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第八話 ある社畜冒険者の新人教育 五日目
③ 尻穴って、本当に良いものですね
しおりを挟むその後は滞りなく食事を終え、私は自宅への帰路についていた。
陽葵さんが目を覚ましていた時のため、店長特製弁当も買ってある。
……なんだろう、そんなことは無いはずなのに、自宅へまっすぐ帰るのはなんだか新鮮な気がする。
最近、夜に色々やることが多かったからだろうか?
「………ただいま戻りました」
自宅のドアを開けながら、眠っているかもしれない陽葵さんを配慮して、小声で挨拶をする。
誰も聞いてなかったとしても、家に帰ってきたときは『ただいま』と言いたくなってしまう私だった。
「陽葵さんの具合はどんなものでしょうか」
そう独りごちると、私は陽葵さんを寝かしつけている部屋へと向かった。
外傷はないのだから、連続絶頂による疲労の回復を待つだけのはずだが。
と、そんなことを考えていると。
「んぁ……あっ……あぅうっ……」
なんとも艶のある声が部屋の方から聞こえてきた。
……これは間違いなく陽葵さんの声。
もっと言うなら陽葵さんの喘ぎ声。
「……元気になられたようですね」
目を覚まして早速自慰をするとは、陽葵さんもなかなかお盛んである。
――是非見物させて貰おう!
私は自分に<静寂>をかけ、静かに陽葵さんの居る部屋へと向かった。
「……あぁっ……おっ……んぅうっ……」
………ほほぅ。
そこには予想通り、ベッドの上で絶賛オナニー中に陽葵さんが居た。
しかし、私が予想していなかったことが一つ。
彼は、イチモツを扱いていなかったのだ。
代わりに、自分の尻穴を指で弄っていた。
「……ん、うっうぅ……おおぉ……おっおっ……」
うつ伏せになり、丸出しになったお尻を少し突き上げて肛門を擦る様は、女性の自慰風景に近い。
……こんなところまで女らしいのか、陽葵さんは。
その光景に居ても立ってもいられず、私は部屋の中に侵入した。
「……んっんっ……あんっ……んぁっ……」
私のことには一切気が付かず、自慰に夢中になっている陽葵さん。
まあ、<静寂>をかけているのだから無理もないか。
良く見れば、尻穴に添えた指はただ付近をなぞるだけ。
内部へ挿れてはいなかった。
……これでは快感も半減してしまうだろうに。
これは、彼を導く者の務めとして、正しいやり方を教えてやらねばなるまい。
私は<静寂>を解き、陽葵さんに話しかける。
「そんなやり方ではダメですよ」
「ぬぁあああっ!!?」
大声を出しながら、陽葵さんが起き上がりこちらを振り向いた。
露わにしていた下半身も、布団で咄嗟に隠している。
「な、ななな、なんで黒田がここに!?」
「なんでも何も、ここは私の家ですよ?」
「り、リアの家じゃなかったのか?」
陽葵さん的に、リアさんの家だったらオナニーしていてもいいのだろうか?
……ああ、夜はリアさんが居ないから、好き放題自慰できると考えたとか?
「リアさんはお仕事で家におりませんでしたので、私の家に運びました。
……正直、余り彼女に見せられるような状態でも無かったですしね」
「うぐっ」
思い当たる節があるのか、言葉に詰まる陽葵さん。
構わず、私は続ける。
「……見事なまでにぶっ刺さってましたね、ツノ」
「ワザワザ説明しなくったっていいだろう!?」
顔を真っ赤にして抗議してくる陽葵さん。
「いっそ芸術的ですらありました。
一体どんな確率を掻い潜ったらあんなことが起きるというんですか。
――これは凄いことですよ、陽葵さん」
「全然嬉しかねーよっ!!」
陽葵さんはうっすら涙目なる。
そんな表情もまた可愛いわけだが。
「そんなこと言って、実は気持ち良かったんでしょう?」
「……え?」
私の一言に陽葵さんが不思議そうに返事をした。
「先程まで、お尻で自慰をしていたじゃないですか」
「―――なっ!?」
陽葵さんの口がパクパクと動く。
驚きすぎて、言いたいことが口から出てこないといったところか?
「ああ、それとも尻穴を使った自慰は昔からやってました?
だとしたらすいません、私はてっきりツノが挿さったことをきっかけに始めたのだとばかり思ってしまいまして」
陽葵さんが言葉を発しないので、私の方で話を続ける。
といっても、彼の様子を見るに私の声が聞こえているのか怪しいところだが。
ひとしきり口をパクつかせてから、ようやく陽葵さんが言葉を発した。
「―――み、見てたのか?」
「見てましたよ?
ここは私の家ですし」
あっさりと返事をする。
「――いや、あの、あれは、違くて」
陽葵さんはしどろもどろになって否定しようとしているが、
「そんな恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか。
別にやましいことをやっていたわけじゃありませんし。
……実のところ、私も昔ちょっとやってしまったことがありましてね」
「――え。そ、そうなの?」
私もやったことがある、というところに親近感を覚えたのか、陽葵さんの緊張が少し解ける。
実際これは嘘ではない。
学生の頃、試しにやってしまったことがある。
いまいち馴染めなかったのでそれ以来ご無沙汰しているが。
「はは、好奇心に抗えませんでした。
まあ、男性ならそういうことの一度や二度あるでしょう」
「そ、そうか。そうだよな!」
私が陽葵さんの行為を受け入れる態度でいるためか、彼も大分安心したようだ。
ややぎこちないものの、笑顔も見せている。
「しかしやり方は感心できませんね。
あれでは余り気持ち良くなれませんよ」
「……あー、黒田?
そんなレクチャーされると流石にちょっと引いちゃうぞ?」
苦笑いへと表情を変える陽葵さん。
私が冗談を言っているように思っているのか、返しに真剣味が無い。
だが私は構わずに話をする。
「本当に快感を得たいのならばですね、あのようにちょっと触っている程度じゃ駄目なのです。
もっとぐいっと突っ込んでやらねば。
――ほら、このように」
言うが早いか、私は素早く陽葵さんの尻に手をまわし、彼の穴に人差し指を挿し込んだ。
さっきまで自分でほぐしていたせいか、存外簡単に指が入っていく。
「んぁぁああああああっ!!?」
陽葵さんの口から嬌声が放たれる。
そのことに満足を覚えながら、さらに彼へ話しかけた。
「先程のオナニーよりもずっと気持ちいいでしょう?
せっかくの行為なんですから、しっかりとやっておいた方がお得ですよ」
得意げに語ってみるが、陽葵さんに聞く余裕はなさそうだ。
途切れ途切れの声で言葉を紡いでくる。
「……あっあっ……く、黒田……んぐぅっ……お前、何を……おっおっ……」
「何と申されましても、まあ、正しい尻穴自慰のやり方ですかね?
ここをこうすれば、さらに気持ち良くなれますよ」
私は突っ込んでいる指を中でかき回す。
――すると、
「んぉおおおっ!!? おっおぉおおおおおっ!!」
けたたましい叫びをあげながら陽葵さんの身体はのけ反り、勃起した彼の性器から精液が迸った。
ただこれだけのことでイってしまったようだ。
相も変らぬ感度の良さである。
自分で弄っていた直後だったこともあるかもしれない。
「あっあっあっ………ああぁぁ……」
そのままゆっくりとベッドに倒れていく。
私は肛門から指を抜くと、荒く息をつく陽葵さんに語り掛ける。
「どうです、いい気分になれたでしょう」
「……あっあっ……ば、バカ野郎……んくっ……何しやがんだ、変態……」
文句を言っているようだが、とろんと垂れ下がった瞳ではいまいち迫力が無い。
私は遠い目をしながら、
「ふふ、男なんて皆何かしらの変態なのですよ」
「利いた風なこと言うな!……って、何すんだ?」
言葉の最後に私への質問をする陽葵さん。
私が彼の身体をうつ伏せになるように転がしていることについて聞いているのだろうか?
身体に力が入らないのか、陽葵さんはなすがままだ。
私はすっ呆けた体を装って答える。
「いえ、陽葵さんにもっと気持ち良くなって頂こうかと」
「い、いらねぇよ! そんなのいいからもう出てけ……っておい!!?」
急に陽葵さんが大声を出した。
何があったというのか。
「どうかしましたか?」
「どうかしましたかじゃないだろう!
な、なんでお前ちんこ出してんだよ!!」
ああ、私がズボンから肉棒を取り出したことに驚いたのか。
ベッドの近くに備えてあるローションを愚息に垂らしながら、私は返答する。
「これですか?
大したことではないのですが、私のイチモツを陽葵さんの中に挿れようかと」
「―――はぁ!?」
陽葵さんは素っ頓狂な声を上げる。
「ば、バカかお前!? 何言ってんだ!!
ちんこ挿れるってオレ男だぞ!?
そんな気色悪いこと――」
私は暴れようとする陽葵さんを押さえつけながら、
「はは、大丈夫ですよ、私は気にしません。
男同士なんですから、陽葵さんも変な遠慮はいりませんよ」
「――アホ! そんなこと言ってんじゃねぇよ!
黒田、お前頭イカレてんのか!!?」
馬鹿だの阿保だの酷い酷い言われ様である。
そんなことは気にせず、私は己の棒を陽葵さんの穴へ添えると、
「さ、行きますよ。
力を抜いていて下さい」
腰を彼にむかって突き出した。
「ちょ、止め――――!!!」
ローションのおかげか、それとも今までの調教の成果か。
多少の抵抗はあるものの、イチモツはゆっくりと陽葵さんの中に沈んでいった。
「お、お、これはなかなかきついですね」
「あっ…あっ…あっ…あ―――!!」
両手で陽葵さんの身体を掴み、腰を彼のお尻へと押し付けていく。
――ややって、私の肉棒は完全に陽葵さんへと埋没した。
「……あっ……は、入っちゃった……んんっ……う、うそだ……おぅっ……」
陽葵さんは呆然としている。
「ふふ、どうですか陽葵さん」
「……ん、おっおっおっ……や、やだ……おおおっ……こ、んな……ああぁんっ……」
息も絶え絶えで喘ぐ陽葵さん。
十分気持ち良くなって貰えているようだ。
――しかし、いざ挿入してみると陽葵さんの尻穴、凄まじい名器である。
普通、後ろの穴はただ排泄物を出すだけのものであり、男性器を受け入れる機能など無い。
だというのに陽葵さんの中は、女性器もかくやという程に私のイチモツを満遍なく締め付けてきた。
俗に“けつまんこ”という単語があるが、それはまさに陽葵さんの穴を指す言葉と言えよう。
「では、動きますよ」
その言葉を合図に、私は腰を振り始める。
「だ、だめ…ん、んぁぁあああああっ!……お、おおお、おっおっおっおっおお!」
拒む素振りを一瞬見せた陽葵さんだったが、すぐ嬌声にかき消される。
私の愚息を十分に堪能頂いているようだ。
「さぁ、どんどん感じて――」
「あ、ああぁぁあああああっ!! んぁぁああああああああっ!!」
「―――おや?」
陽葵さんが全身を硬直させてぶるぶると震える。
同時に、私の愚息がぎゅうっと締め付けられた。
見れば、陽葵さんの少し小ぶりな性器からは精液が垂れ落ちている。
またもや絶頂してしまったらしい。
知ってはいたが、感度が良すぎる。
「もうイってしまったんですか、陽葵さん。
そんなに私のモノが良かったのですかね」
「おっ……おおっ……おっおっおっ……」
語り掛けるも、陽葵さんは余韻に浸って聞こえていない様子。
彼のお尻がぷるぷると動くと、私の肉棒が締められる。
……本当に女性の膣と見紛うような尻穴だ。
いや、女性器でもここまでの動きをするものは珍しい。
陽葵さんの身体の神秘に感嘆しながら、私はピストンを開始した。
「あっ!? あっああぁあっ! んぉおおっ!!」
私の腰の動きに合わせて、陽葵さんが喘ぎ始める。
身体も素晴らしいが、彼は声もいい。
女性的な色気を帯びるその声は、思わず聞き入ってしまう響きを奏でていた。
