学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第五話 ㉚ ~激戦の予算会議~ エピローグ 聖女様視点

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 第五話  ㉚
 ~エピローグ~



 聖女様視点



「さて、皆さん。『裏の予算会議』を始めましょう」



 その一言から始まった『裏』の予算会議。

 ひと言で現すなら、

『悠斗くんの独壇場だった』

 でしょうね。

 はぁ……あんなにもかっこいい悠斗くんを間近で見ることが出来たのです。しかもあの悠斗くんの勇姿を、朱里さんは見ることが出来ないのです。私はとても幸せな気持ちでいました。




『生徒会室』



 予算会議を無事に終え、会議室の掃除もこなした私たちは生徒会に集まっていました。

 疲れきった表情でパイプ椅子の背もたれに体重を預けている悠斗くんと蒼井さん、そんな蒼井さんを心配そうに見ている三輪先輩。

 私は座っていた椅子から立ち上がり、悠斗くんの元に歩いて行きます。

「悠斗くん、お疲れ様でした」
「あはは、ありがとう詩織さん。とても疲れたよ」

 そう言う悠斗くんは、二ヘラと力なく笑いました。
 か、可愛い……っ!!

 私は初めて見る彼のその無防備な表情に、トキメキを隠しきれません。
 さっきまではあんなにも凛々しい表情をしてたのに、今ではこうして力の抜けた表情をしています。

 私はそのギャップにやられてしまいました。


「そ、その……悠斗くん。もし良ければ、なんですが……」
「……ん?何かあるの?」

 疑問符を浮かべる悠斗くんに、私は言います。

「ちょ、ちょっとだけ……立って貰えますか?」

 と、私は言いました。

「え?うん。わかったよ」

 悠斗くんは、そう言うと、私の前に立ち上がりました。

 180cm近くある大きな身体。私より20cmくらい大きいです。

 そして、私はその悠斗くんの身体を、ぎゅっと抱き締めました。

 トレーニングの成果が出ている彼の身体は、とても帰宅部とは思えない、がっしりとしたものでした。

「し、詩織さん……つ!!??」
「え!?黒瀬さんなにしてるの!!??」

 私のその行動に、悠斗くんとボーッとしていた蒼井さんが声を上げました。

 私は当然。その言葉は無視します。

「私ごときの抱擁では祝福には足りないかも知れませんが、受け取って貰えませんか?」
「……い、いや足りないだなんてそんな……う、うん。ありがとう詩織さん」

 そう言う悠斗くんは、少しだけ顔を赤くしてます。

 ふふふ。朱里さんより大きい私のが当たってますからね。
 ……当ててるんですよ?

「悠斗くんが討論をしている姿はとてもかっこよくて、恥ずかしながらこの黒瀬詩織、惚れ直してしまいました」
「そ、そうか……」
「そして、その悠斗くんのために、私も微力ながら役に立てたことがすごく誇らしい気持ちです」
「……微力だなんてそんなことは無いよ。詩織さんが居なかったらと思うと、ゾッとする」

 そう言う悠斗くん。

 ふふふ。でしたら少しだけ『おねだり』をしてもいいですかね?

「でしたら、その……悠斗くんにお願いがあります」
「……な、なにかな?」

 私は真っ赤に染った顔を隠すように、彼の胸に顔を埋めます。

 悠斗くんの匂いがいっぱいに広がり、とても幸せな気持ちになります。ですが、私の目的はそこではありません。

「頭を……撫でて貰えませんか?」

 私は勇気を出して言いました。

 悠斗くんが悩んでるのが伝わってきます。

 そして、悩み抜いた上で彼は言ってくれました。

「…………わかった」

「ありがとうございますっ!!」

 そして、悠斗くんは、私の頭を優しく撫でてくれます

 ゆっくりと、私の事を労るように、撫でてくれました。


 好き、好き、好き……悠斗くんが、大好きです……



 たっぷりと私の頭を撫でてくれた悠斗くんが、

「そ、そろそろ良いかな?」

 と言ってきたので。

「はい。とても満足です。ありがとうございます」

 と言って私は離れました。

 見上げた悠斗くんの顔は真っ赤でした。

 ふふふ……とても、意識していただけたようです。


 私は確かな満足を得ることが出来ました。



「それでは、悠斗くん。私はそろそろ自宅に帰ろうかと思います」

 私はそう言うと、カバンを手に取りました。

「悠斗くんは朱里さんとお帰りになるでしょうからね、ここでお別れです」
「う、うん」

 私はそんな悠斗くんに微笑みを向けます。

「それでは悠斗くん、また明日。教室でお会いしましょう」

 私はそう言って、生徒会室を後にしました。




 パタンと閉まる扉。

 廊下を歩きながら私は思います。

 今日は色々なことがありました。

 ですが、たいへん多くの収穫が出来ました。

「ふふふ。悠斗くんと一緒に生徒会に入って良かったです」


 私はそう呟きながら、晴れやかな気分で帰路へと着きました。
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