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第三章 冒険者同行編
23.偽りの冒険者
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「俺が『真の冒険者』がどんなものかをその腐った頭に叩き込んでやる」
アーサーの大剣の切っ先がデニスに向けられた。
「く、やるぞ! 後ろの二人は援護してくれ!」
デニス達が一斉に動き始めた。デニスの剣と大盾使いの短刀がアーサーに襲い掛かる。
「は? お前らなめてるのか」
アーサーはデニスに向けていた大剣の握る手が緩まり、下ろしてしまった。
「「アーサーさん!」」
ハンナとエンフィーが助けに行こうと前に出ようとする。
「大丈夫だ。何も問題ない」
余裕そうな顔を二人に見せたと同時に、デニス達の剣がアーサーに届こうとしていた。
しかし、アーサーはそれをあざ笑うかのように大きく一歩横に動いて躱した。
「な! 避けられた……」
「お前ら、それで攻撃したつもりになってんのか?」
「く、弓も魔法も一斉にだ!」
デニスの指示で後ろの二人も攻撃を始めた。
<パワーショット!>
<アイスバーン!>
「あのなぁ、駆け出し冒険者じゃねぇんだから……」
呆れ顔をしたアーサーはそれぞれの攻撃を大剣ではじき返した。
そこから数分、総攻撃をするデニス達とあくびをしながら攻撃をはじき返すアーサーとの泥仕合が行われた。
「はぁ。はぁ。どうして攻撃が聞かない」
大盾使いの息がかなり上がっていた。無論他の三人も同様である。
「お前らそんな下級魔法やスキルばっか使ってないでもっと全力で攻撃して来いよ、な?」
そんなアーサーの後姿を見ていたハンナとエンフィーがデニス達の違和感に気づく。
「ねぇハンナさん。もしかしてあのパーティーって?」
「うん。多分中級上級の魔法が使えないみたいだね」
「レベル五十のアーサーさんが本来の強さだとしてもそれよりも少しだけ下のデニス達とそんなに差が生まれるもんなのかな……?」
疑問に感じたエンフィーにアーサーが笑って答えた。
「ははは。エンフィーちゃんそれは俺が強すぎるからだ」
「えぇ、それはもう視認できましたが……」
苦笑いでエンフィーは返す。
「だが、大事なのはそれだけじゃない。むしろこいつらの今までのレベルの上げ方に問題があったんだ」
デニスたちの手が止まったこともあり、アーサーはデニス達に背中を向け話始めた。
「アーサー、貴様俺たちをどれだけ……」
「こいつらは『いい装備をしたレベルだけ高い見かけだけの冒険者』ってことだ」
「まぁ、でもそれは僕たちでも……。ねぇエンフィー?」
「えぇ、さっきの戦闘を見て何となくは」
そのまま続けてアーサーがハンナに問いた。
「ハンナちゃん。君はつい最近レベル三十クラスになったそうだね」
「ん? そうですけどそれがなにか?」
「君は上級魔法が使えるかい?」
「えぇそうですね、最近ですが上級魔法と上級スキルを一つづつ習得はできました」
「最近レベル三十クラスになった君でも二つの上級技が使えるのに、こいつらが使えない理由はもうわかるだろ」
はっとしたハンナがすぐに答えた。
「戦闘の経験値。ですか」
「その通りだ、それがこいつらには圧倒的に足りていない。目に見える数字に囚われすぎて、根本を見失ったんだ。まぁそれにしても普通に戦闘のセンスのかけらも感じないがな」
「いいたい放題言わせておけば……」
デニスに背中を見せているアーサーに向かって走り出した。
「いいか、冒険者に必要なことをいくつか教えてやる」
「まずは戦闘力」
ひらりと躱し、すかさずデニスの背後を取り首に人差し指を添える。
「くそ! お前ら援護しろ!」
「「はい!」」
「次に戦略」
「な、デニスさん。見えない壁に弾かれて攻撃が消えてしまっています!」
アーサーはそうなることも読んでいた。
「あぁ、さっき俺らが話している間に気づかれないように時間をかけてお前らの手前に魔力無効化の防壁を作らせてもらった」
「最後は……」
「くっそ!さっきからうるせぇんだよぉぉ!」
大盾使いが考えなしにアーサーに突っ込んだ。
「そうそう、分かってんじゃねーか!」
