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絆の邂逅編
第一話 旅の始まり
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十二年後ー。
開いた窓から柔らかい風を僅かに感じながら『彼』はわずかに寝息を立てていると、コンコン、と部屋がノックされる。ベッドで寝ていた、『彼』ーその歳は十七である少年は僅かに緋色の眼を開け、体を起こす。まだ夢の中にいたいという思いは抑え込み、あくびを噛み殺して扉へと手をやり、ドアノブを捻って扉を開ける。
「・・・まだ寝てたのね?ユーガ君?」
すみません、と緋色の眼の少年、ユーガ・サンエットは頭を掻いた。扉を開けた先にいたのは、同じ使用人で年はユーガの二つ上のフィラル・ネーキュリーだ。彼女はホウキを片手に持ってもう片方の手は腰に当てて、ユーガに呆れたような視線を向けている。
「まったく・・・使用人なのにこんな時間まで寝てて、ご主人様やネロ様に叱られるわよ?」
そう言ったフィラルはユーガを見て、やっぱり特徴的な見た目よね、と内心思った。髪は少し長く、赤いマフラーを首に巻いて白い服の中に、黒いシャツを着て剣を腰に横に挿し、黒いズボンを履き、茶色いブーツを履いており、眼は太陽のような緋色、そんな見た目からは、明るい雰囲気を彷彿とさせる。ユーガは、どうしたんだろ、と思いつつ肩まで伸びた髪を右前に下ろして答えた。
「・・・どうかしたんですか?フィラルさんが呼びに来たって事は、何か用があるんじゃ・・・?」
「ああ、そうそう。ご主人様が呼んでいるわ」
「ルーオス公爵が・・・ですか?」
ユーガは、え、とフィラルを見た。その言葉は、どんな目覚ましよりも眼を覚ました。急いで身支度を整え、フィラルに礼を告げたユーガは扉を開けて吹き込んでくる風を全身に受けながら急いで大広間へと向かった。
ここは太陽の首都と呼ばれるケインシルヴァの都市、ガイア。ユーガはそこの貴族であるルーオス家の使用人であった。そして、そのルーオス家はガイアの王家に連なっていた。
「ご主人様、何の用だろ・・・?直々のお話があるみたいだし・・・まさか、クビとかないよな・・・?」
そういえば、思い当たる節は無くもない。つい先日、ルーオス家の息子との剣の稽古で怪我をさせてしまったこともある。大広間へと向かう渡り廊下を歩きながら、自分の過去を強く呪うユーガだった。大広間へと繋がる廊下を歩き、ユーガは覚悟を決めて扉をノックして、
「・・・ユーガ・サンエット。ただ今参りました」
そう言うと中から、入りなさい、と厳格そうな言う声が聞こえ、失礼します、と言って扉を開けた。扉の先には、険しい顔をしたルーオス公爵が椅子の肘掛けに肘を置いてユーガを見据えた。
「・・・来たか」
その言葉に、ユーガは自然と背が伸びた。身が引き締まる思いだ。席を示され、ユーガが一礼をして腰を椅子に下ろすと、ルーオス公爵はユーガを真っ直ぐに見た。
「・・・お話、というのは・・・?」
ユーガがそう聞くと、ルーオス公爵は眉を顰めて深刻な顔を見せた。
「ユーガ。ここ数年、地震が頻繁に発生しているのは知っているな?」
ああ、とユーガは思った。この世界、グリアリーフはここ数年地震が多発していた。その事か、とユーガは少し安堵して、ルーオス公爵に向けて口を開いた。
「・・・はい、各地・・・ケインシルヴァ全土はもちろんの事、あと二つの国、クィーリアとミヨジネアにもその被害は広がっていると聞きます」
「そうだ。そして、聞く話ではクィーリアでは既に地盤が崩壊を始めているそうだ」
「地盤崩壊・・・⁉︎」
ユーガは信じられない、と言う顔でルーオス公爵を見たが、ルーオス公爵はゆっくり首を振った。それが事実だ、と言うように。
「・・・そして、我が息子のネロにはクィーリアへと調査へ向かってもらいたいと思っている」
「・・・しかし、クィーリアは敵国です。クィーリアの方々から見て敵国の貴族の末裔であるネロ・・・様には危険が伴うのではないでしょうか・・・?それに、なぜネロ様に調査へ向かわせるのですか?そのような仕事は一般兵や我々のような使用人部隊でも・・・」
ユーガは少し体を前に出して聞くと、ルーオス公爵は、簡単だ、と言うように言葉を告げた。
