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第十三章 ブラッディフェスト 序章
244.ウルカヌスの力
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「こっからが俺達の勝負だ」
一人の冒険者と召喚された小さな精霊に気圧されたダリア。
「クッ」
なんだよなんだよなんだよなんだよこいつら!
前にあたし達にぼこぼこにされたくせに余裕そうな顔しちゃってさ。
あのおじさんもさっきまで防戦一方だったし、あたしの前で見せつけてきた精霊の炎だって見掛け倒しかもしれない。
あたしの優位は何一つ変わってない。
ただあの小さいハエを召喚しただけでいい気になりやがって。
「ムカツクンダヨォォ!!!」
ダリアがクオードに向かい突っ込んでいく。
「ウルカヌス」
「あぁ、分かってるぜ」
視線を合わせお互いに頷き、ウルカヌスがクオードの周りを回り始める。
「ハハ、コウゲキハコッチダヨ! ナニヤッテルノカナ!?」
突進してくるダリアの攻撃に顔色一つ変えず戦闘態勢を取るクオード。
「せっかく精霊の姿で出てきたんだからもう少しこの姿でいたかったが、まぁいいか。そんじゃ、しっかりやれよ! 相棒」
「あぁ、頼むぜ!」
「ナッ!」
ダリアは変化していく二人の様子に攻撃止めた。
奴の周りを回っていた精霊から炎が……。
いや、違う。おじさんの鎧にあの精霊の炎が纏わりついていく。
そういえばディノール様が魔王城で前に言っていたような。
デンバード山脈を侵攻する数日前のこと。
「アギル、ダリア、お前たちは強い」
「へっ?」
「はい?」
「「……」」
「あはは、いきなりどうしたんですか、ディノール様!」
「こらダリア、失礼だぞ!」
「いや。構わない。今言ったことは俺の本心だ」
その言葉に嬉しそうな顔を見せる二人。
「「ありがとうございます」」
「ただ、お前たちでも苦戦する冒険者や案内人が何人かいる」
唐突な話の内容にぽかんと口を開けた。
「……まぁそれは何となくは想像がつきます。私たちもいくらディノール様から力を頂いたとはいえ、サーティーンプリンスターの皆さまのようなお力があるわけではありませんし」
「アギルは弱気だなー!」
「なっ、別に弱気なわけじゃない。事実を述べただけだ!」
その様子に、顔を左右に向け見守るディノールが再度口を開く。
「あぁ、その通りだ。それで、その中でも特に気を付けた方がいいのは強力な精霊と契約をした『精霊使い』だ」
「「精霊使い?」」
アギルとダリアは首を横に傾ける。
「聞いたことがあるだろう。神の使いと評されているその精霊使いが冒険者の中に数名存在しているということを」
「神の使い?」
「それって四聖神官って呼ばれてるディノール様達のことじゃないの?」
「それとはまったく別だ。とにかく『スピリットマスター』と呼ばれる冒険者。奴らの精霊を宿して戦う。そしてその力は絶大だ。俺達サーティーンプリンスターも警戒するレベルでな」
「ディノール様でも……敵にもそんな相手がいるんですね」
「まぁあたしたち二人なら大丈夫だって! ね、アギル!」
アギルは笑顔でダリアの肩を持った。
「そうだね、二人、なら……きっと」
「……あぁ、問題ないだろう。だが、そいつらが姿を現したら背中を向けてでもすぐに俺に報告しろ」
「わ、分かりました!」
「りょーかいでーす!!」
「いいか、間違っても一人で戦おうとはするな。作戦が失敗するよりもお前らがいなくなる損失の方が大きいんんだ。必ず守れ」
「ディノール様……それだけあたし達を……」
「分かったな」
「「は!」」
とか話してたなー。
ってか、すごい……なんて魔力の練り上げられ方だ。
クオードがウルカヌスの炎で生成された鎧を纏い、檄を構えた。
そんでもってこいつがその一人っつーわけね。
「『スピリットマスター』」
ダリアの呟いたその言葉に反応をしたクオード。
「お、知ってたか」
やはり、これならテンスシートのマハ様をヴィオネット・グローリアと二人で完封したのも頷ける。
「コイツガ……」
ディノール様には背中を向けてでも報告しろと言われた。
でも、ここで無理をしてでも倒した方が作戦の支障を来たさずにすむ。
何よりこの龍の力はディノール様の力をいただいたもの。
それを、前にぼこぼこに倒したやつを目の前に尻尾を撒いて逃げる?
