純情魔王の寝取られ勇者観察日記 ~間男死すべし、慈悲は無い~

ぐうたら怪人Z

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第4話 王女の救出

前編

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「魔王様、魔王様!」

 む、どうした側近。

「以前お話した“作戦”実行候補者をリストアップしました!」

 おお、魔物の女を送り込み、傷心した勇者を慰める――もとい、心の弱った勇者につけこんで篭絡させる、あの作戦か。
 どれどれ、どんな女が揃っている?

「ご覧下さい。
 私の選りすぐりです」

 ほうほう。

「個人的には1番の女性がオススメですね。
 完璧なプロポーションを持っているのはもちろんですが、性格もお淑やかで勇者を支えるにはぴったりでしょう」

 …………。

「4番も捨てがたい。
 身体は華奢ですが、明るい性格で気配りもできる。
 落ち込んだ勇者の心を癒してくれるでしょう」

 …………。

「5番も――」

 ――側近。

「はい?
 何でしょうか?」

 あのね、このリストにある女性、皆ね。
 ――化け物ばっかりやん!!

「そりゃ魔物ですから。
 人間からみれば化け物でしょうね」

 そういう意味でなくて!!
 人型がいない!
 人間の中に紛れてもOKな容姿の奴が一人としていない!!
 1番とかこいつ、トロールじゃねぇか!!
 なんだよこの筋肉の塊!
 本当に女なのか!?

「これはこれは魔王様ともあろう方が情けない。
 彼女のこの豊満なおっぱいを見てもそんなことが言えますか?」

 超発達した大胸筋にしか見えんわぁ!!

 ……おい、おいおい、リストのどの女も似たようなもんだし!?
 側近、お前自分がゲテモノ趣味だって理解しろよ!
 理解して一般受けする女を選べって!!

「えー……」

 えー、じゃない!!
 ああもう、やり直しだやり直し、こんなんもの――って、お?

 なんだ、普通に人間の女らしい魔物もいるんじゃないか……えー、13番。
 うん、茶髪なショートカットにコケティッシュな微笑み、肉感のある肢体――うん、いいじゃない?

「ああ、13番ですか。
 この子もなかなかですよ。
 強力な魔法を操り、体術も達者。
 前衛でも後衛でもいかんなく実力を発揮できます。
 戦闘面だけならほかの女性に勝るとも劣りません」

 ……ああ、容姿じゃなくて能力で選んだのね。
 だからこんな化け物達の中に一人紛れ込んじゃったのか。

「失礼な、それだけじゃありませんよ。
 13番の子は、勇者の“寝取られ体質”への対策も考えて選出したのです」

 ……“寝取られ体質”ってまた酷い単語だなぁ。
 いや、そうとしか思えないくらい酷い目にあっているけれども。
 なんかおかしい呪いとかかかってるんじゃないか疑った位だ。

「残念ながら呪いの類は感知できませんでしたがね。
 単純に運が悪いのか、運命的な何かに導かれているのか」

 いやな運命もあったもんだ。
 で、13番にはその“寝取られ”に耐性がある、と?
 強い精神力の持ち主なのか?
 それとも実は既に勇者へぞっこんとか?

「いえいえ、そういうものではなくてですね」

 うむ。

「13番の子――♂なんです」

 おバカ!!!!



 ――――――――



「―――!!」

 襲い来る魔物を剣でバッサバッサと薙ぎ倒す勇者。
 ……今回はいきなり戦闘シーンからだ。

『――駄目ですかね、男の娘。
 いけると思うんですけどねぇ』

 引き摺るな!
 選考は一からやり直しだ!!

