戦隊ヒロイン16

うかかなむらる

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Springor

第90話

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 朝。出勤。白衣を身にまとい、元気に挨拶。
ロ「おはようご……あれ、小野寺さんだけですか?」
小「はい。今日は佐々木先生が二番乗りです。」
小野寺さんが微笑む。私は笑った。
ロ「なんだ。」
小「なんだとはなんだね。」
ロ「いや、気を張る必要が無かったなぁって思って。来週?くらいには新しい薬剤師さんが来るって話だったし。」
小「そうらしいね。美杷という優秀な人材が居ながら、新人くんを採用するなんて。」
ロ「何言ってんの。」
私は、笑ってまことさんの隣に座った。
ロ「ねぇ。」
小「ん?」
ロ「たまには……こうして2人の時間を過ごしたい。」
小「うん。僕もだよ。」
私が肩にもたれると、慎さんは私の頭を撫でた。
ロ「……慎さん。」
小「うん?」
ロ「……。」
いつまで、このままなのだろうか。

 慎さんは、私が働く薬局の事務さん。正直なことを言うと、私たちは付き合っていない。夫婦、とかでもない。現段階では少し距離の近い職場仲間止まりだ。いや、そんな事はないと思うんだけど。6年も一緒に働いてるし。私は、慎さんの事が好きだ。慎さんが私のことを好きなのか分からないけど、嫌いなのにあんな風にするはずないと思う。多分……。でも、私から「付き合ってください」を言うのは、なんか違う。これまで言われ続けた事への要らないプライドが、でしゃばってくる。

 そもそも、私たちの距離が急激に近づいたのは、慎さんのおかげなのだ。

 雨が酷い夜だった。恐怖で震える私に、そっと傘を差し出したのは、慎さんだった。
 3年前のその夜、仕事の後、一人でラーメンを食べに行った。その、帰り道。まだ妖精として人間界で暮らしていた頃に、私のことをナンパした連中と偶然、街で鉢合わせた。
「あれ?もしかしてあの時のおねえちゃん?」
「……誰ですか。」
「ほらその冷たい感じ、絶対にあの時のおねえちゃんだよ!」
「ほんとだな!」
「こんなにカワイイ、そう居ませんもんね!」
キモい男が3人。
「今夜こそ遊ぼうぜ~。」
「こんな夜に一人で歩いてたら、危ないよ~?」
「……。」
「お、生意気な目だねぇ。好きだよ、その反抗的な感じ。」
囲まれた。逃げるタイミングを見失った。3対1。何においても勝てるはずがない。でも、大人しく着いて行くのは酷く不愉快だし、何より危なすぎる。
「おねえちゃん。お酒好き?」
私は腕を掴まれた。その腕を、慌てて振り払った。
「触らないでください。警察呼びますよ。」
震える手で、携帯を握りしめる。手汗で滑り落ちそうだった。
「……警察?」
「その響きは好きじゃないね。」


○本日の出演キャラ
・佐々木美杷(25)
小野寺おのでら まこと(31)
・チャラ男1
・チャラ男2
・チャラ男3



To be continued…
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