血盟の天使

織音鳴海

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1章

黒木 雨

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「レディースアンドゥジェントルメーン!!!」

「今宵はなんと!!我が会社のとんでもねぇ!新作の発表だー!!!」

「その名はコアだぁぁぁぁー!!!!」

「コアってなんや??エ◯ァか??て聞きたいやつちょっとまちな!!!」

「いまからこの俺様が説明してやるぜ!!!」

「説明しよう!まず我らの会社の研究員が新しいエネルギーの開発に成功したぜ!!それがエアエナジー略してエナだ!!!」

「このエネルギーはいわゆる人間の体内にあるスタミナを具現化したものだ!!!そして、そのスタミナをこのコアにはっ!!!と手をかざして体力ぶちこんでこれを手で割ると~なんと!!!自在に魔法のように羽が生えるんだぜー!!!!つってもキモい生え方じゃなくて背中から煙が出てそれが形になる感じだけどな!!よかったぜ!!やもりの尻尾見てぇににょきって生えてこなくて!!」

「てぇわけで!!明日から販売すっからみんな買ってくれよ~!!!!以上スカイカンパニー代表八雲青空がお送りしやした!!」

                   


「はい!以上がですね!私たちが空を飛べる所以になった会社のスカイカンパニーの新たな商品コアの宣伝CMですね!!もうこの社長は亡くなってしまったけどもう200年も続く大きな会社なんですよ~」

歴史の授業でこんなことも勉強するのか、、

確かに人類には革命的だと思う。まさか昔の人は飛行機も使わずに空を飛べるなんて思ってもないだろうし。

「今では空を飛ぶことが当たり前な世界ですが、昔の人は電車を使ったり、バスを使ったりして学校に来てたみたいですよ~」

いや、今も僕は使ってますけどね

「先生~、ここに自転車ってのがあるんですけどこれどうやって使うんですかー???」

「これはですねー!バイクのような感じでまたがってペダルを漕いで乗るみたいですよ!」

「へーー、昔の人はすげぇな、、坂道とかすげぇ疲れそう。」 

歩くより便利そうだ!まだ骨董品屋に売ってたりしないだろうか、、、

「空を飛ぶことになれたお陰で法律も色々できましたからね!!町も作り替えられましたし、テストでちゃんと出ますからしっかり勉強しておくように!!」

キーンコーンカーンコーン

授業終了のチャイムがなった。これで今日の授業も終わりか、と思いふと外に目を向けた。

外は皆自由に背中にある翼で移動している。
法律が変わったのはいっぱいあるが何となく見ただけでわかるのは速度制限、車と同じようにある一定のスピードを出すと警報がなる。そしたら自動パトロールが来て罰金が下る。

そして空に信号。
今は道路とか車とかバイクとか言われてるけど、全部空を飛んでる。エナの改良で風のエネルギーをコアにぶちこめばなんか、説明できんができるらしい。
しかも充電所が風力発電でコアにためてるからコアを取り替えるだけでまた動く。楽やな(電車はまだモノレールしかない。エナを使う量が莫大すぎるらしい)

そして、電柱はもうない電気配線が全部地面にある。今は空に邪魔なものがあってはいけないからそういう類いのものは全部地面に送られた。

うーん、、昔の写真と見比べてみるとすごいな、、昔は電柱何てものが地面から生えてたのか、、。

とまぁ、色々歴史の勉強をしたところで僕にはお金がないから羽なんて無いんだけどね(笑)

そう、みんな空を飛んで学校に来たりしてるが僕はまだモノレールを使って学校に来ている。

東京に住んでるのに来るのが一時間に二本だけ。これでも多い方なのだ。

あとは帰り一時間半の歩き。遠すぎる。ぼくにも羽があれば何て楽だっただろう。

今ではみんな赤ん坊の時からエナ持ってるんだもんな。そう、当たり前なこと。赤ん坊が親から服を着せてもらうくらい当たり前なことなのだ。

だが僕には親がいない。生まれた時僕は姉と二人だったらしい。

姉は五個上で姉もエナを持っていない。

まぁ、よくある話だよね、、両親に捨てられるなんてさ、、よくもあってはダメなんだけどね。

そんな痩せ細った姉と僕は児童施設に送られた。

施設でも持ってない子の方が珍しいかった。やはり僕たちは恵まれてないのだと実感させられた。

そんな僕ももう高校生で、独り暮らし。姉は僕が中学の時就職してどっか行っちゃったけど生活費送ってくれるから生きてはいるんだろう。

ま、バイトしながらのらりくらり不便な生活送りながらコアを買うために貯金中。

型番が古いのだったら100万くらいで買えるけど、体力の消耗が激しくて長く飛べないんだよなぁ。

ま、頑張ってためるか。

「黒木~、嫁さんが迎えに来てるよ~」

「誰が嫁だ!!!ただの幼なじみ!!」

このうるさいのが幼なじみとは僕もまたしてもついてない。

こいつは平塚涼ひらつかすず。幼なじみだ。こいつも親がいない。でもエナを持ってる。羨ましぃ。

「ほら帰るよ!雨!」

「へぃへぃ」

そうして僕、黒木雨くろきあめは帰路に着いた。




















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