『二人は幸せなキスをして終了ですよ?』

 黙れ!!
 勇者はノーマルだ!(たぶん)

『ヤってみたら意外と嵌るって話も――』

 黙れと言っておろうが!!
 だいたい、セリムには“まだ”そういう相手はいらんだろうしな。
 奴の隣には今――

「勇者様、援護いたしますわ!
 横に飛んでください!」

「―――!」

 “声”に頷き、魔物から離れる勇者。
 空いたスペースに、後方から魔法による炎が降り注ぎ、魔物を焼き倒していく。
 それを確認したセリムは他の魔物に切りかかる。

 ……“2人”は抜群のコンビネーションで敵を掃討していった。
 そう、セリムには戦いをサポートしてくれる相棒ができたのだ。
 しかも――

「――てやっ!」

 近づいた魔物を杖を使った見事な体術で返り討ちにする“綺麗なドレスを纏った女”。
 チラリとスカートから見える脚線美が実に艶めかしい

 ――セリムの“相棒”は、女性なのである。
 それも、ただの女性ではない。
 サラサラと流れるセミロングのブロンドヘアに、宝石のような碧眼、細い眉、高い鼻、瑞々しく潤った唇――その全てが完璧に整った容貌。
 抜群の均整の取れたプロポーションを誇る肢体は、決して露出の多くないドレスを着ていても色気を振りまく程だ。
 それでいて、高貴で清純な雰囲気を漂わせている。

 勇者が今まで出会った中で、最高の美貌を誇る女だろう。
 ……多少、吾輩の主観混じりなので、異論は受け付ける。

「――!」

「……今勇者様が倒した魔物が、最後のようですわね」

「――――」

「いえ、私の助力など些細な物。
 全て、勇者様のお力のおかげです」

「――――!」

「うふふふ、勇者様ったら、お世辞がお上手なんですから。
 ……あら、いけませんわ勇者様、腕に傷が!」

「――――」

「駄目です!
 ちょっとした傷でも、放っておけば悪化することもありますわ。
 お待ち下さい、今治癒いたしますから」

 そう言って彼女が杖を掲げると、みるみる内にセリムの傷は治っていく。
 回復魔法を使ったのだ。

 攻撃魔法だけでなく杖術や回復魔法も使え、その上気配りも行き届く。
 ついで言えば、料理や掃除などの家事もそつなくこなす。
 才女と呼ぶ他ない。

 あの女と合流してから、セリムは戦闘のみならず様々な面でサポートを受けている。
 勇者にかかる負担は、大分軽減されたと言っていいだろう。
 惜しむらくは――

『……これで彼女が“王女”でなければ、勇者にずっと同行することもできたのでしょうけれどねぇ』

 ――彼女がこの国の王女・レティシアであるということか。



 勇者セリムと王女レティシアの出会いは、1週間ほど前に遡る。
 女盗賊ヴィネットが居た街を出てから、勇者は敢えて過酷な旅路を選んだ。
 旅人がまず通らないような森の中の獣道、一歩足を踏み外せば転落する崖に沿った細道、等々。
 あの街で起きた出来事を忘れようとするかのように、険しい道を歩き続けた。

 そんな折に、ある洞窟を発見したのだ。
 人が寄り付かない辺境の地で見つけた洞窟へ、勇者は躊躇なく入っていった。
 その先には――
 ドラゴンに捕えられていた、“美しい女性”――レティシアがいたのである。

 ……ていうかね、王女捕まえてたんなら、まず魔王である吾輩に報告しようよ。
 前情報なしでいきなり“王女を取り逃がした”とか聞いたから、吾輩驚いちゃったよ!?

『王女だと分からずに浚ったそうですよ。
 なんか適当に綺麗な女性を物色していたら、たまたま姫だったとか』

 あのドラゴンめ、腕っぷしは強いのにどこか抜けておる。
 今度強く言っておかにゃあなるまい。

『そうですね。
 ……まあ、もう遠いところへ行ってしまいましたが』

 ……そうであった。
 あいつは勇者にやられて――

『――その傷を理由に魔王軍を引退。
 人とも魔物とも関わりのない地で悠々自適の隠居生活を始めましたね』

 最後まで勝手な奴だったな!!
 王女のこと報告に来たと思ったら、“もうやってらんねーっすわ”っつってさっさとどっか飛んでいくし!!

