村人Aは勇者パーティーに入りたい! ~圧倒的モブが史上最高の案内人を目指します~

凛 捺也

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第十一章 王都公認案内人 ナヴィ・マクレガン編

169.氷の装甲

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<エアシュート!>
「はぁはぁ、エンフィーそっちはどう?」

「うん、何とかなってるよ! ただやっぱり数が多くて一体一体に魔法は使えない」

 ボス部屋の前のフロストボアの群れの一掃を図る二人は、その数の多さに囲まれながらも徐々に数を減らしていった。

「魔力の方は!?」

「まだ大丈夫! お姉ちゃんは?」

「あたしも大丈夫!」

 きっとここを乗り越えたとしても中でのボスとの戦闘は避けられない……。温存はしないといけないけど持久戦には持ち込めない。なら一気に……。


「エンフィー離れてて!」

「え、うん!」

「氷ってことは雷も通るでしょ!」

 ナヴィの杖の前に灰色の魔法陣が展開された!

「お姉ちゃんの魔力が跳ね上がった!?」

「行くよ!」

<ガーディアン! エレクトリックレイ!>

 魔法陣から巨大な電気エイが召喚された。

「さぁ、エレクトリックレイ! 敵を一掃しなさい!」

「キュイィィィィ!」

 電気エイは帯電し周囲のフロストボアに放電する。

「「「シャー!!」」」

 全てのフロストボアがその放電に焼き焦がされ、塵となっていった。

「ふぅ、ありがとうエレクトリックレイ。戻っていいよ」

「キュイ!」

 ナヴィの目の前でガーディアンが消滅した。

「うわぁ生で見たの初めてだけどすごいねぇ」

「まぁね。けどガーディアン一体召喚すると魔力がすっからかんになるし、その間は他の魔法が使えないから一長一短って感じだけどね。それを何体も操るルナはやっぱりすごいわ」

「そっか、ルナさんはガーディアン使いなんだっけ?」

「えぇ、可愛い動物みたいなものからでっかいゴーレムまで召喚しちゃうんだよ。ほんとすごいわよ」

「へぇ、今度見てみたいなぁ」

「まぁそれはまた今度だね、それより先を急ぎましょう!」

 二人は回復魔法を掛けつつボス部屋の扉の前に立った。

 その瞬間、中から一人の少女のあわただしい声が聞こえた。

「きゃー! やめるのです! 襲ってこないでほしいのですー!」

「シャー!!!」

 それぞれの声とともにボス部屋の扉が大きな揺れる。

「お姉ちゃん! 中から声が!」

「えぇ、でもこれ、やっぱり他の人がボス部屋に入っていると扉は開かないみたいだね」

「うん、でもそれなら無理矢理壊すまで……!」

「ふふ、エンフィーいける?」

「うん! 離れてて」
<ツヴァイエアシュート!>

 高密度な空気の弾丸がボス部屋の扉を砕いた。

「よし! 入ろう!」

「うん!」

 ナヴィ達はビッグフロストボアから逃げ続ける少女に目にいった。

「きゃーむりなのですー!」

「ねぇ、エンフィーたしかアミスさんの特徴って……」

「うーんと、グレーの髪に黒のカチューシャ、身長はそんなに大きくなくて天然っぽい感じ。そして語尾になのです。だったよ」

「……うん。完全にあれよね……」

「間違いないね」

 アミスは二人が落ち着いて会話する様子を見つけ遠くから声を掛けた。

「あ、あの、すみません!! どこのどなたか存じ上げませんが、た、た助けてくださいなのです!」

「あーうん、今行くよ!」

「え!? その声ってもしかしてナヴィさんなのでしょうか!?」

 アミスは逃げ続けながら話しているためナヴィ達のことは視認できていなかった。

「えぇ、あなたを助けに来たのよ!」

「あ、ありがとうございますなのです!! 早速で申し訳ないのですが、アミスが引き付けているうちに後ろからこの子を狙ってほしいのです!」

「はい!」
「えぇ!」

 二人は杖を前に出し魔力を込める。

「行くよエンフィー!」
「うん!」
<<ツヴァイエアシュート!>>

 放たれた空気の弾丸はフロストボアに直撃するも氷の装甲に弾かれてしまった。

「え、全然効いてない!?」
「表面の氷の硬度は相当なものみたいね……」

「ひぇー! ナヴィさーん! お、お、追いつかれるなのですー!」

「やばい! アミスさんとの距離もどんどん詰められてるわね……」

「お姉ちゃん。あの氷の装甲、炎属性の魔法なら!」

「ナイス! 壊すんじゃなくて、溶かすね! なら」
<<ファイアーボール!>>

「ギシャーー!!」

 二人の繰り出した炎の玉が氷の装甲を少しずつ溶かしていく。

「よし! 効いてる!」

「けどまだまだ前進とまではいかないわね、ここからは持久戦よ!」


 二人は先ほどと同様に氷の装甲を効率よく溶かしていった。

 そして数分が立つと固く覆われたその装甲は完全に溶け切っていた。

「はぁ、はぁナヴィさん。アミスは、も、もう、限界なのですー!」

「待っててねアミスさん、もう少しで倒せそうだから」

「は、はいなのです!」

「頼んだわよ!!」

 ん? アミスさん。ギリギリで逃げてる割にはあたしが来てから一度もフロストボアの攻撃に当たってない……。ほとんど後ろも振り返ってなかったのにどうして……。

「お、お姉ちゃんぼーっとしてるけどどうかした!?」

「ん!? いや、ごめん、何でもない!」

 ナヴィはエンフィーの呼びかけで顔をぶるぶると振り今考えることじゃないと気持ちを切り替えた。

「さぁ、ビッグフロストボア、もうあなたの身を守るものはなくなった! 喰らいなさい!」
<<ツヴァイエアシュート!!>>

 二人の出した空気の弾丸が直撃し大ダメージを与えた。
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