学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第五話 ⑤ ~激戦の予算会議~ 朝 悠斗視点

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 第五話  ⑤




『生徒会室』


 早朝。朱里の家の前で詩織さんとの『友人としての外出』について許可を貰い、登校中には今日の予算会議での俺のプランについて話をした。

 予算会議のプランについても、彼女からは一定の理解を貰えた。

 そして、朱里にも協力してもらいたい。という話にも、快く賛同してくれた。

 とりあえず、今の段階では問題は起きていない。

 正直な話。詩織さんとの外出について、あれ程すんなり許可が降りるとは思わなかった。
 ビンタの一発くらいは覚悟してた。

 だが、彼女は俺を信じて送り出してくれた。

『どんなに可愛い女の子たちからたくさんのアプローチを受けても、悠斗は私の彼氏』

 という信頼があるからだとわかった。

 その信頼。裏切るはずがない。

 時刻は七時半。

 俺は生徒会室の扉をノックした。

「生徒会副会長 桐崎悠斗。入ります」

 そう言って部屋の中に入る。

 中には既に三人の女性が待っていた。

「おはようございます。悠斗くん。……あら、今日は装いがいつもと違いますね。いつも以上にカッコイイです」
「おはよう、詩織さん。褒めてくれてありがとう。今日の予算会議はオンラインで配信されるからね。ちょっとでも見た目を良くしておこうと思ったんだよね」

 俺は一番に挨拶をくれた詩織さんに挨拶を返す。

「おはよう、桐崎くん。時間通りだね」
「おはようございます。蒼井さん。お待たせしてすみません」

 俺は待たせてしまった事に頭を下げる。

「ははは。遅刻した訳じゃないし、気にしないでいいよ?」

「はい、わかりました。……蒼井さん。寝てますか?」

 俺は、蒼井さんの目元に少しだけクマがあるのに気がつく。
 ファンデーションで誤魔化そうとしてるが、気が付いてしまった。

「……あはは。気が付かれてしまったかい。ちょっと緊張してしまってね、寝れなかったんだ」

 会議には支障は出さない。約束するよ。

 蒼井さんはそう言うと、両手の拳を握って、大丈夫。とアピールした。

「……………おはよ」
「……お、おはようございます。三輪先輩」

 ……顔を逸らし、目も合わせてくれない三輪先輩。
 せ、先輩から挨拶してくれたんだ!!進歩したじゃないか!!

 三輪先輩にも挨拶をした俺は、自分の椅子に座る。

「さて、桐崎生徒会副会長。こんな時間に僕らを集めたんだ。とても良いプランを話してくれると期待して良いんだよね?」

 と、蒼井さんがニヤリと笑って俺にプレッシャーをかけてくる。

 俺はその視線をしっかりと受け止め、首を縦に振る。

「はい。蒼井生徒会長の期待にしっかりと応えられるプランだと自負しております」
「へぇ……じゃあ話してもらおうか」




 俺は口の中の唾を嚥下し、話し始める。



「まず最初に。怜音先輩が発行した新聞の影響力は計り知れない。と考えています。正直な話。俺が何を言っても『ペテン師の言うことだ』と言われてしまう可能性が非常に高い。と思われます」

「……うん。そうだね」

「ですが、全校生徒が新聞部の発行した新聞を読んでいる。とは思えません。しかし、確実に『今日登校してる全校生徒』に話を聞かせる方法はあります」

「……どうやって、かな?」

「放送部に依頼をして、お昼の校内放送を使い、俺と蒼井さんによって本日行われる予算会議について話をする。そういう内容の放送を出来るようにしたいんです」

 そのための依頼を、蒼井さんと三輪先輩にお願いしたいと思っています。

「それは構わない。だが、何故僕と琴音なんだい?」

「放送部の部長は男性です。綺麗どころ二人に頼まれたら断るはずが無いと踏んでいます」

 俺の言葉に蒼井さんは笑い、三輪先輩は肩を震わせた。

 ここだけの話。昨晩、怜音先輩から聞いた話だと、放送部の部長は、琴音先輩に懸想をしているらしい。
 好きな女の子の頼みは断れないだろう?


「そして、詩織さん。ノートパソコンは持って来てくれたかな?」
「えぇ。私が悠斗くんのお願いを忘れるはずがありません」

 詩織さん笑顔でそう言うと、カバンの中から去年の新型の薄型ノートパソコンを取り出した。

「へぇ、いいパソコン使ってるね」

 と、蒼井さんが興味を示した。

「ネットに繋いで調べ物をしたり、あとは個人的な創作活動をしてるくらいですので、多少オーバースペックのような気もしてます」

 と、詩織さんは苦笑いを浮かべる。

 詩織さんの創作活動。小説の執筆とかかな?ちょっと気になるところだけど、話を進めよう。

「うん。そこで詩織さんにはこれをExcelで作って貰いたいんだ」


 俺は手書きで書いた書類を彼女に渡す。
 俺のパソコンにはオフィスが入っていないので、手書きで作るしか無かった。


「これは俺の手書きだから、これをExcelに落とし込んで、データにして欲しい。そして、職員室のプリンターで何枚か印刷しておいてもらいたい。プリンターの許可は山野先生に貰ってあるから大丈夫」

 詩織さんは俺の書類を見ると、ほほ笑みを浮かべる。

「かしこまりました。この程度の書類なら十分もかからずに作ることが出来ますよ。」
「頼もしいね。助かるよ」

 俺はそう言うと、詩織さんに笑いかける。

「それで、桐崎くん。君は何をするのかな?」

 と、少しだけ意地悪そうな笑みを浮かべて蒼井さんが聞いてくる。

「俺は新聞部にこれから行って、怜音先輩と話をしてきます」

 俺のその言葉に三輪先輩がピクリと震える。

 ……そう言えば、早起きが苦手な怜音が珍しく早起きして、楽しそうに私と一緒に登校してた……おかしいとは思ってたけど、ハーレム王の仕業か……

 み、三輪先輩……聞こえてますよ……

 昨晩、怜音先輩とも少しやり取りをしてて、

『ペテン師呼ばわりした借り』を返させるために少しお願いしたいことがある。

 と言う内容で呼び出しをしていた。

 俺がどうするか?に興味を持って居たようで、放送部の部長の件も含めて、少しだけ手を貸してくれていた。

「なるほど。何を話すか。詳しい内容は聞かない方が良いかい?」
「はい。確約が取れることでもないですので」

 俺の言葉に蒼井は頷いた。

「わかった。それじゃあ聞かないことにするよ」

 でも、今日が終わったら話してもらうからね?

 俺はそう言う蒼井さんの言葉に、首を縦に振った。



「よし!!じゃあここからは別行動だ!!」



 蒼井さんはそう言って立ち上がる。

 みんなもそれに続いて立ち上がった。

「僕と琴音は放送部の部長を誘惑して許可を貰ってこよう!!」
「……ゆ、誘惑……っ!!??」
「……あはは」

「黒瀬さんは、桐崎くんの求める書類を完成させてくれ!!」
「かしこまりました」

「そして、桐崎くんは、怜音を上手いこと説得してきてくれ!!」
「はい。了解です」

 蒼井さんはそう言うと、手を前に出す。

 俺たちはその手に自分の手を重ねる。

 蒼井さんが俺たち全員の顔を見る。

 そして、



「予算会議を成功させるぞ!!」

 おーーーーー!!!!!





 生徒会室に、俺たち四人の声が響き渡った。


 絶対に成功させてやる!!
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