 ま、まあとにかく、そういう経緯で勇者と女王は出会ったわけだ。

『そして国王のいる首都までは大分遠い道のりだったので、勇者が護衛を買って出て彼女と共に首都を目指し始めたわけです』

 以上、説明終わり!

 ……しかしなんだな。

『どうしました?』

 あの二人――

「――――」

「ええ、勇者様。
 次の街までもう少しですわね」

 ――勇者と姫というだけあって、ただ歩いてるだけで絵になるもんだ。

『美青年と美女ですからね。
 偶にすれ違う旅人などは、事情も知れないというのに、彼らの姿を見るだけで目を丸くしていましたよ』

 ……こんな幸せな風景が、長く続いて欲しいものだ。

『今度こそ、“今までのようなこと”は起きないと良いですね……』

 そう信じよう。



 そして次の日の夕刻。
 街についた2人は宿を取り、身体を休めていた。

「はい、お待ちしました」

「――――!」

 宿の部屋にて、レティシアはテーブルに料理を並べている。
 全て、彼女がこの店の厨房を借りて作ったものだ。

「――――」

「王女だから、などと申さないで下さい。
 勇者様に守られるだけでは、心苦しいのですもの。
 せめてこういう所で役に立ちませんと」

 いや、戦闘の面でもかなり役に立っていると思うよ?
 吾輩達が、このまま2人で魔王城攻め込んで来たらやばいなぁ、と不安になる程度には。

「――――!」

「お口にあったのですね!
 良かったですわ。
 うふふ、このお店のシェフに美味しい調理方法を教えて頂きましたの」

「――――」

「――や、やだ、あくまで一王女の嗜みとして学んだだけです。
 誰かに振る舞うために身に着けたわけでは…!」

 顔を真っ赤にして勇者の言葉を否定するレティシア。
 ……うーん、実に微笑ましい。

『勇者の顔にも笑顔が戻っていますね』

 あれからセリムはずっと険しい顔をしていたからな。
 レティシアとの旅が、奴の心を癒しておるのだろう。

『……良かったですね』

 ――うむ。



 そうこうしているうちに、夜は更け。
 2人は寝支度を整え、眠りに就こうとしていた。

「……あら、勇者様、ベッドに入りませんの?」

「!? ――!!」

「私のことは気にしないで下さいまし。
 街の外で野営をした際は、一緒に眠ったではありませんか」

「―――!」

「駄目です!
 勇者様が床で寝て私だけベッドを使うなど。
 それでしたら、私も床で眠ります!」

「――!?」

 ベッドの使用について揉めているようだ。
 まあ、勇者の立場的に王女と一緒のベッドで眠るのは抵抗があるのだろう。
 野宿した時は、安全のためにすぐ傍で休んでいたのだが。

「――――」

「ええ、そうです、一緒に寝ればいいのです。
 分かって頂けて嬉しいですわ、勇者様。
 さ、こちらへ――」

「――、――――」

 おずおずと王女の眠るベッドの中へ入っていく勇者。

「――!?」

「あら、どうされました?」

 セリムの顔が一気に赤くなった。

 王女の寝間着は薄い生地でできており、うっすらとだが彼女の肢体が透けて見える。
 セリムはそれに気づいてしまったようだ。
 ――初心な奴め。

「……あら、どうされました、勇者様。
 そんな端の方で毛布にくるまって?」

「――――!」

「ここで良い、ですか?
 そんなっ――もっと寄って下さいまし」

「――! ――――!!」

 自分の近くへと勇者を引き寄せようとするレティシアに対し、セリムは全力で抵抗し出す。
 奴的に譲れない一線のようだ。

 しばし近づこうとする王女と離れようとする勇者の攻防が続くが、今回はレティシアが音を上げたようだ。
 その日、勇者はベッドの端っこで悶々としながら眠りにつくのだった。



