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第1章
第九話 ⑪ ~波乱の一日・夕方~ 聖女様視点
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第九話 ⑪
聖女様視点
昼休憩を早めに切り上げ、お馬さんたちと戯れました。
そして、五時間目と六時間目の授業とショートホームルームを終え、放課後がやって来ました。
ここまでは私の思い描いた通りの展開ですね。
私は本日の自分の仕事の学級日誌を書いていました。
いつもは書き終わるまで待っていてくれる悠斗くんですが、今日はアルバイトがあるようです。
「今日はバイトがあるから、学級日誌を任せてもいいかな?」
ふふふ、良いですよ。夫を笑顔で仕事に送り出すのは、正妻の勤めですから。
私は笑みを浮かべながら、悠斗くんに言います。
「大丈夫ですよ。お仕事、頑張ってくださいね」
ふふふ、今の言葉に、お馬さんたちが歓声を上げました。
「……っ!!ありがとう。じゃあまた明日」
去りゆく悠斗くんの背中に手を振りました。
佐藤さんや藤崎さん、脳筋の三人は既に部活に向かっていたようですね。教室には居ませんでした。
私は学級日誌を提出し終えると、下駄箱へと向かいます。
そこにはクラスメイトが一人。待っていました。
「すみません。斉藤さん、お待たせしました」
私はスマホをいじりながら待つクラスメイトに声を掛けます。
「さっきまで友達と話してたし、そんなに待ってないから平気だよー」
と、斉藤さんは私に笑いかけてくれました。
彼女には昼の時間に、
『朝の写真が欲しいので、アカウントを交換しませんか?』
と言って、連絡先を交換していました。
そして、その時に
『もしよろしければ、放課後に少し時間を頂けませんか?悠斗くんとの事で少し相談がありまして』
と話したところ、二つ返事で了承を頂けました。
そして、この放課後の時間。彼女と待ち合わせをしていたところでした。
「立ち話もなんですので、移動しましょう。斉藤さんも自転車通学でしたね?」
「うん。そうだよ。黒瀬さんもだよね」
「はい。良ければ近くにある喫茶店でお話をしたいなと」
「スタバを喫茶店って言うあたりが黒瀬さんの面白いところだよねー」
なんて他愛ない会話をしながら、喫茶店……すたば?に到着しました。
私が喫茶店と呼んだ店は、
スターライト・バックス・コーヒー
略してスタバ。らしいです。
女子高生が話ごとをしたりするのに最適のお店のようです。
は、初めて来ました…
そして、斉藤さんが店員さんによくわからない呪文のような言葉を言ってました。
え?
「ご注文はいかがなさいますか?」
「ま、前の人と同じのでよろしくお願いします……」
わ、私は日和ました……
だ、だって、初めてだったんですから!!
仕方ありません!!
私は会計の場所に行き、既に出来上がりを待っている斉藤さんに声を掛けます。
「私が誘ったので、ここは私が持ちますよ」
「えぇーいいの?結構するよ?」
「はい。大丈夫です。それに、斉藤さんにはお世話になりましたので」
「あははー。いやー朝はびっくりしたよねー……あ、キタキタ!!あれ?黒瀬さんも同じの?」
「はい。そうです」
「ふーん。黒瀬さんも甘いの好きなんだね!!」
二人分のお会計を済ませ、私は出来上がった『飲み物のようなもの』を受け取ります。
な、なんですか……これは……?
生クリームとチョコレートソースがたっぷりと乗った、おおよそ飲み物とは思えない何かを受け取りました。
「やっぱマシマシだよねー」
「あ、はい」
幸せそうな表情の斉藤さん。
ま、まぁ……甘いものは嫌いではないので。
ひと口食べてみますか……
「お、美味しい!!」
「だよねー大正義だよねー」
そんなこと言いながら二人で味を楽しみました。
そして、私から斉藤さんに切り出します。
「斉藤さんは悠斗くんを好きだと思ってました」
その言葉に彼女は少しだけ遠くを見ます。
「うーん。そうだね。確かに好きだったよ?でもさ、桐崎くんてさーにぶちんだよねー」
こっちが好き好きアピしてても全然気が付いてくれないからさー
と言いました。
「頭いいし、優しいし、面白いし、身だしなみもしっかりしてて、チャラチャラしてなくてさ。私だけじゃなくて結構影では人気高かったんだけどさー。あそこまで手応えが無いと告白するなんて出来ないよね」
だから、友達として接していこうってなる女の子多かったと思うよ?
