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第九章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 準決勝編
95.準決勝に向けて③
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「う、うーん……え!?」
「ナターシャ。目が覚めたか」
ケビンはナターシャを担ぎながらダンジョンの出口へと歩いていた。
「え、ええええええあ、あの、ど、どうしてあたしがケビンさんの腕の中に……?」
「お前がワーウルフとの戦闘で気を失ったからな」
「あ、そ、そうですか……やっぱりあたし勝てなかったんだ。あいつに……」
ナターシャはケビンの腕の中で顔を伏せた。
「……馬鹿。お前が倒したんだよ。ワーウルフを」
「……え? 今なんて……」
ぴょこぴょことナターシャの耳が動く。
「だからお前が倒したんだよ、まぁ覚えてないだろうけどな」
「あたしがあいつを……?」
「そう、俺が助けに入ったのはお前がワーウルフを倒した後、その場で力尽きて倒れてからだ」
「でも、どうやって倒したのかあたし覚えてないですよ……?」
「それは帰った後教えてやる。とりあえず今は午後の特訓に備えて体を休ませておけ」
「げ、午後も特訓するんですか!?」
「当たり前だ。鉄は熱いうちに打て、だ。あんだけの力出しておいて忘れましたじゃここまで連れてきた意味がなくなる」
「え、じゃあケビンさんはあたしを見捨てたんじゃなくて……」
「見捨てる? 何言ってるんだ。お前の強くするために連れてきたって言ったろ。お前に何があったとしても俺はお前を死なせはしないし見捨てるつもりも毛頭ないぞ」
「……」
頬を赤らめケビンをじっと見つめるナターシャ。
「ん?」
「ケビンさん好き! そしてその反対はキスー!」
「おい腕の中で暴れんな! そんで顔近づけんな落とすぞ!」
まぁ最後止めを刺したのは俺だがな。それでもあの力が出せて大人でも手を焼くワーウルフ相手に善戦したんだ。特訓してあれができるようになればきっと……。
「ケビンさん。どうしたんですかいきなり黙って」
「ん、あ、あぁ。ナターシャ。勝つぞ。ルナとロイにも、ナヴィとサテラにも」
「……はい! あたしが絶対にケビンさんを優勝させます!」
「あぁ」
ケビンはそう返すと突然その場で足を止めた。
「え? ケビンさん?」
「おい、いつまで俺らのこと観察してるんだ」
「……………」
「はぁ、もういるのは分かってるだぞ、ナターシャ降りろ」
「あ、はい……ケビンさん何を言って……」
「また臭いを消してるのか。ナターシャ、腰につけてたナイフを貸せ」
「ナイフですか? どうぞ」
ケビンはナターシャのナイフをすぐに手に取り壁に投げつける。
「え! うそ!?」
「まったく恐ろしいね、せっかく獣人族にもわからないように臭いを消して壁に化けてたんだけどなぁ」
「なんでお前がここにいるんだ。ブラン」
投げつけたナイフの横からカメレオンのように体色変化をしたブランが現れた。
「ナイフを外したのはわざとかい?」
「試験中だ、ここでお前を殺すことは容易だが、試験もそうだが社会的にも落とされる。それを狙ってお前も来たんだろ」
「……そこまで考えてのこの行動か。見事ですね」
「お前に褒められても何も嬉しくないが。それで答えろ。何をしていた」
「ふふ、聞くまでもないでしょう」
ナターシャはブランを睨みつけながら大鎌を構えた。
「偵察……」
「そう。その通りですよナターシャさん」
「あなたの準決勝の相手はナヴィさんとサテラでしょ!」
「その通りだよ。でも僕がここにいるってことはさ……」
「すでにナヴィ達に勝つことを想定している。つまり負けはないと確信しているからこそここに来て俺たちの情報を得ようとしてたわけだ」
