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レトナーク編
第15話 1ヶ月も経っちゃったよ
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ギルがレトナークに来て一ヶ月ほどの昼過ぎ、ミアたちは冒険者ギルドで依頼の成果を報告に来ていた。ミアにはあっという間の一ヶ月も、ミアたちのパーティーはすっかり冒険者ギルドで認知されて注目を集めていた。
ミアたちはナサリーの窓口に揃って報告をしていると、その後ろに距離を置きつつ冒険者たちが集まってくる。広いギルドのフロアーにそこだけ人が密集する。
ロゼは領主の娘、ガイは王都から来たAランクの剣士で有名な上に、ギルは素性を明かしていないが容姿が目立って仕方ない。冒険者に似つかわしくない王子様然が漂って冒険者の女性陣にファンクラブのようなものまでできてしまっていた。
(このパーティーでギルド来ると落ち着かないよ……)
ミアだけは珍しい猫族ながらも地味を維持している。
「ギル様、こっち向いたわ♡」
「私を見たわ♡」
ミアはロゼたちを壁にして存在感を隠しながらナサリーに依頼の報告に集中しようとするが、ギルファンの黄色い声が聞こえる。
「こうなるとは思っていたけどね~」
「ギル、(王宮にいても)ここに来ても同じだったなぁ~」
と、ロゼが呆れる。ガイがギルの肩に手を置くとまた女性たちの声が上がり、ガイは面白がってギルの肩をポンポン叩く。
「あんまり目立ちなくないんだけど」と、ギルは慣れたように口にするがミアはため息をつく。同じ意見だけど、問題の発振源は自分じゃないのとギルに言いたい。
ギルドの受付嬢ナサリーは、報告を受けて報酬を用意した。受付のテーブルには金貨が積まれたトレーが置かれた。
「今日の成果も凄いですね。一週間ほどかかると思っていましたけど、三日で帰ってくるとは流石ですね。ミアさんは見つけるのが得意ですからね」
ナサリーの言葉に「ありがとうございます」とミアは答える。最近はクエストのレベルが上がって遠出が増えてきた。早く帰りたくてミアも必死だ。
「メンバーは増やさないんですか?」と、ナサリーはガイに訊ねる。
「そうしたいところだけど、ギルは乗り気じゃないんだよね。今のところ何も問題ないよ」
と、ガイが答えた。
一ヶ月が経ち、ミアは新しいメンバーが入れば抜けられると思って期待しているのだが、なかなかそういう空気にはならない。
この街にいる冒険者達の中には、ミア達のパーティーに入れて欲しいと申し出る者が絶えず、中には、ミアを外して自分を試して欲しいと頼んでくる者もいたが、ガイが丁重に断っている。
報酬の分配がされてギルドに預ける手続きが終わるとミアはやっと解放感を得るが、ロゼがガッチリミアをホールドする。
「ミア、今日も、うちに泊まる? 」
「あ、あのね、お家の掃除したい」
「そう? 明日の朝迎えに行くね」
ハワゼット邸から下がったところにミアの家がある。ハワゼット家に仕える者の家族が多く住んでいる町の一角、林に囲まれた小さな家。
「うん。分かった。今日のうちに掃除済ませるね」
ほんの休みでもロゼが毎日構ってくるから、ミアのひとり時間がガッツリ減ってる。
(結局、その後にガイさん達と合流なんだよね……)
ロゼがミアにギューギューとハグしていると、ギルがミアをじっと見て言った。
「ミア、少し太った?」と、聞いてきた。
「……太ったんじゃないわよ。女の子に失礼ね。ミアは痩せ過ぎだったでしょ。まだ、細過ぎなぐらいよ! 」
ロゼがミアの頭に頬擦りして、撫で撫でする。ロゼの手がミアのふさふさ両猫耳を往復する。「そういうつもりでいったんじゃないけど」とギルはいうが、ロゼはツンとする。
(ギルの目には太ったと見えたんだ。ううっ、そうか、私、食事に連れまわされては肥やされてるんだった)
「おー、本当だ。もう少し太った方が可愛いぞ」
と、ガイもミアの頭をロゼの真似をして撫で撫でする。ミアは大きな手が乗せられて潰れて丸くなるんじゃないかと思ってしまう。
「でしょーーー♡」
ギルもミアの頭を撫で撫でしてみようと手を伸ばすと、ロゼが「はい、ダメ」と、ミアの頭をガードした。
「な、なぜ」
「ギルが触ると騒ぎになるでしょう? ガイさんはいいですよ。あ、でも、しっぽはダメです。譲りませんよ」
「そうか、悪いな、ギル」と、ガイはまたミアを撫で撫でした。荷物化したミアは背負わされるのにと、ギルは理不尽さを顔を出した。
「ガイさん、次の依頼の話ですけど!! 」
と、ナサリーは受付で盛り上がってしまう4人に注意した。
「それと、私にも撫でさせて下さい! 」