冗談じゃない!!
こんなところでディノール様の足を引っ張るわけにはいかない!!
こんなやつあたし一人で消してやる。
こいつを倒していっぱいディノール様に褒めてもらうんだ!!
「ナメルナヨ、クソニンゲン。アンタラハショセンアタシラマオウグンニハカナワナインダヨ!」
ダリアが鋭利な爪をたて、クオードを切り裂いた。
「ヨシ! ッテ、コレハ……」
「何を切ってんだ?」
「!?」
あれ、どうしてこいつあたしの後ろに……。
確かにあたしが切ったのは目の前の。
「……ホノオダト」
「陽炎だ」
「カゲロウ……ナラソノママアタシシッポデ!!」
「ふん!!」
背後を取られたダリアの尾がクオードに向かい攻撃するも、それに素早く反応したクオードの檄により一瞬で切り裂かれた。
「グアァァァァ!!」
「諦めろ。お前がどうこうできるものじゃない」
「アツイ、アツイ、アツイ!!」
尻尾を切られただけなのに、焼けるように熱い!
どうして。
「ウソ……」
切り裂かれた尾の断面を覗いたダリアは驚愕した。
「キラレタダケジャナイ……ヤカレテル!? イッテェ」
くそくそくそくそ!
こんなところでやられるわけには……。
「イカネェンダヨォ!!」
ダリアはクオードの攻撃を仕掛けるも、どれも幻影の姿で何度も攻撃を外していた。
「クソ、コレモカゲロウ……ドコダ!」
「なぁお前さ」
「!?」
奴の声が、上から……。
こいつらいつの間にあたしの額に。
一人の冒険者と召喚された小さな精霊に気圧されたダリア。
「クッ」
なんだよなんだよなんだよなんだよこいつら!
前にあたし達にぼこぼこにされたくせに余裕そうな顔しちゃってさ。
あのおじさんもさっきまで防戦一方だったし、あたしの前で見せつけてきた精霊の炎だって見掛け倒しかもしれない。
あたしの優位は何一つ変わってない。
ただあの小さいハエを召喚しただけでいい気になりやがって。
「ムカツクンダヨォォ!!!」
ダリアがクオードに向かい突っ込んでいく。
「ウルカヌス」
「あぁ、分かってるぜ」
視線を合わせお互いに頷き、ウルカヌスがクオードの周りを回り始める。
「ハハ、コウゲキハコッチダヨ! ナニヤッテルノカナ!?」
突進してくるダリアの攻撃に顔色一つ変えず戦闘態勢を取るクオード。
「せっかく精霊の姿で出てきたんだからもう少しこの姿でいたかったが、まぁいいか。そんじゃ、しっかりやれよ! 相棒」
「あぁ、頼むぜ!」
「ナッ!」
ダリアは変化していく二人の様子に攻撃止めた。
奴の周りを回っていた精霊から炎が……。
いや、違う。おじさんの鎧にあの精霊の炎が纏わりついていく。
そういえばディノール様が魔王城で前に言っていたような。
デンバード山脈を侵攻する数日前のこと。
「アギル、ダリア、お前たちは強い」
「へっ?」
「はい?」
「「……」」
「あはは、いきなりどうしたんですか、ディノール様!」
「こらダリア、失礼だぞ!」
「いや。構わない。今言ったことは俺の本心だ」
その言葉に嬉しそうな顔を見せる二人。
「「ありがとうございます」」
「ただ、お前たちでも苦戦する冒険者や案内人が何人かいる」
唐突な話の内容にぽかんと口を開けた。
「……まぁそれは何となくは想像がつきます。私たちもいくらディノール様から力を頂いたとはいえ、サーティーンプリンスターの皆さまのようなお力があるわけではありませんし」
「アギルは弱気だなー!」
「なっ、別に弱気なわけじゃない。事実を述べただけだ!」
その様子に、顔を左右に向け見守るディノールが再度口を開く。
