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第十二章 ナヴィとグローリア案内所
222.三人で
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クオードがグローリア案内所から帰宅した頃、ヴィオネットとナヴィは締めの作業を行っていた。
「よし、このファイルをここにしまってっと」
「ナヴィ。これとこれも頼む」
「はーい、そこに置いておいてください」
「あとこれと、あ、これも、それにこれとこれもいいだろ。そんでこれも」
「ど、どんだけあるんですか……これ全部取り出してたんですか?」
ナヴィのデスクにはヴィオネットが使った資料が山積みになって置かれていた。
「これ、カレンデュラ神殿の資料……ですか?」
「あぁ、目星は付けていたんだがな。まさかクオードからここまで早く報告が来るとは……っと煙草煙草」
「……片付け中なんですから今くらいはやめましょうよ」
苦笑いをし、苦言を放つナヴィ。
「あーん? ただでさえ今日は途中から二人で回して疲れてるっつーのによぉ。このくらいはいいだろ」
ヴィオネットは自分の椅子にどかっと座り、魔法で煙草に火を点けた。
「そう言いますけど。最近口から離れてる時がないですよ。煙草」
「すーっ、はー」
「まぁマスターはヴィオネさんですし。無理には止めはしませんが。長生きできませんからね、ほどほどにしてくださいよ」
「いいんだよ。どーせ先はそんなに長くねぇんだ」
ヴィオネットの発言にナヴィの片づけをしていた手が止まった。
「え? それって……。寿命的なものですか? それとも……」
「……両方、とでも言っておこうか」
「え!? ちょっと詳しく聞かせてもらえます!?」
ヴィオネットのデスクに両手を思い切り突き顔を近づけるナヴィ。
「なーんて嘘に決まってんだろ。俺が死ぬ? んなわけあるか。はははは」
ヴィオネットは煙草の煙をナヴィに吹きかけた。
「わっぷ。もう。また嘘か本当か判別できないような内容で……もう少し可愛い嘘ついてくださいよ」
「可愛いってなんだよ」
「知りません。ヴィオネさんのは冗談が過ぎます」
「まぁ、嘘じゃなく、なるかもな」
二人の間に数秒の沈黙が流れた。
「……それも嘘ですか?」
「……あぁそうだ」
ヴィオネットは煙草を吸い終わると椅子から立ち上がりナヴィに視線を向けた。
「そういえばナヴィ。お前特訓の調子はどうなんだ」
「特訓ですか? あれからすごくいい感じで、自分で言うのもどうかなとは思うのですが、どの補助魔法もかなりの精度になってきていると思います」
「ほう、それは楽しみだな。<ヒール>だけじゃなくて他の補助魔法もってことだよな?」
「はい! もうどんな状況でもどんとこいです!」
「ふっ頼もしいな」
「けど……」
「ん? どうした浮かない顔をして」
「特訓は上手くいっているとは思うのですが、如何せん魔力消費や掛けるまでの詠唱のスピードが前よりもかなり複雑になったので、実戦で本当にできるかがまだ想像できなくて……」
「なるほど。確かに実戦での経験は改良された補助魔法ではまだねぇもんな」
「そうなんですよ。同行はしていて補助魔法も使ってはいますが、ここの冒険者の方々はどうも実力揃いで、ガイド中心か後方で安全を完全に確保している状態で唱えていました。ですからどうも気が抜けてしまうというか……」
ヴィオネットは顎に手を当て何かを考え始めた。
「ふむ、そういうことなら……せっかくだしやってみっか」
「……その不適な笑み。またよからぬことを考えてますね」
目を細めてヴィオネットをじっと睨みつけるナヴィ。
「さぁ、それはお前が判断するんだな」
「はい?」
ヴィオネットはナヴィの耳元で思いついたことを囁いた。
