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第十章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 決勝戦編
141.隙
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<ボルティックサイズ!>
<ファイアーボール!>
「またそんな初球魔法で……すぐに掻っ切って、そのまま倒してや……え!?」
「かかったわね……サテラ」
ナターシャの視線の先には<ファイアーボール>の後ろでにやりと笑ったサテラがいた。
ナターシャはケビンの声を聞けてはいたが体の勢いが止まらず、そのまま小さな炎の球を切ろうとした。
その瞬間、大鎌に付着していた水滴と雷、そして炎がそれぞれ反応し大爆発を起こした。
「「ぐあぁぁぁ!」」
その爆発にナターシャとサテラは巻き込まれ辺り一帯に煙が蔓延していた。
「何だ! なんで爆発が!!」
「これじゃなんも見えないじゃないか」
「二人とも大丈夫なのかしら……」
「一人は知っててやってたってことだろ、まじかよ」
「ナターシャ! くそ、やられた……」
この爆発じゃ二人ともやられることはないだろうが、こうなることを知っていたサテラの方には備えはあったはず。というとさすがにナターシャの方がダメージが大きい。ナヴィめ、あんな大胆な作戦を使わせるとは。
「いや、本当にそれだけなのか……?」
単純にダメージを与えるためだけに自分の身を削ってまでやらせるほどの攻撃だったのかこれは。ナターシャの様子を見てもないと分からないし煙臭くて鼻も利かない。
「……見ないと分からない。鼻も利かない。これは俺だけじゃない、ナヴィも、サテラも、ナターシャも」
「まさか! ダメージを与えるのが目的なわけじゃない!?」
それに煙の流れが速い……けど晴れていっているわけではなく流動している……?
「しまった……ナターシャ!」
ナターシャは煙の中できょろきょろと辺りを見渡していた。
「く、あっつぅ。サテラの奴こんな攻撃を仕掛けてくるなんて……いったいどんな仕組みを」
煙でサテラを視認できないけど、それはサテラも同じ。
だけどサテラはこうなることは知ってたんだから、ある程度の対策はしているよね……。
「ならきっと、この煙の中でのあたしへの不意打ちがチャンスなはず」
自分の辺り数メートルに全神経を集中させて、襲ってきた瞬間を<ボルティックサイズ>で今度こそ決めてやる。
「落ち着け、見えないし臭いもわからないけど、集中すれば絶対にサテラよりも速く切り込める」
集中すれば……集中すれば……集中、集中。
「って全然来ないじゃん!」
ナターシャが一度大鎌を下げたその時、煙の外からケビンの声が聞こえた。
「しまった……ナターシャ!」
「ケビンさん!?」
ケビンは自分の声に気づいたナターシャの声が聞こえ、そのまま話し始めた。
「ナターシャ、早くサテラを探して止めを刺せ!」
「え、どういうことですか!?」
「これはあいつらの作戦だ、あの大爆発はお前にダメージを与えるための攻撃じゃない!」
「それはなんとなくは、だからあたしこうやって隙を狙って攻撃してくるサテラに……」
「違う! この爆発は……サテラにとっての『時間稼ぎ』だ!」
そしてそれは……。
苦い顔をするケビン。そしてその言葉に動揺するナターシャの周りから煙が徐々に晴れていった。
「くそ、遅かったか……」
「うそでしょ……このタイミングで」
晴れていく煙の中から地面に展開された緑色の巨大な魔法陣と大量の風を操るサテラが現れた。
「ありがとうナターシャ。おかげで魔力を練り上げる時間はたっぷり確保できたわ」
「その構え、そしてこの風の流れ……まさか」
