Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶

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第1章

第二十話 ~セルティックの街では昼ごはんとしてファーストフード店で飲食をすることにした~

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 第二十話




『お待たせしました。終点のセルティックです』

 馬車に揺られること数時間。俺たちを乗せた馬車は終点のセルティックに到着した。

 魔獣に襲われる。という事態は先程の中型ウルフだけで、それ以外では幸いなことに無かった。

「貸切にしてくれてありがとう。お陰で車内を広く使えたよ」

 俺はそう言って、運転手に通常の価格の1.5倍の料金を差し出した。
 だが、運転手は手を振ってそれを固辞した。

『いえ!!ベルフォードさん。料金は通常で構いません。高名なSランクを乗せることが出来た。というのは何よりも宣伝になりますから!!』
「ははは。そうか。ならお言葉に甘えようかな」

 彼がそう言うのなら、こちらとしてもそれを否定するつもりは無い。
 俺は引退したとは言え、リーファはまだまだ現役だ。
 ネームバリューはかなりあると言えるからな。

 俺は運転手の言うように通常の料金の支払いを行った。

「さて、俺の故郷まではここからそれなりに歩くことになるんだ。だから一旦ここで昼ご飯にしようか」
「そうね。セルティックなら『ハンバーガー』が有名ね。朝はしっかりと食べたから、軽食で済ませるのが良いと思うわね」

 俺の言葉にリーファがそう返事をすると、馬車では刀の姿だったツキが人の姿に戻った。

「なるほど。ハンバーガーは気になりますね。確かパンにハンバーグを挟んだ料理でしたね?」
「そうそう。『アメリカ』で生み出された料理みたいでな。これも異世界転移者が持ち込んだ料理だって言われてる」

 俺がツキにそう説明をすると、リーファは少しだけイジワルな笑みを浮かべながらツキをからかっていた。

「ふふふ。ねぇ、ツキのおしりはもう大丈夫なのかしら?」
「大丈夫です!!リーファはベルフォードに馬車の中では散々くっついていたんですからね!!ここでは私に譲ってもらいますからね!!」

 ツキはそう言うと、リーファに見せつけるように俺の右腕を抱きしめるようにしていた。



 そして、俺たち三人は街の真ん中にある食事処にやって来た。

『バーガークイーン』と呼ばれる食事処で、ハンバーガーやフライドポテトやナゲットなど『ファーストフード』と呼ばれる料理を提供する店だ。

 個人的には『テリヤキバーガー』と言われる甘辛の醤油ベースのバーガーが好みだ。
 シャキシャキのレタスとマヨネーズがアクセントになっていて非常に美味しい。

 そんなことを考えながら、俺たちは店の中に足を踏み入れる。

『いらっしゃいませ!!ご注文をどうぞ!!』

 若い男性の店員が赤いユニフォームに身を包み、笑顔で出迎えてくれた。

「これは……初めて見る装いですね」
「洋服と呼ばれるものを制服に導入してる企業なんだ。俺が着てたスーツ何かもそう呼ばれてる」

「なるほど。勉強になります」
「ちなみに、ツキが着てるその着物は和服って呼ばれてるんだ。隣国のトウヨウの人が好んで着ている服だな」
「私が産まれた場所で目にしていた服でしたので、これを選びました。なるほど、私は知らないうちに国を渡っていたのですね」

 そんな話をしていると、リーファが呆れたような表情でこちらに向かって言ってきた。

「ほら、早く頼まないと店員さんが困っちゃうわよ?」
「あぁ、すまない。俺が頼むのはもう決まってるんだ」
「私はベルフォードと同じものにしようと思います!!」

 俺は店員さんの前に置かれたメニュー表を指差しながら注文をしていく。

「テリヤキバーガーのセットを一つ。ポテトと飲み物はLサイズでお願いします。飲み物は……コーラにしようかな」
『かしこまりました。テリヤキバーガーのLセットを一つ。飲み物はコーラですね』
「ベルフォード!!コーラって何ですか!!??」

 あはは。多分そういう反応が来ると思ったから選んだんだ。
 本当なら烏龍茶にしようかと思ったけど『炭酸飲料』をツキに体験させてあげようと思った。

「コーラは『炭酸飲料』って呼ばれててな。甘くてシュワシュワする飲み物だと思ってくれ。まぁ飲んでみればわかる」
「わかりました!!では店員さん。私もベルフォードと同じものをお願いします!!」
『はい。かしこまりました』

 店員さんはそう言うと、注文を用紙に記入していく。

「私はベーコンレタスバーガーのセットを一つかしら。ポテトはサラダに変更してちょうだい。飲み物はアイスティーのストレートにするわ」
『かしこまりました。ベーコンレタスバーガーのセットを一つ。ポテトはサラダに変更して飲み物はアイスティーのストレート。ドレッシングは何になさいますか?』

「そうね。ノンオイルの和風ドレッシングにしようかしら」
『かしこまりました。それでは料金はこちらになります』

 店員さんはそう言うと、俺たちに料金を提示した。

「2580Gですか……い、意外と高いんですかね?」
「あはは。小鳥の憩い場の価格設定が安いからそう思えるけど、これはとても安い方だよ」

 俺はそう言うと、財布からお金を取り出して三人分の料金の支払いを済ませた。

『出来上がりましたら番号でお呼びしますので、こちらでお待ちください』
「じゃあ受け取りは俺の方でやっておくから、リーファとツキは席を確保しておいてもらえるか?」

「了解よ」
「ありがとうございます、ベルフォード」

 リーファとツキがそう言って窓際の席へと向かうのを見てから、カウンターから少しずれたところに身体を移し、俺は列から外れる。

 そして、少しすると注文品が出来たので俺の番号が呼ばれた。

『お待たせしました。334番でお待ちのお客様』
「はい。自分です」

 俺は店員さんから三人分の食事を受け取る。
 失敗した。手は二本しかないから運び切れないな。

「すみません。運ぶのを手伝ってもらっても良いですか?」
『大丈夫ですよ。お運びしますね』

 店員さんは俺の要望に快く応えてくれた。
 親切な店員さんで良かった。

 そんな事を思いながら、俺と店員さんはリーファとツキの待つテーブルへと食事を運んだ。
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