大剣をしっかりと握り直したアーサーが一太刀でデニスと大盾使いを吹き飛ばした。
「最後は『泥臭さ』だ。お前らには全てが足りなかったなぁ」
アーサーはゆっくりと四人に近づいていく。
「ひ、く、来るなぁ!」
「おいおい、冒険者らしからぬ発言だな。見過ごすわけにはいかないぜ」
そんな中エンフィーとハンナが食い入るようにアーサーを見ていた。
「あれが王都トップクラスの冒険者……。なんて強さなんだ……」
「えぇ、話には聞いていたけどまさかここまでの実力が……。それにそこに同行していたケビンさんも相当な強さを持ってるってことですよね」
「俺は目に見える数字や金にしか目がねぇ偽りの冒険者が大っ嫌いなんだ」
ちっ。どうしてこんなやつらが冒険者でケビンがガイドなんだ。
唇を噛みしめ、押さえていた魔力を放出した。
狭い廊下の壁面にはひびが入り始める。
「準備はいいか? 偽物ども」
アーサーは大剣を振り上げ、練った魔力を一気に武器に乗せた。
<紫電一閃>
「うあぁ、許してくれ!」
デニスが声を上げた瞬間、アーサーが見えない速度で剣を振り下ろした。
「え、アーサーさん本当にやっちゃったの!?」
驚くハンナだったが、立ち込めていた煙が徐々に薄れていくと腰を抜かしたデニス達と、手を放していた大盾とデニスの剣が真っ二つになっているのを見て少しほっとした。
「殺しゃしねーよ。そしたらこいつらと同じになっちまうしな」
にかっと二人に向かって顔を見せた。
「さぁ『ガイド殺し』の偽りの冒険者ども。大人しく投降してくれるよな?」
大剣を床が抜けそうになるほどの力で下に突き刺し、デニス達に笑顔を向けた。
「はい。投降します」
涙目になりながらデニス達はアーサーに鎮圧され、そのまま出口の近くにあった木に縛り付けられた。
「ということがあったんだ」
「なるほどな、アーサーお前も変に手がかかったわけだな」
「まぁケビンに比べると圧倒的に楽な仕事だったがな。それに可愛い女の子二人の護衛付きだったし」
「「な!」」
顔を赤らめる二人。
「ははは、それで、こいつらどうするんだ」
「決まってんだろ」
「これまでの罪を身をもって体感してもらう」
ケビンがぎろりとデニス達を睨みつけた。
「ひ!? な、何でしょう」
怯えた声を出し頭を隠そうとするデニス。
こうしてデニス達への粛清が始まった。
アーサーの大剣の切っ先がデニスに向けられた。
「く、やるぞ! 後ろの二人は援護してくれ!」
デニス達が一斉に動き始めた。デニスの剣と大盾使いの短刀がアーサーに襲い掛かる。
「は? お前らなめてるのか」
アーサーはデニスに向けていた大剣の握る手が緩まり、下ろしてしまった。
「「アーサーさん!」」
ハンナとエンフィーが助けに行こうと前に出ようとする。
「大丈夫だ。何も問題ない」
余裕そうな顔を二人に見せたと同時に、デニス達の剣がアーサーに届こうとしていた。
しかし、アーサーはそれをあざ笑うかのように大きく一歩横に動いて躱した。
「な! 避けられた……」
「お前ら、それで攻撃したつもりになってんのか?」
「く、弓も魔法も一斉にだ!」
デニスの指示で後ろの二人も攻撃を始めた。
<パワーショット!>
<アイスバーン!>
「あのなぁ、駆け出し冒険者じゃねぇんだから……」
呆れ顔をしたアーサーはそれぞれの攻撃を大剣ではじき返した。
そこから数分、総攻撃をするデニス達とあくびをしながら攻撃をはじき返すアーサーとの泥仕合が行われた。
「はぁ。はぁ。どうして攻撃が聞かない」
大盾使いの息がかなり上がっていた。無論他の三人も同様である。
「お前らそんな下級魔法やスキルばっか使ってないでもっと全力で攻撃して来いよ、な?」
そんなアーサーの後姿を見ていたハンナとエンフィーがデニス達の違和感に気づく。
「ねぇハンナさん。もしかしてあのパーティーって?」
「うん。多分中級上級の魔法が使えないみたいだね」
「レベル五十のアーサーさんが本来の強さだとしてもそれよりも少しだけ下のデニス達とそんなに差が生まれるもんなのかな……?」
疑問に感じたエンフィーにアーサーが笑って答えた。
「ははは。エンフィーちゃんそれは俺が強すぎるからだ」
「えぇ、それはもう視認できましたが……」
苦笑いでエンフィーは返す。
