十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶

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第2章 後編

最終話 ~永久と凛音の戦い・決戦の中間テスト~ その⑦

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 最終話  その⑦



 中間テストの二日目。今日は昨日のテストの残りの教科を行うことになる。
 必然的に半日で終わる予定だ。

「最近は少し勉強で忙しかったからな。試験が終わったら家でのんびりゲームでもしようかな」

 流やみんなとライジンで遊ぶのも悪くないな。

 そんなことを考えながら、永久の待つ駅へと自転車を走らせる。

 そして、駅前へとやって来ると既に彼女は自転車を用意して俺を待っていた。

「ごめんね、永久。待たせちゃったかな?」
「いえ、私も今来たところですから。たまたま少し早く起きてしまって、いつもより一本早い電車に乗って来ただけですから」
「そうか。それなら良かったかな」

 俺はそう言うと、自転車を停めて彼女の元へ歩み寄る。
 永久も同じように自転車を停めて俺の元へと来る。

「ふふふ。大好きです、霧都」
「俺も大好きだよ、永久」

 誰も居ない早朝の駅の前、彼女と抱きしめ合いキスをする。
 この日常は誰にも邪魔はさせない、壊させない。

 凛音が何を考えていて、何をしようとしても関係ない。
 俺は彼女を愛しているから。

 そう決意を新たにして、俺は永久との時間を楽しんだ。





「今日の試験が終わったあとですが、恐らく凛音さんのお見舞いに霧都が行かなければならない状況になると思ってます」

 学校へと向い、自転車を走らせながら永久は俺にそう言ってきた。

「えと……それはどうしてかな。凛音が仮病だって話はしたと思うけど?」
「霧都からされた話をお母さんにしたんです。その時に話されたのですが、凛音さんが仮病だと言うことは私と霧都しか知りません」
「そうだね」
「そうすると、凛音さんは『霧都が凛音さんをお見舞いに行く空気』を作ってくる。とお母さんが言ってました」

 ……なるほど。そういう可能性はおおいにありえるよな。

「その場合。私はそれを止めません」
「……それは、彼女として『幼馴染の絆』を壊してはならない。ってやつだからかな?」
「そうです。私は霧都の『正妻』です。凛音さんは所詮は幼馴染です。霧都がお見舞いに行くことくらいは許容しなければならないでしょう」
「なるほどね。わかったよ」

 俺はそう言うと、永久の言葉に首を縦に振った。

「もしそういう事態になった場合は、俺は凛音のお見舞いに行ってくるよ。まぁその時は凛音がなんで仮病なんかを使ったのかを聞いておくかな」
「……お母さんの話だと、凛音さんのお母さん。静流さんが一枚噛んでいると読んでます」
「……静流さんか。それはとても厄介だな」

 凛音が仮病を使った理由は静流さんの入れ知恵。この時点で凛音の家に行くことが危険に思えて仕方ない。
 でも、行かざるを得ない状況になってる。

 これは相当警戒していかないとダメだな。

 そして、俺たちの目の前には学校の校門が見えてきた。

 学校へと到着した俺たちは、自転車を駐輪場に停めて職員室へと向かう。
 その途中。足を止めた永久が俺を見つめながら言う。

「私は霧都を信じてます。何があっても貴方の事を愛してます」
「ありがとう永久。俺も同じ気持ちだよ」

「ひゅーひゅー朝からお熱いねーー」
「あはは。雫さん、からかったら二人に悪いよ」

 後ろから聞こえてきた声に振り向くと、ニヤニヤと笑っている桐崎さんと、少しだけ申し訳なさそうな表情の流が居た。

「おはよう、桐崎さんに流。まぁ聞かれて恥ずかしい言葉じゃないからね」
「おお!!桜井くんもなかなか言うようになったじゃない。これには永久ちゃんも大喜びだね!!」
「ふふふ。そうですね。とても嬉しく思いますよ」