その中でサテラは風を操りながらぼそぼそと呟いた。
「ここまでの流れ、タイムアウトの時にナヴィさんの言った通りだ……」
あの時は上手くいくなんて思ってなかったけど……。
「勝負に勝つにはやっぱり<ウインディアフォースフィールド>が必須よ」
「はい、ですが……それを発動させるまでの時間をナターシャが待ってくれるとは」
「そう、それがまず一つ目の問題ね」
得意げな顔をしながらサテラを見つめるナヴィ。
「あ、あの……何かいい策があるんですか?」
「うん、ここからは少しお勉強の話になるからね!」
「……!? は、はぁ」
そこからナヴィは一分弱で爆発までの流れを説明した。
「つ、つまりナターシャが<ボルティックサイズ>を使う前後で水と炎の魔法を撃って、その水をナターシャの雷で分解した『酸素』ってものに炎をぶつけると大爆発を起こすってことですか?」
「す、すごい、今だいぶ早口で説明したのによく理解できたわね……流石座学首席の優等生」
「まぁこのくらいは……」
「それでね、この爆発はなるべくサテラの近くで発生してほしいの」
「え、遠くじゃダメなんですか?」
「うん。この攻撃の目的が『時間稼ぎ』じゃなくて『捨て身の大技』って思わせるためにね」
「そうか、時間稼ぎって思われたらそのまま煙の中でも私を探して切りかかってくるはず」
「そう、この爆発でもきっとナターシャちゃんは倒れるまでには至らないと思う。だからその後もきっと『サテラは見えない中でも隙を突いてくる』と思わせるの、そうすればそこから動かずサテラを迎え撃つ準備をするはずよ」
「その間、私はあの技の準備ができる。すごい、上手くいけばこれで! あ、そういえば『発動させるまでの時間』が一つ目の問題って言ってましたよね? じゃあ二つ目の問題って」
その問題を尋ねたサテラに向かってナヴィはサテラの両肩をぐっと握り、真剣な眼差しで話し始めた。
「……いいサテラ? 二つ目の問題はあなた自身の問題よ」
「え、私自身の……」
風を操りながら目を閉じ会話を思い出していたサテラ。
そう、ここからはもうナヴィさんの力は借りれない。あたし自身の問題だ。
ここで臆せば必ず失敗する。思い出せ、あの時の感覚を。
「はぁぁぁぁぁ!」
<ウインディアフォースフィールドォォ!!>
<ファイアーボール!>
「またそんな初球魔法で……すぐに掻っ切って、そのまま倒してや……え!?」
「かかったわね……サテラ」
ナターシャの視線の先には<ファイアーボール>の後ろでにやりと笑ったサテラがいた。
ナターシャはケビンの声を聞けてはいたが体の勢いが止まらず、そのまま小さな炎の球を切ろうとした。
その瞬間、大鎌に付着していた水滴と雷、そして炎がそれぞれ反応し大爆発を起こした。
「「ぐあぁぁぁ!」」
その爆発にナターシャとサテラは巻き込まれ辺り一帯に煙が蔓延していた。
「何だ! なんで爆発が!!」
「これじゃなんも見えないじゃないか」
「二人とも大丈夫なのかしら……」
「一人は知っててやってたってことだろ、まじかよ」
「ナターシャ! くそ、やられた……」
この爆発じゃ二人ともやられることはないだろうが、こうなることを知っていたサテラの方には備えはあったはず。というとさすがにナターシャの方がダメージが大きい。ナヴィめ、あんな大胆な作戦を使わせるとは。
「いや、本当にそれだけなのか……?」
単純にダメージを与えるためだけに自分の身を削ってまでやらせるほどの攻撃だったのかこれは。ナターシャの様子を見てもないと分からないし煙臭くて鼻も利かない。
「……見ないと分からない。鼻も利かない。これは俺だけじゃない、ナヴィも、サテラも、ナターシャも」
「まさか! ダメージを与えるのが目的なわけじゃない!?」
それに煙の流れが速い……けど晴れていっているわけではなく流動している……?
