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第一章 終わりと始まり
07 これは何のルートだろう
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ともかく、前世で妹が必死にやっていたゲームのモブキャラ「ラスティ」に僕は生まれ変わってしまった。
似た世界ということも考えられるんだけど、ここまでゲームと同じだとなぁという感じ。
あげくに繰り返している。
どうしてこうなったのか。
色々考えたけど結局わからない。
僕は、今までの繰り返しは大人しく自分の役割をこなしていた。
打開策がわからなかったからだ。
一応思いつく方法は試したけど、ふんわり元に戻っているし悪化する。
でも、今回の生は少し違うなと思う。
陛下の部屋で添い寝されてるということだけだが。
もしかしたら…隠しルート?
裏ルートとか??
うーんと考えてみる。
攻略情報なども目は通した。
なんだろう…。
やはり、隠しルートとかなかったよなぁ。
本当に何が起こったのだろうと思う。
手がかりとか無いかな。
せめて、どうして陛下の部屋に僕がいるかの。
そう思いながら部屋を観察してみる。
豪華だけど必要なもの以外は特になにもない。
陛下らしいなという感想。
豪華にしているのは王家の威厳とか別の国の来賓に恥ずかしくない程度のもの。
家具とかはこだわっている。
国の腕の良い職人たちの技を来賓に見てもらって契約などの話に持っていきたいという感じ。
そんな理由。
でも、陛下自身はそこまで贅沢に興味はない。
国民の税で暮らしているのだから、自分のものは必要最低限でいいという考え。
恵まれた環境に自分がいるという自覚とその生活は国民の苦労の上に成り立っているという自覚。
自分の役目は、国民の幸せのために何ができるか考えることだと陛下は以前の生で話していた。
そこまで優しかったら、いろいろ大変なのではと思うけれども。
実のところ優しいだけでないというのも知っている。
冷酷な所は冷酷。
怒らせたら怖い。
実の子でも容赦なく切り捨てる。
ラスティにはいつも、あまあまなんだけども。
ともかくだ、今は自分の状況だよね。
そう思い、きょろきょろと自分がいる場所を見る。
大きな天蓋付きのベットが広い部屋に鎮座している。
僕がいるのは、そのベットの上。
そういえば、今まで入ったことは無いが…ここは王の寝室だろう。
天蓋付きの巨大ベットを眺めつつ首をひねる。
ここまで広さいるか?
第二王子のベットも結構広かったけれど。
ここは本当に広い。
ともかく…なんで自分はここにいるのだろう。
思い出そうとうんうん唸る。
生まれ変わった瞬間より前の、6歳前の記憶は結構曖昧なのだ。
陛下のかけた魔法の所為でにある。
里心が付かないように、6歳までの記憶を奪われる魔法。
引き取られる者が7歳以下だと必ずその魔法はかけられる。
僕の場合は、その魔法がきっかけで前世とか繰り返しのラスティ人生を思い出すのが常。
なので、今の状況がよくわからない。
今どうしてここにいるかがわからないのだ。
ごそごそ動いていた所為か、うん…と少し眠そうに王が目を覚ました。
「うん?ラスティ…どうかしたのか?」
よくわからず首を横に振る。
王はうーんと軽く伸びをするとベットに座って僕を見た。
「ふふっラスティは本当にかわいいなぁ。」
そういって頭を撫でられる。
「ああ、まぁこのくらい小さいと変化は無いはずだけど…体がおかしいとか無い?」
僕が首をかしげると、王は僕の寝巻の前を開けた。
僕の胸のあたりをなでる。
「うーん、きちんと刻まれているけど、まだ小さいから発動はしていないよねぇ。」
はい?と思う。
先ほどの鏡は傍にある。
僕の姿が映っている。
それを見る。
僕の胸には、紋章が浮かんでいた。
薔薇のデザイン。
これは…王家のもの。
薄い紫色なのは、国王の眼の色だろうか。
つまり…目の前の王のもの?
え???と王を見る。
王は、そんな僕にやわらかく微笑んだ。
「うん?この模様が不思議なのかい?」
頷く。
説明してくれるかもとちょっと思って。
せめてつけられる前に、戻ってきていたら。
いやいや…なんで??
王子につけるものではないよね?
「エスター…ああ、私の子供なんだけどね。君を婚約者にするのを嫌がったから、君は私が娶ることにしたんだ。こんなおじさんのところで申し訳ないけれど…君をどうしても私の家族にしたかったんだ。」
あれれ???と首をかしげる。
今、僕の耳がおかしかったでしょうか。
陛下が僕を娶るって言いました?
