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第九章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 準決勝編
100.勇者の弟
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「ぼ、僕はお兄さんみたいにこのアカデミーで首席になって立派な勇者になりたいです!」
僕はアカデミーの入学式が終わった後のクラスでこう宣言した。
「あいつが勇者テリウスの弟……」
「何あれ、あんなこと言っちゃってこの先大丈夫なのかしら……」
「ふーん勇者にねぇ」
「私より弱そうなやつが何を言っているんだか」
そんなことを言っているやつもいたけど所詮テリウス兄さんの弟である僕に嫉妬してるだけ。気にしない気にしない。
このアカデミーに入る前から兄さんと同じ首席を取る目標でやってきた僕はきっと誰にも負けない。それくらい努力をしてきた自負が僕にはあった。
「ダリウス君正解です! 素晴らしい回答です!」
「先生。ありがとうございます」
「あいつすげぇな」
「前のテストも満点に近い点数だったらしいぞ」
「流石勇者の弟ってっ感じだな」
座学なんてこのアカデミーを今すぐにでも卒業することができるくらい勉強したから当然。今から始めようなんて思ってるやつらに負けるなんてことはあっちゃいけないんだ。
気づけば周りにはたくさんの人がいた。テストの勉強を教えたり、お昼ご飯を一緒に食べようと誘ってくれたり……すごく楽しかった。
そこから数週間経ちいよいよ僕たちのクラスも戦闘の訓練が始まった。
その訓練も数日が経ち、とある日の訓練。
その日は全員が木製の剣を持ち、二対一で実戦形式での授業を行っていた時のことだった。
「大丈夫かいロイ?」
「いたたた、ダリウスお前やっぱすげぇな、おいらの剣が全然当たらなかった」
「当然。なんたって一年前まで兄さんが直接教えてくれてたからね!」
「いいなぁ兄さんが勇者だとそんな特権があるなんて」
「ふふ、よければ君にも教えてあげようか?」
剣術ももちろん兄さんに教えてもらった。兄さんの本気を出させるまでの強さにはなれなかったけど、このアカデミーは十分すぎるほどの実力はあった。
と思っていた。
「ははは、魔王討伐に失敗した勇者テリウスの剣術を教えてもらっていいのかいロイ」
「え? お、おいら?」
「君は……ザクレー君だっけ? 今なんて言ったんだい?」
ザクレー。座学も優秀、剣術も秀でているとは噂で聞いたことはあるけど。
「ん? 分からなかったか? もう一度分かりやすく言った方が良かったかい? 負けた剣士の剣術に何の需要がある?」
「お前! 叩き切ってやる!」
「ちょ、ダリウス!? 今は訓練中だぞ! ザクレーもやめなよ!」
「忘れるなよダリウス。先に手を出したのはお前だからな」
そこからの記憶はほとんどない。
気がづいたら僕はボロボロの状態で地面に横たわっていた。
「勇者の弟ダリウス。お前よくそんな剣術で勇者の弟としゃしゃり出れるな」
ザクレーは僕を見下ろし口角を上げ不適に微笑んだ。
「ザクレー、ぐっ。いって……」
「加減はしてやった。まぁそれでも動けない程度に叩いてやったがな」
「ザクレー、君は……」
「はっきり言ってやろう。お前は弱い。諦めろ。お前は勇者の様にはなれない。まぁ負けた剣士という言い方では一緒になれるかもしれないがな。はははは」
何かの間違いだ。きっと僕が油断した隙をザクレーに突かれたんだ。普通にやったら僕が負けるなんて……。
勇者の弟だぞ。こんなのありえない。きっと次やったら僕が勝つ。絶対!
そう思っていた。いや、そう思っていないと気持ちが途切れてしまうから……。しかし現実はそんなに甘くなかった。
そこから数週間は全員が剣を使い実技戦闘を感覚を掴む訓練が続いた。
ザクレーには負けたがきっとそれ以外のやつには誰にも……。
「やめ! エドウィンの勝利!」
「そこまで! ミミィの勝利!」
「ストップ! ザクレーの勝利!」
「ナターシャの勝利!」
勝率は悪くなかった。それでも優秀と称されているアカデミー生には連戦連敗。
「くそ、くそ! またナターシャに負けた!」
「いや、あんたも十分強いけどさ……あんたに言うのは酷かもしれないけど他に手に馴染む武器があると思うよ」
「他の武器……?」
そんなのあってはならない。でも僕も心の中では思っていた。僕の剣術はここが限界なんじゃないかって。
僕は兄さんにはなれないのかな……。
「あれダリウス? 何してるの。ロッカーの奥に何か入れた?」
「あ、さ、サテラ! い、いやぁ、な、なにも」
「あ、ダリウス剣をそんな奥に! 取り出しづらくなっちまうぞ!?」
「ロ、ロイ!?」
だめだ、二人とは仲良くしてるけどこれ言えない……。
「け、剣もいいけど、たまには別の武器を使おうかなぁと」
「あ、そうなんだ、なに使うの!?」
「いいじゃん! おいらはハンマー使うぞ!」
ん? ロッカーの手前にグローブ? なんかの成績上位者の特典でもらったような……。
「こ、このグローブで体術中心にやっていこうと思う!」
この時の僕は剣術の才はなくても兄さんみたいにきっとなれる。これがきっと希望の光になる。そう信じていた。
僕はアカデミーの入学式が終わった後のクラスでこう宣言した。
「あいつが勇者テリウスの弟……」
「何あれ、あんなこと言っちゃってこの先大丈夫なのかしら……」
「ふーん勇者にねぇ」
「私より弱そうなやつが何を言っているんだか」
そんなことを言っているやつもいたけど所詮テリウス兄さんの弟である僕に嫉妬してるだけ。気にしない気にしない。
このアカデミーに入る前から兄さんと同じ首席を取る目標でやってきた僕はきっと誰にも負けない。それくらい努力をしてきた自負が僕にはあった。
「ダリウス君正解です! 素晴らしい回答です!」
「先生。ありがとうございます」
「あいつすげぇな」
「前のテストも満点に近い点数だったらしいぞ」
「流石勇者の弟ってっ感じだな」
座学なんてこのアカデミーを今すぐにでも卒業することができるくらい勉強したから当然。今から始めようなんて思ってるやつらに負けるなんてことはあっちゃいけないんだ。
気づけば周りにはたくさんの人がいた。テストの勉強を教えたり、お昼ご飯を一緒に食べようと誘ってくれたり……すごく楽しかった。
そこから数週間経ちいよいよ僕たちのクラスも戦闘の訓練が始まった。
その訓練も数日が経ち、とある日の訓練。
その日は全員が木製の剣を持ち、二対一で実戦形式での授業を行っていた時のことだった。
「大丈夫かいロイ?」
「いたたた、ダリウスお前やっぱすげぇな、おいらの剣が全然当たらなかった」
「当然。なんたって一年前まで兄さんが直接教えてくれてたからね!」
「いいなぁ兄さんが勇者だとそんな特権があるなんて」
「ふふ、よければ君にも教えてあげようか?」
剣術ももちろん兄さんに教えてもらった。兄さんの本気を出させるまでの強さにはなれなかったけど、このアカデミーは十分すぎるほどの実力はあった。
と思っていた。
「ははは、魔王討伐に失敗した勇者テリウスの剣術を教えてもらっていいのかいロイ」
「え? お、おいら?」
「君は……ザクレー君だっけ? 今なんて言ったんだい?」
ザクレー。座学も優秀、剣術も秀でているとは噂で聞いたことはあるけど。
「ん? 分からなかったか? もう一度分かりやすく言った方が良かったかい? 負けた剣士の剣術に何の需要がある?」
「お前! 叩き切ってやる!」
「ちょ、ダリウス!? 今は訓練中だぞ! ザクレーもやめなよ!」
「忘れるなよダリウス。先に手を出したのはお前だからな」
そこからの記憶はほとんどない。
気がづいたら僕はボロボロの状態で地面に横たわっていた。
「勇者の弟ダリウス。お前よくそんな剣術で勇者の弟としゃしゃり出れるな」
ザクレーは僕を見下ろし口角を上げ不適に微笑んだ。
「ザクレー、ぐっ。いって……」
「加減はしてやった。まぁそれでも動けない程度に叩いてやったがな」
「ザクレー、君は……」
「はっきり言ってやろう。お前は弱い。諦めろ。お前は勇者の様にはなれない。まぁ負けた剣士という言い方では一緒になれるかもしれないがな。はははは」
何かの間違いだ。きっと僕が油断した隙をザクレーに突かれたんだ。普通にやったら僕が負けるなんて……。
勇者の弟だぞ。こんなのありえない。きっと次やったら僕が勝つ。絶対!
そう思っていた。いや、そう思っていないと気持ちが途切れてしまうから……。しかし現実はそんなに甘くなかった。
そこから数週間は全員が剣を使い実技戦闘を感覚を掴む訓練が続いた。
ザクレーには負けたがきっとそれ以外のやつには誰にも……。
「やめ! エドウィンの勝利!」
「そこまで! ミミィの勝利!」
「ストップ! ザクレーの勝利!」
「ナターシャの勝利!」
勝率は悪くなかった。それでも優秀と称されているアカデミー生には連戦連敗。
「くそ、くそ! またナターシャに負けた!」
「いや、あんたも十分強いけどさ……あんたに言うのは酷かもしれないけど他に手に馴染む武器があると思うよ」
「他の武器……?」
そんなのあってはならない。でも僕も心の中では思っていた。僕の剣術はここが限界なんじゃないかって。
僕は兄さんにはなれないのかな……。
「あれダリウス? 何してるの。ロッカーの奥に何か入れた?」
「あ、さ、サテラ! い、いやぁ、な、なにも」
「あ、ダリウス剣をそんな奥に! 取り出しづらくなっちまうぞ!?」
「ロ、ロイ!?」
だめだ、二人とは仲良くしてるけどこれ言えない……。
「け、剣もいいけど、たまには別の武器を使おうかなぁと」
「あ、そうなんだ、なに使うの!?」
「いいじゃん! おいらはハンマー使うぞ!」
ん? ロッカーの手前にグローブ? なんかの成績上位者の特典でもらったような……。
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