54 / 292
第1章
第七話 ⑦ ~バイト先に黒瀬さんがやって来ました~
しおりを挟む
第七話 ⑦
「いらっしゃいませー」
「ありがとうしたーまたお越しくださいませー」
さて、朱里さんとのデートはどうしようかなぁ……
なんてことを考えながら、俺はコンビニのバイトをしていた。
「おい、少年。随分と上の空だな?」
「あ、すみません。司さん」
と、レジ周りで掃除をしてた俺に、発注をしていた司さんが声を掛けてくる。
「さっきからずっと同じところを拭いてるぞ?なにか考え事か?」
「すみません、彼女と何処にデート行こうか考えてました」
と、正直に話す。
「ほぅ、仕事をしながらそんな事を考えていたのか」
「ははは、まぁ司さんが一緒に働いてるんで何かあっても大丈夫だとと思ってました」
そんなことを言う俺に司さんが、
「へぇ、随分と生意気なことを言うようになったものだ。誰だ、少年をそう育てたのは?」
とイタズラっぽく言うので、
「司さんです」
と言ってやった。
「ふふふ、なかなか言うな。それで、何処に行くつもりなんだ?」
「そうですね。水族館とかいいかなと思ってるんです」
「なるほど、定番だな」
「はい。奇を衒うより、王道をいこうかと思います」
そういう俺に司さんが、
「チンアナゴを見てくるんだな」
と楽しそうに言ってくる。
「……いや、それだけじゃないですよ。てか、仮にも女性なんですから、チンとか軽々に言わないでくださいよ?」
「何を言ってるんだ?水族館と言えば、イルカ、ペンギン、チンアナゴだ」
とドヤ顔をする司さん
「その二匹にチンアナゴが並び立つなんて……まぁ見ますけど」
「ほう、そしていい雰囲気になり、俺のチンアナゴも見てくれと……」
「言いません!!」
ケラケラと笑う司さん。
「ほら、そろそろお客さんも増えてくる時間です!!早く発注を終えて、レジ二名体制に備えてください!!」
「大丈夫だ。もう発注は終わってるよ。だから、少年をからかっていた」
趣味が悪いです!!
と言ってると、お客さんが来た。
「いらっしゃいま……」
お客さんの顔を見た俺が固まる。
「黒瀬さん……」
「これは驚きました。桐崎くんです」
上下スウェットと言う学校では到底拝めないラフな格好をした黒瀬さんが、コンビニに来店した。
「あ、あんまり見ないでください……」
「あ、ごめん!!」
恥ずかしそうに腕を抱く黒瀬さん。
そうだよな。誰かに会うなんて考えてない服装だ。
「それで、少年。こちらのやんごとなき美少女は誰なんだい?」
と、司さんが興味深そうに聞いてくる。
「あ、司さん。こちらは俺のクラスメイトで同じ学級委員をしてる黒瀬さんです」
と、紹介する。
「ほぅ、彼女が何度か店に来てるのを見かけていたが、少年の知り合いだったのか」
黒瀬さん、このコンビニ何度か使ってたのか。
半年働いてたけど会ったのは初めてだ。
そんな俺に司さんが耳元で囁く。
「可愛い彼女が居るのに、こんな美少女ともよろしくするとは、少年も隅に置けないな」
「黒瀬さんとはそんなんじゃありません!!」
と、司さんに反論する。
「桐崎くん、随分とそちらの女性と仲がよろしいんですね?」
と、黒瀬さんが少しだけジトっとした目で見てくる。
さ、最近その目で見られることが増えてる気がする……
「え、えーと司さんは……」
「名前で呼ぶ関係……と」
「黒瀬さん!?」
「いいですよ?続けてください」
黒瀬さんのジト目が止まらない……っ!!
