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第九章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 準決勝編
108.信頼
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ロイが奥の手である<エンパシーオブプリセプション>を使い始めてから、戦局が大きく傾き始めた。
戦闘開始時同様、ロイがナターシャを追い込んでいく形に戻っていった。
「ナヴィさん。あの技って」
ロイの技が発動された姿を見たサテラは驚いていた。
「何だろうね……」
確かにロイ君自身に変化があったのはわかるけど……。
「ロイ君もそうだけど、ルナもあの技を使い始めてから全くロイ君に指示を出していないわね」
「あ、確かに。さっきまでは掛け声だけで通じていたのに全くなくなりましたね。放棄したのでしょうか……」
腕を組み頭を回転させるナヴィ。
そのまま数十秒が経ち何かに気づく。
「あ……」
「何かわかったんですか?」
「……多分逆だわ」
「逆?」
「する必要がなくなった。ということかもね」
「えっ?」
「さっきロイ君が言っていたあの<エンパシーオブプリセプション>を『勘の共感』って言ってたでしょ?」
「勘の共感って……いまいちピンとこないのですが」
「あたしも憶測でしか話せないけど、簡単に言うと、多分ロイ君はあの技を使ってルナの思考を取り込んでいるのかも」
「え、それってつまりルナさんが今まで掛け声で指示していたことがロイの脳に直接入り込んでくるってことなのでしょうか……?」
「うん。だからそのルナの思考を取り込んで脳内で瞬時に処理。そしてロイ君はそれに身を任せながら戦うって感じかな」
「ほら、サテラちゃん。ロイをよく見てごらん」
そういってロイの方に指を差すナヴィ。
「今までのロイ君の動きは、ロイ君に攻撃が来る、ルナの掛け声、それを聞いて処理し、そして体を動かす。この四つの順序だったのに対し、あの技を発動してからは、攻撃が来る、体を動かすだけになった」
「ルナの思考がロイ君に入ることによってロイ君自身の負担が軽減、そしてそれに比例して、今のように飛躍的にロイ君の反応速度が上がったってこと」
「確かにナターシャの<フェザーウエイト>使ってからのロイの動きは少しぎこちなさがあったかもですね……」
「でしょ? ケビンもそれを狙って、ロイ君に頭を使わせるような戦い方をナターシャちゃんにさせてたの」
「じゃあ今はもしかして……」
「うん。自身が考えることを放棄して、ルナにそれを全て委ねたロイ君には戦いの中で生まれていた邪念が取り払われる。つまりここからのロイ君は相当手強いわよ」
てか、自分の脳に他者の思考を取り込むって生半可な関係じゃしようとも思わないはず……。それをロイ君とルナは平然とやっているってことよね。たった数日でそこまでの信頼関係を築き上げたっていうの?
凄いわ、二人とも……。
ロイ君、聞こえる……?
ルナ……? すごい、頭の中で会話できるんだねこれ。
調子はどう?
うんすごくいい感じだよ。ルナの考えてくることがすとんと落ちてくる感じがする。
ふふ、じゃあ順調だね。それにしても目を瞑るところまで特訓通りにはしなくていいんだけどな……。
何言ってるの! この方がルナの考えてることがもっと感じやすくなるし、それにこうしてる方が余計なこと考えなくて済むからおいらは楽だな。あはは。
そうだね。でもこの技も長くは使えない。ロイ君の魔力でわたくしの思考を引っ張り出してるから今も相当魔力を消費してるよね……?
うん、なるべく早く蹴りをつけなきゃ尽きた後はじり貧になっちゃう。
わかったわ。さっきまでは回避優先で考えてたけど今から少しづつ攻撃に変えていくね。
オッケー! じゃあ引き続き頼んだよ。ルナ!
えぇ、ロイ君。二人で勝ちましょう!
おう!
