cross of connect

ユーガ

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絆の邂逅編

プロローグ

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西暦フィアリス2006年1月21日
・・・我が次男にはどうやら「絆」を意味する「緋眼」の力があるらしい。だが、調べた書物によればこの「緋眼」は世界を滅ぼす力にもなりうるようだ。だが、俺の息子だ。そんな事はしないだろう。ーだから、こいつには太古エルスペリア語で「絆」の意を持つ名にする。「ユーガ」これにしよう!
                          テリー・サンエット 

西暦フィアリス2005年12月21日
・・・まさか蒼眼の力が我が息子に宿るとはな・・・。中々面白い。しかも意図せず元素フィーアを自分に集めるようだ。蒼眼の意味は「繋がり」らしい。・・・なら、太古エルスペリア語で「繋がり」を用いて「トビ」を息子の名としよう。
                          セイガ・ナイラルツ






二人は互いを見合い笑い合う。お前は光となり、俺がそれを支える影になるのだと。ある日の拙い約束を再び交わした。







「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・。」
夜。雨の降る王都、ガイアを、一つの小さな影が駆け抜ける。走っている少年の後ろには、赤い炎。
「あっ・・・!」
少年はつまずき、雨に濡れた地面に倒れる。雨に濡れ、体から力が抜けていく。
(か、母さ・・・)
少年は、微かに開いた緋色の瞳から、青髪の少年の姿を見た。体がふわっと浮く感触を感じながら、少年は意識が遠のいていった。
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