152 / 292
第2章
第五話 ④ ~激戦の予算会議~ 早朝 朱里視点
しおりを挟む
第五話 ④
朱里視点
月曜日の早朝。私は制服に身を包み鏡の前に立つ。
捻挫した足はだいぶ良くなったので、もう松葉杖の世話にはならないで良さそうだ。
今日から自転車通学も再開して、悠斗と一緒に登校できる。
部活もきっつい体幹トレーニングや筋トレ中心のメニューから、軽いランニングやシュート練習にシフトしていく予定だ。
そして、今日は『予算会議』がある。
悠斗からそれなりに話は聞いているけど、結構厳しい見立てだと思ってる。
それに、新聞部が発行した新聞の影響力を考えたら、今のままだと……
なんてことを考えていると、
ピンポーン
と家のチャイムが鳴る。
「悠斗だ」
私はカバンを持ち、玄関へと向かう。
インターホンの画面に映った人物は、やっぱり悠斗だった。
……え?その髪型、デートの時の。
「……おはよう、悠斗。今行くね」
『おはよう、朱里。焦らなくていいからね』
私の足を気遣ってくれての発言だと思う。
こういうところが悠斗の優しいところだといつも思ってる。
ただ、やはり私の心には疑問が残った。
私は玄関へと向かい、革靴を履いて扉を開ける。
そこには、最愛の彼氏が最高にかっこいい姿で立っていた。
「……ねぇ、悠斗。その格好」
「今日はオンラインで配信されるからね。あの三人の隣に立つにはこの位はしないと。それに、藤崎朱里の彼氏として、かっこ悪い姿は見せたくない」
確かに悠斗の言い分はわかった。
でも……
「悠斗があまりカッコよすぎて、これ以上モテたら嫌だなぁ……って」
そう言う私を、悠斗はギュッと抱きしめる。
「大丈夫。どれだけモテたとしても、俺が一番大好きなのは朱里だから」
「うん……わかった」
私は悠斗をギュッと抱き返し、彼の唇にキスをする。
「悠斗がいっぱいモテたとしても、私がいっぱい魅力的になればいいって話だしね」
私はそう言うと、悠斗に笑いかける。
「そろそろ行こうか」
「そうだね。あと少し話もあるし」
「話?」
私が首を傾げると、悠斗は少しだけ気まずそうに言う。
「予算会議のことと、詩織さんのこと」
「……へぇ。じゃあ先に聞いておこうかな」
私がどっちを聞きたいかなんて、わかってるよね?
と笑顔で悠斗に聞く。
「……予算会議の事とか、詩織さんには結構な頻度でお願いをしててね。その見返りとして、『友達として出かけることを許して欲しい』って言われた。具体的には本屋さんに行ってライトノベルを買って、喫茶店でご飯を食べながらライトノベルの話をする。そういう一日。手を繋いだり、キスしたり、そういうのは当然無し」
……なるほどね。詩織ちゃんも考えたね。
『大切な友人』って枠の中でなら、許されるギリギリのラインだと思う。
「それで、悠斗は了承したの?」
「朱里が了承することを前提に了承した。朱里がダメって言ったら断る。そう伝えてる」
「……へぇ」
私は思案する。そして、少しだけ意地悪な質問を悠斗にする。
「もし私が、バスケ部の男子と同じことをしたいけどって悠斗に了承を求めたら、悠斗は了承する?」
「しない」
即答した。
「だったら、私がなんて言うかなんて、わかるよね?」
「そうだね」
悠斗は頷くと、私に言う。
「詩織さんには断りを……」
「出かけてもいいよ?」
「……え?」
キョトンとした表情を浮かべる悠斗。
あはは。そうだよね。
「私はね、悠斗が思ってる以上に、悠斗のことが好きなんだ」
「……うん」
私は悠斗の唇に、人差し指を当てる。
「そして、とても嫉妬深いって思ってる」
「……だったら」
そう、だったら詩織ちゃんと出かけるなんて許さないよね?
だけど、違うんだよね。
「私は、悠斗に選ばれたい」
「……え」
私は続ける。
「悠斗はカッコイイ。悠斗は優しい。悠斗は頭もいい。悠斗は女の子からいっぱいモテる。そういう男の子」
「………そんな事ない。って言葉は聞いて貰えないね」
「うん。だからね、詩織ちゃんみたいに悠斗にアプローチをかけてくる女の子はこれからも、たくさん出てくると思う」
でも、最後はきちんと私のところに戻ってくるって信じてるから。
「……朱里」
「詩織ちゃんと出掛けてもいいよ?だって悠斗は絶対に私のところに帰ってくるから。そして詩織ちゃんは思い知るんだよ」
何をしても私には勝てなかった。って
「…………」
「どんな可愛い女の子が悠斗にアプローチをかけてきても、最後はみんな私に負けるんだ。きちんと土俵に上がって、相手を負けさせる。そういう戦いを私はこれからしていくよ」
私はそう言うと、悠斗に笑いかける。
「だから、悠斗は詩織ちゃんと出掛けてきてね。詩織ちゃんに敗北を教えるためにね」
「……わかった」
悠斗は何かを決意したかのように首を縦に振った。
これから先。色んな女の子が彼を好きになると思う。
上等だ。
私は誰にも負けない!!