「おっおおっ……ま、待った……んぐぅうっ!……オレ、今イったから!……んぁあああっ……イったからぁっ!……おぉおおっ!」
「いいですよ、またイって下さい」
彼が絶頂へ辿り着けるよう、さらに腰を激しく動かす。
陽葵さんの快感が高まるにつれ、彼の穴から与えられる刺激も強くなっていった。
これならいくらでも腰を振れそうだ。
「んぃいいいいいっ!?……も、ムリっ……おぉぉおおおおっ! イク、イっちゃうぅうううっ!!」
陽葵さんの身体が強張る。
私の男性器が彼の穴に強く締められた。
こんな短い間にまたオーガズムを迎えたようだ。
しかし、彼の性器に射精した様子は無かった。
精液を出さずにイクとは…
「女の子のようなイキ方をしましたね、陽葵さん」
「あーっ……あぁ、あっ……あーっ……あーっ……」
当の陽葵さんは上の空。
瞳の焦点は定まらず、口からは涎が垂れ流されていた。
陽葵さん的にはいっぱいいっぱいなのかもしれないが、あいにく私はまだ一度も射精していない。
もう少しお付き合い頂こうか。
「よいしょっと」
呆然としている陽葵さんの身体を今度は仰向けにし、足を持ち上げてまんぐり返しの姿勢をとる。
シャツを捲り上げ乳首を露出させると、彼の全てが一望できるようになった。
「あ、う……あーっ……あぁ……あーっ……」
陽葵さんはまだ自分の状態を把握していない模様。
しかし彼が正気に戻るのを待ってやれる程、私も我慢強くない。
「さぁ、ここからは一気にやりますからね。
しっかり耐えて下さいよ」
そう告げてから陽葵さんに覆いかぶさり、私自身が絶頂すべく腰を激しく往復しだす。
「んぉおおおおっ!? ま、またぁああっ!? あぁあああああっ!!」
後ろの穴への刺激で、陽葵さんは少し正気を取り戻したらしい。
とはいえ、私がやることは変わらない。
自分が昂りきるまで陽葵さんへイチモツをぶつけ続けるのみ。
「おおぉぉおおおおっ! んぁぁあああっ! おっおおっおっおっおっおっ!」
陽葵さんの嬌声をBGMに、私は身体を振り続ける。
「んっんんんっおぉおおおおっ!! あっあっあぁぁああああっ!!」
愚息への圧が強まったことから察するに、再度陽葵さんは無射精の絶頂をしたのだろう。
素晴らしい快感だが、イクにはまだ少々足りない。
おかまいなしに、私は動き続ける。
「あぅううっ!? イったっ! あぁぁああんっ! イってる!! オレ、今、イってるからぁああっ!!」
それは私も分かっている。
しかし私はイっていないのである。
少しでも早く絶頂できるよう、腰の動きを早める。
「んぉおおおおっ!! やめろ、やめろぉぉおおおおっ! んぃいいいいっ!!」
私から逃れようと暴れ出す陽葵さんを、両手でがっちりと抑えつける。
冒険者の中では力は弱い部類の私だが、それでも冒険者になってばかりの彼よりかは腕力がある。
陽葵さんは必死に身体を動かすが、逃しはしない。
「あっああぁああっ! またイくぅうううううううっ!!」
陽葵さん、絶頂。
彼の性器は痛々しい程に勃起しているのだが、今回も精液は出ない。
不思議なものだ。
……実はそろそろ私もイケそうなのだが、もう少し陽葵さんのこの姿が見たいため、我慢することにした。
「んがぁあああっ!! お願い、やめてぇえええっ! んぎぃいいいっ!」
陽葵さんが懇願しだした。
そう言われても、腰は止められそうに無い。
それ程、尻穴から得られる快楽は凄かった。
代わりと言っては何だが、彼の乳首に吸い付き、歯でカリカリと噛んでやる。
「あぃいいいいいっ!?」
陽葵さんの艶声のトーンがさらに上がった。
こっちでもきちんと感じてくれているようだ。
「おお、おっおっおっおおおっ! も、ダメっ…コワれるっ! コワれるぅうううっ!!」
陽葵さんの身体が仰け反って、びくんと跳ねる。
またまたイッたか。
そして射精もせず。
いつになったらザーメンを出すのだろう?
