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第十二章 ナヴィとグローリア案内所
216.小さな密偵
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同刻、魔王城ネヴィアランドールにて。
「「ディノール様、失礼します」」
「アギル、ダリアか。入ってこい」
フォースシート、ディノールの前に二人組の小柄な女児が現れた。
「おっじゃまっしまーす!」
「こらダリア! 失礼だぞ!」
「アギル、構わん。二人とも俺の部屋に戻ってきたということは……」
二人は膝を着き話し始めた。
「はい、デンバード山脈一帯の調査と仕込みは終わりました」
「いやー大変だったよ、高低差もあるし出てくる冒険者も強い奴ばっかりだったよ!」
「ふむ、しかしその様子を見ると二人とも無傷だな」
「あったり前ですよ! 誰から力をもらったと思ってるの!」
「はい、ディノール様に分け与えてくださったお力のおかげでございます」
「では、詳しく聞いていこうか」
「かしこまりました」
「かしこまりー!」
二人は数日調査を続けていたデンバード山脈一帯の調査結果の報告を始める。
「なるほどな。ということは一帯のダンジョン全ての仕込みを終え、そこで偶然出くわした冒険者と戦闘になったと」
「うん、そだよー! これがまた結構強敵ぞろいでさぁ」
「どのくらいのレベルだったんだ?」
「うーんとどのくらいだったかなぁ」
ド忘れをし頭を抱えているダリア。それを見かねたアギルがため息をつき、説明を付け加えた。
「平均レベル四十五といったところでしょうか。レベル三十クラスはほとんど見かけませんでした。ここまで平均レベルが高い地域も珍しいものです」
「冒険者のレベルが高いということはそれだけ付近に存在している案内所のレベルも高いということだ」
「え、冒険者が強いのは冒険者が頑張ってるからじゃないの!?」
「あのね、ダリア。冒険者はどんなクエストをやるにしても、どんなダンジョンに入るにしてもまず最初に案内所を訪ねて、そこで対策や適正レベルを聞いて準備してから臨んでいるんだよ」
「んー? つまりどういうこと?」
首を傾げ苦笑いをしながらアギルを見つめるダリア。
見かねたディノールが補足で説明をする。
「アギルが言いたいことを簡潔に説明すると、優秀な冒険者には必ずと言っていいほど優秀な案内人がいるものだ、ということだ」
「ディノール様ありがとうございます」
「あーなるほど、だからディノール様達は優秀な案内人を狙っていたんですね」
「そういうことだ。案内人自体の戦闘能力は潜在的に冒険者にかなり遅れをとっている」
「うむ。優秀な案内人は自分の店を構えそこで数十人数百人の冒険者を抱えている。そいつがいなくなると冒険者はどうなると思う?」
ディノールはダリアの方に視線を向け問い掛ける。
「うーんと、今まで案内人に助けてもらっていたことが助けてもらえなくなるってこと? あれ、それって冒険者にとってはすごくまずいこと?」
「そういうことだ。冒険者をかたっぱしから倒すよりもバックにいる案内人を殺せばそこを拠り所にしていた多くの冒険者が行き場を失い士気も下がる」
「おー!! すごーい!! 魔王様はやっぱりすごい人なんですね!!」
ダリアは目を輝かせぱちぱちと拍手をする。
「人なのかどうかは私には分からないけど……あったことあるのはサーティーンプリンスターの方々だけでだし」
「ねぇディノール様! 魔王様はどんな方なの!?」
「……そうだな。俺にも分からない」
「「え!?」」
ディノールの発言に目を丸くする二人。
「え、ディノール様も見たことないの!?」
「いや、見たことはある……が、なんと形容していいのかわからなくてな」
「けいよー?」
ダリアの様子を心配そうに見守っていたアギルが報告を続けようと話を遮る。