俺は司さんは俺の教育係だったと説明する。
大変お世話になったバイトの先輩だと。
「なるほど、そうでしたか」
「わ、わかってもらえてよかったよ……」
俺は額にかいた冷や汗を拭う。
「今後もこちらのコンビニを利用する予定ですので、よろしくお願いします」
黒瀬さんはそう言うと、りんご酢の飲み物とカルビ弁当を出てきた。
またお肉……
「温めは家でやりますので大丈夫です」
「あ、はい」
会計を済ませ、出口へ向かう黒瀬さんを見送る。
「では、桐崎くん。またあとで」
詳しい話はメッセージでお願いします。
そう行って彼女は店から出て行った。
「少年……頑張れよ?」
その様子に、司さんが少しだけ不憫そうに言ってくる。
「……はぁ」
俺は深く溜息をつきながらその言葉に頷いた。
そして、少しだけ陰鬱な気持ちになりながら、残りの時間のバイトをこなして行った。
「いらっしゃいませー」
「ありがとうしたーまたお越しくださいませー」
さて、朱里さんとのデートはどうしようかなぁ……
なんてことを考えながら、俺はコンビニのバイトをしていた。
「おい、少年。随分と上の空だな?」
「あ、すみません。司さん」
と、レジ周りで掃除をしてた俺に、発注をしていた司さんが声を掛けてくる。
「さっきからずっと同じところを拭いてるぞ?なにか考え事か?」
「すみません、彼女と何処にデート行こうか考えてました」
と、正直に話す。
「ほぅ、仕事をしながらそんな事を考えていたのか」
「ははは、まぁ司さんが一緒に働いてるんで何かあっても大丈夫だとと思ってました」
そんなことを言う俺に司さんが、
「へぇ、随分と生意気なことを言うようになったものだ。誰だ、少年をそう育てたのは?」
とイタズラっぽく言うので、
「司さんです」
と言ってやった。
「ふふふ、なかなか言うな。それで、何処に行くつもりなんだ?」
「そうですね。水族館とかいいかなと思ってるんです」
「なるほど、定番だな」
「はい。奇を衒うより、王道をいこうかと思います」
そういう俺に司さんが、
「チンアナゴを見てくるんだな」
と楽しそうに言ってくる。
「……いや、それだけじゃないですよ。てか、仮にも女性なんですから、チンとか軽々に言わないでくださいよ?」
「何を言ってるんだ?水族館と言えば、イルカ、ペンギン、チンアナゴだ」
とドヤ顔をする司さん
「その二匹にチンアナゴが並び立つなんて……まぁ見ますけど」
「ほう、そしていい雰囲気になり、俺のチンアナゴも見てくれと……」
「言いません!!」
ケラケラと笑う司さん。
「ほら、そろそろお客さんも増えてくる時間です!!早く発注を終えて、レジ二名体制に備えてください!!」
「大丈夫だ。もう発注は終わってるよ。だから、少年をからかっていた」
趣味が悪いです!!
と言ってると、お客さんが来た。
「いらっしゃいま……」
お客さんの顔を見た俺が固まる。
「黒瀬さん……」
「これは驚きました。桐崎くんです」
上下スウェットと言う学校では到底拝めないラフな格好をした黒瀬さんが、コンビニに来店した。
「あ、あんまり見ないでください……」
「あ、ごめん!!」
恥ずかしそうに腕を抱く黒瀬さん。
そうだよな。誰かに会うなんて考えてない服装だ。
「それで、少年。こちらのやんごとなき美少女は誰なんだい?」
と、司さんが興味深そうに聞いてくる。
「あ、司さん。こちらは俺のクラスメイトで同じ学級委員をしてる黒瀬さんです」
と、紹介する。
「ほぅ、彼女が何度か店に来てるのを見かけていたが、少年の知り合いだったのか」
黒瀬さん、このコンビニ何度か使ってたのか。
半年働いてたけど会ったのは初めてだ。
そんな俺に司さんが耳元で囁く。
「可愛い彼女が居るのに、こんな美少女ともよろしくするとは、少年も隅に置けないな」
「黒瀬さんとはそんなんじゃありません!!」
と、司さんに反論する。
「桐崎くん、随分とそちらの女性と仲がよろしいんですね?」
と、黒瀬さんが少しだけジトっとした目で見てくる。
さ、最近その目で見られることが増えてる気がする……
「え、えーと司さんは……」
「名前で呼ぶ関係……と」
「黒瀬さん!?」
「いいですよ?続けてください」
黒瀬さんのジト目が止まらない……っ!!
俺は司さんは俺の教育係だったと説明する。
大変お世話になったバイトの先輩だと。
「なるほど、そうでしたか」
「わ、わかってもらえてよかったよ……」
俺は額にかいた冷や汗を拭う。
「今後もこちらのコンビニを利用する予定ですので、よろしくお願いします」
黒瀬さんはそう言うと、りんご酢の飲み物とカルビ弁当を出てきた。
またお肉……
「温めは家でやりますので大丈夫です」
「あ、はい」
会計を済ませ、出口へ向かう黒瀬さんを見送る。
「では、桐崎くん。またあとで」
詳しい話はメッセージでお願いします。
そう行って彼女は店から出て行った。
「少年……頑張れよ?」
その様子に、司さんが少しだけ不憫そうに言ってくる。
「……はぁ」
俺は深く溜息をつきながらその言葉に頷いた。
そして、少しだけ陰鬱な気持ちになりながら、残りの時間のバイトをこなして行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました
ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。
意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。
しかし返ってきたのは――
「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。
完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。
その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる