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第十三章 ブラッディフェスト 序章
254.共に歩む
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そこからも俺達の日々は続いていき、俺自身も真っ直ぐに向かってくるディノリアに少しづつ心が惹かれていった。
「いってぇ。今日も負けた……」
毎度ぼろぼろになって
「だからお前が俺に勝つなんて天地がひっくり返ってもねぇっつーの」
「いーや、今日はついにお前に<バーサーク>を使わせたしあと一年もしたら」
「……お前に守られるなんて死んでもごめんだ。……ディノリア? どうしたそんなこっちをじっと見て」
「いやーすごいな、よく俺の言うこと分かったな。守られてほしいのか?」
「あ!? ばっばっかじゃねぇの! 勘違いも甚だしいぞ。んなわけあるか!!」
「顔が赤くなってるぞ!」
「組み手再開だ! ぶっ殺す!」
「ちょっ! 今日はもう終わりだって、さっきヴィオネットが」
「関係ねぇ! 俺がイラついてるからやる!!」
「いやぁぁぁぁぁぁ!」
このうっとおしいが嫌いじゃない日課。心のどこかでいつまでも続くものだと俺は思っていた。
そこから少ししてディノリアのプロポーズがあり、俺たちは結婚した。
しかし、その順風満帆ともいえる日常はすぐに変化をし始める。
とある日の明朝。王都を中心にとした冒険者連合が魔王軍に対し大規模侵攻を仕掛け始めて数週間経った頃のことだった。
「ヴィオネット!」
「姉さま!」
「ディノリア、レミア。どうした」
二人は額に大汗をかきながら俺を尋ねた。
「あの……デンバード山脈に魔王軍幹部。サーティーンプリンスターと名乗るものが現れたそうです……」
「王都を中心に大規模侵攻が始まったという情報はあったが、まさかこちらが攻められる立場になるとはな」
「俺達が大規模侵攻には加担しなかったがやはりそれが裏目に出たな」
「え? 姉さまそれはどういうことですか」
「王都中心で様々なところから魔王軍の占拠している場所に攻めてはいるが、逆を言えば攻めていないところは奴らからしたら穴だ。特にこのデンバード山脈は魔王軍からしたら王都を攻める際の中間拠点になる」
「それってつまり加担しないってわけじゃなくて」
「あぁ、ここを取られたら冒険者連合はかなりの大打撃だ。貴重な戦力を攻めに回すより、堅固な守りを築き上げ、必ずここを死守するってのが今回の俺らのミッションだ。ってスーザンからの手紙があってな」
「スーザン……王都の案内人か!」
「スーザンさん。ってあのスーザンアレクさんですか、姉さま知り合いなんですか!?」
「あぁ、割と古い付き合いでな。まぁそんなところだ。それにもう冒険者どもにはそこら辺の注意喚起はしてある。何も言われなくてもあいつらは勝手に戦って魔王軍のモンスターどもを何度も追い払っている」
「さ、さすがヴィオネット……」
「先手を打っていたのですね」
「とはいえ逆にここまで報告が来ているってことは冒険者どもも苦戦している証拠だ。魔王軍の幹部クラスが出てきているっつーことはやはりこれからデンバード山脈の戦闘はかなり激化していくだろう」
「よっしゃここで俺が鍛えた力を……」
「ディノリアお前はいい!」
「そうです姉さまと私で」
「レミア。お前も今回は案内所で待機だ」
「え!?」
「まぁ、まだ心配するところではないし、冒険者どもだけでも何とかやれている。もう少し様子を見よう」
「は、はい」
「せっかくヴィオネットを守ってやろうとおもったのによー」
「余計なお世話だ。さ、今日もさっさと準備だ。今日は忙しくなるぞ」
とはいえ、ここに攻めてくるのも時間の問題だろう。
幹部クラスの奴らを送り込んでくるほどここが奴らにとってかなりの重要拠点になっているのは間違いない。
ただ計れないのはそのサーティーンプリンスターっつー奴らがどんだけの力を持ってんのかだな。
うちの冒険者はここら一帯じゃ平均レベルも経験値もかなり高い。そう簡単には負けないはず。
サーティーンっつってるからには十三人いるわけだろ。そもそもその強さが並列なのか。もしそれが強さの順序になっていて上位の連中がここに来たら……。
「そうなったら相当やべーな」
「なーに辛気臭え顔してんだよ」
ディノリアは血の気が引いていた俺の両頬を両手で包み込むように触った。
「ディ、ディノリア! お前まだ準備して……」
「お前がそんな顔してる姿見たらそりゃ見てらんねえだろ」
「それは……すまん」
「俺はお前より弱いし、お前からしたら頼りになるような存在にまだ慣れてないかもしれない」
「そ、そんなことは」
「だけど。誰よりもお前のことを思っていて、誰よりもお前の力になりたいと思っている。それだけは忘れないでくれ」
「……」
「ヴィオネット?」
あぁ、そうだな。俺は一人じゃない。
ディノリアと二人で歩んでいくと決めたんだ。
こんなところで止まってなんかいられない。
「ありがとな、ディノリア」
今思うとこの時の表情は今までやってきたどんな表情よりも柔らかく安心した顔をしていたと思う。
「お、いい顔するじゃねぇか。いつもそうしてると素直に可愛いって言えるんだけどな」
「てめぇ。やっぱり殺す!!」