「だが、大事なのはそれだけじゃない。むしろこいつらの今までのレベルの上げ方に問題があったんだ」
デニスたちの手が止まったこともあり、アーサーはデニス達に背中を向け話始めた。
「アーサー、貴様俺たちをどれだけ……」
「こいつらは『いい装備をしたレベルだけ高い見かけだけの冒険者』ってことだ」
「まぁ、でもそれは僕たちでも……。ねぇエンフィー?」
「えぇ、さっきの戦闘を見て何となくは」
そのまま続けてアーサーがハンナに問いた。
「ハンナちゃん。君はつい最近レベル三十クラスになったそうだね」
「ん? そうですけどそれがなにか?」
「君は上級魔法が使えるかい?」
「えぇそうですね、最近ですが上級魔法と上級スキルを一つづつ習得はできました」
「最近レベル三十クラスになった君でも二つの上級技が使えるのに、こいつらが使えない理由はもうわかるだろ」
はっとしたハンナがすぐに答えた。
「戦闘の経験値。ですか」
「その通りだ、それがこいつらには圧倒的に足りていない。目に見える数字に囚われすぎて、根本を見失ったんだ。まぁそれにしても普通に戦闘のセンスのかけらも感じないがな」
「いいたい放題言わせておけば……」
デニスに背中を見せているアーサーに向かって走り出した。
「いいか、冒険者に必要なことをいくつか教えてやる」
「まずは戦闘力」
ひらりと躱し、すかさずデニスの背後を取り首に人差し指を添える。
「くそ! お前ら援護しろ!」
「「はい!」」
「次に戦略」
「な、デニスさん。見えない壁に弾かれて攻撃が消えてしまっています!」
アーサーはそうなることも読んでいた。
「あぁ、さっき俺らが話している間に気づかれないように時間をかけてお前らの手前に魔力無効化の防壁を作らせてもらった」
「最後は……」
「くっそ!さっきからうるせぇんだよぉぉ!」
大盾使いが考えなしにアーサーに突っ込んだ。
「そうそう、分かってんじゃねーか!」
大剣をしっかりと握り直したアーサーが一太刀でデニスと大盾使いを吹き飛ばした。
「最後は『泥臭さ』だ。お前らには全てが足りなかったなぁ」
アーサーはゆっくりと四人に近づいていく。
「ひ、く、来るなぁ!」
「おいおい、冒険者らしからぬ発言だな。見過ごすわけにはいかないぜ」
そんな中エンフィーとハンナが食い入るようにアーサーを見ていた。
「あれが王都トップクラスの冒険者……。なんて強さなんだ……」
「えぇ、話には聞いていたけどまさかここまでの実力が……。それにそこに同行していたケビンさんも相当な強さを持ってるってことですよね」
「俺は目に見える数字や金にしか目がねぇ偽りの冒険者が大っ嫌いなんだ」
ちっ。どうしてこんなやつらが冒険者でケビンがガイドなんだ。
唇を噛みしめ、押さえていた魔力を放出した。
狭い廊下の壁面にはひびが入り始める。
「準備はいいか? 偽物ども」
アーサーは大剣を振り上げ、練った魔力を一気に武器に乗せた。
<紫電一閃>
「うあぁ、許してくれ!」
デニスが声を上げた瞬間、アーサーが見えない速度で剣を振り下ろした。
「え、アーサーさん本当にやっちゃったの!?」
驚くハンナだったが、立ち込めていた煙が徐々に薄れていくと腰を抜かしたデニス達と、手を放していた大盾とデニスの剣が真っ二つになっているのを見て少しほっとした。
「殺しゃしねーよ。そしたらこいつらと同じになっちまうしな」
にかっと二人に向かって顔を見せた。
「さぁ『ガイド殺し』の偽りの冒険者ども。大人しく投降してくれるよな?」
大剣を床が抜けそうになるほどの力で下に突き刺し、デニス達に笑顔を向けた。
「はい。投降します」
涙目になりながらデニス達はアーサーに鎮圧され、そのまま出口の近くにあった木に縛り付けられた。
「ということがあったんだ」
「なるほどな、アーサーお前も変に手がかかったわけだな」
「まぁケビンに比べると圧倒的に楽な仕事だったがな。それに可愛い女の子二人の護衛付きだったし」
「「な!」」
顔を赤らめる二人。
「ははは、それで、こいつらどうするんだ」
「決まってんだろ」
「これまでの罪を身をもって体感してもらう」
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