これから先、真っ向勝負で全員負けさせてやるんだから!!
朱里視点
月曜日の早朝。私は制服に身を包み鏡の前に立つ。
捻挫した足はだいぶ良くなったので、もう松葉杖の世話にはならないで良さそうだ。
今日から自転車通学も再開して、悠斗と一緒に登校できる。
部活もきっつい体幹トレーニングや筋トレ中心のメニューから、軽いランニングやシュート練習にシフトしていく予定だ。
そして、今日は『予算会議』がある。
悠斗からそれなりに話は聞いているけど、結構厳しい見立てだと思ってる。
それに、新聞部が発行した新聞の影響力を考えたら、今のままだと……
なんてことを考えていると、
ピンポーン
と家のチャイムが鳴る。
「悠斗だ」
私はカバンを持ち、玄関へと向かう。
インターホンの画面に映った人物は、やっぱり悠斗だった。
……え?その髪型、デートの時の。
「……おはよう、悠斗。今行くね」
『おはよう、朱里。焦らなくていいからね』
私の足を気遣ってくれての発言だと思う。
こういうところが悠斗の優しいところだといつも思ってる。
ただ、やはり私の心には疑問が残った。
私は玄関へと向かい、革靴を履いて扉を開ける。
そこには、最愛の彼氏が最高にかっこいい姿で立っていた。
「……ねぇ、悠斗。その格好」
「今日はオンラインで配信されるからね。あの三人の隣に立つにはこの位はしないと。それに、藤崎朱里の彼氏として、かっこ悪い姿は見せたくない」
確かに悠斗の言い分はわかった。
でも……
「悠斗があまりカッコよすぎて、これ以上モテたら嫌だなぁ……って」
そう言う私を、悠斗はギュッと抱きしめる。
「大丈夫。どれだけモテたとしても、俺が一番大好きなのは朱里だから」
「うん……わかった」
私は悠斗をギュッと抱き返し、彼の唇にキスをする。
「悠斗がいっぱいモテたとしても、私がいっぱい魅力的になればいいって話だしね」
私はそう言うと、悠斗に笑いかける。
「そろそろ行こうか」
「そうだね。あと少し話もあるし」
「話?」
私が首を傾げると、悠斗は少しだけ気まずそうに言う。
「予算会議のことと、詩織さんのこと」
「……へぇ。じゃあ先に聞いておこうかな」
私がどっちを聞きたいかなんて、わかってるよね?
と笑顔で悠斗に聞く。
「……予算会議の事とか、詩織さんには結構な頻度でお願いをしててね。その見返りとして、『友達として出かけることを許して欲しい』って言われた。具体的には本屋さんに行ってライトノベルを買って、喫茶店でご飯を食べながらライトノベルの話をする。そういう一日。手を繋いだり、キスしたり、そういうのは当然無し」
……なるほどね。詩織ちゃんも考えたね。
『大切な友人』って枠の中でなら、許されるギリギリのラインだと思う。
「それで、悠斗は了承したの?」
「朱里が了承することを前提に了承した。朱里がダメって言ったら断る。そう伝えてる」
「……へぇ」
私は思案する。そして、少しだけ意地悪な質問を悠斗にする。
「もし私が、バスケ部の男子と同じことをしたいけどって悠斗に了承を求めたら、悠斗は了承する?」
「しない」
即答した。
「だったら、私がなんて言うかなんて、わかるよね?」
「そうだね」
悠斗は頷くと、私に言う。
「詩織さんには断りを……」
「出かけてもいいよ?」
「……え?」
キョトンとした表情を浮かべる悠斗。
あはは。そうだよね。
「私はね、悠斗が思ってる以上に、悠斗のことが好きなんだ」
「……うん」
私は悠斗の唇に、人差し指を当てる。
「そして、とても嫉妬深いって思ってる」
「……だったら」
そう、だったら詩織ちゃんと出かけるなんて許さないよね?
だけど、違うんだよね。
「私は、悠斗に選ばれたい」
「……え」
私は続ける。
「悠斗はカッコイイ。悠斗は優しい。悠斗は頭もいい。悠斗は女の子からいっぱいモテる。そういう男の子」
「………そんな事ない。って言葉は聞いて貰えないね」
「うん。だからね、詩織ちゃんみたいに悠斗にアプローチをかけてくる女の子はこれからも、たくさん出てくると思う」
でも、最後はきちんと私のところに戻ってくるって信じてるから。
「……朱里」
「詩織ちゃんと出掛けてもいいよ?だって悠斗は絶対に私のところに帰ってくるから。そして詩織ちゃんは思い知るんだよ」
何をしても私には勝てなかった。って
「…………」
「どんな可愛い女の子が悠斗にアプローチをかけてきても、最後はみんな私に負けるんだ。きちんと土俵に上がって、相手を負けさせる。そういう戦いを私はこれからしていくよ」
私はそう言うと、悠斗に笑いかける。
「だから、悠斗は詩織ちゃんと出掛けてきてね。詩織ちゃんに敗北を教えるためにね」
「……わかった」
悠斗は何かを決意したかのように首を縦に振った。
これから先。色んな女の子が彼を好きになると思う。
上等だ。
私は誰にも負けない!!
これから先、真っ向勝負で全員負けさせてやるんだから!!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる