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もしも桃から生まれたら

グループC

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~キャスト~
桃太郎役:伊藤 苺子まいこ
戦隊ヒロイン16所属。しっかりしているようで意外と適当。

イヌ役:高橋 はじめ
戦隊ヒロイン16所属。かなり適当。

サル役:渡辺 蜜樹みつき
戦隊ヒロイン16所属。どうにかなるでしょ系男子。

キジ役:渡辺 梨子りこ
戦隊ヒロイン16所属。グループC初のちゃんとした人。

爺役: 伊藤 桜太郎おうたろう
戦隊ヒロイン16所属。敬語キャラ。

婆役: 柏木 苺花まいか
戦隊ヒロイン16所属。ふわふわ系女子。

鬼役:菊池 マロン。
戦隊ヒロイン16所属。妖精。メス。元コミュ障の画家。

村人役:瀬戸口 泉歌せんか
瀬戸口家のペットは人外生物のすーちゃん所属。通称、幸せになりたい妖精。


むかしむかしあるところに、桜太郎おじいさんと苺花おばあさんがいました。毎朝9時きっかりに、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけます。
 おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな苺がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。
苺花「えぇー!何これー!?」
慌てて拾い上げると、洗濯物をさっさと済ませ、家に持ち帰りました。
 しばらくするとおじいさんも帰宅したので、苺を切ってみることにしました。
桜「ずいぶんと大きな苺ですね。突然変異でしょうか。」
苺花「うーん……切ってみるね。」
包丁を入れて、ザクザクと切っていきます。まっぷたつに割ると、赤ん坊が片方の苺の中でビクビクとこちらを見ています。
苺花「……!?」
桜「あ、危うく殺人するところでしたね。」
苺花「怖っ……。」
2人は、赤ん坊を育てることにしました。
 赤ん坊は苺から生まれたので苺子と名付けられてすくすくと育ち、とても元気な女の子に育ちました。ある日、村に住む泉歌が苺子のもとにやってきました。
泉「助けてください!鬼が現れて苺子さんを出すまでは物を盗み続けると言っているんです!」
苺子「え、ほんと!?ヤバイじゃん。……分かった!」
こうして、苺子は鬼ヶ島に行くことになりました。
苺花「これ、疲れたら食べてね。気をつけるんだよ!」
おばあさんが、素敵なお弁当を作ってくれました。
 しばらく歩くと、イヌとサルがなにやらもめています。
萄「いやいやいやそれはない!」
蜜「あるよ!どう考えてもおかしいでしょ!僕がサルで萄がイヌなんて!」
萄「何もおかしくないだろ!」
蜜「いや、おかしい!グループBもそういう"仲良し2人集めてみました"みたいなキャスティングなんだよ!絶対、作者の陰謀だよ!」
萄「キャスティングは公正なくじ引きだって言ってるだろ!」
蜜「ぜっったいに嘘!」
萄「いや、くじ引きだって証拠はある!なんてったってあの苺子が主役だ!」
蜜「うん……それはたしかにね。」
苺「失礼の極み!!」
萄「い、いつからそこに!?」
苺「さっき。そんなに言うなら、あたしが主役に相応ふさわしいところを見せてあげるんだから!ついてきなさい!」
 さらにしばらく行くと、蜜樹の妻とすれ違いました。
梨「あら、みっくん!こんなところで何してるの?」
蜜「散歩~。」
苺「聞いてよ梨子ちゃん!彼らが私は主役にふさわしくないなんて言うのよ!」
梨「なんて失礼な!」
苺「そうでしょ?だから今から証明するところ。」
梨「それは、かなり興味ありますね……私も行っていいですか?」
蜜「行こう行こう!」
こうして、苺子には3人のおとも(?)がつきました。
 鬼ヶ島には、村の物と大量のキャンバスが散乱していました。
苺「うお、なんじゃこりゃ。」
萄「ゴミ屋敷じゃん。」
蜜「片付けたいね。」
梨「さすが綺麗好きみっくん。」
蜜「へへへ。」
突如、鬼が姿を現しました。
マ「待ってましたよ、先輩。」
苺「……ま、マロンちゃん!?」
萄「フーイズシー(彼女は誰ですか)。」
蜜「アイドンノー(わたしは知りません)。」
梨「苺子先輩の高校の後輩です、たしか。」
苺「ど、どうして村の物を盗んだりしたの?」
マ「……先輩の気を引くためですよ。こんな鬼の私のことなんて、誰も見てくれない。でも、先輩だけは私にも優しくしてくれました。だから……もう一度、振り向いて欲しくて。」
苺「ま、マロンちゃん……。」
萄「それなら、苺子の物を盗みゃいいじゃん。何も村に迷惑をかけなくても。」
苺「いやそれは困るけど。でも、そうだよ。他人に迷惑かけちゃダメだよ。」
鬼は、涙を流して謝罪しました。
苺「もう二度と、村の物は盗んじゃダメよ。」
マ「はい、ごめんなさい……。」
蜜「分かれば良いのよ分かれば~。」
梨「これ持って帰るの、手伝ってもらいましょうよ。」
苺「あ、そうだね!マロンちゃーん、手伝って~。」
マ「あ、は、はい!」
これにて、一件落着(?)。でめたしでめたし。


おわり
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