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Autumnor
第95話
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○本日の出演キャラ
・高畑翼(19)
・田中賢大(19)
僕は、すごく寂しかった。そばに居ないことが、何ヶ月も会えないことが、こんなに辛いなんて思ってなかった。想い出で気を紛らわす日々。近くにない温もりを無理に感じようとしては虚しくなる。会いたい、触れたい。ただそれだけなのに、なぜ叶わないんだろう。
でも、今日は違う。ただ、そこに居るだけなのに、なんでこんなに幸せになれるんだろう。僕は床に座ると、翼のお腹を枕にして眠った。翼の呼吸に合わせて頭が上下するから、あまりよく眠れなかったけど。
目を覚ますと、見慣れない家。見慣れた横顔。ここに来るのは、4回目だっけ?君と眠るのは、何度目だろう。僕はひとりぼっちですごく寂しかったけれど、日常から僕だけが消えた君は、もっと寂しかったんじゃないかな。ごめんね。僕は、2日後にはまた消えるよ。頑張れる……?僕が頬を撫でると、賢大が目覚めた。
「お腹、苦しい。」
「あっ、ごめん。」
「……冗談だよ。」
賢大は、僕のお腹をくんくんした。
「翼の匂いがする?」
「うん、する。」
「……賢大。」
「ん?」
「多分今から、お腹鳴る。」
「じゃあ、聞いとく。」
「えぇ、やめてよ恥ずかしい。」
とか言ってるうちに、お腹の虫はぐぅと言った。
「あ、鳴った。」
「えー、聞こえなかった。」
「いいよ聞こえなくて。」
賢大が起き上がり、お腹への圧が無くなる。賢大は、僕が伸ばした腕を引っ張って起こすと、どこかへ歩き出した。
「そういえば、また人間界が狙われてるんだって。」
「新割者会に?」
「ううん。また新しい所。名前なんだったっけなぁ……。」
なんだっけなんだっけと言っている賢大を、後ろから抱きしめた。
「っ……つ、翼?」
「……僕に会いたかった?」
「えっ、うん……。」
「僕はね、賢大にずっと会いたかった……。」
「……き、今日はどこにも行かなくていい?」
「ずっとここに居る。」
賢大とふたりで。
「じゃあ、朝ごはんどうする?」
「朝ごはん……食べたいものは、すぐそこにあるけど。」
昨日まではひとりぼっち。今日はふたりぼっち。1人増えただけなのに、こんなに空が綺麗になるは、どうしてだろう。昔は当たり前みたいにふたりで居たのに、それが、特別で大切な時間になるなんて。もう帰りたくないと思わせて、僕の心を奪って、その笑顔に、僕はまた元気になる。
「あれ、茹でだこみたいになってる。」
「っ、だ、だって、ひ、久しぶりだから、びっくりする!」
「ごめんごめん。今日も柔らかくておいしかったよ。」
賢大を抱きしめる。
「かっ、彼氏ヅラすんなし!」
「え?だって僕、彼氏だし。」
賢大の嬉しそうな笑い声が、僕の胸に吸い込まれた。
To be continued…
・高畑翼(19)
・田中賢大(19)
僕は、すごく寂しかった。そばに居ないことが、何ヶ月も会えないことが、こんなに辛いなんて思ってなかった。想い出で気を紛らわす日々。近くにない温もりを無理に感じようとしては虚しくなる。会いたい、触れたい。ただそれだけなのに、なぜ叶わないんだろう。
でも、今日は違う。ただ、そこに居るだけなのに、なんでこんなに幸せになれるんだろう。僕は床に座ると、翼のお腹を枕にして眠った。翼の呼吸に合わせて頭が上下するから、あまりよく眠れなかったけど。
目を覚ますと、見慣れない家。見慣れた横顔。ここに来るのは、4回目だっけ?君と眠るのは、何度目だろう。僕はひとりぼっちですごく寂しかったけれど、日常から僕だけが消えた君は、もっと寂しかったんじゃないかな。ごめんね。僕は、2日後にはまた消えるよ。頑張れる……?僕が頬を撫でると、賢大が目覚めた。
「お腹、苦しい。」
「あっ、ごめん。」
「……冗談だよ。」
賢大は、僕のお腹をくんくんした。
「翼の匂いがする?」
「うん、する。」
「……賢大。」
「ん?」
「多分今から、お腹鳴る。」
「じゃあ、聞いとく。」
「えぇ、やめてよ恥ずかしい。」
とか言ってるうちに、お腹の虫はぐぅと言った。
「あ、鳴った。」
「えー、聞こえなかった。」
「いいよ聞こえなくて。」
賢大が起き上がり、お腹への圧が無くなる。賢大は、僕が伸ばした腕を引っ張って起こすと、どこかへ歩き出した。
「そういえば、また人間界が狙われてるんだって。」
「新割者会に?」
「ううん。また新しい所。名前なんだったっけなぁ……。」
なんだっけなんだっけと言っている賢大を、後ろから抱きしめた。
「っ……つ、翼?」
「……僕に会いたかった?」
「えっ、うん……。」
「僕はね、賢大にずっと会いたかった……。」
「……き、今日はどこにも行かなくていい?」
「ずっとここに居る。」
賢大とふたりで。
「じゃあ、朝ごはんどうする?」
「朝ごはん……食べたいものは、すぐそこにあるけど。」
昨日まではひとりぼっち。今日はふたりぼっち。1人増えただけなのに、こんなに空が綺麗になるは、どうしてだろう。昔は当たり前みたいにふたりで居たのに、それが、特別で大切な時間になるなんて。もう帰りたくないと思わせて、僕の心を奪って、その笑顔に、僕はまた元気になる。
「あれ、茹でだこみたいになってる。」
「っ、だ、だって、ひ、久しぶりだから、びっくりする!」
「ごめんごめん。今日も柔らかくておいしかったよ。」
賢大を抱きしめる。
「かっ、彼氏ヅラすんなし!」
「え?だって僕、彼氏だし。」
賢大の嬉しそうな笑い声が、僕の胸に吸い込まれた。
To be continued…
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