「そうなんですね」
「そこで、黒瀬さんなわけですよ!!」
斉藤さんは続けます。
「いやーぶっちゃけ本命はあかりんかなーって思ってたけど、朝の教室見たらびっくりですわー」
ドラマのワンシーンみたい。って思ってたら、気が付いたら写真撮ってた。ごめんね。
「まあ、写真は良いですよ?藤崎さんも悠斗くんと仲良いですからね。ライバルだと思ってます」
「おお!!女の戦いだね!!私には無理かなー」
桐崎くんは激戦区だからねぇ
「そこで、斉藤さんにお願いがあるんです」
「お願い?」
「はい。実は撮ってもらいたい写真がありまして……」
と、私は事の次第を斉藤さんに説明する。
「なるほどねぇ。まぁいいよ?」
「本当ですか!!ありがとうございます!!」
「なんて言うか、私も登場人物の一人になれたような気分だし。お父さんやお母さんには内緒にすればなんとかなると思うし」
「無理を承知でしたがありがとうございます」
ふふふ……やりました。
私は甘い飲み物の残りを飲みきり、笑います。
「でも、上手く撮れなかったらごめんね?」
「いえ、そこは気にしないでください。正直な話。重要なのは斉藤さんの証言だと思ってるので」
「おけおけー。じゃあまあ頑張ってね、恋する乙女さん」
そう言うと、斉藤さんはスタバから出て行きました。
そして、私も少ししてから店を出ます。
この飲み物より甘い悠斗くんです。
きっと私の策略に嵌ってくれることでしょう。
ふふふ、今から楽しみですね。
私は十八時を指す時計を見ながら、あと四時間程ですね。と小さく呟きました。
聖女様視点
昼休憩を早めに切り上げ、お馬さんたちと戯れました。
そして、五時間目と六時間目の授業とショートホームルームを終え、放課後がやって来ました。
ここまでは私の思い描いた通りの展開ですね。
私は本日の自分の仕事の学級日誌を書いていました。
いつもは書き終わるまで待っていてくれる悠斗くんですが、今日はアルバイトがあるようです。
「今日はバイトがあるから、学級日誌を任せてもいいかな?」
ふふふ、良いですよ。夫を笑顔で仕事に送り出すのは、正妻の勤めですから。
私は笑みを浮かべながら、悠斗くんに言います。
「大丈夫ですよ。お仕事、頑張ってくださいね」
ふふふ、今の言葉に、お馬さんたちが歓声を上げました。
「……っ!!ありがとう。じゃあまた明日」
去りゆく悠斗くんの背中に手を振りました。
佐藤さんや藤崎さん、脳筋の三人は既に部活に向かっていたようですね。教室には居ませんでした。
私は学級日誌を提出し終えると、下駄箱へと向かいます。
そこにはクラスメイトが一人。待っていました。
「すみません。斉藤さん、お待たせしました」
私はスマホをいじりながら待つクラスメイトに声を掛けます。
「さっきまで友達と話してたし、そんなに待ってないから平気だよー」
と、斉藤さんは私に笑いかけてくれました。
彼女には昼の時間に、
『朝の写真が欲しいので、アカウントを交換しませんか?』
と言って、連絡先を交換していました。
そして、その時に
『もしよろしければ、放課後に少し時間を頂けませんか?悠斗くんとの事で少し相談がありまして』
と話したところ、二つ返事で了承を頂けました。
そして、この放課後の時間。彼女と待ち合わせをしていたところでした。
「立ち話もなんですので、移動しましょう。斉藤さんも自転車通学でしたね?」
「うん。そうだよ。黒瀬さんもだよね」
「はい。良ければ近くにある喫茶店でお話をしたいなと」
「スタバを喫茶店って言うあたりが黒瀬さんの面白いところだよねー」
なんて他愛ない会話をしながら、喫茶店……すたば?に到着しました。
私が喫茶店と呼んだ店は、
スターライト・バックス・コーヒー
略してスタバ。らしいです。
女子高生が話ごとをしたりするのに最適のお店のようです。
は、初めて来ました…
そして、斉藤さんが店員さんによくわからない呪文のような言葉を言ってました。
え?