「我々はクィーリアと戦う意思はない。そのことを証明するためだ」
なるほど、とユーガは納得した。確かに敵国の人間が自分達の国を救うのならば、これからケインシルヴァとクィーリアの関係も良くなるかもしれない。
「そして、ユーガよ。お前にはネロの護衛にあたってもらいたい」
ルーオス公爵はユーガを見た。しかし、とユーガは前置きをする。
「行きたいのは山々ですが・・・この後、私はすぐにレイフォルスへ向かう予定で・・・」
「その仕事は他の者に任せよう」
言葉を途中で遮られ、ユーガはルーオス公爵はこうなると何を言っても無駄だった、と思い出した。まぁ良いか、と胸の中で呟きながらルーオス公爵に視線を戻した。
「わかりました。ネロ様の護衛・・・引き受けさせていただきます」
「・・・頼んだぞ、ユーガ。出発は明日だ。準備があるなら今のうちに整えておくが良い」
ルーオス公爵は近くにいたメイドに二口ほど告げると、椅子から立ち上がり部屋を出た。
「・・・ユーガ君も大変ね・・・。半ば無理やりだったような気もするけど・・・」
近くにいたメイドがユーガにそう話しかけた。ユーガは椅子から立ち上がりながら頬を掻いて、
「はは・・・まあ、旦那様はいつもあんな感じだからな・・・もう慣れたかもしれない。まあ、仕方ないよ」
そう言い、メイドに苦笑いを見せた。
「よお、ユーガ。父上からなんか言われたのか?」
自分の部屋に戻ったユーガを待ち受けていたのは、綺麗に整った青髪は前髪をちょうど真ん中で分けて、金色の瞳でユーガを見据えて赤い礼服を身に纏い、剣を腰に挿している、ユーガと同い年程の少年。その名はネロ・ルーオス。名前の通り、ルーオス公爵の息子であり現国王、カヴィス・ルーオスの孫でもある王位継承権をも持つ貴族であり、ユーガの友人でもあった。
「ネロ・・・、ここにいると旦那様に叱られるんだろ?良いのか?」
「だいじょーぶだいじょーぶ!バレなきゃ問題ねぇって!」
いや、そういう問題でもないんだけどな、とユーガは思いつつ、自分の椅子へと腰を下ろした。
「ネロ、明日クィーリアへ行くんだろ?」
「ん?ああ、地震の調査でな。・・・あ、もしかしてその護衛を父上に?」
「そういう事。たまには久しぶりにレイフォルスに行って来ようと思ってたのになぁ・・・」
椅子の腰掛けに顎を乗せ、不満そうにユーガはネロに話した。ネロはそれに同調するように、ユーガのベッドで足を伸ばして笑みを浮かべる。
「・・・レイフォルスは屈指の観光地だからな・・・俺も久しぶりに行きてぇなあ・・・」
「・・・まあ、ネロの護衛なら行くよ。その分、ネロと一緒にいれるって事だろ?」
へへ、とユーガは笑い、ネロを見た。ネロはそうだな、と答え、
「なあ、最後にちょっと稽古をしないか?」
と提案した。
「・・・お、いいね!」
ユーガは笑みを浮かべてネロに視線を向けて立ち上がり、暖炉の上に置いてあった二本の木刀へ手を伸ばした。片方をネロに渡し、中庭へと移動した。
「こうやって、落ち着いて稽古なんてのもしばらくできないだろうしな」
ユーガがそう言うとネロは、そうだな、と言って剣を構えた。
「じゃあ、まずはいつも通りに基本からやろうぜ。何事も基本から、だもんな」
ネロはそう言うと、剣を縦に、横にと振った。ユーガはそれを難なく受け止め、ユーガも剣を振った。カン、カンと木刀がぶつかり合う音が響く。
「はっ!」
「せいっ!」
ユーガとネロはしばらく剣をぶつけ合うと、汗が溢れる額を腕で拭って同じ構えで剣を持った。
「じゃあ、次は技で勝負だな!行くぞ・・・!」
ユーガがそう言うと、ネロも頷いた。そして、同時に吼えた。
「烈牙斬‼︎」
「烈牙斬‼︎」
二人は拳を上から振り下ろした後、剣を上に振り上げた。それは剣の軌跡を描いて互いを襲ったが、それは彼らの体に届く事はなかった。
「どうした⁉︎寝起きだから調子悪いんじゃねぇのか⁉︎」
「そんな事ない・・・よっ‼︎」
ネロの挑発にユーガは剣を構え直して、ネロ目がけて走り抜ける。それと同時にネロは居合の構えを取り、ユーガが居合の範囲内に入るのを待つ。それを知りながら、ユーガは高く跳躍してネロに目がけて飛び蹴りを入れる。完全に不意を突かれたネロは姿勢を崩しかけーさらに追い討ちをかけようとしたユーガに向けて、体を捻って鞘を叩きつける。腕に走った痛みに、ユーガは顔を顰めて、ネロへの追い討ちを諦める。ふぅ、と息をつき、ユーガとネロは木刀を置く。