ナサリーもミアをカウンター越しに撫で撫でし、ふさふさの猫耳で癒され破顔になった。
(ハワゼット家だけの恒例行事が、なんでここでも……)
と、困ってしまうミアだった。
ミアたちはナサリーの窓口に揃って報告をしていると、その後ろに距離を置きつつ冒険者たちが集まってくる。広いギルドのフロアーにそこだけ人が密集する。
ロゼは領主の娘、ガイは王都から来たAランクの剣士で有名な上に、ギルは素性を明かしていないが容姿が目立って仕方ない。冒険者に似つかわしくない王子様然が漂って冒険者の女性陣にファンクラブのようなものまでできてしまっていた。
(このパーティーでギルド来ると落ち着かないよ……)
ミアだけは珍しい猫族ながらも地味を維持している。
「ギル様、こっち向いたわ♡」
「私を見たわ♡」
ミアはロゼたちを壁にして存在感を隠しながらナサリーに依頼の報告に集中しようとするが、ギルファンの黄色い声が聞こえる。
「こうなるとは思っていたけどね~」
「ギル、(王宮にいても)ここに来ても同じだったなぁ~」
と、ロゼが呆れる。ガイがギルの肩に手を置くとまた女性たちの声が上がり、ガイは面白がってギルの肩をポンポン叩く。
「あんまり目立ちなくないんだけど」と、ギルは慣れたように口にするがミアはため息をつく。同じ意見だけど、問題の発振源は自分じゃないのとギルに言いたい。
ギルドの受付嬢ナサリーは、報告を受けて報酬を用意した。受付のテーブルには金貨が積まれたトレーが置かれた。
「今日の成果も凄いですね。一週間ほどかかると思っていましたけど、三日で帰ってくるとは流石ですね。ミアさんは見つけるのが得意ですからね」
ナサリーの言葉に「ありがとうございます」とミアは答える。最近はクエストのレベルが上がって遠出が増えてきた。早く帰りたくてミアも必死だ。
「メンバーは増やさないんですか?」と、ナサリーはガイに訊ねる。
「そうしたいところだけど、ギルは乗り気じゃないんだよね。今のところ何も問題ないよ」
と、ガイが答えた。
一ヶ月が経ち、ミアは新しいメンバーが入れば抜けられると思って期待しているのだが、なかなかそういう空気にはならない。
この街にいる冒険者達の中には、ミア達のパーティーに入れて欲しいと申し出る者が絶えず、中には、ミアを外して自分を試して欲しいと頼んでくる者もいたが、ガイが丁重に断っている。
報酬の分配がされてギルドに預ける手続きが終わるとミアはやっと解放感を得るが、ロゼがガッチリミアをホールドする。
「ミア、今日も、うちに泊まる? 」
「あ、あのね、お家の掃除したい」
「そう? 明日の朝迎えに行くね」
ハワゼット邸から下がったところにミアの家がある。ハワゼット家に仕える者の家族が多く住んでいる町の一角、林に囲まれた小さな家。
「うん。分かった。今日のうちに掃除済ませるね」
ほんの休みでもロゼが毎日構ってくるから、ミアのひとり時間がガッツリ減ってる。
(結局、その後にガイさん達と合流なんだよね……)
ロゼがミアにギューギューとハグしていると、ギルがミアをじっと見て言った。
「ミア、少し太った?」と、聞いてきた。
「……太ったんじゃないわよ。女の子に失礼ね。ミアは痩せ過ぎだったでしょ。まだ、細過ぎなぐらいよ! 」
ロゼがミアの頭に頬擦りして、撫で撫でする。ロゼの手がミアのふさふさ両猫耳を往復する。「そういうつもりでいったんじゃないけど」とギルはいうが、ロゼはツンとする。
(ギルの目には太ったと見えたんだ。ううっ、そうか、私、食事に連れまわされては肥やされてるんだった)
「おー、本当だ。もう少し太った方が可愛いぞ」
と、ガイもミアの頭をロゼの真似をして撫で撫でする。ミアは大きな手が乗せられて潰れて丸くなるんじゃないかと思ってしまう。
「でしょーーー♡」
ギルもミアの頭を撫で撫でしてみようと手を伸ばすと、ロゼが「はい、ダメ」と、ミアの頭をガードした。
「な、なぜ」
「ギルが触ると騒ぎになるでしょう? ガイさんはいいですよ。あ、でも、しっぽはダメです。譲りませんよ」
「そうか、悪いな、ギル」と、ガイはまたミアを撫で撫でした。荷物化したミアは背負わされるのにと、ギルは理不尽さを顔を出した。
「ガイさん、次の依頼の話ですけど!! 」
と、ナサリーは受付で盛り上がってしまう4人に注意した。
「それと、私にも撫でさせて下さい! 」
ナサリーもミアをカウンター越しに撫で撫でし、ふさふさの猫耳で癒され破顔になった。
(ハワゼット家だけの恒例行事が、なんでここでも……)
と、困ってしまうミアだった。
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