「ご注文はいかがなさいますか?」
「ま、前の人と同じのでよろしくお願いします……」
わ、私は日和ました……
だ、だって、初めてだったんですから!!
仕方ありません!!
私は会計の場所に行き、既に出来上がりを待っている斉藤さんに声を掛けます。
「私が誘ったので、ここは私が持ちますよ」
「えぇーいいの?結構するよ?」
「はい。大丈夫です。それに、斉藤さんにはお世話になりましたので」
「あははー。いやー朝はびっくりしたよねー……あ、キタキタ!!あれ?黒瀬さんも同じの?」
「はい。そうです」
「ふーん。黒瀬さんも甘いの好きなんだね!!」
二人分のお会計を済ませ、私は出来上がった『飲み物のようなもの』を受け取ります。
な、なんですか……これは……?
生クリームとチョコレートソースがたっぷりと乗った、おおよそ飲み物とは思えない何かを受け取りました。
「やっぱマシマシだよねー」
「あ、はい」
幸せそうな表情の斉藤さん。
ま、まぁ……甘いものは嫌いではないので。
ひと口食べてみますか……
「お、美味しい!!」
「だよねー大正義だよねー」
そんなこと言いながら二人で味を楽しみました。
そして、私から斉藤さんに切り出します。
「斉藤さんは悠斗くんを好きだと思ってました」
その言葉に彼女は少しだけ遠くを見ます。
「うーん。そうだね。確かに好きだったよ?でもさ、桐崎くんてさーにぶちんだよねー」
こっちが好き好きアピしてても全然気が付いてくれないからさー
と言いました。
「頭いいし、優しいし、面白いし、身だしなみもしっかりしてて、チャラチャラしてなくてさ。私だけじゃなくて結構影では人気高かったんだけどさー。あそこまで手応えが無いと告白するなんて出来ないよね」
だから、友達として接していこうってなる女の子多かったと思うよ?
「そうなんですね」
「そこで、黒瀬さんなわけですよ!!」
斉藤さんは続けます。
「いやーぶっちゃけ本命はあかりんかなーって思ってたけど、朝の教室見たらびっくりですわー」
ドラマのワンシーンみたい。って思ってたら、気が付いたら写真撮ってた。ごめんね。
「まあ、写真は良いですよ?藤崎さんも悠斗くんと仲良いですからね。ライバルだと思ってます」
「おお!!女の戦いだね!!私には無理かなー」
桐崎くんは激戦区だからねぇ
「そこで、斉藤さんにお願いがあるんです」
「お願い?」
「はい。実は撮ってもらいたい写真がありまして……」
と、私は事の次第を斉藤さんに説明する。
「なるほどねぇ。まぁいいよ?」
「本当ですか!!ありがとうございます!!」
「なんて言うか、私も登場人物の一人になれたような気分だし。お父さんやお母さんには内緒にすればなんとかなると思うし」
「無理を承知でしたがありがとうございます」
ふふふ……やりました。
私は甘い飲み物の残りを飲みきり、笑います。
「でも、上手く撮れなかったらごめんね?」
「いえ、そこは気にしないでください。正直な話。重要なのは斉藤さんの証言だと思ってるので」
「おけおけー。じゃあまあ頑張ってね、恋する乙女さん」
そう言うと、斉藤さんはスタバから出て行きました。
そして、私も少ししてから店を出ます。
この飲み物より甘い悠斗くんです。
きっと私の策略に嵌ってくれることでしょう。
ふふふ、今から楽しみですね。
私は十八時を指す時計を見ながら、あと四時間程ですね。と小さく呟きました。
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