「ちょ、ヴィオネさん。それって……」
「いいだろ、そろそろだとは思ってたんだ。それが今日って話だ」
「そうですけど……レミアは今……」
「それはお前がどうにかしろ!」
腰に手を当て人差し指をナヴィに指した。
「えぇーっだって今日のに関しては完全にヴィオネさんが……」
「いいから。俺は外で待ってる」
「……!」
全く……普段はへらへらしているのにこういう時だけ真剣な眼差しで見つめるなんて……。ずるいですよヴィオネさん。
「はぁ、もう敵わないですね……」
「お、じゃあ!」
「分かりました。少し長くなるかもしれませんが」
「さっすがナヴィ。流石俺の弟子!」
ヴィオネットの表情が一変し、笑顔でナヴィに肩を組んだ。
「ちょ、いつからあたしはあなたの弟子に!」
「まぁまぁ、こまけぇことはいいだろ。さっ、頼んだぜ」
「……全く」
その後一時間ほどバックルームで泣いていたレミアを説得し、部屋から連れ出した。
「あの……ナヴィさん。その格好は……?」
「あたしもヴィオネさんに呼ばれてさ」
頬をポリポリと掻き恥ずかしそうに話すナヴィ。
「また姉さま……。それになんでナヴィさんまで武装を?」
「あーまぁあたしも外で修行がしたくてね」
「はぁ」
「仕事は仕事、特訓は特訓よ。さぁ、早く武装してきなさい」
「あ、はい。分かりました」
レミアは何がなんだか分からないままナヴィに促されるがままに、部屋に戻り準備を始めた。
数分後。武装をしたレミアと待っていたナヴィが玄関の前に立つ。
「あの、できました」
「よしじゃあ行くわよ」
扉を開けると、数十メートル先には完全武装をしたヴィオネットが腕を組んで立っていた。
「おう。来たな。レミア、ナヴィ」
「ね、姉さま!? その格好……」
「あぁ、今日の俺は一味違うぞ?」
「これって……姉さま。いつもの特訓とは違うんですか? いつも姉さまは本気とは言え、武装も軽装で臨んでいたのに……」
「言ったろ。今日の俺は一味違うって」
目を瞑りにやりと笑うヴィオネット。
「ヴィオネさん? これっていったい……」
「ふふ。今から二人には『俺の全力の戦闘』と戦ってもらう!」
「よし、このファイルをここにしまってっと」
「ナヴィ。これとこれも頼む」
「はーい、そこに置いておいてください」
「あとこれと、あ、これも、それにこれとこれもいいだろ。そんでこれも」
「ど、どんだけあるんですか……これ全部取り出してたんですか?」
ナヴィのデスクにはヴィオネットが使った資料が山積みになって置かれていた。
「これ、カレンデュラ神殿の資料……ですか?」
「あぁ、目星は付けていたんだがな。まさかクオードからここまで早く報告が来るとは……っと煙草煙草」
「……片付け中なんですから今くらいはやめましょうよ」
苦笑いをし、苦言を放つナヴィ。
「あーん? ただでさえ今日は途中から二人で回して疲れてるっつーのによぉ。このくらいはいいだろ」
ヴィオネットは自分の椅子にどかっと座り、魔法で煙草に火を点けた。
「そう言いますけど。最近口から離れてる時がないですよ。煙草」
「すーっ、はー」
「まぁマスターはヴィオネさんですし。無理には止めはしませんが。長生きできませんからね、ほどほどにしてくださいよ」
「いいんだよ。どーせ先はそんなに長くねぇんだ」
ヴィオネットの発言にナヴィの片づけをしていた手が止まった。
「え? それって……。寿命的なものですか? それとも……」
「……両方、とでも言っておこうか」
「え!? ちょっと詳しく聞かせてもらえます!?」
ヴィオネットのデスクに両手を思い切り突き顔を近づけるナヴィ。
「なーんて嘘に決まってんだろ。俺が死ぬ? んなわけあるか。はははは」
ヴィオネットは煙草の煙をナヴィに吹きかけた。
「わっぷ。もう。また嘘か本当か判別できないような内容で……もう少し可愛い嘘ついてくださいよ」
