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第七章 里帰りと収穫祭編
第112話 思わぬ訪問
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「た、ただいま戻りました!」
馬車を降りると、待ち構えたように玄関の前に師匠とヘルガさんがいた。
きっと馬車の音を聞いて駆け付けたのだろうが、何かあったのだろうか。まさか俺が帰ってくるのが待ち遠しくて──なんてことはないだろう。
「おかえり、コルネくん」
「おかえりなさい」
ヘルガさんは通常運転だが、師匠はすごく嬉しそうだ。まるで飼い主に尻尾を振るケルベロスのようだ。やはりちょっと寂しかったのだろうか。
「無事に帰ってこれてよかったよ。コルネくんがいない間にマリーって子が訪ねてきたんだけど──」
「マリーが!?」
突然、元のパーティメンバーの名前が出て驚く。なぜ俺がここにいると知っているんだ?
アドレアはマリーもエミルもどこにいるか知らないと言っていたし──もしかするとあの後、魔法学校にマリーも入学した? マリーも魔法使いだからあり得ない話ではないが、アドレアほど魔法に対して熱心ではなかったから、わざわざ学校にまで行くとは考えにくいか。
じゃあ一体誰が……?
「アルノって人からここにコルネくんがいるって聞いたって言ってて──コルネくんが帰るまで何日も待たせるわけにもいかないし、帰ってもらったよ。本当にコルネくんのパーティメンバーだったのかも確かめようがなかったしね」
たしか、アルノ兄さんはミャクー村に戻るってあのとき言っていた。ということはマリーもミャクー村にいるのか?
「いつもパン屋で店番してるらしいから、その子に会いに行きがてら一度してきなよ、里帰り。もうしばらく帰ってないだろう?」
たしかにここに来てから色んな場所には行ったが、ミャクー村には一度も戻っていない。師匠の言う通り、ここらで一度帰ってみるか。
でも、しばらく師匠とヘルガさんに会えなかったのに、レオンさんのところから帰ってきてまたすぐ出掛けるのは少し寂しいな。
* * *
「はぁ……まさかコルネがちょうどいないとはね」
トボトボと帰り道を歩きながら、マリーは呟く。
「たしかに、先に手紙も送らずに訪ねた私が悪いんだけど……あーあ、やっと行ってみようと決心がついたところなのにな」
そばに落ちていた小石を蹴り飛ばし、下に向けていた顔を上げる。
「まあいいや、コルネがラムハにいるってのは本当だって確かめられたんだし。ラムハのパンだって食べられたし──あっ、店番を代わってもらったパパにこのパンを早く持って帰らないと」
そう言って歩調を速めるマリーだった。
馬車を降りると、待ち構えたように玄関の前に師匠とヘルガさんがいた。
きっと馬車の音を聞いて駆け付けたのだろうが、何かあったのだろうか。まさか俺が帰ってくるのが待ち遠しくて──なんてことはないだろう。
「おかえり、コルネくん」
「おかえりなさい」
ヘルガさんは通常運転だが、師匠はすごく嬉しそうだ。まるで飼い主に尻尾を振るケルベロスのようだ。やはりちょっと寂しかったのだろうか。
「無事に帰ってこれてよかったよ。コルネくんがいない間にマリーって子が訪ねてきたんだけど──」
「マリーが!?」
突然、元のパーティメンバーの名前が出て驚く。なぜ俺がここにいると知っているんだ?
アドレアはマリーもエミルもどこにいるか知らないと言っていたし──もしかするとあの後、魔法学校にマリーも入学した? マリーも魔法使いだからあり得ない話ではないが、アドレアほど魔法に対して熱心ではなかったから、わざわざ学校にまで行くとは考えにくいか。
じゃあ一体誰が……?
「アルノって人からここにコルネくんがいるって聞いたって言ってて──コルネくんが帰るまで何日も待たせるわけにもいかないし、帰ってもらったよ。本当にコルネくんのパーティメンバーだったのかも確かめようがなかったしね」
たしか、アルノ兄さんはミャクー村に戻るってあのとき言っていた。ということはマリーもミャクー村にいるのか?
「いつもパン屋で店番してるらしいから、その子に会いに行きがてら一度してきなよ、里帰り。もうしばらく帰ってないだろう?」
たしかにここに来てから色んな場所には行ったが、ミャクー村には一度も戻っていない。師匠の言う通り、ここらで一度帰ってみるか。
でも、しばらく師匠とヘルガさんに会えなかったのに、レオンさんのところから帰ってきてまたすぐ出掛けるのは少し寂しいな。
* * *
「はぁ……まさかコルネがちょうどいないとはね」
トボトボと帰り道を歩きながら、マリーは呟く。
「たしかに、先に手紙も送らずに訪ねた私が悪いんだけど……あーあ、やっと行ってみようと決心がついたところなのにな」
そばに落ちていた小石を蹴り飛ばし、下に向けていた顔を上げる。
「まあいいや、コルネがラムハにいるってのは本当だって確かめられたんだし。ラムハのパンだって食べられたし──あっ、店番を代わってもらったパパにこのパンを早く持って帰らないと」
そう言って歩調を速めるマリーだった。
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