「しまった……ナターシャ!」
ナターシャは煙の中できょろきょろと辺りを見渡していた。
「く、あっつぅ。サテラの奴こんな攻撃を仕掛けてくるなんて……いったいどんな仕組みを」
煙でサテラを視認できないけど、それはサテラも同じ。
だけどサテラはこうなることは知ってたんだから、ある程度の対策はしているよね……。
「ならきっと、この煙の中でのあたしへの不意打ちがチャンスなはず」
自分の辺り数メートルに全神経を集中させて、襲ってきた瞬間を<ボルティックサイズ>で今度こそ決めてやる。
「落ち着け、見えないし臭いもわからないけど、集中すれば絶対にサテラよりも速く切り込める」
集中すれば……集中すれば……集中、集中。
「って全然来ないじゃん!」
ナターシャが一度大鎌を下げたその時、煙の外からケビンの声が聞こえた。
「しまった……ナターシャ!」
「ケビンさん!?」
ケビンは自分の声に気づいたナターシャの声が聞こえ、そのまま話し始めた。
「ナターシャ、早くサテラを探して止めを刺せ!」
「え、どういうことですか!?」
「これはあいつらの作戦だ、あの大爆発はお前にダメージを与えるための攻撃じゃない!」
「それはなんとなくは、だからあたしこうやって隙を狙って攻撃してくるサテラに……」
「違う! この爆発は……サテラにとっての『時間稼ぎ』だ!」
そしてそれは……。
苦い顔をするケビン。そしてその言葉に動揺するナターシャの周りから煙が徐々に晴れていった。
「くそ、遅かったか……」
「うそでしょ……このタイミングで」
晴れていく煙の中から地面に展開された緑色の巨大な魔法陣と大量の風を操るサテラが現れた。
「ありがとうナターシャ。おかげで魔力を練り上げる時間はたっぷり確保できたわ」
「その構え、そしてこの風の流れ……まさか」
その中でサテラは風を操りながらぼそぼそと呟いた。
「ここまでの流れ、タイムアウトの時にナヴィさんの言った通りだ……」
あの時は上手くいくなんて思ってなかったけど……。
「勝負に勝つにはやっぱり<ウインディアフォースフィールド>が必須よ」
「はい、ですが……それを発動させるまでの時間をナターシャが待ってくれるとは」
「そう、それがまず一つ目の問題ね」
得意げな顔をしながらサテラを見つめるナヴィ。
「あ、あの……何かいい策があるんですか?」
「うん、ここからは少しお勉強の話になるからね!」
「……!? は、はぁ」
そこからナヴィは一分弱で爆発までの流れを説明した。
「つ、つまりナターシャが<ボルティックサイズ>を使う前後で水と炎の魔法を撃って、その水をナターシャの雷で分解した『酸素』ってものに炎をぶつけると大爆発を起こすってことですか?」
「す、すごい、今だいぶ早口で説明したのによく理解できたわね……流石座学首席の優等生」
「まぁこのくらいは……」
「それでね、この爆発はなるべくサテラの近くで発生してほしいの」
「え、遠くじゃダメなんですか?」
「うん。この攻撃の目的が『時間稼ぎ』じゃなくて『捨て身の大技』って思わせるためにね」
「そうか、時間稼ぎって思われたらそのまま煙の中でも私を探して切りかかってくるはず」
「そう、この爆発でもきっとナターシャちゃんは倒れるまでには至らないと思う。だからその後もきっと『サテラは見えない中でも隙を突いてくる』と思わせるの、そうすればそこから動かずサテラを迎え撃つ準備をするはずよ」
「その間、私はあの技の準備ができる。すごい、上手くいけばこれで! あ、そういえば『発動させるまでの時間』が一つ目の問題って言ってましたよね? じゃあ二つ目の問題って」
その問題を尋ねたサテラに向かってナヴィはサテラの両肩をぐっと握り、真剣な眼差しで話し始めた。
「……いいサテラ? 二つ目の問題はあなた自身の問題よ」
「え、私自身の……」
風を操りながら目を閉じ会話を思い出していたサテラ。
そう、ここからはもうナヴィさんの力は借りれない。あたし自身の問題だ。
ここで臆せば必ず失敗する。思い出せ、あの時の感覚を。
「はぁぁぁぁぁ!」
<ウインディアフォースフィールドォォ!!>
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