「・・・ちぇ、結局一度もネロには勝てなかったな・・・」
ユーガはネロに剣の稽古で勝った事はなかった。いつもあと一歩のところで負けるのが毎回だった。
「そうか?今日のユーガの技はかなり良かったと思うぜ?」
ネロにはそう言われたが、ユーガ自身は納得はしていなかった。
「まあ、何も今日が最後ってわけでもないしさ。まだまだ時間はあるだろ?」
「・・・まあ、そうだよなぁ」
ネロにそう言われ、確かに、と納得したユーガだった。
「・・・では、行って参ります」
翌日。ユーガ達はクィーリアへ向かうところをルーオス公爵とその妻、ルーオス夫人が見送りに来てくれていた。
「・・・おお、ネロ・・・くれぐれも気をつけてね・・・」
涙を流しながらネロに抱きつくルーオス夫人を支えながら、ネロは大丈夫だよ、と言って抱き返した。
(・・・母親、か・・・)
ユーガはその光景を僅かな笑みを浮かべて見守った。ーと。
「・・・ユーガよ」
不意に名前を呼ばれ、ユーガは振り返った。そこには厳しい顔のルーオス公爵がいた。
「・・・くれぐれも、ネロの事を頼んだぞ」
「わかりました。全力を尽くします」
ルーオス公爵はうむ、と呟いてユーガに小袋を差し出した。
「・・・これは?」
ユーガが呟きながら袋を開けると、そこには回復のポーションが何本も入っていた。
「餞別だ。持っていって役に立てると良い」
「あ、ありがとうございます!」
「・・・ネロを頼む」
ユーガははい、と敬礼をすると、ネロに声をかけた。
「・・・じゃあ、行ってきます」
ネロがそう言うと、ルーオス夫人はネロから渋々離れた。ユーガは剣を腰に横に取り付け、一礼をして足を踏み出した。ネロもその後に続き、何度も何度も振り返って両親に手を振った。
「まずはクィーリアの首都のシレーフォに行ってみよう。先にクィーリアの陛下に謁見してみないとな」
ネロはユーガの後ろを歩きながら言った。ユーガはわかった、と答え、
「じゃあ、まずは港だな。まずは港へ向かおう。」
ユーガとネロは昇降機の乗り降りを繰り返し、港へ向かった。
「ネロ様。船の準備は完了しております。こちらの船へどうぞ」
「ありがとう」
ガイア兵がネロに礼をし、船を指し示した。かなり大きな連絡船である。どうやら、あれに乗るらしい。
「さあ、行こうぜ」
ユーガは連絡船を指差して言った。
ーこれが世界の運命をも変える大冒険となる事を知らずにー。
ガイアからシレーフォまでは約二週間はかかった。
連絡船とはいえ、やはり時間はかかってしまう物である。シレーフォに入国すると、シレーフォ兵が一人ユーガ達に身分証明書を提出しろ、と言ってきた。しかし、ネロが持っていた国際的証明書を差し出すと、兵はそれを持ってどこかへ行ってしまった。恐らく、シレーフォの皇帝にでも見せに行ったのだろう。
「・・・ちぇっ、持ってくのは良いけど、さっきの人が来るまでここで待機なんてなー・・・」
小さく舌を打ち、ネロはシレーフォの海に面している手摺に寄りかかった。まあ、とユーガが言葉を続ける。
「仕方ないんじゃないか?国際的訪問だとわかったんだから、その為のアポを取りに行ってくれてるんだろうしさ・・・」
だと良いけど、とネロは唇を尖らせながら言った。と、鎧を着たシレーフォ兵がユーガ達に近づいた。
「・・・陛下がお会いになられるそうです。ただし、問題を起こさないためにもお二人はこれから我々の捕虜扱いとさせていただきます」
「・・・終わったら解放してくれるのか?」
ネロは手摺に背中を預けてそう言った。
「それはまだわかりません。陛下のお気持ち次第です」
ネロはげ、と顔を引き攣らせた。ユーガはわかりました、と真剣な顔を見せた。
「それでも構いません。陛下にお会いし、我々ケインシルヴァの考えをお話できるのなら」
「・・・わかりました。こちらへどうぞ」
シレーフォ兵が歩き出し、ユーガとネロはそれに付いて行った。そして、しばらく歩くと目の前に大きな、本当に大きな城が現れた。正面の門をくぐる際、近くにいたシレーフォ兵が小さく舌打ちをしたのをユーガは聞き逃さなかったが、今はそれを気にしている場合でもない。そして、ユーガ達の前には大きな門が現れた。