ブランの言葉を遮るようにケビンが話した。
「そんな……サテラだったらあなた達には負けないもん!」
「大方、誰か人を雇って他のペアにも偵察は入れてるんだろうがな」
「まぁ、試合を見たところ君らが優勝候補筆頭ってところだから僕が直に見に来たってことさ」
「ふ、まぁ俺たちが優勝候補筆頭なのはいい目『は』持っているな」
「皮肉にしか聞こえない誉め言葉をどうもありがとう」
「ブラン。お前のパートナーのダリウスだったか? あいつは今何をしている」
「……? 僕の言う通りにサテラさんとナヴィさんの一回戦の様子を全て頭と体に叩き込むように指示したよ。それができるまで水を飲むのも食べ物を食べるのももちろん休憩するのも禁止。と言ってね」
「あなた、そんなことしたらダリウスが!」
ケビンはナターシャの口の前に手を出した。
「喜べナターシャ。一人分析するペアが減ったぞ」
「分析するペアが減った……?」
ナターシャが首を傾げた。
「おいケビン。まさかそれは僕たちのことじゃないだろうね」
ブランは今にも切りかかりそうな目でケビンを睨みつける。
「ブラン。確かにお前は優秀だ。それは今までの試験の様子を見てればわかる。だが、お前は案内人として大きく欠落してるものがあるそれが分からない限りナヴィ達には勝てないぞ」
「貴様……」
ケビンの挑発ともとれる忠告にブランの拳が震え始めるが、すぐにその緊張が解けた。
「ふー。残念だけど君の予想は多分外れるね、決勝は僕とケビン。きっとそうなるよ」
「俺にはその未来は見えないな」
「まぁいい。今日はこの辺にしておくよ。ナターシャさんのいいものも見せてもらったしね。それじゃ」
ブランはそういい放つとダンジョンの出口へと歩いていった。
「ケビンさん。サテラとナヴィさん大丈夫ですかね……」
「さぁな。試合は何があるかはその時になってみないと分からない。俺らができるのはあいつらが勝つことを願うことぐらいだ」
ブランは相当厄介な相手になりそうだぞ……大丈夫だよな。ナヴィ。
「ナターシャ。目が覚めたか」
ケビンはナターシャを担ぎながらダンジョンの出口へと歩いていた。
「え、ええええええあ、あの、ど、どうしてあたしがケビンさんの腕の中に……?」
「お前がワーウルフとの戦闘で気を失ったからな」
「あ、そ、そうですか……やっぱりあたし勝てなかったんだ。あいつに……」
ナターシャはケビンの腕の中で顔を伏せた。
「……馬鹿。お前が倒したんだよ。ワーウルフを」
「……え? 今なんて……」
ぴょこぴょことナターシャの耳が動く。
「だからお前が倒したんだよ、まぁ覚えてないだろうけどな」
「あたしがあいつを……?」
「そう、俺が助けに入ったのはお前がワーウルフを倒した後、その場で力尽きて倒れてからだ」
「でも、どうやって倒したのかあたし覚えてないですよ……?」
「それは帰った後教えてやる。とりあえず今は午後の特訓に備えて体を休ませておけ」
「げ、午後も特訓するんですか!?」
「当たり前だ。鉄は熱いうちに打て、だ。あんだけの力出しておいて忘れましたじゃここまで連れてきた意味がなくなる」
「え、じゃあケビンさんはあたしを見捨てたんじゃなくて……」
「見捨てる? 何言ってるんだ。お前の強くするために連れてきたって言ったろ。お前に何があったとしても俺はお前を死なせはしないし見捨てるつもりも毛頭ないぞ」
「……」
頬を赤らめケビンをじっと見つめるナターシャ。
「ん?」
「ケビンさん好き! そしてその反対はキスー!」
「おい腕の中で暴れんな! そんで顔近づけんな落とすぞ!」
まぁ最後止めを刺したのは俺だがな。それでもあの力が出せて大人でも手を焼くワーウルフ相手に善戦したんだ。特訓してあれができるようになればきっと……。
「ケビンさん。どうしたんですかいきなり黙って」
「ん、あ、あぁ。ナターシャ。勝つぞ。ルナとロイにも、ナヴィとサテラにも」
「……はい! あたしが絶対にケビンさんを優勝させます!」
「あぁ」
ケビンはそう返すと突然その場で足を止めた。
「え? ケビンさん?」
「おい、いつまで俺らのこと観察してるんだ」
「……………」
「はぁ、もういるのは分かってるだぞ、ナターシャ降りろ」
「あ、はい……ケビンさん何を言って……」
「また臭いを消してるのか。ナターシャ、腰につけてたナイフを貸せ」
「ナイフですか? どうぞ」
ケビンはナターシャのナイフをすぐに手に取り壁に投げつける。
「え! うそ!?」
「まったく恐ろしいね、せっかく獣人族にもわからないように臭いを消して壁に化けてたんだけどなぁ」
「なんでお前がここにいるんだ。ブラン」
投げつけたナイフの横からカメレオンのように体色変化をしたブランが現れた。
「ナイフを外したのはわざとかい?」
「試験中だ、ここでお前を殺すことは容易だが、試験もそうだが社会的にも落とされる。それを狙ってお前も来たんだろ」
「……そこまで考えてのこの行動か。見事ですね」
「お前に褒められても何も嬉しくないが。それで答えろ。何をしていた」
「ふふ、聞くまでもないでしょう」
ナターシャはブランを睨みつけながら大鎌を構えた。
「偵察……」
「そう。その通りですよナターシャさん」
「あなたの準決勝の相手はナヴィさんとサテラでしょ!」
「その通りだよ。でも僕がここにいるってことはさ……」
「すでにナヴィ達に勝つことを想定している。つまり負けはないと確信しているからこそここに来て俺たちの情報を得ようとしてたわけだ」
ブランの言葉を遮るようにケビンが話した。
「そんな……サテラだったらあなた達には負けないもん!」
「大方、誰か人を雇って他のペアにも偵察は入れてるんだろうがな」
「まぁ、試合を見たところ君らが優勝候補筆頭ってところだから僕が直に見に来たってことさ」
「ふ、まぁ俺たちが優勝候補筆頭なのはいい目『は』持っているな」
「皮肉にしか聞こえない誉め言葉をどうもありがとう」
「ブラン。お前のパートナーのダリウスだったか? あいつは今何をしている」
「……? 僕の言う通りにサテラさんとナヴィさんの一回戦の様子を全て頭と体に叩き込むように指示したよ。それができるまで水を飲むのも食べ物を食べるのももちろん休憩するのも禁止。と言ってね」
「あなた、そんなことしたらダリウスが!」
ケビンはナターシャの口の前に手を出した。
「喜べナターシャ。一人分析するペアが減ったぞ」
「分析するペアが減った……?」
ナターシャが首を傾げた。
「おいケビン。まさかそれは僕たちのことじゃないだろうね」
ブランは今にも切りかかりそうな目でケビンを睨みつける。
「ブラン。確かにお前は優秀だ。それは今までの試験の様子を見てればわかる。だが、お前は案内人として大きく欠落してるものがあるそれが分からない限りナヴィ達には勝てないぞ」
「貴様……」
ケビンの挑発ともとれる忠告にブランの拳が震え始めるが、すぐにその緊張が解けた。
「ふー。残念だけど君の予想は多分外れるね、決勝は僕とケビン。きっとそうなるよ」
「俺にはその未来は見えないな」
「まぁいい。今日はこの辺にしておくよ。ナターシャさんのいいものも見せてもらったしね。それじゃ」
ブランはそういい放つとダンジョンの出口へと歩いていった。
「ケビンさん。サテラとナヴィさん大丈夫ですかね……」
「さぁな。試合は何があるかはその時になってみないと分からない。俺らができるのはあいつらが勝つことを願うことぐらいだ」
ブランは相当厄介な相手になりそうだぞ……大丈夫だよな。ナヴィ。
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