彼は自分の身体を心配しているようだが……大丈夫、これ位で人は壊れたりしない。
そろそろ私も絶頂できる。
ラストスパートで腰を振った。
「あがぁあああっ! あっおぉおおおおっおおっおおおおおっ!!」
陽葵さんもそれに応えてけたたましく喘ぐ。
それを聞いて私の昂りも階段を駆け上がっていった。
「おお、おぉおおっ!! ごめ、ごめんなさいっ! ごめんなさいぃいいいいっ! もうゆるしてぇええっ!!」
陽葵さんは何を謝っているのか。
何も悪いことはしていないというのに。
寧ろ彼に感謝したいくらいだ。
私はトドメとばかりに全身全霊をもってイチモツを陽葵さんへと叩き込んだ。
「いぎぁあああああああっ!!! んぉおおっおおおおっおおおぉぉおおおおっ!!!!」
「くっ、私もイきますよ!!」
私達は同時に絶頂を迎えた。
陽葵さんの肛門の中へ精液を注ぎ込むと同時に、彼の中がうねり、私のモノを搾り取っていく。
そして。
「おおっおっおぅっお、おおおおおおっ!!!」
陽葵さんの男性器から、透明な液体が噴出した。
精液とも尿とも違う、これは――
「潮吹きですか。
男でもするものなんですね」
随分と珍しいものが見れた。
流石は陽葵さんである。
「あひっ……はふっ……んっんんっんっ……あひゃっ……おふっ……」
陽葵さんはというと、痙攣しながら放心していた。
目は光を失い、口は半開き、涙と涎が垂れ流しになって、顔全体がだらしなく弛緩している。
その表情は実に淫猥で、自身の潮によって濡れた肢体の艶めかしさと合わせて、見る者の情欲を刺激した。
「……おっと」
また私の肉棒が勃起してしまった。
こんなエロい光景をみさせられてしまってはやむなしといったところだろうか。
「陽葵さん、もう一発大丈夫ですか?」
「……ん、おぉっ……おぅっ……はっはひっ……おっおっ……」
問いかけてみるも、全く反応を示さず。
…………まあ、陽葵さんは強い子だ、大丈夫だろう。
そう考えて、私はそそり立った愚息を再び陽葵さんの菊門へと突き立てたのだった。
「はひゃぁああああああっ!!!?」
部屋に、陽葵さんは歓喜の声――だろう、多分――が響く。
数時間後。
「……あ……あ、あ……あ……ああ……」
私の目の前には、全身精液塗れになった陽葵さんの姿があった。
途中から趣向を変えて、彼の身体へ精液をかけることにしたのだ。
……興が乗ってしまって、予定より少々多く回数をこなしてしまった。
今陽葵さんは、目は開けているものの、どこを見ているのか分からない。
或いは気絶しているのかもしれなかった。
「………これが最後ですよ――っと!」
私は彼の顔に向けて、本日最後(にしようと思っている)の射精を放つ。
ついでに口の中にも男棒を突っ込み、精液を塗ったくってやる。
全身余すところなく私の精液に包まれた陽葵さんを、私は満足げに見やった。
なんとなく、彼を自分のモノにできた感覚を味わえ、非常に楽しい。
「……あー……あ……あぁ……あー……」
陽葵さんから何のリアクションも無いのが寂しいところだったが。
……流石に、今日はこれで終わりか。
私は彼の身体を粗方拭いてから、就寝したのだった。
第八話 完
後日談……はっきり言えば翌朝のこと。
「おはようございます、陽葵さん。
朝食は用意してありますので、適当に食べて下さい」
「って普通かよ!?」
リビングにて朝食を配膳していたところに、陽葵さんが起きてきた。
――昨日の片付けが少々甘かったらしく、髪や顔などに少し私の精液が残っている。
本人は気づいていないのか、気にしていないのか。
「もっと凝った食事の方がよかったですか?