大きな手が僕の肌をなでる。
優しい感触に下心は感じない。
流石に、6歳児には手は出さないようだ。
いや…出されたら困るんだけど。
「うーん…娶るではわからないか…。」
陛下は、うーんと首をかしげている。
いや…わかるけども。
言葉の意味はわかるけども。
どうして僕???
「君は、私のお嫁さんとしてここに来たんだよ。」
そう言いなおした陛下に僕はやわらかく抱きしめられる。
「エスターの嫌がり方がすごくてね…。もしかしてそれを覚えていたのかな?怖かった?まぁ…あんまりにもひどいから、エスターは、教会で世話してもらうことにしたけど。」
はい???今とんでもないことを聞いたような。
いや…さっきからとんでもないことしか聞いていませんが。
「…あの子はやはり王位継承権をもつ器ではないかな。」
我が子ながらと陛下はつぶやく。
陛下はため息をついた。
「君を王子にと思ったのだけど…エスターの様子が異常でね。」
君を傷つけるかもしれないから、と陛下はため息をつく。
「あの…」
陛下は、うんと首を傾げた。
「ぼく…よくおぼえていないのですが…」
陛下が、ああと頷いた。
「そうだね…うん。ごめんね。君の今までの記憶は曖昧になっているかもしれない。」
両親から僕を引き取った時にそのような魔法をかけたのだと陛下は言う。
陛下はそこで、自己紹介。
まぁ知ってるけど。
軽く経緯を説明してくれた。
王家に入った僕の過去が消されたと、言われた時はやっはりかと思う。
両親がそれを望んだらしい。
叛意は無いという証明と、両親との思い出の所為で僕が苦しまないようにと。
陛下にそう説明され内心ひどいなと思いつつも頷く。
帰る場所は無いということ。
結局、ラスティは両親に捨てられたわけだから。
「どうしてもお嫁さんが嫌だったら方法は考えるよ。」
そう陛下はやわらかく微笑む。
まぁ…なんだかよくわからないが、僕は、第二王子ではなくなったらしい。
それで、不遇王子ルートは抜けたのだろうか?
強制力で何か起こりそうだなとは思うけども。
なにはともかく…。
これからよろしくお願いしますと陛下に頭を下げた。
似た世界ということも考えられるんだけど、ここまでゲームと同じだとなぁという感じ。
あげくに繰り返している。
どうしてこうなったのか。
色々考えたけど結局わからない。
僕は、今までの繰り返しは大人しく自分の役割をこなしていた。
打開策がわからなかったからだ。
一応思いつく方法は試したけど、ふんわり元に戻っているし悪化する。
でも、今回の生は少し違うなと思う。
陛下の部屋で添い寝されてるということだけだが。
もしかしたら…隠しルート?
裏ルートとか??
うーんと考えてみる。
攻略情報なども目は通した。
なんだろう…。
やはり、隠しルートとかなかったよなぁ。
本当に何が起こったのだろうと思う。
手がかりとか無いかな。
せめて、どうして陛下の部屋に僕がいるかの。
そう思いながら部屋を観察してみる。
豪華だけど必要なもの以外は特になにもない。
陛下らしいなという感想。
豪華にしているのは王家の威厳とか別の国の来賓に恥ずかしくない程度のもの。
家具とかはこだわっている。
国の腕の良い職人たちの技を来賓に見てもらって契約などの話に持っていきたいという感じ。
そんな理由。
でも、陛下自身はそこまで贅沢に興味はない。
国民の税で暮らしているのだから、自分のものは必要最低限でいいという考え。
恵まれた環境に自分がいるという自覚とその生活は国民の苦労の上に成り立っているという自覚。
自分の役目は、国民の幸せのために何ができるか考えることだと陛下は以前の生で話していた。
そこまで優しかったら、いろいろ大変なのではと思うけれども。
実のところ優しいだけでないというのも知っている。
冷酷な所は冷酷。
怒らせたら怖い。
実の子でも容赦なく切り捨てる。
ラスティにはいつも、あまあまなんだけども。
ともかくだ、今は自分の状況だよね。
そう思い、きょろきょろと自分がいる場所を見る。
大きな天蓋付きのベットが広い部屋に鎮座している。
僕がいるのは、そのベットの上。
そういえば、今まで入ったことは無いが…ここは王の寝室だろう。
天蓋付きの巨大ベットを眺めつつ首をひねる。
ここまで広さいるか?