「ここが謁見の間です。くれぐれも、妙な気は起こさないように」
ネロは小さく、わかってるっての、と呟いた。ユーガはそんなネロを見ながら苦笑いをしたが、すぐに顔を引き締めた。重い音と共に、扉が開く。
「ーお前達か。ケインシルヴァから来たという使者達は」
大きくはないが、よく通る声でシレーフォの皇帝、ログシオン皇帝は言った。その声は自然とユーガとネロの背筋を伸ばした。
「・・・御前を失礼致します、ログシオン陛下。我が偉大なるカヴィス王からの使者として預かりました、ネロ・ルーオスと・・・」
「その護衛、ユーガ・サンエットです。本日ここにお伺いしたのは、今世界各地に起こっている問題ー、地震についてです」
ユーガはそう前置きすると、ケインシルヴァに起こる地震の影響を話した。
「なるほど・・・?ケインシルヴァにも地震は発生していたか」
にも、という事はクィーリアにも地震は発生しているのだろう、とユーガは思った。
「・・・それで?我々に何をしろと言うのだ?」
ログシオンは長いため息をついた。それは心の準備をするような、そんな風に思えた。
「クィーリアで地震の調査をする事を許可していただきたいんです。これ以上、クィーリアでも地震の被害を広げないためにも・・・」
ユーガは小さく息を吐き、呼吸を整えた。
「・・・私は、クィーリアの人々もケインシルヴァの人々もミヨジネアの人々も助けたい・・・目の前で失われそうな命があるなら、それを助けたいんです!」
ユーガは拳を握ってログシオンを見た。ログシオンとユーガはしばしの間見つめ合っていたが、やがてログシオンは目を閉じた。
「・・・わかった。許可しよう」
「ホントですか、陛下!」
「陛下!よろしいのですか⁉︎」
近くにいた近衛兵ー恐らくかなり上位兵の人であろうーが焦った様子でログシオンを見た。
「構わぬ。・・・しかし、条件付きだ」
「・・・条件、ですか?」
ユーガとネロは声を合わせた。ログシオンが手を叩くと、謁見の間の扉が開いた。扉の奥から現れたのは、黒に近い紺の髪で蒼色の眼をして片方の眼は髪に隠れている。軍服を身に纏い、武器は見たところ見えないが、歳はユーガやネロと同じくらい、だろうか?
「・・・お呼びですか、陛下」
低い声で、少年は言った。その声は、どこか気怠そうな印象を持たせた。
「トビよ。貴公にはこのケインシルヴァからの使者の監視をしてもらいたい」
「・・・監視?」
トビと呼ばれた少年は、ログシオンからユーガ達に視線を巡らせた。その蒼色の眼に、ユーガはどこか落ち着かない気分になった。
「・・・こんな頭の悪そうな連中、監視をする意味はあるんですか?陛下?」
「なんだと⁉︎」
ネロがトビに掴みかかる勢いで飛びかかろうとしたのを、ユーガはネロの服を掴んで止めた。
「・・・俺はユーガだ。ユーガ・サンエット。こっちはネロ・ルーオス。あなたは?」
ユーガはトビに手を差し出したが、トビはそれを無視してログシオンを見た。
「・・・わかりました。陛下のご命令とあらば引き受けます」
「そうか!頼んだぞ、トビよ」
トビはログシオンのその言葉を聞くと、行くぞ、とユーガとネロを見て言い、さっさと謁見の間から出ていった。
「・・・奴の名はトビ。トビ・ナイラルツだ。口は悪いが、良い働きをするであろう」
「監視役として、な」
ネロが小さく呟いたのを、ユーガは聞かなかったフリをした。
「調査とやら、良い結果を待っている」
ログシオンのその言葉で、クィーリア兵から謁見の間の扉を示された。これで謁見は終わり、と言う事だろう。謁見の間から出ると、そこにトビの姿は無かった。恐らく、先に外に出ているのだろう。
「なーんか、いけすかない野郎だな。あのトビって奴」
ネロがそう言ったが、ユーガはそうかな、と言った。
「あのトビって奴の事を俺達はまだ全然知らないからな。それに、協力はしてくれるんだろ?なら良いんじゃないかな?」
「・・・だと良いけどな・・・」
ネロはそう言うと、一人歩幅を早めてクィーリア城を出た。その後を追いかけながら、トビと仲良くなれればいいな、と願うユーガだった。
「ここで会えるとはな・・・サンエット家の末裔とやら」
