学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第1章

第八話 ⑤ ~二回目のデート・幼女からキスをされました.....~

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 第八話  ⑤




 しっかりとゴミを捨て、休憩スペースを綺麗にしてから席を立つ。
 次に使う人のことを考えて行動しようといつも思ってる。

「ねぇねぇ悠斗くん!!イルカのぬいぐるみがたくさんあるUFOキャッチャーがあるよ!!」

 ゲームコーナーに到着すると、朱里さんが楽しそうにUFOキャッチャーを指さす。

「アームの強さにもよると思うけど、もし良ければ俺が取ってあげようか?」

 水族館のUFOキャッチャーが鬼畜設定だとは思いたくない。まぁ千円も使えば取れるだろう。

「おぉ!!ゲームが得意な悠斗くんの本領発揮……」

「おい!!お前ら!!また会ったな!!」

 …………。

 何でここに居るんだよ……。

 俺はその声に振り向く。

 そこにいたのは、

「連コイン死体蹴りおじさん」

 三十過ぎのあのおっさんだった。

 なんだ……ゲームがあるとこに行くとエンカウントする仕様なのか?


「俺はここの年間パスポートを持っている」

 またいきなり語りだした……

「初めて彼女が出来た時に、初デートで来たこの場所を、いつでも来れるように」

 え?このおっさん彼女いたことあるのか!?

「今でも彼女はこの3DSの中に居る……」

 ゲームかよ!!

 気持ちはわかるけど!!

「で、何の用ですか?」

 俺はいやいやながら聞く。

 要件があるならさっさと言ってさっさと去って欲しい。

「お前には借りがある……」

 あぁ、あの時ボコボコにした。

「今度こそお前に、彼女の前で恥をかかせてやる!!」

 前回同様に醜い嫉妬だった……

「まぁ、別に勝負は構いませんが、ここにラスバトなんて無いですよ?」
「ふ、馬鹿め」

 おっさんが、俺の言葉を鼻で笑う。

 は?

 人がせっかく敬語を使ってやってんのにこのおっさん。

「そこにUFOキャッチャーがあるだろ?それで勝負だ!!」

 と、ドヤ顔でおっさんが勝負を仕掛けてきた。

「はぁ、じゃあそっちが先行で」
「ふ、良いだろう!!俺の美技を見せてやる!!」

 そう言っておっさんはUFOキャッチャーの前に立つ。

「ねぇねぇ悠斗くん、後攻を選んだのってなんかあるの?」

 俺の隣に寄ってきた朱里さんが耳打ちする。

「あぁ、結局俺はあのUFOキャッチャーをやった事がないからね。あのおっさんのプレイを見てアームの強さとか癖とかを確認しようかと思ってね」

 そうすれば無駄金使わなくて済むし。

 なんて思ってるとおっさんがUFOキャッチャーをプレイし始めた。

 200円で1回、500円で3回のUFOキャッチャー

 おっさんは200円入れてプレイし始めた。

「悠斗くん。500円入れた方がお得だよね?」
「うーん。1発で取れる自信があるなら200円で十分だと思うけど。特にルールは聞いてないけど、多分幾らで取れるか?って勝負だと思うし」
「ねぇねぇ、なんで勝負なんて受けたの?」

 確かに、あんなのシカトしたって良いよな。
 俺は朱里さんの当然の問いに答える。

「え?あーそれはね」

 朱里さんの前でいいとこ見せたかったってのがあるよね。

 と。

「結局のところ。あのUFOキャッチャーでぬいぐるみは取るつもりだったし。あとは変にシカトしてこのまま付きまとわれるのもめんどくさいし。さっさとコテンパンにして去ってもらおうかと」
「あはは、確かにしつこそうだもんね」
「でしょ?……て言うかあのおっさん下手くそだなぁ!!」

 そこには最初の200円以降は、バンバン500円を投入してるおっさんが。

 一体この会話の間にいくら使った?2000円くらいか?