第二王子のベットも結構広かったけれど。
ここは本当に広い。
ともかく…なんで自分はここにいるのだろう。
思い出そうとうんうん唸る。
生まれ変わった瞬間より前の、6歳前の記憶は結構曖昧なのだ。
陛下のかけた魔法の所為でにある。
里心が付かないように、6歳までの記憶を奪われる魔法。
引き取られる者が7歳以下だと必ずその魔法はかけられる。
僕の場合は、その魔法がきっかけで前世とか繰り返しのラスティ人生を思い出すのが常。
なので、今の状況がよくわからない。
今どうしてここにいるかがわからないのだ。
ごそごそ動いていた所為か、うん…と少し眠そうに王が目を覚ました。
「うん?ラスティ…どうかしたのか?」
よくわからず首を横に振る。
王はうーんと軽く伸びをするとベットに座って僕を見た。
「ふふっラスティは本当にかわいいなぁ。」
そういって頭を撫でられる。
「ああ、まぁこのくらい小さいと変化は無いはずだけど…体がおかしいとか無い?」
僕が首をかしげると、王は僕の寝巻の前を開けた。
僕の胸のあたりをなでる。
「うーん、きちんと刻まれているけど、まだ小さいから発動はしていないよねぇ。」
はい?と思う。
先ほどの鏡は傍にある。
僕の姿が映っている。
それを見る。
僕の胸には、紋章が浮かんでいた。
薔薇のデザイン。
これは…王家のもの。
薄い紫色なのは、国王の眼の色だろうか。
つまり…目の前の王のもの?
え???と王を見る。
王は、そんな僕にやわらかく微笑んだ。
「うん?この模様が不思議なのかい?」
頷く。
説明してくれるかもとちょっと思って。
せめてつけられる前に、戻ってきていたら。
いやいや…なんで??
王子につけるものではないよね?
「エスター…ああ、私の子供なんだけどね。君を婚約者にするのを嫌がったから、君は私が娶ることにしたんだ。こんなおじさんのところで申し訳ないけれど…君をどうしても私の家族にしたかったんだ。」
あれれ???と首をかしげる。
今、僕の耳がおかしかったでしょうか。
陛下が僕を娶るって言いました?
大きな手が僕の肌をなでる。
優しい感触に下心は感じない。
流石に、6歳児には手は出さないようだ。
いや…出されたら困るんだけど。
「うーん…娶るではわからないか…。」
陛下は、うーんと首をかしげている。
いや…わかるけども。
言葉の意味はわかるけども。
どうして僕???
「君は、私のお嫁さんとしてここに来たんだよ。」
そう言いなおした陛下に僕はやわらかく抱きしめられる。
「エスターの嫌がり方がすごくてね…。もしかしてそれを覚えていたのかな?怖かった?まぁ…あんまりにもひどいから、エスターは、教会で世話してもらうことにしたけど。」
はい???今とんでもないことを聞いたような。
いや…さっきからとんでもないことしか聞いていませんが。
「…あの子はやはり王位継承権をもつ器ではないかな。」
我が子ながらと陛下はつぶやく。
陛下はため息をついた。
「君を王子にと思ったのだけど…エスターの様子が異常でね。」
君を傷つけるかもしれないから、と陛下はため息をつく。
「あの…」
陛下は、うんと首を傾げた。
「ぼく…よくおぼえていないのですが…」
陛下が、ああと頷いた。
「そうだね…うん。ごめんね。君の今までの記憶は曖昧になっているかもしれない。」
両親から僕を引き取った時にそのような魔法をかけたのだと陛下は言う。
陛下はそこで、自己紹介。
まぁ知ってるけど。
軽く経緯を説明してくれた。
王家に入った僕の過去が消されたと、言われた時はやっはりかと思う。
両親がそれを望んだらしい。
叛意は無いという証明と、両親との思い出の所為で僕が苦しまないようにと。
陛下にそう説明され内心ひどいなと思いつつも頷く。
帰る場所は無いということ。
結局、ラスティは両親に捨てられたわけだから。
「どうしてもお嫁さんが嫌だったら方法は考えるよ。」
そう陛下はやわらかく微笑む。
まぁ…なんだかよくわからないが、僕は、第二王子ではなくなったらしい。
それで、不遇王子ルートは抜けたのだろうか?
強制力で何か起こりそうだなとは思うけども。
なにはともかく…。
これからよろしくお願いしますと陛下に頭を下げた。
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