「おらぁぁ!」
「くっ、また一段と早くなってる……」
何とか攻撃を受け流していたナターシャだったが、少しづつロイの攻撃が当たり始める。
「右腕がらあきぃ!」
<エレキスタンプ!>
「うそ!? きゃ」
ナターシャの右腕にロイの雷を帯びたハンマーの一撃が炸裂した。
攻撃を受けたナターシャは両手で持っていた大鎌を左手に持ち、右手をぶるぶると振る。
「いった……右腕が痺れて持てない……」
「ふふ、雷属性を組み込んだ技だからね、しばらくは右手は使えないと思うよ! ほら次行くよ!」
「く、やばい」
<フェザーウエイト!>
ナターシャは魔法で大鎌を軽量化し、何とか左腕のみで持ち上げロイの攻撃に応戦する。
「ナターシャいいの? 苦手なはずなのにそんなに長い時間その魔法を使ってて」
「く、やっぱりばれてたか……」
「だんだん大鎌の振りも遅くなってきたね。そろそろ魔力が尽きてきてるんじゃないかい?」
ロイの言う通り、ナターシャの魔法は切れかかっており、左手の握力も限界を迎えていた。
「そろそろその厄介な武器を捨ててもらうよ!」
<ガイアスタンプ!>
「ぐっ、しまった!」
ロイの巨大化したハンマーがナターシャの大鎌を吹き飛ばした。
ナターシャはそれを取りに行こうと走り出す。
「終わりだね。ナターシャ、おいらの勝ちだよ」
大鎌を取ろうとするナターシャの顔の前にハンマーを突き出したロイがいた。
戦闘開始時同様、ロイがナターシャを追い込んでいく形に戻っていった。
「ナヴィさん。あの技って」
ロイの技が発動された姿を見たサテラは驚いていた。
「何だろうね……」
確かにロイ君自身に変化があったのはわかるけど……。
「ロイ君もそうだけど、ルナもあの技を使い始めてから全くロイ君に指示を出していないわね」
「あ、確かに。さっきまでは掛け声だけで通じていたのに全くなくなりましたね。放棄したのでしょうか……」
腕を組み頭を回転させるナヴィ。
そのまま数十秒が経ち何かに気づく。
「あ……」
「何かわかったんですか?」
「……多分逆だわ」
「逆?」
「する必要がなくなった。ということかもね」
「えっ?」
「さっきロイ君が言っていたあの<エンパシーオブプリセプション>を『勘の共感』って言ってたでしょ?」
「勘の共感って……いまいちピンとこないのですが」
「あたしも憶測でしか話せないけど、簡単に言うと、多分ロイ君はあの技を使ってルナの思考を取り込んでいるのかも」
「え、それってつまりルナさんが今まで掛け声で指示していたことがロイの脳に直接入り込んでくるってことなのでしょうか……?」
「うん。だからそのルナの思考を取り込んで脳内で瞬時に処理。そしてロイ君はそれに身を任せながら戦うって感じかな」
「ほら、サテラちゃん。ロイをよく見てごらん」
そういってロイの方に指を差すナヴィ。
「今までのロイ君の動きは、ロイ君に攻撃が来る、ルナの掛け声、それを聞いて処理し、そして体を動かす。この四つの順序だったのに対し、あの技を発動してからは、攻撃が来る、体を動かすだけになった」
「ルナの思考がロイ君に入ることによってロイ君自身の負担が軽減、そしてそれに比例して、今のように飛躍的にロイ君の反応速度が上がったってこと」
「確かにナターシャの<フェザーウエイト>使ってからのロイの動きは少しぎこちなさがあったかもですね……」
「でしょ? ケビンもそれを狙って、ロイ君に頭を使わせるような戦い方をナターシャちゃんにさせてたの」
「じゃあ今はもしかして……」
「うん。自身が考えることを放棄して、ルナにそれを全て委ねたロイ君には戦いの中で生まれていた邪念が取り払われる。つまりここからのロイ君は相当手強いわよ」
てか、自分の脳に他者の思考を取り込むって生半可な関係じゃしようとも思わないはず……。それをロイ君とルナは平然とやっているってことよね。たった数日でそこまでの信頼関係を築き上げたっていうの?
凄いわ、二人とも……。
ロイ君、聞こえる……?
ルナ……? すごい、頭の中で会話できるんだねこれ。
調子はどう?
うんすごくいい感じだよ。ルナの考えてくることがすとんと落ちてくる感じがする。
ふふ、じゃあ順調だね。それにしても目を瞑るところまで特訓通りにはしなくていいんだけどな……。
何言ってるの! この方がルナの考えてることがもっと感じやすくなるし、それにこうしてる方が余計なこと考えなくて済むからおいらは楽だな。あはは。
そうだね。でもこの技も長くは使えない。ロイ君の魔力でわたくしの思考を引っ張り出してるから今も相当魔力を消費してるよね……?
うん、なるべく早く蹴りをつけなきゃ尽きた後はじり貧になっちゃう。
わかったわ。さっきまでは回避優先で考えてたけど今から少しづつ攻撃に変えていくね。
オッケー! じゃあ引き続き頼んだよ。ルナ!
えぇ、ロイ君。二人で勝ちましょう!
おう!
「おらぁぁ!」
「くっ、また一段と早くなってる……」
何とか攻撃を受け流していたナターシャだったが、少しづつロイの攻撃が当たり始める。
「右腕がらあきぃ!」
<エレキスタンプ!>
「うそ!? きゃ」
ナターシャの右腕にロイの雷を帯びたハンマーの一撃が炸裂した。
攻撃を受けたナターシャは両手で持っていた大鎌を左手に持ち、右手をぶるぶると振る。
「いった……右腕が痺れて持てない……」
「ふふ、雷属性を組み込んだ技だからね、しばらくは右手は使えないと思うよ! ほら次行くよ!」
「く、やばい」
<フェザーウエイト!>
ナターシャは魔法で大鎌を軽量化し、何とか左腕のみで持ち上げロイの攻撃に応戦する。
「ナターシャいいの? 苦手なはずなのにそんなに長い時間その魔法を使ってて」
「く、やっぱりばれてたか……」
「だんだん大鎌の振りも遅くなってきたね。そろそろ魔力が尽きてきてるんじゃないかい?」
ロイの言う通り、ナターシャの魔法は切れかかっており、左手の握力も限界を迎えていた。
「そろそろその厄介な武器を捨ててもらうよ!」
<ガイアスタンプ!>
「ぐっ、しまった!」
ロイの巨大化したハンマーがナターシャの大鎌を吹き飛ばした。
ナターシャはそれを取りに行こうと走り出す。
「終わりだね。ナターシャ、おいらの勝ちだよ」
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