「婚約者を殺すなぁぁぁぁ!」
そしてこうしているうちにもデンバード山脈への魔王軍の侵攻は着々と進んでいった。
「いってぇ。今日も負けた……」
毎度ぼろぼろになって
「だからお前が俺に勝つなんて天地がひっくり返ってもねぇっつーの」
「いーや、今日はついにお前に<バーサーク>を使わせたしあと一年もしたら」
「……お前に守られるなんて死んでもごめんだ。……ディノリア? どうしたそんなこっちをじっと見て」
「いやーすごいな、よく俺の言うこと分かったな。守られてほしいのか?」
「あ!? ばっばっかじゃねぇの! 勘違いも甚だしいぞ。んなわけあるか!!」
「顔が赤くなってるぞ!」
「組み手再開だ! ぶっ殺す!」
「ちょっ! 今日はもう終わりだって、さっきヴィオネットが」
「関係ねぇ! 俺がイラついてるからやる!!」
「いやぁぁぁぁぁぁ!」
このうっとおしいが嫌いじゃない日課。心のどこかでいつまでも続くものだと俺は思っていた。
そこから少ししてディノリアのプロポーズがあり、俺たちは結婚した。
しかし、その順風満帆ともいえる日常はすぐに変化をし始める。
とある日の明朝。王都を中心にとした冒険者連合が魔王軍に対し大規模侵攻を仕掛け始めて数週間経った頃のことだった。
「ヴィオネット!」
「姉さま!」
「ディノリア、レミア。どうした」
二人は額に大汗をかきながら俺を尋ねた。
「あの……デンバード山脈に魔王軍幹部。サーティーンプリンスターと名乗るものが現れたそうです……」
「王都を中心に大規模侵攻が始まったという情報はあったが、まさかこちらが攻められる立場になるとはな」
「俺達が大規模侵攻には加担しなかったがやはりそれが裏目に出たな」
「え? 姉さまそれはどういうことですか」
「王都中心で様々なところから魔王軍の占拠している場所に攻めてはいるが、逆を言えば攻めていないところは奴らからしたら穴だ。特にこのデンバード山脈は魔王軍からしたら王都を攻める際の中間拠点になる」
「それってつまり加担しないってわけじゃなくて」
「あぁ、ここを取られたら冒険者連合はかなりの大打撃だ。貴重な戦力を攻めに回すより、堅固な守りを築き上げ、必ずここを死守するってのが今回の俺らのミッションだ。ってスーザンからの手紙があってな」
「スーザン……王都の案内人か!」
「スーザンさん。ってあのスーザンアレクさんですか、姉さま知り合いなんですか!?」
「あぁ、割と古い付き合いでな。まぁそんなところだ。それにもう冒険者どもにはそこら辺の注意喚起はしてある。何も言われなくてもあいつらは勝手に戦って魔王軍のモンスターどもを何度も追い払っている」
「さ、さすがヴィオネット……」
「先手を打っていたのですね」
「とはいえ逆にここまで報告が来ているってことは冒険者どもも苦戦している証拠だ。魔王軍の幹部クラスが出てきているっつーことはやはりこれからデンバード山脈の戦闘はかなり激化していくだろう」
「よっしゃここで俺が鍛えた力を……」
「ディノリアお前はいい!」
「そうです姉さまと私で」
「レミア。お前も今回は案内所で待機だ」
「え!?」
「まぁ、まだ心配するところではないし、冒険者どもだけでも何とかやれている。もう少し様子を見よう」
「は、はい」
「せっかくヴィオネットを守ってやろうとおもったのによー」
「余計なお世話だ。さ、今日もさっさと準備だ。今日は忙しくなるぞ」
とはいえ、ここに攻めてくるのも時間の問題だろう。
幹部クラスの奴らを送り込んでくるほどここが奴らにとってかなりの重要拠点になっているのは間違いない。
ただ計れないのはそのサーティーンプリンスターっつー奴らがどんだけの力を持ってんのかだな。
うちの冒険者はここら一帯じゃ平均レベルも経験値もかなり高い。そう簡単には負けないはず。
サーティーンっつってるからには十三人いるわけだろ。そもそもその強さが並列なのか。もしそれが強さの順序になっていて上位の連中がここに来たら……。
「そうなったら相当やべーな」
「なーに辛気臭え顔してんだよ」
ディノリアは血の気が引いていた俺の両頬を両手で包み込むように触った。
「ディ、ディノリア! お前まだ準備して……」
「お前がそんな顔してる姿見たらそりゃ見てらんねえだろ」
「それは……すまん」
「俺はお前より弱いし、お前からしたら頼りになるような存在にまだ慣れてないかもしれない」
「そ、そんなことは」
「だけど。誰よりもお前のことを思っていて、誰よりもお前の力になりたいと思っている。それだけは忘れないでくれ」
「……」
「ヴィオネット?」
あぁ、そうだな。俺は一人じゃない。
ディノリアと二人で歩んでいくと決めたんだ。
こんなところで止まってなんかいられない。
「ありがとな、ディノリア」
今思うとこの時の表情は今までやってきたどんな表情よりも柔らかく安心した顔をしていたと思う。
「お、いい顔するじゃねぇか。いつもそうしてると素直に可愛いって言えるんだけどな」
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「婚約者を殺すなぁぁぁぁ!」
そしてこうしているうちにもデンバード山脈への魔王軍の侵攻は着々と進んでいった。
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