「可愛いってなんだよ」
「知りません。ヴィオネさんのは冗談が過ぎます」
「まぁ、嘘じゃなく、なるかもな」
二人の間に数秒の沈黙が流れた。
「……それも嘘ですか?」
「……あぁそうだ」
ヴィオネットは煙草を吸い終わると椅子から立ち上がりナヴィに視線を向けた。
「そういえばナヴィ。お前特訓の調子はどうなんだ」
「特訓ですか? あれからすごくいい感じで、自分で言うのもどうかなとは思うのですが、どの補助魔法もかなりの精度になってきていると思います」
「ほう、それは楽しみだな。<ヒール>だけじゃなくて他の補助魔法もってことだよな?」
「はい! もうどんな状況でもどんとこいです!」
「ふっ頼もしいな」
「けど……」
「ん? どうした浮かない顔をして」
「特訓は上手くいっているとは思うのですが、如何せん魔力消費や掛けるまでの詠唱のスピードが前よりもかなり複雑になったので、実戦で本当にできるかがまだ想像できなくて……」
「なるほど。確かに実戦での経験は改良された補助魔法ではまだねぇもんな」
「そうなんですよ。同行はしていて補助魔法も使ってはいますが、ここの冒険者の方々はどうも実力揃いで、ガイド中心か後方で安全を完全に確保している状態で唱えていました。ですからどうも気が抜けてしまうというか……」
ヴィオネットは顎に手を当て何かを考え始めた。
「ふむ、そういうことなら……せっかくだしやってみっか」
「……その不適な笑み。またよからぬことを考えてますね」
目を細めてヴィオネットをじっと睨みつけるナヴィ。
「さぁ、それはお前が判断するんだな」
「はい?」
ヴィオネットはナヴィの耳元で思いついたことを囁いた。
「ちょ、ヴィオネさん。それって……」
「いいだろ、そろそろだとは思ってたんだ。それが今日って話だ」
「そうですけど……レミアは今……」
「それはお前がどうにかしろ!」
腰に手を当て人差し指をナヴィに指した。
「えぇーっだって今日のに関しては完全にヴィオネさんが……」
「いいから。俺は外で待ってる」
「……!」
全く……普段はへらへらしているのにこういう時だけ真剣な眼差しで見つめるなんて……。ずるいですよヴィオネさん。
「はぁ、もう敵わないですね……」
「お、じゃあ!」
「分かりました。少し長くなるかもしれませんが」
「さっすがナヴィ。流石俺の弟子!」
ヴィオネットの表情が一変し、笑顔でナヴィに肩を組んだ。
「ちょ、いつからあたしはあなたの弟子に!」
「まぁまぁ、こまけぇことはいいだろ。さっ、頼んだぜ」
「……全く」
その後一時間ほどバックルームで泣いていたレミアを説得し、部屋から連れ出した。
「あの……ナヴィさん。その格好は……?」
「あたしもヴィオネさんに呼ばれてさ」
頬をポリポリと掻き恥ずかしそうに話すナヴィ。
「また姉さま……。それになんでナヴィさんまで武装を?」
「あーまぁあたしも外で修行がしたくてね」
「はぁ」
「仕事は仕事、特訓は特訓よ。さぁ、早く武装してきなさい」
「あ、はい。分かりました」
レミアは何がなんだか分からないままナヴィに促されるがままに、部屋に戻り準備を始めた。
数分後。武装をしたレミアと待っていたナヴィが玄関の前に立つ。
「あの、できました」
「よしじゃあ行くわよ」
扉を開けると、数十メートル先には完全武装をしたヴィオネットが腕を組んで立っていた。
「おう。来たな。レミア、ナヴィ」
「ね、姉さま!? その格好……」
「あぁ、今日の俺は一味違うぞ?」
「これって……姉さま。いつもの特訓とは違うんですか? いつも姉さまは本気とは言え、武装も軽装で臨んでいたのに……」
「言ったろ。今日の俺は一味違うって」
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