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第十章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 決勝戦編
152.結果発表
しおりを挟む『次に結果発表をさせていただきます!』
「へ? スーザンさん、さっきのが結果発表じゃ……?」
ぽかんとした表情を浮かべるナヴィ。
「何言ってるのナヴィさん。さっきのはあくまでもトーナメントの話でしょ?」
にやにやと笑いながらナヴィの質問に返答するスーザン。
「……どういうことですか?」
「ふふっ」
スーザンはナヴィから顔を反らし、観客席の方を見上げた。
『それでは発表させていただきます!』
『まずはトーナメントの優勝者。一次試験は第三位。二次試験は上級冒険者にも引けを取らないと言われている戦闘力をこれでもかと見せつけ一位でゴール。トーナメントでは癖のある獣人族とのペアでもその特性を最大限に生かし、圧倒的な戦闘能力の向上と必殺技を身に着けさせ、見事優勝に導きました。ケビンさん!』
「は……?」
いきなり名前を呼ばれたことに動揺するケビン。
スーザンは慌てながら小声でケビンに呼びかけた。
「いいから早く前に出て」
「え……あ、あぁ」
「兄ちゃんすごかったぜー!」
「今度あんたの店行くよ!!」
「おめでとー!!」
「ケビンさんケビンさん!!」
後ろからナターシャがケビンに声を掛けた。
「ん、ナターシャ?」
「にっ!!」
満開の笑顔とピースサインをケビンに送った。
「ナターシャ……ありがとな」
その様子を見たナヴィは結果発表の意図に気が付いた。
「あぁ、そういうことか。王都公認の案内人になれるケビンのためだけの結果発表ってことね!」
「うーんナヴィさん。ちょっと違うと思いますけど」
頬をポリポリと掻くサテラ。
「え、違うの……?」
「私もそう思いましたが、どうやら『だけ』じゃないようですよ」
「へ……?」
ん? そういえばさっきスーザンさんまずはって……。
「え、うそ!?」
サテラは驚くナヴィの横でくすくすと笑っていた。
「ふふっそういうところは鈍感なんですねナヴィさん」
『おほん。続いて、一次試験は満点! 堂々の一位、二次試験でも第一位。また今大会の準優勝ペアの案内人。鋭い洞察力とアカデミー生への最適な指導で席次最下位のサテラ選手を今大会の台風の目として押し上げました、ナヴィ・マクレガンさん!』
「あれ? なんで……あたし優勝してないのに」
「もーナヴィさん忘れたのかしら?」
「スーザンさん……あたしどうして」
「ふふ。私はあなたの案内所でちゃんと説明したわよ」
あ、あの時か。
「私から説明するわ。まず『王都公認の案内人』の名がもらえるのは上級ガイド以上。そしてなる方法は主に二つ。一つは『実績から鑑みた王都からの推薦』そしてもう一つは『案内人適性試験の上位入賞』大体はこのどちらかよ」
そんなこと言ってたっけ……。
「案内人適性試験の上位入賞って……優勝じゃなくて上位入賞だったんだ!」
「ふふ、そういうこと、まぁそうじゃなかったとしてもあなたの実力なら無理やりにでも推薦したけどね」
「あはは、ありがとうございます!」
そこから一歩前に出ようとしたナヴィの手をサテラが握った。
「ナヴィさん……」
「サテラ?」
「よ、よ、よがっだでずね」
「サテラ!? なんで泣いてるの!?」
「ひっぐ。だっで、わだしのぜいでなれながっだらどうじようっでずっど考えでで、ずごく不安だっだんです。だから、ナヴィざんが王都公認の案内人になれでぼんどうによがったでず。うえぇぇぇぇん」
ナヴィは大粒の涙を流し続けるサテラをぎゅっと抱きしめた。
「ありがとうサテラ。全部あなたのおかげ。あなたは本当に最高のパートナーだったわ!」
「ナヴィざん。本当におめでどうごじゃいます!」
「そろそろ泣き止んで、ね?」
「はい」
ナヴィはサテラを腕から離し前に出た。
「おねぇちゃーん!」
「ナヴィ! おめでとう!」
「ねぇちゃんほんとすごかったぜぇ!」
「エンフィー、ハンナ、ありがとう! あ!?」
「……テリウス様」
ナヴィの視線の先には小さく拍手をしナヴィに頷くテリウスがいた。
ナヴィは動揺したがそれを隠すように軽く会釈をして、観客席に手を振った。
「ケビンさんにナヴィさん。二人とも凄いなぁ」
「ルナ……」
前に出た二人の姿を後ろから眺めるルナ。
「ルナ、ルナは誰が何と言おうとおいらの中では最高の案内人だったぜ!」
拳を突き出すロイ。
「ロイ君……」
そうね、一緒に頑張ってくれた人がそうやって言ってくれるのが一番幸せなことじゃない。ここで俯いてちゃだめだ。
こぼれそうになる涙を上を向いて抑えたルナ。
「ありがとう……ロイ君」
「へへ! おう!」
『最後に!』
「「へ!?」」
『今大会の準決勝進出まで導いた天才肌の案内人! 二次試験では得意の占いで大体かつ効率的なマッピングをしグループを導き首位でゴール。トーナメントでは相手への対策を捨て、アカデミー生の長所を伸ばしきり、今大会優勝ペアをギリギリまで追い詰めたその勘の鋭さと直感力は本物でした! ルナ・マリオットさん!』
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
「うそ、わ、わたくしが……信じられない……」
「まじかよ、やったなルナ!!」
ロイは驚いて体が固まっていたルナの背中をバシバシと叩いた。
「ほら! ルナ早く一緒に前に出よう!」
「ナヴィさん……」
「まぁ、俺たちをあそこまで追い詰めたんだから当然だろ」
「ケビンさん……」
良かった。ここからまたこの二人と肩を並べられるなんて……。
「ロイ君。ナヴィさん。ケビンさん。本当にありがとうございました」
ルナの先ほどまで堪えていた涙が一気に流れて出ていった。
『以上の三名を本試験の合格者として王都公認案内人に認定します!!』
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