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第十章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 決勝戦編
143.風
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「最終局面だな……」
向かい合う二人を眺めるケビン。
「サテラのあの技が発動されてしまうとさすがにこっちが不利か……?」
ダリウスとの試合で見せたあの技。情報がほとんどない。最後に見せた<エクスプロードウインド>だったか? 今はとにかく至近距離であの技を出されないことを最優先に考えなければ……あれは今のナターシャでも喰らったらひとたまりもなさそうだからな。
「ナターシャ! 攻撃の手を緩めず、相手の情報を引き出していけ」
「分かりました! ガァァ!」
ナターシャは大鎌を構えサテラに突っ込んでいった。
「速い! 空いた時間でスピードが戻ってる!?」
「けどこの技ではそんなの関係ない……」
ナターシャの振りかざした大鎌がサテラを包み込む風の球体に切り込んだ瞬間、その刃は大きくはじき返された。
「え!? うそ……!」
はじかれた大鎌と同時にナターシャの身体が開いた。
その姿を見逃さなかったサテラはナターシャの懐に入り込む。
「よし。ここ!」
<ウインドスラッシュ!>
「ぐあぁぁぁ!!」
「よし、決まった!」
風を纏ったサテラの双剣がナターシャに大きなダメージを与えた。
「はぁはぁ。くそ、どうなってんだろ」
あたしの攻撃は確かに上から振り下ろした単調なものだった。けど、パワーを緩めたわけでもないし、あの球体を貫けるくらいの威力で攻撃したはず。
それをいとも簡単に弾くなんて……。それに、サテラが攻撃するために距離を詰めた瞬間あの球体は解除されていた。
「ナターシャ、サテラの追撃が来てるぞ! 足を止めるな、攻撃を止めるな!」
「はい!」
とにかくあの仕組みが分からない限りは攻撃が通らない……。幸いにも弾かれる時のダメージはないし、その後の攻撃さえ注意しておけば。
「よし、はぁぁぁ!」
「すぐに立て直した!? なら!」
サテラはナターシャに詰めていた距離を空け、球体を再度出現させた。
「く、またか。 でも、とにかく攻撃だ!」
<フェザーウエイト!>
大鎌を軽くしたナターシャが風の球体に何度も切りかかる。
「おらおらおらぁ!!」
「く、だけど、それでもあなたの攻撃は私には通らないよ!」
ナターシャの攻撃は球体に刃が触れるたびに大きくはじき返される。
「ふ、知ってるよ! だけど、あたしが弾かれても隙を見せない限りはあんたも解除して攻撃に移れないんでしょ!?」
「あの一撃でそこまで……」
とにかくここで攻撃の手を緩めちゃだめだ、なにか、なにか打つ手を探さないと……。
「……え!?」
サテラの不敵な笑みがナターシャを驚かせた。
「ナターシャがあの一撃でそこまで読んでくることはわかってたよ」
「サテラの手に風の魔法陣……?」
「誰も魔法が使えないなんて言ってないよね?」
<ツヴァイウインドウォール!>
球体の中で魔法を唱えたサテラの魔法陣から、ぶ厚い風の壁がナターシャに直撃する。
「嘘!? ぐああぁぁぁぁ!」
「ナターシャ!! くそ、あの球体の中から魔法が撃てるなんて……」
「う、うぅ……獣化状態じゃなかったら今の一撃でやられていた」
膝をついていたナターシャが砂埃を払うように体をぶるぶると震わせ、立ち上がった。
「サ……サテラ」
立ち上がったナターシャの目の前にはサテラが立っていた。
「はぁ、はぁ、ナターシャ」
「こ、これは……」
さっきまでの風の球体がない……それに、あの引いた右腕の風の纏わりつき方、密度。これはダリウスに見せたときのあの大技!?
「はぁぁぁぁぁ!」
「くそ、速く反撃を……くっ」
まずい、ここに来て<バーサーク>の反動が来始めて体がガタついてる……こんなタイミングで。
……いや、違う。
「まさかサテラ……このタイミングを狙って……」
「ナターシャ、私の勝ちよ」
<エクスプロードウインドォォォォォォ!!>
片手に凝縮されていた大量の風がドリルのような螺旋を描きながら、ナターシャをフィールド外まで吹き飛ばす。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そしてナターシャの身体はそのまま吹き飛ばされ続け、コロシアムの壁にめり込んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ。これで私の勝ち、ナヴィさん!」
攻撃をし終えたサテラはナヴィの方に振り向き、笑顔を見せた。
「よし、サテラよくやった!」
ナヴィも親指を突き立て安堵の表情を見せる。
勝利を確信した二人だったが、スーザンの試合終了の合図がまだされないことに不信感を覚えた。
「あれ、これは多分もう勝敗はついたはず……スーザンさん?」
「……」
スーザンはナヴィの声に気づかないまま倒れていたナターシャを見つめていた。
そしてその数秒後ナヴィに気づきナターシャの方を指さした。
「……まだです」
「スーザンさん?」
ナターシャは壁に体を預けながら立ち上がった。
「ハァ、ハァ」
「ナターシャ……うそ……でしょ……なんでまだ立ち上がれるの?」
その姿が目に入ったサテラは動揺を隠せずにいた。
「アタシガ、カツ、アタシガ、ケビンサン、ヲ」
「これは<バーサーク>? だけどさっきと全然雰囲気が違う……」
これはロイの試合の時に使っていた方の……だろけど。