「あぁ、その通りだ。それで、その中でも特に気を付けた方がいいのは強力な精霊と契約をした『精霊使い』だ」
「「精霊使い?」」
アギルとダリアは首を横に傾ける。
「聞いたことがあるだろう。神の使いと評されているその精霊使いが冒険者の中に数名存在しているということを」
「神の使い?」
「それって四聖神官って呼ばれてるディノール様達のことじゃないの?」
「それとはまったく別だ。とにかく『スピリットマスター』と呼ばれる冒険者。奴らの精霊を宿して戦う。そしてその力は絶大だ。俺達サーティーンプリンスターも警戒するレベルでな」
「ディノール様でも……敵にもそんな相手がいるんですね」
「まぁあたしたち二人なら大丈夫だって! ね、アギル!」
アギルは笑顔でダリアの肩を持った。
「そうだね、二人、なら……きっと」
「……あぁ、問題ないだろう。だが、そいつらが姿を現したら背中を向けてでもすぐに俺に報告しろ」
「わ、分かりました!」
「りょーかいでーす!!」
「いいか、間違っても一人で戦おうとはするな。作戦が失敗するよりもお前らがいなくなる損失の方が大きいんんだ。必ず守れ」
「ディノール様……それだけあたし達を……」
「分かったな」
「「は!」」
とか話してたなー。
ってか、すごい……なんて魔力の練り上げられ方だ。
クオードがウルカヌスの炎で生成された鎧を纏い、檄を構えた。
そんでもってこいつがその一人っつーわけね。
「『スピリットマスター』」
ダリアの呟いたその言葉に反応をしたクオード。
「お、知ってたか」
やはり、これならテンスシートのマハ様をヴィオネット・グローリアと二人で完封したのも頷ける。
「コイツガ……」
ディノール様には背中を向けてでも報告しろと言われた。
でも、ここで無理をしてでも倒した方が作戦の支障を来たさずにすむ。
何よりこの龍の力はディノール様の力をいただいたもの。
それを、前にぼこぼこに倒したやつを目の前に尻尾を撒いて逃げる?
冗談じゃない!!
こんなところでディノール様の足を引っ張るわけにはいかない!!
こんなやつあたし一人で消してやる。
こいつを倒していっぱいディノール様に褒めてもらうんだ!!
「ナメルナヨ、クソニンゲン。アンタラハショセンアタシラマオウグンニハカナワナインダヨ!」
ダリアが鋭利な爪をたて、クオードを切り裂いた。
「ヨシ! ッテ、コレハ……」
「何を切ってんだ?」
「!?」
あれ、どうしてこいつあたしの後ろに……。
確かにあたしが切ったのは目の前の。
「……ホノオダト」
「陽炎だ」
「カゲロウ……ナラソノママアタシシッポデ!!」
「ふん!!」
背後を取られたダリアの尾がクオードに向かい攻撃するも、それに素早く反応したクオードの檄により一瞬で切り裂かれた。
「グアァァァァ!!」
「諦めろ。お前がどうこうできるものじゃない」
「アツイ、アツイ、アツイ!!」
尻尾を切られただけなのに、焼けるように熱い!
どうして。
「ウソ……」
切り裂かれた尾の断面を覗いたダリアは驚愕した。
「キラレタダケジャナイ……ヤカレテル!? イッテェ」
くそくそくそくそ!
こんなところでやられるわけには……。
「イカネェンダヨォ!!」
ダリアはクオードの攻撃を仕掛けるも、どれも幻影の姿で何度も攻撃を外していた。
「クソ、コレモカゲロウ……ドコダ!」
「なぁお前さ」
「!?」
奴の声が、上から……。
こいつらいつの間にあたしの額に。
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