自分の後を付いてくる緋色の眼の少年ー、確かユーガだったか。を見ながら、トビは呟いた。その蒼色の眼が少し細めたのを見たのは、誰もいなかった。
開いた窓から柔らかい風を僅かに感じながら『彼』はわずかに寝息を立てていると、コンコン、と部屋がノックされる。ベッドで寝ていた、『彼』ーその歳は十七である少年は僅かに緋色の眼を開け、体を起こす。まだ夢の中にいたいという思いは抑え込み、あくびを噛み殺して扉へと手をやり、ドアノブを捻って扉を開ける。
「・・・まだ寝てたのね?ユーガ君?」
すみません、と緋色の眼の少年、ユーガ・サンエットは頭を掻いた。扉を開けた先にいたのは、同じ使用人で年はユーガの二つ上のフィラル・ネーキュリーだ。彼女はホウキを片手に持ってもう片方の手は腰に当てて、ユーガに呆れたような視線を向けている。
「まったく・・・使用人なのにこんな時間まで寝てて、ご主人様やネロ様に叱られるわよ?」
そう言ったフィラルはユーガを見て、やっぱり特徴的な見た目よね、と内心思った。髪は少し長く、赤いマフラーを首に巻いて白い服の中に、黒いシャツを着て剣を腰に横に挿し、黒いズボンを履き、茶色いブーツを履いており、眼は太陽のような緋色、そんな見た目からは、明るい雰囲気を彷彿とさせる。ユーガは、どうしたんだろ、と思いつつ肩まで伸びた髪を右前に下ろして答えた。
「・・・どうかしたんですか?フィラルさんが呼びに来たって事は、何か用があるんじゃ・・・?」
「ああ、そうそう。ご主人様が呼んでいるわ」
「ルーオス公爵が・・・ですか?」
ユーガは、え、とフィラルを見た。その言葉は、どんな目覚ましよりも眼を覚ました。急いで身支度を整え、フィラルに礼を告げたユーガは扉を開けて吹き込んでくる風を全身に受けながら急いで大広間へと向かった。
ここは太陽の首都と呼ばれるケインシルヴァの都市、ガイア。ユーガはそこの貴族であるルーオス家の使用人であった。そして、そのルーオス家はガイアの王家に連なっていた。
「ご主人様、何の用だろ・・・?直々のお話があるみたいだし・・・まさか、クビとかないよな・・・?」
そういえば、思い当たる節は無くもない。つい先日、ルーオス家の息子との剣の稽古で怪我をさせてしまったこともある。大広間へと向かう渡り廊下を歩きながら、自分の過去を強く呪うユーガだった。大広間へと繋がる廊下を歩き、ユーガは覚悟を決めて扉をノックして、
「・・・ユーガ・サンエット。ただ今参りました」
そう言うと中から、入りなさい、と厳格そうな言う声が聞こえ、失礼します、と言って扉を開けた。扉の先には、険しい顔をしたルーオス公爵が椅子の肘掛けに肘を置いてユーガを見据えた。
「・・・来たか」
その言葉に、ユーガは自然と背が伸びた。身が引き締まる思いだ。席を示され、ユーガが一礼をして腰を椅子に下ろすと、ルーオス公爵はユーガを真っ直ぐに見た。
「・・・お話、というのは・・・?」
ユーガがそう聞くと、ルーオス公爵は眉を顰めて深刻な顔を見せた。
「ユーガ。ここ数年、地震が頻繁に発生しているのは知っているな?」
ああ、とユーガは思った。この世界、グリアリーフはここ数年地震が多発していた。その事か、とユーガは少し安堵して、ルーオス公爵に向けて口を開いた。
「・・・はい、各地・・・ケインシルヴァ全土はもちろんの事、あと二つの国、クィーリアとミヨジネアにもその被害は広がっていると聞きます」
「そうだ。そして、聞く話ではクィーリアでは既に地盤が崩壊を始めているそうだ」
「地盤崩壊・・・⁉︎」
ユーガは信じられない、と言う顔でルーオス公爵を見たが、ルーオス公爵はゆっくり首を振った。それが事実だ、と言うように。
「・・・そして、我が息子のネロにはクィーリアへと調査へ向かってもらいたいと思っている」
「・・・しかし、クィーリアは敵国です。クィーリアの方々から見て敵国の貴族の末裔であるネロ・・・様には危険が伴うのではないでしょうか・・・?それに、なぜネロ様に調査へ向かわせるのですか?そのような仕事は一般兵や我々のような使用人部隊でも・・・」
ユーガは少し体を前に出して聞くと、ルーオス公爵は、簡単だ、と言うように言葉を告げた。
「我々はクィーリアと戦う意思はない。そのことを証明するためだ」
なるほど、とユーガは納得した。確かに敵国の人間が自分達の国を救うのならば、これからケインシルヴァとクィーリアの関係も良くなるかもしれない。