 2人の旅は続く。

「……あら、勇者様。
 あちらに泉があるようです!」

「――――」

「ええ。
 ……あの、お願いがあるのですが」

「――?」

「はい、私、水浴びがしたくて。
 今日は暑いので、汗を掻いてしまいましたの」

「―――」

「まあ、ありがとうございます、勇者様」

 そう言うと、水浴びのため服を脱ぎだすレティシア。
 ――おおっ!!
 役得っ! 役得っ!

『ちょっと! 魔王様!!
 はしたないですよ、覗きなんて!!』

 吾輩達がやってること自体が覗きやろがっ!?

『いや確かにそうですけれども!』

 いいだろ、少しぐらいよぉっ!!
 今更、何の咎めを受けようか!?

「―――♪」

 吾輩と側近が言い合っている間に、姫は泉で水を浴び始める。

 ……ほ、ほほーう?
 いいですなぁ、いいものですなぁっ!
 程よく育ったプルプルなおっぱいに、ツンっと上を向いた乳首。
 腰は無駄肉なくキュっと締まってるし。
 お尻はちょっと小ぶりだが、綺麗な形しとる。

『……親父くせぇな、こいつ』

 なんじゃあっ!! 文句あんのかぁっ!?

『少しは勇者を見習って下さい。
 ほら、王女の方を決して振り向かず、それでいてしっかり周囲を警戒しているでしょう』

 真面目過ぎやしないかなぁ。
 もうちょっと奔放に動いてもいいと思うんだが。

『それが勇者のいいところでしょう』

 勿論それはそうなのだが。
 でも今回に限っては覗くのが正解だと思うの。
 レティシアの様子を見てみろよ。

「……………」

『む、むうう、これは――』

 勇者が少し振り向けば自分の裸を目にしてしまうことを知りつつ、そこから動かないではないか!
 あの岩陰とか、自分の身体を隠す場所がすぐ近くにあるにも関わらず!

『――た、確かに。
 これは……OKサイン!?』

 そうだ、これは覗いても良いのだよ!!
 ほらほら、勇者よ、お前も気になるのだろう!?
 さっきから水音がする度にピクピクと反応しておるではないか!
 その若き好奇心に身を任せ、ちょ~っと顔の角度を水辺へと向けるのだ。
 それだけでお前の望みは叶うっ!!

『……まあでも、OK出てるのは勇者だけで、魔王様はただの犯罪者ですけどね』

 うっさいなぁ、もうっ!?
 細けぇことはいいんだよっ!!

 ――と、そんな時。

「……キャァアアアっ!?」

 突如レティシアが悲鳴を上げる!

「―――!?」

 勇者が咄嗟に振り返ると――

「……す、すみません、タオルが風で飛ばされてしまいまして――」

 産まれたままな姿の王女がそこに居た。
 手で大事なところを隠すこともせず、もう、おっぱいもお腹もアソコまで、全部開示中。
 そんな彼女を見た勇者は、一瞬で顔が真っ赤に染まり、

