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第六章 コイルとエンフィー『幸運の聖水』を求めて
54.ビッグフロッグ
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「コココイル様、どうするんですかぁこれ……」
「すみません、僕もエンフィーさんを探すので必死で」
二人が入っていた部屋の出入り口に、コイルの後を追いかけてきていたビッグフロッグが三体待ち構えていた。
「私たちもう駄目じゃないですか?」
「エンフィーさんが奥に逃げて一人になった際に戦ったのですが、普通に強かったです。三体を一気に相手するにはさすがに厳しいかと……」
「じゃあどうするんですかー!」
両手をぶんぶんと振るエンフィーにコイルは苦笑いで返していた。
「そうですね、倒すには時間も掛かりますし、魔力もボス戦のために温存しなくてはいけませんからね」
「え、た、倒さないんですか!?」
「はい、結局は一番単純な方法ですが……」
「単純?」
「はい、とりあえず時間もないので僕についてきてください」
するとコイルはもう一度刀を抜き一匹のカエルに切りかかった。
「よし、これで、こうだ!」
コイルは攻撃できる間合いに入ったとか思いきや、すぐさま後ろに下がった。
「コイル様! バ、バックステップ!?」
ということは切りかかったのはフェイク、モンスターが三体とも迎え撃つためにコイル様に突っ込んでいったけど、なんで……。
「ほらエンフィーさん! モンスターを三体とも部屋の中に入れたから今入り口開いてるよ!」
そいうことか! コイル様部屋にわざと入れて退路の確保をしたのね。
急いで二人は退路に向かう。
「ひ、コイル様! やっぱり追いかけてきてますよ」
「あと少し、あとエンフィーさん<エアシュート>の準備を!」
「!? は、はい」
エンフィーは走りながら杖に魔力を込め始めた。
エンフィーの背後にモンスターの長い舌が飛んでくる。
「くそ、おりゃ!」
コイルはすかさずその舌を切り落とす。
「コイル様、ありがとうござ」
「止まらないで! 前だけ向いて走って下さい」
「何とか一本は止められましたが二本目三本目も来ます!」
「はい。コイル様、魔法の準備OKはです!」
二本目三本目の舌が二人の背中と、目と鼻の距離となり襲い掛かろうとした瞬間。
「よし、出れた! 今です!」
コイルがくるっと反転し、入り口の天井に指を差した。
「……? なるほど!」
<エアシュート!>
入り口付近の天井の岩を空気の弾丸で砕き、落ちてきた岩石で入り口を塞いだ。
「た、助かったぁ」
エンフィーは全身の力が抜けその場で座り込んだ。
「いやぁ、危なかったですね……」
「もう一体何なんですかこのダンジョン!」
「そうですよね、せっかく二人で予習したのに他のモンスターにはあまり遭遇していませんし」
「いっそここの滝の名前を『カエルの滝』に変えればいいのに……」
顔をむくませ、腕を組むエンフィー。
「はは、確かに。それもそうですね」
そういうとコイルがエンフィーを助けに来た時に辿った道のりをじっと見つめた。
「……? さぁエンフィーさん立ってください。そろそろ行きましょうか」
「え、今休み始めたばかりじゃないですか、もう少しだけ休んでいきませんか?」
エンフィーはコイルの顔を下から覗いた。
「コイル様、なんか変な汗出てますよ」
コイルの冷や汗と青ざめた表情を見て、彼の見ていた方向に視線を移す。
エンフィーもその光景を見た瞬間すっと血の気が引いた。
「おほほほ、そうですね、すぐにでも出発しましょうか! コイル様」
「ですね、はい」
すると二人は素早く立ち上がり、全速力で走り始めた。
「ちょっと! なんでこんなにビッグフロッグがいるんですかー!」
二人の数十メートル後ろからビッグフロッグの群れが二人に向かって飛び跳ねながら距離を詰めてきていた。
「十体、二十体どころじゃないですよ!」
「ええ、これはもう逃げる一択でしたね、あはは」
「コイル様、笑い事ではありませーん!」
そんなやり取りを走りながらしていると、二人の目線の先に青のオーブに包まれた部屋の入り口を発見した。
「コイル様、あそこ」
「ええ、なりふり構ってられませんね! 入りましょう。エンフィーさん、方法はさっきと同じです。お願いできますか?」
「もちろんです、もう<エアシュート>の準備は終わってます!」
「さすがです、では少しかく乱させるために……」
<ウィンドカッター!>
コイルは反転し追いかけてくるカエルの足元に風の刃を放ち、砂煙を起こした。
「さぁ、中に!」
「はい!」
エンフィーとコイルは素早く中に入り、コイルは天井に指を差す。
<エアシュート!>
