして。」
ふと、彼はそう呟いた。どこか切なげで、縋るような声にハッとした。
○本日の出演キャラ
・山本 佳柿野
・童顔大学生
・隣の先生
To be continued…#
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