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第九章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 準決勝編
94.準決勝に向けて②
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特訓のためダンジョンに潜ったケビンとナターシャ。ケビンのガイドもあり、ナターシャはモンスターを倒しながら自分の型を極めていった。
「ふーこんな感じでしょうか、ケビンさん」
「あぁ、上出来だ。それよりナターシャ奥見てみろ」
ナターシャがケビンの言う通りに奥を見ると、そこには水色のオーブが広がっている扉があった。
「あれがボス部屋……」
「あぁ、準備ができたら進もう」
「はい!」
あれ、なんかいつも以上にケビンさん素っ気ない気が……。
そこからナターシャは今までのダメージを回復したり、装備を改めて整え、ボス部屋の扉の前に立った。
「いいか、改めて言っておくぞナターシャ、俺が限界と判断するまではお前を助けない」
「言われなくてもわかってますよ!」
ケビンさんが連れてくるくらいだから強いモンスターだとは思うけど、そんな明らかな実力差があるようなボスじゃないはず……。
「いいか、ナターシャ。最後まで諦めるなよ……そうすればお前はきっと今以上に強くなれる」
ケビンは真剣な表情でナターシャに語り掛ける。
「……分かりました。では入りますね!」
二人がボス部屋の前に立つと扉は重く鈍い音が鳴り、ナターシャとケビンを迎え入れた。
「グルルルゥ」
目の前にはナターシャの二倍ほどある体格で二足歩行の狼型のモンスターが立っていた。
「狼男……ですか?」
「ワーウルフだ。推奨パーティーランクレベル三十だ」
「え! レベル三十!? そんなあたしには」
「ナターシャ来るぞ」
「え、はやっ!」
ワーウルフは湾曲した剣を掲げ目にも留まらぬ速さでナターシャに向かってきた。
それをなんとか大鎌で食い止めるナターシャ。
しかし、その攻撃を止められたのは初撃のみでニ撃目の攻撃を止められず吹き飛ばされた。
「く、速いし、攻撃力もそこら辺のモンスターと桁違いすぎる……」
こんなのあたし一人じゃ到底……。
「ケビンさん! このモンスターは!」
先ほどまでいたケビンの方向を見る。
「え……」
「いない……? ってまずい!」
ナターシャはワーウルフの攻撃を何とか躱しながらケビンを探すもその姿はどこにもなかった。
なんで、どうして。いなくなるなんて言ってなかったじゃないですか……。あたしにはこのモンスターは倒せない。実力が違いすぎる。
『最後まで諦めるなよ……そうすればお前はきっと今以上に強くなれる』
ナターシャの頭の中でボス部屋の前に言われたケビンの言葉が浮かんできた。
その言葉を思い出しはっとした瞬間ワーウルフの蹴りがナターシャのみぞおちに炸裂した。
「がはっ!」
壁まで吹き飛ばされたナターシャが溜めていた息を大きく吐いた。
そうか、この追い込まれた状況の中であたしに何ができるのか、それをケビンさんは引き出そうとしてるんだ。
なら弱気になってどうする……。こんなモンスターも倒せなかったらロイにもサテラにもきっと勝てない。
「はあああああぁぁぁ!」
ナターシャは立ち上がり手から落とした大鎌を両手で握りワーウルフに切りかかった。
そこから数分後。
ボス部屋は二人の激闘の様子が見て取れるほどのひびや、削り取られたであろう岩が転がっていた。
「フシュゥゥ。グルァァァァァ!」
ほぼ無傷の状態のワーウルフの咆哮を挙げる先には、壁にもたれかかり大鎌を手から落とした体中傷だらけの姿となったナターシャがいた。
「う、うう。やっぱり……だめだ、速すぎる。あたしの攻撃が全然当たらない」