「な、なぁ……おっさん。そのくらいで……」
「うるさい!!」

 手を突っぱねられる。やべぇ周りが見えてねぇ。

「ねぇ、悠斗くん。どうするの?」
「うーん。まぁ……あっちにも同じようなUFOキャッチャーがあるし、俺はあっちをやるよ」

 と、俺は朱里さんに別のUFOキャッチャーを指さす。

「あ、ホントだ!!中身も一緒だね」
「まぁ、こういう風にひとりが占拠するって事態を想定してたのかも」

 俺はそう言うと、もう一台の機械の前に立つ。

「よし。朱里さん、どれが欲しい?」
「取りやすいのじゃなくて、欲しいのでいいの?」
「欲しくないのを貰ってもあれだと思うし、それにまずは希望を聞こうかと」

 俺の言葉に朱里さんは少し思案すると、

「じゃあ……このピンクのイルカが欲しい!!」
「うん。これならタグに引っ掛ければ取れると思う。とりあえず500円で取ってみるよ」

 俺は500円玉を機械に入れると、アームを動かす。

 おっさんのやつを見てたので、アームの動きに変な癖がないのは確認済だ。

 変な癖がないのにあのアームコントロール……下手過ぎだよなぁ

 そして、アームが開き降りていく。

「あれ?悠斗くん。ちょっとズレてない?」
「あぁ、朱里さん。これはタグ引っ掛けって言って、アームにタグを引っ掛けて取るやり方なんだ」

 別に挟んで取るだけがUFOキャッチャーじゃないんだよね。

 転がしたりするのは有名だよね。

 アームが上手くタグのリングに引っかかり、ぬいぐるみがプラプラとぶら下がる。

「おぉー!!すごーい!!」

「一発で上手く行ったね」

 取り出し口にポトリと落ちてきたイルカのぬいぐるみを手に取り、朱里さんに渡す。

「はい、朱里さん。上げるね」
「わー!!悠斗くんありがとう!!」

 朱里さんはぬいぐるみを抱えながら飛び跳ねる。
 可愛い。

 さて、あと2回残ってるけどどうしようかな……

 と、思案してると。ズボンの裾が引っ張られる感覚に振り向く。

 そこには、

「あのね、お兄ちゃん……良かったらぬいぐるみ取って欲しいの……」

 小学生くらいの女の子が足元に居た。

「あたし、ぬいぐるみ取るの下手だし、それにあのおじさんがずっと遊んでてあたしが出来ないの……」

「あ、あぁ……」

 なんて迷惑なおっさん……

「ねぇねぇ、悠斗くん。取ってあげられるの?」

「うーん。そうだな……おじょうちゃん、どのぬいぐるみが欲しい?」
「取ってくれるの!?」

 パァ!!と表情を輝かせる女の子

「まぁ物にもよるけどね」
「じゃあ……コレ!!」

 と女の子が指をさしたのは水色のオーソドックスなイルカのぬいぐるみ。

 うん。これなら一回目でタグを引っ掛けやすい位置にして、二回目で行けるな。

「うん。多分大丈夫だね。一回目は失敗前提でやるからそのつもりで見ててね?」
「うん!!」
「で、二回目で取るから」

 俺はそう言うと、まずは一回目の操作でいい位置にぬいぐるみを転がすようにアームを動かす。

 明らかにぬいぐるみの真上ではない場所にアームを下ろし、ぬいぐるみをズラす。

 ……よし、いい位置に来た。

「…………」
「…………」

 朱里さんと女の子がすごい見てる。

 プレッシャー半端ねぇ……

 運命の二回目。

 俺は狙い通りの位置にアームを下ろす。

 ぬいぐるみの真上ではやはりないので、朱里さんのぬいぐるみを取ったやり方を見てない女の子は不安そうな表情になる。

 しかし、アームが閉じて、ぬいぐるみが引っ掛かるように持ち上がると、表情が一気に明るくなる。

 そして、プラプラと揺れながら、イルカのぬいぐるみが取り出し口に落ちる。

 俺はそれを拾い上げ、少し屈んで女の子に上げる。

「はい。上げるね」

 ぬいぐるみを受け取った女の子は満面の笑みを浮かべる。

「わーい!!ありがとうお兄ちゃん!!これはお礼だよ!!」
「……え?」

 チュッ!!

「あぁ!!悠斗くん!!」

 女の子は俺の頬にキスをすると、

「えへへー私のファーストキスだよお兄ちゃん!!あたしが大きくなったら結婚してあげるね!!」

 バイバイ!!

 と言って走って行った。

「…………」

 最近の女の子ってませてるなぁ……

 なんて、思ってると

「悠斗くん?ナンパはまぁ許してあげるけど……」
「いやいや、朱里さん!!??これは事故みたいなもんでしょ!!それに俺が結婚するのは朱里さん……」
「も、もー!!悠斗くん!!まぁ……あれは仕方ないよね……うん。浮気認定はしないであげる!!」
「ははは……ありがとう」

 そんなやり取りをしてる最中も

「取れない!!なんだこれ!!悪質設定だ!!」

 なんて騒ぎながらおっさんがまだUFOキャッチャーをしていた。

 もうほっといてお土産でも見に行くか。

 何だかんだで一時間くらい潰れたし。

「それじぁあ朱里さん。そろそろお土産買いに行こうか」
「うん!!」

 ギャーギャー騒いでるおっさんは放っておいて、俺たちはお土産屋さんへと向かった。
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