 そして四人になった俺たちは職員室で鍵を借りて図書室へと向かう。

 鍵を借りて職員室を出たところで石崎と白雪さんと出会った。

「おはようございます、皆さん」
「おはよう、皆。お陰様でテストの初日は悪くない手応えだったぜ」
「おはよう白雪さんに石崎。テスト勉強の成果が出たみたいで安心したよ」
「それでは二日目のテスト範囲の確認をしながら勉強をしましょうか」

 六人になった俺たちは、図書室へと向かって行った。

 そして、図書室に辿り着いた俺たち六人はいつもの位置について勉強道具を広げる。
 この時間はどちらかと言えばテスト範囲のおさらい。
 きちんと覚えているかを確認する時間だ。

 今日は苦手の英語があるからな。
 単語や文法にミスがないようにして行かないとな。

 そう考えていると、桐崎さんが俺に話しかけてきた。

「今日のテストが終わったら、桜井くんは凛音ちゃんのお見舞いに行く感じかな?」
「あぁ……その件だけど、桐崎さんと流には話しておこうと思うんだ」
「……その話ぶりだと何かありそうだね」

 桐崎さんの言葉に俺がそう答えると、流が何かを察したように言葉を返す。

「南野さん。体調が悪いと聞いていますが、何かあるんですか?」
「アイツも運が無いよな。何もこんな時期に体調を崩すなんてな」

 心配そうな白雪さんと、少しだけ同情しているような石崎。
 そんな四人に俺は本当のことを話す。

「凛音の体調のことだけど、十中八九『仮病』だと思ってるよ」
「「「「……え?」」」」

 永久を覗いた四人が驚いたような表情と声を上げた。

「仮病って……なんで凛音ちゃんはそんなことをしたのかな?永久ちゃんの油断を誘う。なんて姑息なことをする女の子じゃなかったと思うけど……」
「そうだな。あの女がそんなくだらないことをするような性格には見えないからな」

 桐崎さんと石崎の言葉に、流と白雪さんが首を縦に振って同意を示す。

「まぁ、凛音の仮病までは見抜いてるんだけど、意図までは俺もわからなかった。でもこれは永久のお母さんの話なんだけど、凛音は俺を自宅に誘き寄せる手段として仮病を使ったみたいなんだ」
「でも、霧都は南野さんが仮病だってことを知ってるわけだろ?だったらお見舞いになんか行く必要ないよね」

 首を傾げる流に、俺は言葉を続ける。

「結局。凛音が仮病だってことを知ってるのはここに居る人間だけだ。あいつの仮病も正直な話、俺しか見抜けてなかった。だから『俺がお見舞いに行く空気』を凛音は作ると考えてるんだ」
「なるほどね。それで、永久ちゃんはそれを止めるつもりが無いわけだよね?」
「そうですね。霧都の正妻は私です。凛音さんは所詮は幼馴染。幼馴染のお見舞いに行くのをダメというのは体裁が悪いですからね」
「そこまで考えて南野さんは仮病を使ってたのか……」

「恐らくは凛音のお母さん……静流さんの入れ知恵だと予想してるけどな。まぁそういう事だから、俺が凛音のお見舞いに行くことになってもこういう事情だから、あまり気にしないでくれ」

 俺がそう言うと、石崎が少しだけ笑いながら俺に言ってくる。

「モテる男は大変だな桜井」
「まぁ凛音が何をしてきても、俺は永久一筋だからな」
「ひゅー言うじゃねぇか。まぁでもそうじゃないとな。どっかのハーレム王みたいに二人と関係を持つ。とかやってたら軽蔑してるぜ」
「あの人は例外過ぎるだろ……」

 そして、一通り説明を終えたところで時間の期限がやってきた。

「そこまで勉強が出来た訳じゃないけどそろそろ時間だから図書室を出ようか」

 俺がそう言うと、皆は首を縦に振る。

「それじゃあ中間テストも今日で最後だ。ケアレスミスが無いように、しっかりと確認をして全力を尽くそう」

 こうして俺たちは図書室を後にして教室へと向かって行った。

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