「ディノール様、恐れ入りますが報告を続けてもよろしいでしょうか」
「すまないアギル続けてくれ」
「ディノール様からお教えいただいたグローリア案内所についても見て参りました」
「ほう、どうだった」
「デンバード山脈一帯を牛耳っていたのは現段階ではグローリア案内所だけだと……現在そこで働いているのは三人です」
「三人……? 二人ではなかったのか?」
「はい、私もディノール様からそう伺っていましたので驚きましたが、どうやら最近は入った新人みたいで……」
「うちも見たよ! なんかきれいだった! なんかでかかった!! 二人で胸ばっか見ちゃったよ! ねアギル!?」
ダリアは自分の慎ましやかな胸を掴みアギルに向かい笑いかける。
「わ、私はただ観察を……」
アギルも同様に顔を赤らめ胸に手を押し付けた。
「あーおほん。まぁ新人なら気にするほどのことではないだろう。それで奴の同行の日にちは分かったか?」
「はい、今日から一週間後です。場所はカレンデュラ神殿です」
「カレンデュラ神殿に一週間後、意外と早いんだな……」
いや、あそこは我々がダンジョン強化に一番力を注いでいる場所だ。まさか、それを察知して力をつける前に……奴ならそこまで考えることは容易に想像できる。
「ディノール様?」
「あぁ、いや、では我々も向かうぞカレンデュラ神殿に」
「よっしゃー今度はディノール様と遠足だー!」
「え、私たちだけではだめなのでしょうか?」
「我々が相手をするのはテンスシート、マハを完封した奴だ。そいつを確実に殺すためには我々が今持っている最大戦力で臨む」
「あのマハ様を完封……」
「何言ってるのアギル! うちらの前に立ってるのはサーティーンプリンスターの中でも最強の上位四人、四聖神官の一人。ディノール様だよ!」
「人間なんかに負けるわけないよ」
「……普通の人間、ならな……」
「「え?」」
「いや、なんでもない。それでは一週間後に向け準備を始めよう」
「「はっ!」」
アギルとダリアはディノールに頭を下げそのまま退室した。
「待っていろよ。今行くぞ、ヴィオネット」
ディノールは部屋に飾っていたヴィオネットの写真を見つめる。
「「ディノール様、失礼します」」
「アギル、ダリアか。入ってこい」
フォースシート、ディノールの前に二人組の小柄な女児が現れた。
「おっじゃまっしまーす!」
「こらダリア! 失礼だぞ!」
「アギル、構わん。二人とも俺の部屋に戻ってきたということは……」
二人は膝を着き話し始めた。
「はい、デンバード山脈一帯の調査と仕込みは終わりました」
「いやー大変だったよ、高低差もあるし出てくる冒険者も強い奴ばっかりだったよ!」
「ふむ、しかしその様子を見ると二人とも無傷だな」
「あったり前ですよ! 誰から力をもらったと思ってるの!」
「はい、ディノール様に分け与えてくださったお力のおかげでございます」
「では、詳しく聞いていこうか」
「かしこまりました」
「かしこまりー!」
二人は数日調査を続けていたデンバード山脈一帯の調査結果の報告を始める。
「なるほどな。ということは一帯のダンジョン全ての仕込みを終え、そこで偶然出くわした冒険者と戦闘になったと」
「うん、そだよー! これがまた結構強敵ぞろいでさぁ」
「どのくらいのレベルだったんだ?」
「うーんとどのくらいだったかなぁ」
ド忘れをし頭を抱えているダリア。それを見かねたアギルがため息をつき、説明を付け加えた。
「平均レベル四十五といったところでしょうか。レベル三十クラスはほとんど見かけませんでした。ここまで平均レベルが高い地域も珍しいものです」
「冒険者のレベルが高いということはそれだけ付近に存在している案内所のレベルも高いということだ」
「え、冒険者が強いのは冒険者が頑張ってるからじゃないの!?」
「あのね、ダリア。冒険者はどんなクエストをやるにしても、どんなダンジョンに入るにしてもまず最初に案内所を訪ねて、そこで対策や適正レベルを聞いて準備してから臨んでいるんだよ」