エンフィーの魔法が天井をしっかりと捉え、岩石を落とし部屋の入り口を塞いだ。
「よーし、これでまた一安心、良かったですねエンフィー……さん?」
「もうここから出たい……」
エンフィーは部屋の隅で壁と向かい合い膝を抱えて蹲っていた。
この部屋も他の部屋同様岩石で作られ、部屋の奥まで行くのに相当時間がかかりそうなほど広い作りになっていた。
「あはは、あれだけ苦手って言ってたモンスターに追いかけられるとそうなっちゃいますよね。ちょっと待っててくださいね」
「え?」
うつむいていたエンフィーの顔が少しだけ上がった。
コイルはポシェットから緑色の飲み物を取り出す。
「ちょっとした精神安定の効力が入ったお茶です。これ飲んでください」
「あ、ありがとうございます。ちょっと胡散臭そうですけど……」
「大丈夫ですよ。さぁ、ほら」
受け取った飲み物を一度じっと見つめた後、目を瞑り一気に飲み干した。
「ん? あれ、本当だ、何か体が楽に……」
「緊張が緩和されたんです。きっとさっきまでずっと気を張り続けていたと思うので身も心も少しほぐれたんじゃないですか?」
飲み干したビンを何度も見返すエンフィー。
「これはいいですね……これどこに売ってるんですか?」
「あぁ、これは売ってないですよ。僕の自家製なので」
「へぇ。凄いですね! 何本でも買いたいくらいです!」
「ふふ、そのうちまた作って持って行きますね」
「はい。ぜひ!」
エンフィーの笑顔が再度コイルの顔を赤く染め上げた。
「ん、こほん。エンフィーさん、あそこ見てください」
コイルは部屋の奥を指さした。
「ん?何も見えないですよ?……?」
「あ、もっと奥です! 手前じゃなくてほんとに部屋の端です」
百メートルほど奥にこの洞窟には似つかわしくない、先端から水が噴き出ている噴水のようなものが見えた。
「コイル様、あれってもしかして……」
「この部屋の入り口の青のオーブ。そして部屋の奥の噴水。間違いありません」
「『幸運の聖水』ですね! さぁ、早速取ってすぐにこのダンジョンから出ちゃいましょう!」
エンフィーは空のボトルをリュックから取り出し、駆け足で噴水の元へ向かった。
「ちょ、エンフィーさんまだ何があるかわかりませんよ! 慎重に行かないと」
「大丈夫です、さぁ早くいかないと私だけもらっちゃいますよ!」
エンフィーさん大丈夫かな……こんなに何もないと逆におかしいんだけどなぁ。まぁいいか。すぐ取れば後は逃げればいいだけだし。
「今行きますよ!」
コイルもエンフィーの後を追うように走り出した。
「すみません、僕もエンフィーさんを探すので必死で」
二人が入っていた部屋の出入り口に、コイルの後を追いかけてきていたビッグフロッグが三体待ち構えていた。
「私たちもう駄目じゃないですか?」
「エンフィーさんが奥に逃げて一人になった際に戦ったのですが、普通に強かったです。三体を一気に相手するにはさすがに厳しいかと……」
「じゃあどうするんですかー!」
両手をぶんぶんと振るエンフィーにコイルは苦笑いで返していた。
「そうですね、倒すには時間も掛かりますし、魔力もボス戦のために温存しなくてはいけませんからね」
「え、た、倒さないんですか!?」
「はい、結局は一番単純な方法ですが……」
「単純?」
「はい、とりあえず時間もないので僕についてきてください」
するとコイルはもう一度刀を抜き一匹のカエルに切りかかった。
「よし、これで、こうだ!」
コイルは攻撃できる間合いに入ったとか思いきや、すぐさま後ろに下がった。
「コイル様! バ、バックステップ!?」
ということは切りかかったのはフェイク、モンスターが三体とも迎え撃つためにコイル様に突っ込んでいったけど、なんで……。
「ほらエンフィーさん! モンスターを三体とも部屋の中に入れたから今入り口開いてるよ!」
そいうことか! コイル様部屋にわざと入れて退路の確保をしたのね。
急いで二人は退路に向かう。
「ひ、コイル様! やっぱり追いかけてきてますよ」
「あと少し、あとエンフィーさん<エアシュート>の準備を!」
「!? は、はい」
エンフィーは走りながら杖に魔力を込め始めた。
エンフィーの背後にモンスターの長い舌が飛んでくる。
「くそ、おりゃ!」
コイルはすかさずその舌を切り落とす。
「コイル様、ありがとうござ」
「止まらないで! 前だけ向いて走って下さい」
「何とか一本は止められましたが二本目三本目も来ます!」
「はい。コイル様、魔法の準備OKはです!」
二本目三本目の舌が二人の背中と、目と鼻の距離となり襲い掛かろうとした瞬間。
「よし、出れた! 今です!」
コイルがくるっと反転し、入り口の天井に指を差した。
「……? なるほど!」
<エアシュート!>
