パーティを抜けた魔法剣士は憧れの冒険者に出会い、最強の冒険者へと至る

一ノ瀬一

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第七章 里帰りと収穫祭編

第113話 マリーとの再会

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 一年ぶりに帰ってきたミャクー村は何も変わっていなかった。昼間でも人はまばらで、雲が流れるのが速く感じられるほど、ただゆっくりと時間が流れるのどかな村。

 孤児院、冒険者ギルド、宿屋──いろいろと行きたい場所はあるが、まずはマリーのところに向かおう。



 村に昔からあるパン屋──マリーの家はここだったはずだ。以前はよく行っていたから、間違えるはずもない。

 扉を開けると、店番をしていたマリーと目が合う。

「コルネ!」
「久しぶり、マリー」

 とても驚いた様子のマリー。一年も会っていない幼馴染がいきなり現れたのだから当然か。

「ロンド──さんから聞いたのね、私がここにいるって。本当に久しぶり。元気にしてた?」
「うん、マリーは?」
「私も──まあそれなりに元気にしてた」

 なんだかマリーは空元気というか、元気に振舞おうとしているような気がする。

「マリー、大丈夫?」
「……! …………大丈夫かな、今は。あのね、もうしばらく経つんだけどママが死んじゃったの」
「……それは大変だったね」

 今でもよく覚えている。マリーの母親は明るくて元気そうな人で、仲良く夫婦でパン屋をやっていた。

 まさか亡くなっていただなんて……

「でも、もう大丈夫。回復魔法を極めたいという目標を見つけて、私は前に進み始めたから。アルノさんに回復魔法の使い手を紹介してもらったんだ」

 目のふちが濡れていたのを隠すように、目をこすってマリーが言う。

マリーも魔法の道に進むのか。俺は勝手にそれほど魔法に熱心でないと思っていたから意外だ。パーティ時代も魔導書について熱く語るアドレアを適当にあしらっていたし。

「わ、私ばっかり喋って悪いね。コルネの話も聞きたいな──ロンドさんのところに行ってから、なんか大活躍だったんでしょ? コルネがいないときに聞いたよ」

 師匠……「本当にコルネくんのパーティメンバーだったのかも確かめようがなかった」とかいいながら、パーティメンバーか怪しい人に俺のこと喋ってるじゃないですか。

 本当はパーティメンバーだって分かってたんじゃないですか?

「ラムハに行ってから──」
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