ケビンさんあたし多分あなたの期待には応えられないかもしれない。もうどうしたらわかんない。
「ナターシャ。何をしてる」
「え、ケビンさん!? どこにいるんですか、こいつはあたしでは倒せません。体ももう……」
ケビンを探そうと何度も辺りを見渡すがその姿は一向に見当たらない。
「ほら、また来るぞ」
「ガァァァ!」
「ひっ!」
這いつくばりながらもなんとかワーウルフを避けたナターシャ。
「ふっ惨めだなナターシャ。そんな品のない避け方で大丈夫か?」
「ケビンさん。助けて。あたしには!」
その後もワーウルフの攻撃を受け流し、ダメージを受けながらもなんとか致命傷を避けどこにいるかもわからないケビンと会話をするナターシャ。
「うるさいガキだな。ボス部屋の前で言っただろ『俺が限界と判断するまではお前を助けない』って」
「そうですけど……あたしこのままじゃ」
「『死ぬ』か?」
「はい……もう避ける力もほとんどないし……」
「そうか、ならそこまでの器だったってことだな」
「え……?」
「先方には俺から辞退と伝えておく」
「限界が来たら助けてくれるって……」
「誰が『死ぬ前に助けてやる』と言った」
「そ、そんな」
その場で崩れ落ちるナターシャ。
あたし、このまま死ぬのかな……。あんな優秀な案内人がパートナーで浮かれてここに来て手も足も出せずそのパートナーにも見捨てられて。
その瞬間ナターシャの頭の中で昨日の一回戦がフラッシュバックされた。
『ロイ! 次はあなたよ! そしてその次はサテラ。あなた達を倒してあたし達が優勝するわ!』
違う。あたしはもともと一人だったじゃない。ヒューマン冒険者アカデミーに入って獣人族として周りからは恐れられて、今更こんなことで折れてどうするの……。それにあたしがこうしてる間にもロイやサテラもきっと強くなってる。あたしの死場はこんなところじゃない! こんなやつじゃない!
死にたくない! あたしはこいつを倒してロイと、サテラと戦うんだ!
「はぁぁぁぁぁ!」
ナターシャは赤いオーラを身にまとい始めた。
「あたしはこいつを倒す! 絶対に生きて帰るんだ!」
「ふーこんな感じでしょうか、ケビンさん」
「あぁ、上出来だ。それよりナターシャ奥見てみろ」
ナターシャがケビンの言う通りに奥を見ると、そこには水色のオーブが広がっている扉があった。
「あれがボス部屋……」
「あぁ、準備ができたら進もう」
「はい!」
あれ、なんかいつも以上にケビンさん素っ気ない気が……。
そこからナターシャは今までのダメージを回復したり、装備を改めて整え、ボス部屋の扉の前に立った。
「いいか、改めて言っておくぞナターシャ、俺が限界と判断するまではお前を助けない」
「言われなくてもわかってますよ!」
ケビンさんが連れてくるくらいだから強いモンスターだとは思うけど、そんな明らかな実力差があるようなボスじゃないはず……。
「いいか、ナターシャ。最後まで諦めるなよ……そうすればお前はきっと今以上に強くなれる」
ケビンは真剣な表情でナターシャに語り掛ける。
「……分かりました。では入りますね!」
二人がボス部屋の前に立つと扉は重く鈍い音が鳴り、ナターシャとケビンを迎え入れた。
「グルルルゥ」
目の前にはナターシャの二倍ほどある体格で二足歩行の狼型のモンスターが立っていた。
「狼男……ですか?」
「ワーウルフだ。推奨パーティーランクレベル三十だ」
「え! レベル三十!? そんなあたしには」
「ナターシャ来るぞ」
「え、はやっ!」
ワーウルフは湾曲した剣を掲げ目にも留まらぬ速さでナターシャに向かってきた。
それをなんとか大鎌で食い止めるナターシャ。
しかし、その攻撃を止められたのは初撃のみでニ撃目の攻撃を止められず吹き飛ばされた。
「く、速いし、攻撃力もそこら辺のモンスターと桁違いすぎる……」
こんなのあたし一人じゃ到底……。