「んー? つまりどういうこと?」
首を傾げ苦笑いをしながらアギルを見つめるダリア。
見かねたディノールが補足で説明をする。
「アギルが言いたいことを簡潔に説明すると、優秀な冒険者には必ずと言っていいほど優秀な案内人がいるものだ、ということだ」
「ディノール様ありがとうございます」
「あーなるほど、だからディノール様達は優秀な案内人を狙っていたんですね」
「そういうことだ。案内人自体の戦闘能力は潜在的に冒険者にかなり遅れをとっている」
「うむ。優秀な案内人は自分の店を構えそこで数十人数百人の冒険者を抱えている。そいつがいなくなると冒険者はどうなると思う?」
ディノールはダリアの方に視線を向け問い掛ける。
「うーんと、今まで案内人に助けてもらっていたことが助けてもらえなくなるってこと? あれ、それって冒険者にとってはすごくまずいこと?」
「そういうことだ。冒険者をかたっぱしから倒すよりもバックにいる案内人を殺せばそこを拠り所にしていた多くの冒険者が行き場を失い士気も下がる」
「おー!! すごーい!! 魔王様はやっぱりすごい人なんですね!!」
ダリアは目を輝かせぱちぱちと拍手をする。
「人なのかどうかは私には分からないけど……あったことあるのはサーティーンプリンスターの方々だけでだし」
「ねぇディノール様! 魔王様はどんな方なの!?」
「……そうだな。俺にも分からない」
「「え!?」」
ディノールの発言に目を丸くする二人。
「え、ディノール様も見たことないの!?」
「いや、見たことはある……が、なんと形容していいのかわからなくてな」
「けいよー?」
ダリアの様子を心配そうに見守っていたアギルが報告を続けようと話を遮る。
「ディノール様、恐れ入りますが報告を続けてもよろしいでしょうか」
「すまないアギル続けてくれ」
「ディノール様からお教えいただいたグローリア案内所についても見て参りました」
「ほう、どうだった」
「デンバード山脈一帯を牛耳っていたのは現段階ではグローリア案内所だけだと……現在そこで働いているのは三人です」
「三人……? 二人ではなかったのか?」
「はい、私もディノール様からそう伺っていましたので驚きましたが、どうやら最近は入った新人みたいで……」
「うちも見たよ! なんかきれいだった! なんかでかかった!! 二人で胸ばっか見ちゃったよ! ねアギル!?」
ダリアは自分の慎ましやかな胸を掴みアギルに向かい笑いかける。
「わ、私はただ観察を……」
アギルも同様に顔を赤らめ胸に手を押し付けた。
「あーおほん。まぁ新人なら気にするほどのことではないだろう。それで奴の同行の日にちは分かったか?」
「はい、今日から一週間後です。場所はカレンデュラ神殿です」
「カレンデュラ神殿に一週間後、意外と早いんだな……」
いや、あそこは我々がダンジョン強化に一番力を注いでいる場所だ。まさか、それを察知して力をつける前に……奴ならそこまで考えることは容易に想像できる。
「ディノール様?」
「あぁ、いや、では我々も向かうぞカレンデュラ神殿に」
「よっしゃー今度はディノール様と遠足だー!」
「え、私たちだけではだめなのでしょうか?」
「我々が相手をするのはテンスシート、マハを完封した奴だ。そいつを確実に殺すためには我々が今持っている最大戦力で臨む」
「あのマハ様を完封……」
「何言ってるのアギル! うちらの前に立ってるのはサーティーンプリンスターの中でも最強の上位四人、四聖神官の一人。ディノール様だよ!」
「人間なんかに負けるわけないよ」
「……普通の人間、ならな……」
「「え?」」
「いや、なんでもない。それでは一週間後に向け準備を始めよう」
「「はっ!」」
アギルとダリアはディノールに頭を下げそのまま退室した。
「待っていろよ。今行くぞ、ヴィオネット」
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