すみません、余り時間がありませんで…」
「そんなこた言ってねぇっつーの!
お前、お前、昨日あんなことやっといて…!!」
食事のことを無視して、私に詰め寄る陽葵さん。
なお、今の彼はタンクトップにボクサーパンツという下着姿だったりする。
余程急いでリビングに来たのだろうか?
とにかく、その姿のエロさったらなかった。
「あんなこと……ああ、角兎の件は本当にご愁傷様でした」
「そっちのことじゃねぇよ! いや、そっちも辛かったけども!!」
喚き立てた後に、頭を抱えて蹲る陽葵さん。
「ああああああ……オレ、男とヤっちまったぁ……」
「まあまあ、気を落とさずに」
落ち込む陽葵さんの肩を叩き、慰める。
すると彼はすぐに立ち上がって、
「気を落とすわぁ!! お、オレ、初めてだったんだぞ!?
それを……それを……!!」
「なぁに、男同士ならノーカンですよ、ノーカン。
家族とキスしてもファーストキスにはならないでしょう?
あれと同じで」
陽葵さん、少し涙目になっている。
それ程までにインパクトの強い出来事だったのか。
一応宥めてみたものも、彼の勢いは止まらなかった。
「同じなわけ無いだろう!?
っていうかなんでそんな平気な面してんだよ!
お前、男のケツに突っ込んでたんだぞ!」
「いえ、私は陽葵さんとヤれて嬉しかったですよ?」
「――ん、ぐっ」
私の台詞に面食らったようで陽葵さんが一瞬言葉に詰まった。
「……いき、なり、何言い出すんだバカ!!
お前にゃローラさんがいるだろうが!……ってそうじゃなくて!」
少し顔を赤らめている辺りが愛らしい。
何気に私を気遣ってくれているのも男心をくすぐってくれる。
「……くそっ、お前とんでも無い変態だな!
もっと真面目な奴だと思ってたのに…!」
「昨日言ったじゃないですか、男は誰しも変態なんですよ。
陽葵さんだって…」
「オレのどこが変態だ!?」
どこが変態と言われれば。
「イチモツを尻の穴に挿れられて、喘いでしまうのは変態と言えるのではないでしょうか?」
思ったことを真っ正直に答えてみる。
はっきり言って、あんなことは私でもできない。
「――うぐっ、そ、それを言うなよ!