「ケビンさん! このモンスターは!」
先ほどまでいたケビンの方向を見る。
「え……」
「いない……? ってまずい!」
ナターシャはワーウルフの攻撃を何とか躱しながらケビンを探すもその姿はどこにもなかった。
なんで、どうして。いなくなるなんて言ってなかったじゃないですか……。あたしにはこのモンスターは倒せない。実力が違いすぎる。
『最後まで諦めるなよ……そうすればお前はきっと今以上に強くなれる』
ナターシャの頭の中でボス部屋の前に言われたケビンの言葉が浮かんできた。
その言葉を思い出しはっとした瞬間ワーウルフの蹴りがナターシャのみぞおちに炸裂した。
「がはっ!」
壁まで吹き飛ばされたナターシャが溜めていた息を大きく吐いた。
そうか、この追い込まれた状況の中であたしに何ができるのか、それをケビンさんは引き出そうとしてるんだ。
なら弱気になってどうする……。こんなモンスターも倒せなかったらロイにもサテラにもきっと勝てない。
「はあああああぁぁぁ!」
ナターシャは立ち上がり手から落とした大鎌を両手で握りワーウルフに切りかかった。
そこから数分後。
ボス部屋は二人の激闘の様子が見て取れるほどのひびや、削り取られたであろう岩が転がっていた。
「フシュゥゥ。グルァァァァァ!」
ほぼ無傷の状態のワーウルフの咆哮を挙げる先には、壁にもたれかかり大鎌を手から落とした体中傷だらけの姿となったナターシャがいた。
「う、うう。やっぱり……だめだ、速すぎる。あたしの攻撃が全然当たらない」
ケビンさんあたし多分あなたの期待には応えられないかもしれない。もうどうしたらわかんない。
「ナターシャ。何をしてる」
「え、ケビンさん!? どこにいるんですか、こいつはあたしでは倒せません。体ももう……」
ケビンを探そうと何度も辺りを見渡すがその姿は一向に見当たらない。
「ほら、また来るぞ」
「ガァァァ!」
「ひっ!」
這いつくばりながらもなんとかワーウルフを避けたナターシャ。
「ふっ惨めだなナターシャ。そんな品のない避け方で大丈夫か?」
「ケビンさん。助けて。あたしには!」
その後もワーウルフの攻撃を受け流し、ダメージを受けながらもなんとか致命傷を避けどこにいるかもわからないケビンと会話をするナターシャ。
「うるさいガキだな。ボス部屋の前で言っただろ『俺が限界と判断するまではお前を助けない』って」
「そうですけど……あたしこのままじゃ」
「『死ぬ』か?」
「はい……もう避ける力もほとんどないし……」
「そうか、ならそこまでの器だったってことだな」
「え……?」
「先方には俺から辞退と伝えておく」
「限界が来たら助けてくれるって……」
「誰が『死ぬ前に助けてやる』と言った」
「そ、そんな」
その場で崩れ落ちるナターシャ。
あたし、このまま死ぬのかな……。あんな優秀な案内人がパートナーで浮かれてここに来て手も足も出せずそのパートナーにも見捨てられて。
その瞬間ナターシャの頭の中で昨日の一回戦がフラッシュバックされた。
『ロイ! 次はあなたよ! そしてその次はサテラ。あなた達を倒してあたし達が優勝するわ!』
違う。あたしはもともと一人だったじゃない。ヒューマン冒険者アカデミーに入って獣人族として周りからは恐れられて、今更こんなことで折れてどうするの……。それにあたしがこうしてる間にもロイやサテラもきっと強くなってる。あたしの死場はこんなところじゃない! こんなやつじゃない!
死にたくない! あたしはこいつを倒してロイと、サテラと戦うんだ!
「はぁぁぁぁぁ!」
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「あたしはこいつを倒す! 絶対に生きて帰るんだ!」
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