「そして、ユーガよ。お前にはネロの護衛にあたってもらいたい」
ルーオス公爵はユーガを見た。しかし、とユーガは前置きをする。
「行きたいのは山々ですが・・・この後、私はすぐにレイフォルスへ向かう予定で・・・」
「その仕事は他の者に任せよう」
言葉を途中で遮られ、ユーガはルーオス公爵はこうなると何を言っても無駄だった、と思い出した。まぁ良いか、と胸の中で呟きながらルーオス公爵に視線を戻した。
「わかりました。ネロ様の護衛・・・引き受けさせていただきます」
「・・・頼んだぞ、ユーガ。出発は明日だ。準備があるなら今のうちに整えておくが良い」
ルーオス公爵は近くにいたメイドに二口ほど告げると、椅子から立ち上がり部屋を出た。
「・・・ユーガ君も大変ね・・・。半ば無理やりだったような気もするけど・・・」
近くにいたメイドがユーガにそう話しかけた。ユーガは椅子から立ち上がりながら頬を掻いて、
「はは・・・まあ、旦那様はいつもあんな感じだからな・・・もう慣れたかもしれない。まあ、仕方ないよ」
そう言い、メイドに苦笑いを見せた。
「よお、ユーガ。父上からなんか言われたのか?」
自分の部屋に戻ったユーガを待ち受けていたのは、綺麗に整った青髪は前髪をちょうど真ん中で分けて、金色の瞳でユーガを見据えて赤い礼服を身に纏い、剣を腰に挿している、ユーガと同い年程の少年。その名はネロ・ルーオス。名前の通り、ルーオス公爵の息子であり現国王、カヴィス・ルーオスの孫でもある王位継承権をも持つ貴族であり、ユーガの友人でもあった。
「ネロ・・・、ここにいると旦那様に叱られるんだろ?良いのか?」
「だいじょーぶだいじょーぶ!バレなきゃ問題ねぇって!」
いや、そういう問題でもないんだけどな、とユーガは思いつつ、自分の椅子へと腰を下ろした。
「ネロ、明日クィーリアへ行くんだろ?」
「ん?ああ、地震の調査でな。・・・あ、もしかしてその護衛を父上に?」
「そういう事。たまには久しぶりにレイフォルスに行って来ようと思ってたのになぁ・・・」
椅子の腰掛けに顎を乗せ、不満そうにユーガはネロに話した。ネロはそれに同調するように、ユーガのベッドで足を伸ばして笑みを浮かべる。
「・・・レイフォルスは屈指の観光地だからな・・・俺も久しぶりに行きてぇなあ・・・」
「・・・まあ、ネロの護衛なら行くよ。その分、ネロと一緒にいれるって事だろ?」
へへ、とユーガは笑い、ネロを見た。ネロはそうだな、と答え、
「なあ、最後にちょっと稽古をしないか?」
と提案した。
「・・・お、いいね!」
ユーガは笑みを浮かべてネロに視線を向けて立ち上がり、暖炉の上に置いてあった二本の木刀へ手を伸ばした。片方をネロに渡し、中庭へと移動した。
「こうやって、落ち着いて稽古なんてのもしばらくできないだろうしな」
ユーガがそう言うとネロは、そうだな、と言って剣を構えた。
「じゃあ、まずはいつも通りに基本からやろうぜ。何事も基本から、だもんな」
ネロはそう言うと、剣を縦に、横にと振った。ユーガはそれを難なく受け止め、ユーガも剣を振った。カン、カンと木刀がぶつかり合う音が響く。
「はっ!」
「せいっ!」
ユーガとネロはしばらく剣をぶつけ合うと、汗が溢れる額を腕で拭って同じ構えで剣を持った。
「じゃあ、次は技で勝負だな!行くぞ・・・!」
ユーガがそう言うと、ネロも頷いた。そして、同時に吼えた。
「烈牙斬‼︎」
「烈牙斬‼︎」
二人は拳を上から振り下ろした後、剣を上に振り上げた。それは剣の軌跡を描いて互いを襲ったが、それは彼らの体に届く事はなかった。
「どうした⁉︎寝起きだから調子悪いんじゃねぇのか⁉︎」
「そんな事ない・・・よっ‼︎」
ネロの挑発にユーガは剣を構え直して、ネロ目がけて走り抜ける。それと同時にネロは居合の構えを取り、ユーガが居合の範囲内に入るのを待つ。それを知りながら、ユーガは高く跳躍してネロに目がけて飛び蹴りを入れる。完全に不意を突かれたネロは姿勢を崩しかけーさらに追い討ちをかけようとしたユーガに向けて、体を捻って鞘を叩きつける。腕に走った痛みに、ユーガは顔を顰めて、ネロへの追い討ちを諦める。ふぅ、と息をつき、ユーガとネロは木刀を置く。
「・・・ちぇ、結局一度もネロには勝てなかったな・・・」
