パーティを抜けた魔法剣士は憧れの冒険者に出会い、最強の冒険者へと至る

一ノ瀬一

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第四章 初めての単独討伐クエスト編

第64話 討伐クエスト 其の四

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 ──討伐クエストに行く前日、コルネが眠りについた頃に、ロンドは食堂に来ていた。

「ロンド様、さすがに過保護だと思うのですが……」
「でも心配なんだよ、もしコルネくんに何かあったら──ほら、あそこの村、結構やばいって聞くし」

 夕食の片付けを粗方終えたヘルガが、呆れたような口調でロンドに返す。

「なら堂々と着いていけばいいではないですか。こっそり後をつけるなど、ただの曲者ですよ」
「それじゃ駄目なんだよ。コルネくんは一人で行きたそうだったし、そもそも僕が勝手に街を出たらまずいだろう」
「そのまずいことをしようとなさろうとしているのは、一体どなたでしょう」

 ヘルガにジト目で見られて、ロンドは言葉を詰まらせる。しばしの沈黙の後、ヘルガは小さくため息をつく。

「確かにヴィレア村は強いモンスターが多いですし、ずっとこの街にいてくさくさするというのも分かります。明日ロンド様がいない間に誰か来たら、買い物に行ったとでも誤魔化しておきましょう──私だってコルネくんのことが心配ですから」

 その言葉を聞いてロンドの顔がぱあっと明るくなる。

「ありがとう! ヘルガ──」
「しっ、声が大きいですよ。貸し一つですからね」



 翌朝、何食わぬ顔で「大丈夫だよ」と声をかけるロンドを見て、ロンド様は案外役者だなとヘルガは思った。

 玄関のドアがバタンと閉まる音を聞いてから、ロンドが動き出す。

「じゃ、よろしくね」
「はいはい」

 めんどくさそうにひらひらと手を振るヘルガを横目に、ロンドは玄関へと向かい、なるべく音を立てないようにドアを開ける。
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