大体、あれはお前が無理やり……」
「確かにやや強引ではありましたが……」
ここで私は陽葵さんの尻をなでる。
しっかりとした弾力があるにも関わらず柔軟な手触りの、実に良いお尻。
「気持ち、良かったでしょう?」
「んぁっ……ちょ、いきなり尻撫でる、なっ」
いきなりの愛撫でもちゃんと反応してくれるのが、陽葵さんのいいところだ。
「これは失礼。で、どうなんです?」
「…………ま、まあ、少しは気持ち良かった…かも」
陽葵さんはそっぽを向いて、ぼそっと呟いた。
正直でよろしい。
私は彼の頭を撫でて、こう告げる。
「これからは毎日してあげますからね」
「――は、はぁっ!? 何言っちゃってんのお前!?」
びっくりした顔で、陽葵さん。
私の申し出はそんなに驚くことだったのか?
「むむ。では、どれ位の頻度でなら良いのですか?」
「ヤること前提で話するんじゃねぇよ!
お前となんてもう……ひゃぅっ!?」
私は陽葵さんのお尻に手を当て、彼の菊門の辺りを指で弄ってやった。
「んあっ……あっあっあっあっ……」
「私となんてもう?
もう……何なんですかね?」
ボクサーパンツの上から、くいっくいっと穴を刺激してやる。
「………ん、んんっ……もう、その、週に一回くらいなら……」
身体をくねらせながら、陽葵さんは答えた。
……週に一回きりか。
「うーん、一回だけですか?
もっと、やりましょうよ」
下着ごと、指を穴の中に突っ込む。
「んおっ、おっおぉおっ!?――や、だ……だって、オレ、リアが……リアがぁ……あぁあぅっ」
「言ったでしょう、男同士なんて勘定に入りません、て。
それに、私とシタところで、リアさんに会えなくなるわけじゃないんですから」
ぐりぐりと穴の中を混ぜてやる。
「あぁぁああああっ……ふ、二日っ! 二日お前に付き合うからっ! おおっおっおっ! そ、それでいいだろっ!?」
二日――即ち48時間、陽葵さんを好きにできるのか。
まあそれも素敵な条件ではあるが、もう一声欲しいところだ。
「――仕方ありませんね。
これは使いたくなかったのですが……」
こうなったら奥義を出そう。
<念動>を使った、前立腺への直接マッサージである。
「っっっっっっ!!!?
おぉおおおおおおおっ!!? なにこれっ!? なにこれぇえっ!!? んぃいいいいいいいいいいいっ!!」
他人の体内への干渉は難しいのだが、上手くいったようだ。
散々彼の身体を弄り倒し、隅から隅まで肢体を把握したからこそできる芸当である。
陽葵さんは、突然の強烈な、未体験の刺激に訳も分からず暴れ出そうとする。
だが、私は彼を抱き締めて動けないようにした。
「どうですか、陽葵さん。
毎日、しませんか?」
「あああぅううううっ! 分かった! 分かったからっ! んぁっあぁあああっ! 毎日するっ! 毎日する、からぁっ!」
「よく言えました」
ご褒美に、突っ込んだ指を中で思い切り暴れさせてやる。
<念動>と指による同時攻撃だ。
「んごぁあああっ! おおおっぉぉおおおおおおっ!」
びくっびくっと痙攣する陽葵さん。
彼のパンツに精液の染みが広がっていく。
本日一回目の絶頂というわけだ。
……一晩中責め続けた成果なのか、陽葵さんの快楽の許容量が大分増えた気がする。
そのまま気をやって倒れそうになるのを支え、近くの椅子に座らせた。
そしてアヘ顔を晒す陽葵さんを見ながら、呟く。
「まあ、こう言って頂けたのはありがたいですが……」
実際に毎日ヤってしまったら、陽葵さんの日常に支障が出てしまう。
特に私は、他の人よりも少しだけ――ほんの少しだけ、セックスにかかる時間が長いようだし。
適度な頻度を心がけることにしよう。
『室坂陽葵が正式に仲間へ加わった!』
……久しぶりに聞いたな、これ。
あの一回だけのネタじゃなかったのか。
ともあれ、これで毎日の彩がさらに増すというもの。
上機嫌になった私は、一先ず用意した朝食に手を付けるのだった。
後日談 完
2
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