ユーガはネロに剣の稽古で勝った事はなかった。いつもあと一歩のところで負けるのが毎回だった。
「そうか?今日のユーガの技はかなり良かったと思うぜ?」
ネロにはそう言われたが、ユーガ自身は納得はしていなかった。
「まあ、何も今日が最後ってわけでもないしさ。まだまだ時間はあるだろ?」
「・・・まあ、そうだよなぁ」
ネロにそう言われ、確かに、と納得したユーガだった。
「・・・では、行って参ります」
翌日。ユーガ達はクィーリアへ向かうところをルーオス公爵とその妻、ルーオス夫人が見送りに来てくれていた。
「・・・おお、ネロ・・・くれぐれも気をつけてね・・・」
涙を流しながらネロに抱きつくルーオス夫人を支えながら、ネロは大丈夫だよ、と言って抱き返した。
(・・・母親、か・・・)
ユーガはその光景を僅かな笑みを浮かべて見守った。ーと。
「・・・ユーガよ」
不意に名前を呼ばれ、ユーガは振り返った。そこには厳しい顔のルーオス公爵がいた。
「・・・くれぐれも、ネロの事を頼んだぞ」
「わかりました。全力を尽くします」
ルーオス公爵はうむ、と呟いてユーガに小袋を差し出した。
「・・・これは?」
ユーガが呟きながら袋を開けると、そこには回復のポーションが何本も入っていた。
「餞別だ。持っていって役に立てると良い」
「あ、ありがとうございます!」
「・・・ネロを頼む」
ユーガははい、と敬礼をすると、ネロに声をかけた。
「・・・じゃあ、行ってきます」
ネロがそう言うと、ルーオス夫人はネロから渋々離れた。ユーガは剣を腰に横に取り付け、一礼をして足を踏み出した。ネロもその後に続き、何度も何度も振り返って両親に手を振った。
「まずはクィーリアの首都のシレーフォに行ってみよう。先にクィーリアの陛下に謁見してみないとな」
ネロはユーガの後ろを歩きながら言った。ユーガはわかった、と答え、
「じゃあ、まずは港だな。まずは港へ向かおう。」
ユーガとネロは昇降機の乗り降りを繰り返し、港へ向かった。
「ネロ様。船の準備は完了しております。こちらの船へどうぞ」
「ありがとう」
ガイア兵がネロに礼をし、船を指し示した。かなり大きな連絡船である。どうやら、あれに乗るらしい。
「さあ、行こうぜ」
ユーガは連絡船を指差して言った。
ーこれが世界の運命をも変える大冒険となる事を知らずにー。
ガイアからシレーフォまでは約二週間はかかった。
連絡船とはいえ、やはり時間はかかってしまう物である。シレーフォに入国すると、シレーフォ兵が一人ユーガ達に身分証明書を提出しろ、と言ってきた。しかし、ネロが持っていた国際的証明書を差し出すと、兵はそれを持ってどこかへ行ってしまった。恐らく、シレーフォの皇帝にでも見せに行ったのだろう。
「・・・ちぇっ、持ってくのは良いけど、さっきの人が来るまでここで待機なんてなー・・・」
小さく舌を打ち、ネロはシレーフォの海に面している手摺に寄りかかった。まあ、とユーガが言葉を続ける。
「仕方ないんじゃないか?国際的訪問だとわかったんだから、その為のアポを取りに行ってくれてるんだろうしさ・・・」
だと良いけど、とネロは唇を尖らせながら言った。と、鎧を着たシレーフォ兵がユーガ達に近づいた。
「・・・陛下がお会いになられるそうです。ただし、問題を起こさないためにもお二人はこれから我々の捕虜扱いとさせていただきます」
「・・・終わったら解放してくれるのか?」
ネロは手摺に背中を預けてそう言った。
「それはまだわかりません。陛下のお気持ち次第です」
ネロはげ、と顔を引き攣らせた。ユーガはわかりました、と真剣な顔を見せた。
「それでも構いません。陛下にお会いし、我々ケインシルヴァの考えをお話できるのなら」
「・・・わかりました。こちらへどうぞ」
シレーフォ兵が歩き出し、ユーガとネロはそれに付いて行った。そして、しばらく歩くと目の前に大きな、本当に大きな城が現れた。正面の門をくぐる際、近くにいたシレーフォ兵が小さく舌打ちをしたのをユーガは聞き逃さなかったが、今はそれを気にしている場合でもない。そして、ユーガ達の前には大きな門が現れた。
「ここが謁見の間です。くれぐれも、妙な気は起こさないように」
ネロは小さく、わかってるっての、と呟いた。ユーガはそんなネロを見ながら苦笑いをしたが、すぐに顔を引き締めた。重い音と共に、扉が開く。