「――――!!?」

「ゆ、勇者様っ!?」

 鼻血を垂らしながら、その場にぶっ倒れた。
 しかしその寝姿は、幸せそうであったと言う。



 ――その他。

「ゆ、勇者様!?
 ま、まだ着替え中だったのですが……」

「―――!?」

 王女の着替え姿に出くわしてしまったり。



「申し訳ありません、勇者様。
 先程の戦いで服が破けてしまたようで――」

「―――!!?」

 魔物との戦闘で姫の服が破れ、肌のあっちこっちが露出してしまったり。



「……んん……勇者様ぁ……」

「―――――――!!?!?!?!!?」

 共に眠るベッドの上、レティシアが寝惚けて抱き着いてきたり。




 そういう大小様々な嬉恥ずかしイベントも挟みつつ、彼らは首都へと歩を進めた。
 ……共に旅を始めてから、既に一か月が経過しようとしている。

 しかし、なんだな。
 あの2人、一か月も一緒にいて全然“そういうこと”しないのな。

『相手は王女ですからねぇ、勇者も手を出しにくいでしょう。
 ただでさえ彼は異性関連では奥手なようですし』

 レティシアの方は、かなり満更でもなさそうな感じだけれども――勇者の方がなぁ。
 今までの経験も足を引っ張っているかもしれんな。

『その可能性は十分にあり得ますね。
 アリアやメイアとのやり取りは、女性不信になってもおかしくないものでした』

 確かに。

『だからこそ、男の娘をですね』

 そ・れ・は・も・う・い・い!!



 さらに数日後。
 セリムとレティシアは、もう首都まで目と鼻の先という街に来ていた。
 明日には、王城へと辿り着くだろう。

 2人は宿で、おそらく最後になるであろう夜を過ごしている。
 別れがすぐそこに迫っているからだろうか、勇者も王女も、どこか言動がぎこちなかった。

 大した会話もないまま、どちらともなしにシャワーを浴び、衣服を着替え、ベッドへと入る。
 部屋の明かりを消して、いざ就寝――

「……勇者様」

 セリムが眠りへと落ちる前、レティシアが話しかけてくる。

「勇者様――いえ、セリム。
 お願いがあります」

 寝惚けてではなく、自分の意思で。
 彼女は、勇者へと抱き着いた。

「―――!?」

 彼女の柔らかい感触に驚きつつも、勇者は動けない。
 レティシアは緊張した面持ちで話を続ける。

「私は――まだ、セリムと旅を続けたいのです。
 まだ、貴方と一緒に居たい。
 ……でも、城へ帰ればそれは叶いません」

「――――」

「……もっと、お供をさせて頂けないでしょうか?
 きっとお役に立ちます。
 今はまだ無理でも――必ず、貴方の助けになってみせますから」

「――――」

「……それとも。
 私と一緒では嫌ですか?
 私は、セリムの足手まといでしかなかったでしょうか?」

「―――!」

 勇者は首を横に振る。
 そんなわけが無かった。
 レティシアは既に、様々な面でセリムの支えとなっていたのだから。

 そんな彼の反応に、姫は安心したのか表情を和らげる。
 抱き締める腕に力を込めながら、

「ならば私を――レティシアを、ただの女にしては頂けませんか?」

 セリムの耳元で、掻き消えそうな程に小さく囁いた。

「セリム――私を抱いて下さい。
 一時でもいいのです、私を愛して下さい。
 ……そうすれば、私は貴方にずっとついていきます。
 城になど帰らず、ただ貴方の傍に――」

 細い声で、しかしはっきりと。
 王女は勇者へと自らの愛を伝えたのだ。

 それに対してセリムは――



 ――次の朝。

「……順調に進めば今日の昼頃には城に到着しますわね。
 さぁ、参りましょう、“勇者様”!」

「――――」

 首都に向けて出発するセリムとレティシアの姿があった。
 2人は互いに顔を見合わすことなく、街道を歩いていく。

『――終わってしまいましたね』

 ……うむ。

 結局昨晩、セリムはレティシアを抱かなかった。
 それは彼女が王女だからだったのか、それともただ勇気が出せなかったのか。

 どちらにせよ、吾輩がアレコレ口を出す問題ではない。
 問題ではないんだけれども――惜しいよなぁ。

『仕方ありませんよ。
 それに、これで本当に終わってしまったわけでも無いでしょうし』

 確かに。
 魔王を倒した後に勇者と王女が結ばれるのはお約束か!

『その通りです、魔王様!
 彼らが幸せになれるよう、しっかりと倒されなくては!』

 うむ!
 ……あれ、なんか違わなくない?

『そうですかね?』



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