入り口付近の天井の岩を空気の弾丸で砕き、落ちてきた岩石で入り口を塞いだ。
「た、助かったぁ」
エンフィーは全身の力が抜けその場で座り込んだ。
「いやぁ、危なかったですね……」
「もう一体何なんですかこのダンジョン!」
「そうですよね、せっかく二人で予習したのに他のモンスターにはあまり遭遇していませんし」
「いっそここの滝の名前を『カエルの滝』に変えればいいのに……」
顔をむくませ、腕を組むエンフィー。
「はは、確かに。それもそうですね」
そういうとコイルがエンフィーを助けに来た時に辿った道のりをじっと見つめた。
「……? さぁエンフィーさん立ってください。そろそろ行きましょうか」
「え、今休み始めたばかりじゃないですか、もう少しだけ休んでいきませんか?」
エンフィーはコイルの顔を下から覗いた。
「コイル様、なんか変な汗出てますよ」
コイルの冷や汗と青ざめた表情を見て、彼の見ていた方向に視線を移す。
エンフィーもその光景を見た瞬間すっと血の気が引いた。
「おほほほ、そうですね、すぐにでも出発しましょうか! コイル様」
「ですね、はい」
すると二人は素早く立ち上がり、全速力で走り始めた。
「ちょっと! なんでこんなにビッグフロッグがいるんですかー!」
二人の数十メートル後ろからビッグフロッグの群れが二人に向かって飛び跳ねながら距離を詰めてきていた。
「十体、二十体どころじゃないですよ!」
「ええ、これはもう逃げる一択でしたね、あはは」
「コイル様、笑い事ではありませーん!」
そんなやり取りを走りながらしていると、二人の目線の先に青のオーブに包まれた部屋の入り口を発見した。
「コイル様、あそこ」
「ええ、なりふり構ってられませんね! 入りましょう。エンフィーさん、方法はさっきと同じです。お願いできますか?」
「もちろんです、もう<エアシュート>の準備は終わってます!」
「さすがです、では少しかく乱させるために……」
<ウィンドカッター!>
コイルは反転し追いかけてくるカエルの足元に風の刃を放ち、砂煙を起こした。
「さぁ、中に!」
「はい!」
エンフィーとコイルは素早く中に入り、コイルは天井に指を差す。
<エアシュート!>
エンフィーの魔法が天井をしっかりと捉え、岩石を落とし部屋の入り口を塞いだ。
「よーし、これでまた一安心、良かったですねエンフィー……さん?」
「もうここから出たい……」
エンフィーは部屋の隅で壁と向かい合い膝を抱えて蹲っていた。
この部屋も他の部屋同様岩石で作られ、部屋の奥まで行くのに相当時間がかかりそうなほど広い作りになっていた。
「あはは、あれだけ苦手って言ってたモンスターに追いかけられるとそうなっちゃいますよね。ちょっと待っててくださいね」
「え?」
うつむいていたエンフィーの顔が少しだけ上がった。
コイルはポシェットから緑色の飲み物を取り出す。
「ちょっとした精神安定の効力が入ったお茶です。これ飲んでください」
「あ、ありがとうございます。ちょっと胡散臭そうですけど……」
「大丈夫ですよ。さぁ、ほら」
受け取った飲み物を一度じっと見つめた後、目を瞑り一気に飲み干した。
「ん? あれ、本当だ、何か体が楽に……」
「緊張が緩和されたんです。きっとさっきまでずっと気を張り続けていたと思うので身も心も少しほぐれたんじゃないですか?」
飲み干したビンを何度も見返すエンフィー。
「これはいいですね……これどこに売ってるんですか?」
「あぁ、これは売ってないですよ。僕の自家製なので」
「へぇ。凄いですね! 何本でも買いたいくらいです!」
「ふふ、そのうちまた作って持って行きますね」
「はい。ぜひ!」
エンフィーの笑顔が再度コイルの顔を赤く染め上げた。
「ん、こほん。エンフィーさん、あそこ見てください」
コイルは部屋の奥を指さした。
「ん?何も見えないですよ?……?」
「あ、もっと奥です! 手前じゃなくてほんとに部屋の端です」
百メートルほど奥にこの洞窟には似つかわしくない、先端から水が噴き出ている噴水のようなものが見えた。
「コイル様、あれってもしかして……」
「この部屋の入り口の青のオーブ。そして部屋の奥の噴水。間違いありません」
「『幸運の聖水』ですね! さぁ、早速取ってすぐにこのダンジョンから出ちゃいましょう!」
エンフィーは空のボトルをリュックから取り出し、駆け足で噴水の元へ向かった。
「ちょ、エンフィーさんまだ何があるかわかりませんよ! 慎重に行かないと」
「大丈夫です、さぁ早くいかないと私だけもらっちゃいますよ!」
エンフィーさん大丈夫かな……こんなに何もないと逆におかしいんだけどなぁ。まぁいいか。すぐ取れば後は逃げればいいだけだし。
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