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第九章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 準決勝編
109.真剣勝負
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「終わりだね。ナターシャ、おいらの勝ちだよ」
「くっ……」
吹き飛ばされた大鎌を取りに行こうとしていたナターシャの顔の前には、ロイの突き出されたハンマーがあり、ナターシャは身動きが取れずにいた。
「ナターシャ、ケビンさんにギブアップするように言った方がいいんじゃない? おいら達にはその権利はないんだし」
「……何を言ってるの? あたしは誰に何を言われようともケビンさんを優勝させる」
「……」
ナターシャはそういうとロイのハンマーを手で除けて大鎌に再度向かおうと走り出した。
「ごめん、ナターシャ……」
<ガイアスタンプ!>
「ぐあっ!」
武器を取るためロイに背中を見せたナターシャの背後からロイが必殺技を放った。
ナターシャは上空に叩き飛ばされ、十数メートルの高さから落下した。
「がはぁ!」
「ナターシャ!」
ケビンはフィールドの縁に手をつきナターシャに声を掛ける。
しかし、ナターシャはぴくりとも動かない。
その様子を観客席で見ていたサテラ。
「ナターシャ! ロイ……どうして、もう勝負はついたはずなのに」
目に涙を浮かべながら話すサテラに対し、ナヴィは冷たい視線と声で対応した。
「サテラちゃん、それは違うわ」
「え?」
「これは真剣勝負。あなたたち冒険者はこれから幾度となく生死を掛けた戦いを行っていく。そういう中で、少しの同情、情け、容赦が命取りになるのよ。それにあたしがあの場にいたとしてもサテラちゃんに同じように指示を出すわ」
「それでも、ナターシャが……」
「ナターシャちゃんはそれを望んでいるのかしら?」
サテラの話に対してナヴィは食い気味で口を挟んだ。
「!? それは……」
それ以上の言葉が出ず、俯くサテラ。
「二人の目標、信念、ケビンを、ルナを優勝させたいと思う気持ち、そのぶつかり合いが今フィールドで起きていることなの。一方は勝利を手にして、もう一方は立ち上がれなくなるまでぼろぼろにされる。そしてサテラちゃんにできるのは辛かったねって共感してあげることじゃない。この試合をしっかりと見届けて頑張ったね、って言ってあげることなんじゃないかな?」
ナヴィは俯いたサテラの頬を両手で包み顔を上げさせた。
「ナヴィさん……」
「それに、この二人のどちらかが次の対戦相手になるのよどちらにせよ、よく見ておかないとね」
「……はい。でも、もうこの試合はロイで決まりなんじゃ……」
「ふふ、それはどうかしら」
「あ、ナターシャ!」
「スーザンさん、おいらの勝ちだよ! 早く宣言してナターシャにタンカーを」
「ふふ、それはどうかしらね、まだ終わらないみたいよ。ロイ君」
ロイはスーザンの視線の先に目を移す。
「な……なんでナターシャ……」
「はぁ。ま、まだ、終わって、な、ないよ」
偶然大鎌の近くに落下していたナターシャが鎌の柄を掴みよろめきながらも立ち上がった。
「おいらの必殺技を直撃させたはずなのに……どうして……」
「まぁ、そ、相当痛かったけどね、多分いくつか骨も折れてるっぽいし」
「もうこれ以上は戦っても無駄だ、ケビンさんに頼んでギブアップしろナターシャ!」
「無駄? なにを言ってるの、ロイ。まだあたしは倒れてないわよ。それとも、これ以上あたしと戦うが怖いの?」
ロイの眉がピクリと動く。
「そうか、じゃあ、どんだけ動けなくなっても、文句言わないでよ」
「当たり前よ。さぁ、来なさい!」
ロイはハンマーを両手で力いっぱい握り、ナターシャに向かっていった。
「……くっ、どうして手が震えてる……」
ロイ君!
ルナ? おいらなにか嫌な予感が……。
うん。わたくしも感じてる。とにかく早く止めを刺しましょう。一撃で決めましょう。長引くと厄介になると思う。
分かった。もう一度<ガイアスタンプ>で息の根を止める!
頼んだよ。
うん!
「はぁぁぁ!」
<ガイアスタンプ!>
ロイが必殺技を放った瞬間、ナターシャはケビンの方を向いた。
ナターシャと目が合ったケビンが小さく頷く。
「ナターシャ、こっからがお前の戦いだ」
「はい、ケビンさん」
それを見ていたロイがハンマーをナターシャに向かい振り下ろしていく。
「ナターシャ、どこを見てるの! これで終わりだよ!」
ロイの必殺技がナターシャに当たり、大きな打撃音と衝撃波が会場全体に広がっていった。
「どうして……」
「どうしてナターシャがおいらの<ガイアスタンプ>を……」
ロイは驚きからかそれまで瞑っていた目を大きく見開いた。
「ロイ……あたしは負けないよ……」
「なんでナターシャがおいらの<ガイアスタンプ>を素手で止め……」
「はぁぁぁぁ!」
「ナターシャの体が……赤黒いオーラに……!」
ロイ君! 一度ナターシャちゃんから離れて!
わかった!
