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第十章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 決勝戦編
153.三人の若き天才上級ガイド
しおりを挟む『以上の三名を本試験の合格者として王都公認案内人に認定します!!』
「「わぁぁぁぁぁ!!」」
観客席からは割れんばかりの大歓声が会場いっぱいに響き渡った。
『これにて、今回の王都公認 案内人適性試験のプログラムが全て終了いたしました! 皆さま、本当にありがとうございました! お帰りの際は足元にお気を付けてご帰宅ください。それではまた二年後、ここでお会いしましょう!』
観客席から人が出口へと流れていく中、フィールドでは試験に合格したナヴィ達とそのペアだったアカデミー生が残っていた。
「あたしたちが三人そろってまさか合格するなんて……」
「はい! とっても嬉しいです。わたくしはもう正直諦めていましたので。ぐすっ」
「そうか? 俺は途中でサテラに見捨てられそうになったナヴィよりは可能性は十分あると思ってたがな」
「え!? わたくしがナヴィさんより? えっとーあはは」
「ちょっとケビン今なんて言った!?」
「なんでもない。とにかく俺ら三人の中での序列も決まったみたいだな。これからは口を慎めよナヴィ」
「ふふ、ケビン。あなた一次試験であたしより点数下だったの忘れたとは言わせないわよ」
「何だと?」
「何よ!」
「ちょっと二人とも! ここで喧嘩はやめておきましょう?」
その様子を遠くで見つめていたサテラとナターシャ、そしてロイ。
「なぁ二人とも。辛いことばっかだったけどおいらたちこの数日で本当に強くなったよなぁ」
「えぇ、私も出場したら一回戦で負けるとばかり思っていたのに」
「うん。あたしなんてダンジョンのボス部屋で一人置き去りにされたときは本当に死ぬかと思ったよ」
「え! そんなことがあったのか!? ケビンさんはスパルタだったんだなぁ」
「そりゃもう……でもさ」
ナターシャとサテラ、そしてロイは目を合わせると同時に頷き三人で王都公認の案内人となった三人に視線を移した。
「本当にあの人たちは凄い人たちだったね」
「あぁ、まぁその中でもやっぱりルナが一番だったけどな」
「何言ってるの! 優勝したケビンさんが一番に決まってるじゃない」
「あなたたちナヴィさんの素晴らしさが全然わかってないのね!!」
「あれ、あっちでも喧嘩が始まりましたね」
「あら、私たちのを見て反応しちゃったのかしら」
「ふん。大した内容でもない喧嘩をしても意味ないのにな……」
「あんたが言うな!」
その様子を遠くから見ていたスーザンがナヴィ達に話しかけた。
「はい、お疲れさまでした。最後にこの結果と写真が明日の新聞に掲載されるので写真を撮りますよ。六人ともフィールドの真ん中に集まって下さい!」
「写真なんて俺は」
「いいじゃないですかケビンさん! 最後なんですし」
「サテラこっちにおいで! あたしの前に来て!」
「はい、ナヴィさん!」
「ルナ! とろいぞ! 早くー!」
「ちょ、そんなに引っ張らないでロイ君!」
「じゃあカメラマンさんお願いします!」
「はーい! じゃあ撮りますよー! 笑顔でお願いしまーす!」
「はい、チーズ!」
翌日の明朝。
『噂の若き天才上級ガイドたち。三人そろって王都公認 案内人適性試験に合格!』
「ずずず。うん。いい見出しじゃない」
宿のコーヒーを飲みながら新聞に目を通していたナヴィ。
「お姉ちゃんおはよう」
「あらエンフィーおはよう。遅かったわね」
「深夜まで連れまわしたのはどこのどなたかしら」
「あはは、ごめんごめん」
「むしろなんでお姉ちゃんはそんなに元気なの」
「うーん、若いから?」
「私の前で言わないでもらっていいかな?」
「それよりハンナは?」
「あ、気持ち悪いって言ってまだ部屋にいるよ」
「完璧な二日酔いね」
「たくさん飲んだというかお姉ちゃんに飲ませられた感じだったけどね、よかった私まだ子どもで」
「昨日は楽しかったわね」
夜まではケビンとルナたちのペアと私たちで豪華なディナー。そのあと夜は子ども達を返してお酒を沢山飲んで最後は決勝戦前日に行ったあのバー。
プレッシャーもなくなってつい話し込んじゃったわ。
「ふふっ」
「何お姉ちゃん気持ち悪い」
「いやぁ、目的は違えど一緒に頑張れる仲間がいるってなんかいいなって思ってさ」
「うん。今までは周りに競う相手も、相談する仲間もいなかったもんね」
「さぁこれから今回の試験で積みに積まれた仕事を片付けていくわよ!!」
「そ、そうだった……あーきっと今回の事もあって相当忙しくなるんだろうなぁ」
「と、言いたいところなんですが、今日までは王都に滞在します!」
「え? どうして?」
「なんかスーザンさんから合格者に色々と説明する事があるみたいでそれが結構時間がかかるらしくてさ」
「あ、そうなんだ、まぁ私も何かと忙しかったから王都を満喫できるのは嬉しいけど」
「うん」
そんな会話をしていると店の外から声が聴こえてきた。
「ナヴィさーん! おはようございまーす」
「あ、ルナだわ! じゃあ行ってくるわね」
「はーい、と言いつつも店の外までは見送るよ」
「あらありがと」
「おはよーってあれ、ケビンもいるのね」
「いちゃ悪いのか?」
「いや、別にそんなことは。あはは」
「まぁまぁいいじゃないですか、さ、二人とも行きますよー! エンフィーちゃん行ってきます!」
「はーい行ってらっしゃい。お姉ちゃんをよろしくお願いします!」
「おーよろしくお願いされるぞ」
「こらケビン! 余計なこというな!」
王都の案内所へと向かう三人の後姿をエンフィーは笑顔で見送った。
ふふ、いい仲間を作ったね。お姉ちゃん。
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