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第六章 コイルとエンフィー『幸運の聖水』を求めて
56.海龍リヴァイアサン
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エンフィーがコイルの同行を引き受けた後の作戦会議でのこと。
「ということで、この部屋に入ったらボス戦になります」
「意外とシンプルなマップなんですね」
「はい、このダンジョンの大変なところは滝からダンジョンの入り口まで入ることと、ボス戦だけですからね。出てくるモンスターはそこそこのレベルで多少苦労するとは思いますが、道さえ覚えてしまえば遭遇するリスクも最小限まで抑えることができますよ」
「なら、あとはこのボスモンスターですね」
「はい、それなんですけど……このモンスターの倒し方はいくつか情報はあるのですが、出現方法が曖昧なんでよね」
「曖昧……ですか」
「普通に目の前に出てきた。というのが十年前ほどの記録であるのですが、そこから先の情報がないんです。というより帰ってきた冒険者様がいるのかもわからないほど滞っています」
「となると、かなり特殊な出現か、奇襲による攻撃での即死を狙っているとかですかね……」
「まぁそれは今考えてもしょうがないので細心の警戒をして臨機応変に対応しましょう。ここさえ抜けてしまえば実はとても簡単なんです」
「え? レベルの高いボスモンスターなのでは?」
「ふふふ、これです」
エンフィーがカウンター裏から一冊の本を取り出し自慢げにコイルの目の前に置いた。
「ん? 『著者 トニー・マクレガン』!?」
「はい、スーパーアドバイザーだった私の祖父です。この本には今回のボス『海龍リヴァイアサン』の倒し方が実に詳細に記録されていました。」
「本当ですか!? あのトニーさんの本だったら間違いないですね! 希望が見えてきました」
「はい! 急いで作戦を練りましょう」
あの作戦会議を思い出してっと。
突進を仕掛け始めた海龍を二人は動じず真っ直ぐに見つめている。
そして二人は同じタイミングでくすりと笑った。
「ふっ。『突進はシンプルだが早い段階で避けると追いかけてくる』」
「『引き付けてぎりぎり避けきれるところで動くのが良し』でしたね」
「「せーのっ!」」
二人は最大限まで近づけてから左右に分かれて攻撃を避けた。
「くっこのスピードについてくるとは。それにわしの攻撃パターンを読んでたのか……」
よし。本通りね。
「最初の挑発も効いたみたいですね、エンフィーさん」
「はい、コイル様の煽り具合完璧でした!」
エンフィーはコイルに向かって親指を立てた。
「褒めてるんですか……それ」
「もちろんです!」
あのコイル様の挑発が、短気な海龍の攻撃パターンをシンプルにさせた。『頭を使わせる時間を作らないことが大事。性格は短気で怒りやすい。そこを突くべし』まさしく本のとおりね。
「コイル様!」
「はい! 攻撃開始ですね!」
<剣舞・風陣独楽!>
<ウインドカッター!>
二人の風属性の攻撃が突進で隙ができた海龍に直撃した。
「ギャァ!」
「なぜわしが風属性の攻撃に弱いことを……」
「これは完全に偶然ですけど。僕は風属性の適性持ちなのでね」
「私は下級魔法しか使えませんが『風属性の攻撃なら下級魔法でも十分』と書いてたの」
「く、さっきの攻撃の避け方といい全ては作戦通りということか……」
「さぁ、悪いことは言わない。さっさと『幸運の聖水』を置いてくれればそれで終わりになるんだ」
「そうよ、そうすれば別にあなたを倒すことはしない」
「馬鹿にしおって……ならこれならどうじゃ」
空中に飛んでいる海龍は口を大きく開け、巨大な魔法陣を出現させた。
「エンフィーさん、あれってやつのスキルの……」
「はい、<ハイドロブラスト>水の大量放出です!」
「では!エンフィーさんお任せします!」
「もちろんです!」
<ブラッグスモッグ!>
エンフィーの杖から大量の黒煙が撒かれ二人を覆った。
海龍は二人の姿を見失ってしまった。
「しまった。これでは狙いが定められぬではないか……もう発射準備ができてしまっとる」
「じゃがそんなに遠くには逃げれてないはず。あたり一帯を薙ぎ払う」
<ハイドロブラスト!>
大量の水の噴射が部屋全体に放たれた。
「ふはははは、これなら避けようもない! さぁ死ね、死ねぇ!」
その掛け声とともに水の噴射量がさらに増え、海龍は攻撃を繰り返し行った。
一通りの攻撃が終わり二人の様子を覗う。
「部屋はほぼ崩壊してしまったが後でまた作り直せばよい。あの二人もきっと強烈な水圧で塵になったのじゃろう。」
「ふ、所詮はやはりただの弱者冒険者とガイドじゃったということか」
「どこを見ている『海龍リヴァイアサン』」
「な! どこだ!?」
コイルの声が聞こえ辺りをきょろきょろと見渡すが、その姿はなかった。