ロイは掴まれたハンマーを振りほどきナターシャと距離を取った。
<バーサーク!>
「くっ……」
吹き飛ばされた大鎌を取りに行こうとしていたナターシャの顔の前には、ロイの突き出されたハンマーがあり、ナターシャは身動きが取れずにいた。
「ナターシャ、ケビンさんにギブアップするように言った方がいいんじゃない? おいら達にはその権利はないんだし」
「……何を言ってるの? あたしは誰に何を言われようともケビンさんを優勝させる」
「……」
ナターシャはそういうとロイのハンマーを手で除けて大鎌に再度向かおうと走り出した。
「ごめん、ナターシャ……」
<ガイアスタンプ!>
「ぐあっ!」
武器を取るためロイに背中を見せたナターシャの背後からロイが必殺技を放った。
ナターシャは上空に叩き飛ばされ、十数メートルの高さから落下した。
「がはぁ!」
「ナターシャ!」
ケビンはフィールドの縁に手をつきナターシャに声を掛ける。
しかし、ナターシャはぴくりとも動かない。
その様子を観客席で見ていたサテラ。
「ナターシャ! ロイ……どうして、もう勝負はついたはずなのに」
目に涙を浮かべながら話すサテラに対し、ナヴィは冷たい視線と声で対応した。
「サテラちゃん、それは違うわ」
「え?」
「これは真剣勝負。あなたたち冒険者はこれから幾度となく生死を掛けた戦いを行っていく。そういう中で、少しの同情、情け、容赦が命取りになるのよ。それにあたしがあの場にいたとしてもサテラちゃんに同じように指示を出すわ」
「それでも、ナターシャが……」
「ナターシャちゃんはそれを望んでいるのかしら?」
サテラの話に対してナヴィは食い気味で口を挟んだ。
「!? それは……」
それ以上の言葉が出ず、俯くサテラ。
「二人の目標、信念、ケビンを、ルナを優勝させたいと思う気持ち、そのぶつかり合いが今フィールドで起きていることなの。一方は勝利を手にして、もう一方は立ち上がれなくなるまでぼろぼろにされる。そしてサテラちゃんにできるのは辛かったねって共感してあげることじゃない。この試合をしっかりと見届けて頑張ったね、って言ってあげることなんじゃないかな?」
ナヴィは俯いたサテラの頬を両手で包み顔を上げさせた。
「ナヴィさん……」
「それに、この二人のどちらかが次の対戦相手になるのよどちらにせよ、よく見ておかないとね」
「……はい。でも、もうこの試合はロイで決まりなんじゃ……」
「ふふ、それはどうかしら」
「あ、ナターシャ!」
「スーザンさん、おいらの勝ちだよ! 早く宣言してナターシャにタンカーを」
「ふふ、それはどうかしらね、まだ終わらないみたいよ。ロイ君」
ロイはスーザンの視線の先に目を移す。
「な……なんでナターシャ……」
「はぁ。ま、まだ、終わって、な、ないよ」
偶然大鎌の近くに落下していたナターシャが鎌の柄を掴みよろめきながらも立ち上がった。
「おいらの必殺技を直撃させたはずなのに……どうして……」
「まぁ、そ、相当痛かったけどね、多分いくつか骨も折れてるっぽいし」
「もうこれ以上は戦っても無駄だ、ケビンさんに頼んでギブアップしろナターシャ!」
「無駄? なにを言ってるの、ロイ。まだあたしは倒れてないわよ。それとも、これ以上あたしと戦うが怖いの?」
ロイの眉がピクリと動く。
「そうか、じゃあ、どんだけ動けなくなっても、文句言わないでよ」
「当たり前よ。さぁ、来なさい!」
ロイはハンマーを両手で力いっぱい握り、ナターシャに向かっていった。
「……くっ、どうして手が震えてる……」
ロイ君!
ルナ? おいらなにか嫌な予感が……。
うん。わたくしも感じてる。とにかく早く止めを刺しましょう。一撃で決めましょう。長引くと厄介になると思う。
分かった。もう一度<ガイアスタンプ>で息の根を止める!
頼んだよ。
うん!
「はぁぁぁ!」
<ガイアスタンプ!>
ロイが必殺技を放った瞬間、ナターシャはケビンの方を向いた。
ナターシャと目が合ったケビンが小さく頷く。
「ナターシャ、こっからがお前の戦いだ」
「はい、ケビンさん」
それを見ていたロイがハンマーをナターシャに向かい振り下ろしていく。
「ナターシャ、どこを見てるの! これで終わりだよ!」
ロイの必殺技がナターシャに当たり、大きな打撃音と衝撃波が会場全体に広がっていった。
「どうして……」
「どうしてナターシャがおいらの<ガイアスタンプ>を……」
ロイは驚きからかそれまで瞑っていた目を大きく見開いた。
「ロイ……あたしは負けないよ……」
「なんでナターシャがおいらの<ガイアスタンプ>を素手で止め……」
「はぁぁぁぁ!」
「ナターシャの体が……赤黒いオーラに……!」
ロイ君! 一度ナターシャちゃんから離れて!
わかった!
ロイは掴まれたハンマーを振りほどきナターシャと距離を取った。
<バーサーク!>
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