「……今のナターシャはあまりにももう獣のそれだ……」
「グルアァァァァァ!!!!!!」
会場全体の観客の鼓膜が破れそうになるほどの咆哮をナターシャは放った。
向かい合う二人を眺めるケビン。
「サテラのあの技が発動されてしまうとさすがにこっちが不利か……?」
ダリウスとの試合で見せたあの技。情報がほとんどない。最後に見せた<エクスプロードウインド>だったか? 今はとにかく至近距離であの技を出されないことを最優先に考えなければ……あれは今のナターシャでも喰らったらひとたまりもなさそうだからな。
「ナターシャ! 攻撃の手を緩めず、相手の情報を引き出していけ」
「分かりました! ガァァ!」
ナターシャは大鎌を構えサテラに突っ込んでいった。
「速い! 空いた時間でスピードが戻ってる!?」
「けどこの技ではそんなの関係ない……」
ナターシャの振りかざした大鎌がサテラを包み込む風の球体に切り込んだ瞬間、その刃は大きくはじき返された。
「え!? うそ……!」
はじかれた大鎌と同時にナターシャの身体が開いた。
その姿を見逃さなかったサテラはナターシャの懐に入り込む。
「よし。ここ!」
<ウインドスラッシュ!>
「ぐあぁぁぁ!!」
「よし、決まった!」
風を纏ったサテラの双剣がナターシャに大きなダメージを与えた。
「はぁはぁ。くそ、どうなってんだろ」
あたしの攻撃は確かに上から振り下ろした単調なものだった。けど、パワーを緩めたわけでもないし、あの球体を貫けるくらいの威力で攻撃したはず。
それをいとも簡単に弾くなんて……。それに、サテラが攻撃するために距離を詰めた瞬間あの球体は解除されていた。
「ナターシャ、サテラの追撃が来てるぞ! 足を止めるな、攻撃を止めるな!」
「はい!」
とにかくあの仕組みが分からない限りは攻撃が通らない……。幸いにも弾かれる時のダメージはないし、その後の攻撃さえ注意しておけば。
「よし、はぁぁぁ!」
「すぐに立て直した!? なら!」
サテラはナターシャに詰めていた距離を空け、球体を再度出現させた。
「く、またか。 でも、とにかく攻撃だ!」
<フェザーウエイト!>
大鎌を軽くしたナターシャが風の球体に何度も切りかかる。
「おらおらおらぁ!!」
「く、だけど、それでもあなたの攻撃は私には通らないよ!」
ナターシャの攻撃は球体に刃が触れるたびに大きくはじき返される。
「ふ、知ってるよ! だけど、あたしが弾かれても隙を見せない限りはあんたも解除して攻撃に移れないんでしょ!?」
「あの一撃でそこまで……」
とにかくここで攻撃の手を緩めちゃだめだ、なにか、なにか打つ手を探さないと……。
「……え!?」
サテラの不敵な笑みがナターシャを驚かせた。
「ナターシャがあの一撃でそこまで読んでくることはわかってたよ」
「サテラの手に風の魔法陣……?」
「誰も魔法が使えないなんて言ってないよね?」
<ツヴァイウインドウォール!>
球体の中で魔法を唱えたサテラの魔法陣から、ぶ厚い風の壁がナターシャに直撃する。
「嘘!? ぐああぁぁぁぁ!」
「ナターシャ!! くそ、あの球体の中から魔法が撃てるなんて……」
「う、うぅ……獣化状態じゃなかったら今の一撃でやられていた」
膝をついていたナターシャが砂埃を払うように体をぶるぶると震わせ、立ち上がった。
「サ……サテラ」
立ち上がったナターシャの目の前にはサテラが立っていた。
「はぁ、はぁ、ナターシャ」
「こ、これは……」
さっきまでの風の球体がない……それに、あの引いた右腕の風の纏わりつき方、密度。これはダリウスに見せたときのあの大技!?
「はぁぁぁぁぁ!」
「くそ、速く反撃を……くっ」
まずい、ここに来て<バーサーク>の反動が来始めて体がガタついてる……こんなタイミングで。
……いや、違う。
「まさかサテラ……このタイミングを狙って……」
「ナターシャ、私の勝ちよ」
<エクスプロードウインドォォォォォォ!!>
片手に凝縮されていた大量の風がドリルのような螺旋を描きながら、ナターシャをフィールド外まで吹き飛ばす。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そしてナターシャの身体はそのまま吹き飛ばされ続け、コロシアムの壁にめり込んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ。これで私の勝ち、ナヴィさん!」
攻撃をし終えたサテラはナヴィの方に振り向き、笑顔を見せた。
「よし、サテラよくやった!」
ナヴィも親指を突き立て安堵の表情を見せる。
勝利を確信した二人だったが、スーザンの試合終了の合図がまだされないことに不信感を覚えた。
「あれ、これは多分もう勝敗はついたはず……スーザンさん?」
「……」
スーザンはナヴィの声に気づかないまま倒れていたナターシャを見つめていた。
そしてその数秒後ナヴィに気づきナターシャの方を指さした。
「……まだです」
「スーザンさん?」
ナターシャは壁に体を預けながら立ち上がった。
「ハァ、ハァ」
「ナターシャ……うそ……でしょ……なんでまだ立ち上がれるの?」
その姿が目に入ったサテラは動揺を隠せずにいた。
「アタシガ、カツ、アタシガ、ケビンサン、ヲ」
「これは<バーサーク>? だけどさっきと全然雰囲気が違う……」
これはロイの試合の時に使っていた方の……だろけど。
「……今のナターシャはあまりにももう獣のそれだ……」
「グルアァァァァァ!!!!!!」
会場全体の観客の鼓膜が破れそうになるほどの咆哮をナターシャは放った。
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