「ま、まさか……!」
海龍が上を見るとそこには足に青のオーラを纏い背中にエンフィーをおぶった、コイルの姿があった。
「貴様どうやって……」
「もちろんリサーチ済みよ。『<ハイドロブラスト>は一点集中ではなく全範囲の攻撃、しかし上から下に向かっての攻撃となるため、上に避けるのがベスト』ってねだからコイル様に<アクセル>を掛けて上に跳んでもらったってことよ」
そういうとエンフィーはコイルの背中から離れ、杖を構えた。
「そしてもう一つ『ボスの弱点は首の根元にある紋章を狙い攻撃を行うこと』これで終わりだ!」
コイルは刀に手を添え剣舞の構えに入った。
「くそ……ここまでやられるとは……くそ、くそぉぉぉぉ!」
海龍は反転し、迎撃の準備をしようとするも、コイルとエンフィーの技の繰り出す速さを上回ることができなかった。
<剣舞・風烈斬!>
<ウインドアロー!>
「ギャァァァァァァァァ!」
二人の攻撃は弱点の紋章に直撃し、海龍に大ダメージを与えた。
海龍はそのまま地面へと落ちていった。
「やった! エンフィーさん、僕たちは大丈夫ですか? このままだと落下します!」
「ええ、大丈夫です!」
<ディレイムーブ!>
エンフィーは落下寸前に速度調整の魔法を掛けゆっくりと地面に着地した。
ダメージを追い瀕死状態でびくびくと動いている海龍に二人は近づく。
「じゃあこのまま止めを……」
刀を構えるコイル。
「お願いします」
エンフィーはごくりと大きく喉を動かした。
「剣舞・」
「グルォォォォォォォォ!」
倒れた状態ではあったが、海龍は奇声を発した。
「「な!」」
まだ生きてるの!? 早く止めを刺してもらわなきゃ!
「コイル様!」
「剣舞!」
「ギシャァ!」
「きゃ!」
「ぐあぁ!」
倒れていた海龍がコイルとエンフィーを尻尾で薙ぎ倒す。
海龍がゆっくりと空中にまた上がっていった。
「貴様らごときが。調子に乗るなよ……すぐに殺してやる」
まさか、今ので確実に倒したはずなのに。こんなのおじいちゃんの本には……。
エンフィーの杖を持っていた手が震えていた。
「エンフィーさん」
震えていたエンフィーの手にコイルは上から手を優しく添えた。
「コイル様……」
「大丈夫です。僕たちなら勝てます。あんなに作戦会議したんですから」
コイルがエンフィーに笑顔を見せた。
「……そうですよね。ここまで来たらもうやるしかないですよね」
「あいつももう飛んでるのがやっとと見受けられます、もうひと踏ん張りですよ!」
「はい!」
二人は再度武器を構え直し、海龍に向かっていった。
お姉ちゃん待っててね、必ずこいつをやっつけて『幸運の聖水』を手に入れるんだから!
「ということで、この部屋に入ったらボス戦になります」
「意外とシンプルなマップなんですね」
「はい、このダンジョンの大変なところは滝からダンジョンの入り口まで入ることと、ボス戦だけですからね。出てくるモンスターはそこそこのレベルで多少苦労するとは思いますが、道さえ覚えてしまえば遭遇するリスクも最小限まで抑えることができますよ」
「なら、あとはこのボスモンスターですね」
「はい、それなんですけど……このモンスターの倒し方はいくつか情報はあるのですが、出現方法が曖昧なんでよね」
「曖昧……ですか」
「普通に目の前に出てきた。というのが十年前ほどの記録であるのですが、そこから先の情報がないんです。というより帰ってきた冒険者様がいるのかもわからないほど滞っています」
「となると、かなり特殊な出現か、奇襲による攻撃での即死を狙っているとかですかね……」
「まぁそれは今考えてもしょうがないので細心の警戒をして臨機応変に対応しましょう。ここさえ抜けてしまえば実はとても簡単なんです」
「え? レベルの高いボスモンスターなのでは?」
「ふふふ、これです」
エンフィーがカウンター裏から一冊の本を取り出し自慢げにコイルの目の前に置いた。
「ん? 『著者 トニー・マクレガン』!?」
「はい、スーパーアドバイザーだった私の祖父です。この本には今回のボス『海龍リヴァイアサン』の倒し方が実に詳細に記録されていました。」
「本当ですか!? あのトニーさんの本だったら間違いないですね! 希望が見えてきました」
「はい! 急いで作戦を練りましょう」
あの作戦会議を思い出してっと。
突進を仕掛け始めた海龍を二人は動じず真っ直ぐに見つめている。
そして二人は同じタイミングでくすりと笑った。
「ふっ。『突進はシンプルだが早い段階で避けると追いかけてくる』」
「『引き付けてぎりぎり避けきれるところで動くのが良し』でしたね」
「「せーのっ!」」
二人は最大限まで近づけてから左右に分かれて攻撃を避けた。
「くっこのスピードについてくるとは。それにわしの攻撃パターンを読んでたのか……」
よし。本通りね。
「最初の挑発も効いたみたいですね、エンフィーさん」
「はい、コイル様の煽り具合完璧でした!」