「ーお前達か。ケインシルヴァから来たという使者達は」
大きくはないが、よく通る声でシレーフォの皇帝、ログシオン皇帝は言った。その声は自然とユーガとネロの背筋を伸ばした。
「・・・御前を失礼致します、ログシオン陛下。我が偉大なるカヴィス王からの使者として預かりました、ネロ・ルーオスと・・・」
「その護衛、ユーガ・サンエットです。本日ここにお伺いしたのは、今世界各地に起こっている問題ー、地震についてです」
ユーガはそう前置きすると、ケインシルヴァに起こる地震の影響を話した。
「なるほど・・・?ケインシルヴァにも地震は発生していたか」
にも、という事はクィーリアにも地震は発生しているのだろう、とユーガは思った。
「・・・それで?我々に何をしろと言うのだ?」
ログシオンは長いため息をついた。それは心の準備をするような、そんな風に思えた。
「クィーリアで地震の調査をする事を許可していただきたいんです。これ以上、クィーリアでも地震の被害を広げないためにも・・・」
ユーガは小さく息を吐き、呼吸を整えた。
「・・・私は、クィーリアの人々もケインシルヴァの人々もミヨジネアの人々も助けたい・・・目の前で失われそうな命があるなら、それを助けたいんです!」
ユーガは拳を握ってログシオンを見た。ログシオンとユーガはしばしの間見つめ合っていたが、やがてログシオンは目を閉じた。
「・・・わかった。許可しよう」
「ホントですか、陛下!」
「陛下!よろしいのですか⁉︎」
近くにいた近衛兵ー恐らくかなり上位兵の人であろうーが焦った様子でログシオンを見た。
「構わぬ。・・・しかし、条件付きだ」
「・・・条件、ですか?」
ユーガとネロは声を合わせた。ログシオンが手を叩くと、謁見の間の扉が開いた。扉の奥から現れたのは、黒に近い紺の髪で蒼色の眼をして片方の眼は髪に隠れている。軍服を身に纏い、武器は見たところ見えないが、歳はユーガやネロと同じくらい、だろうか?
「・・・お呼びですか、陛下」
低い声で、少年は言った。その声は、どこか気怠そうな印象を持たせた。
「トビよ。貴公にはこのケインシルヴァからの使者の監視をしてもらいたい」
「・・・監視?」
トビと呼ばれた少年は、ログシオンからユーガ達に視線を巡らせた。その蒼色の眼に、ユーガはどこか落ち着かない気分になった。
「・・・こんな頭の悪そうな連中、監視をする意味はあるんですか?陛下?」
「なんだと⁉︎」
ネロがトビに掴みかかる勢いで飛びかかろうとしたのを、ユーガはネロの服を掴んで止めた。
「・・・俺はユーガだ。ユーガ・サンエット。こっちはネロ・ルーオス。あなたは?」
ユーガはトビに手を差し出したが、トビはそれを無視してログシオンを見た。
「・・・わかりました。陛下のご命令とあらば引き受けます」
「そうか!頼んだぞ、トビよ」
トビはログシオンのその言葉を聞くと、行くぞ、とユーガとネロを見て言い、さっさと謁見の間から出ていった。
「・・・奴の名はトビ。トビ・ナイラルツだ。口は悪いが、良い働きをするであろう」
「監視役として、な」
ネロが小さく呟いたのを、ユーガは聞かなかったフリをした。
「調査とやら、良い結果を待っている」
ログシオンのその言葉で、クィーリア兵から謁見の間の扉を示された。これで謁見は終わり、と言う事だろう。謁見の間から出ると、そこにトビの姿は無かった。恐らく、先に外に出ているのだろう。
「なーんか、いけすかない野郎だな。あのトビって奴」
ネロがそう言ったが、ユーガはそうかな、と言った。
「あのトビって奴の事を俺達はまだ全然知らないからな。それに、協力はしてくれるんだろ?なら良いんじゃないかな?」
「・・・だと良いけどな・・・」
ネロはそう言うと、一人歩幅を早めてクィーリア城を出た。その後を追いかけながら、トビと仲良くなれればいいな、と願うユーガだった。
「ここで会えるとはな・・・サンエット家の末裔とやら」
自分の後を付いてくる緋色の眼の少年ー、確かユーガだったか。を見ながら、トビは呟いた。その蒼色の眼が少し細めたのを見たのは、誰もいなかった。
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