エンフィーはコイルに向かって親指を立てた。
「褒めてるんですか……それ」
「もちろんです!」
あのコイル様の挑発が、短気な海龍の攻撃パターンをシンプルにさせた。『頭を使わせる時間を作らないことが大事。性格は短気で怒りやすい。そこを突くべし』まさしく本のとおりね。
「コイル様!」
「はい! 攻撃開始ですね!」
<剣舞・風陣独楽!>
<ウインドカッター!>
二人の風属性の攻撃が突進で隙ができた海龍に直撃した。
「ギャァ!」
「なぜわしが風属性の攻撃に弱いことを……」
「これは完全に偶然ですけど。僕は風属性の適性持ちなのでね」
「私は下級魔法しか使えませんが『風属性の攻撃なら下級魔法でも十分』と書いてたの」
「く、さっきの攻撃の避け方といい全ては作戦通りということか……」
「さぁ、悪いことは言わない。さっさと『幸運の聖水』を置いてくれればそれで終わりになるんだ」
「そうよ、そうすれば別にあなたを倒すことはしない」
「馬鹿にしおって……ならこれならどうじゃ」
空中に飛んでいる海龍は口を大きく開け、巨大な魔法陣を出現させた。
「エンフィーさん、あれってやつのスキルの……」
「はい、<ハイドロブラスト>水の大量放出です!」
「では!エンフィーさんお任せします!」
「もちろんです!」
<ブラッグスモッグ!>
エンフィーの杖から大量の黒煙が撒かれ二人を覆った。
海龍は二人の姿を見失ってしまった。
「しまった。これでは狙いが定められぬではないか……もう発射準備ができてしまっとる」
「じゃがそんなに遠くには逃げれてないはず。あたり一帯を薙ぎ払う」
<ハイドロブラスト!>
大量の水の噴射が部屋全体に放たれた。
「ふはははは、これなら避けようもない! さぁ死ね、死ねぇ!」
その掛け声とともに水の噴射量がさらに増え、海龍は攻撃を繰り返し行った。
一通りの攻撃が終わり二人の様子を覗う。
「部屋はほぼ崩壊してしまったが後でまた作り直せばよい。あの二人もきっと強烈な水圧で塵になったのじゃろう。」
「ふ、所詮はやはりただの弱者冒険者とガイドじゃったということか」
「どこを見ている『海龍リヴァイアサン』」
「な! どこだ!?」
コイルの声が聞こえ辺りをきょろきょろと見渡すが、その姿はなかった。
「ま、まさか……!」
海龍が上を見るとそこには足に青のオーラを纏い背中にエンフィーをおぶった、コイルの姿があった。
「貴様どうやって……」
「もちろんリサーチ済みよ。『<ハイドロブラスト>は一点集中ではなく全範囲の攻撃、しかし上から下に向かっての攻撃となるため、上に避けるのがベスト』ってねだからコイル様に<アクセル>を掛けて上に跳んでもらったってことよ」
そういうとエンフィーはコイルの背中から離れ、杖を構えた。
「そしてもう一つ『ボスの弱点は首の根元にある紋章を狙い攻撃を行うこと』これで終わりだ!」
コイルは刀に手を添え剣舞の構えに入った。
「くそ……ここまでやられるとは……くそ、くそぉぉぉぉ!」
海龍は反転し、迎撃の準備をしようとするも、コイルとエンフィーの技の繰り出す速さを上回ることができなかった。
<剣舞・風烈斬!>
<ウインドアロー!>
「ギャァァァァァァァァ!」
二人の攻撃は弱点の紋章に直撃し、海龍に大ダメージを与えた。
海龍はそのまま地面へと落ちていった。
「やった! エンフィーさん、僕たちは大丈夫ですか? このままだと落下します!」
「ええ、大丈夫です!」
<ディレイムーブ!>
エンフィーは落下寸前に速度調整の魔法を掛けゆっくりと地面に着地した。
ダメージを追い瀕死状態でびくびくと動いている海龍に二人は近づく。
「じゃあこのまま止めを……」
刀を構えるコイル。
「お願いします」
エンフィーはごくりと大きく喉を動かした。
「剣舞・」
「グルォォォォォォォォ!」
倒れた状態ではあったが、海龍は奇声を発した。
「「な!」」
まだ生きてるの!? 早く止めを刺してもらわなきゃ!
「コイル様!」
「剣舞!」
「ギシャァ!」
「きゃ!」
「ぐあぁ!」
倒れていた海龍がコイルとエンフィーを尻尾で薙ぎ倒す。
海龍がゆっくりと空中にまた上がっていった。
「貴様らごときが。調子に乗るなよ……すぐに殺してやる」
まさか、今ので確実に倒したはずなのに。こんなのおじいちゃんの本には……。
エンフィーの杖を持っていた手が震えていた。
「エンフィーさん」
震えていたエンフィーの手にコイルは上から手を優しく添えた。
「コイル様……」
「大丈夫です。僕たちなら勝てます。あんなに作戦会議したんですから」
コイルがエンフィーに笑顔を見せた。
「……そうですよね。ここまで来たらもうやるしかないですよね」
「あいつももう飛んでるのがやっとと見受けられます、もうひと踏ん張りですよ!」
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