不遇王子は、何故かラスボス達に溺愛される。

神島 すけあ

文字の大きさ
16 / 233
第一章 終わりと始まり

16 王都の身分制度?

しおりを挟む
結局、ジークハルトは、護衛騎士として僕と一緒に後継者教育を受けることになった。

僕も??と思ったのだけど。
陛下に何かあった時には僕が一時的に臨時で王の代わりをすることもある…からだとのこと。

そのために称号だけ王子がついているという。
メインの職業?は王妃の方でサブの職業と言うことになるようだ。
なるほど、スキルで見た王子はその所為でついていたのかと納得。
一応鑑定スキルで確認したら、第三王子になってた。

護衛騎士として僕についてくれているジークハルトが第二王子になったからだ。

ジークハルトも称号としてだけ。

職業的には騎士のほうが強い。
でも、式典とかではジークハルトは、ちゃんと王子するとのこと。

エスターの参加が今のところ難しいので、王子としての執務とかもジークハルトがやることになりそうだ。

僕は妃として参加するというけども…大丈夫かな。
今から不安。

不安と言えば、今の現状と言うか今から向かうところも不安。

僕は、今エスターの所に陛下とジークハルトと一緒に教会へ向かっている。
彼にジークハルトのことを報告ためにだ。
陛下が、直接話した方がいいだろうと僕とジークハルトの称号についても。
市井の噂で、惑わされがちのエスターにはきちんと説明したほうがいいだろうと。

それはそうなのだけれど。

すごく緊張というか…なんていうのだろう…。
嫌な予感と言うか…嫌な感じ。

ともかく、陛下とジークハルトと始めての馬車に乗ってのお出かけ。

そっちに集中。
楽しまないともったいない。

きちんと舗装されてるからひどい揺れはない。
けど、それでも揺れでお尻が痛い、と思っていたら陛下が膝の上にのせてくれた。

自分で座ってる高さだと窓から外も見えなかったから、これ幸いと窓から外を眺める。

街並みは、一言で言ったら可愛いかな。
石造りで淡い色合いの漆喰って言うのかな?それで塗られている。
街全体が、淡い色でやわらかいイメージ。
色はパステル調で優しい色ばかり。
飾り柱が木でできているから石造りでもやわらかい感じがする。
上手く言い表せないけど、華美ではなくて素朴な…牧歌的?かな。
のんびりとした…童話の世界のようだ。

行きかう人々は、笑顔の人が多くてほっとする。
今の時間歩いている人は、使用人の人や家で家事をしている人が多いみたい。
騎士は訓練の時間だからとジークハルトが教えてくれた。
窓から物珍しそうに眺める僕に陛下とジークハルトが楽し気に説明してくれる。

使用人は、大体、長い白いシャツを腰の位置でベルトを締めて皮のズボン。
短いマントを羽織っている人は上級の使用人。
マントに仕えている家の紋章があしらわれている。
まだ下働きの人は、シャツの胸部分に紋章が刺繍されている。
でも、季節で皆マントを脱いだり、来たりしているから、上級か下働きかは、服装ではあまり区別はつかないとのこと。そもそも下級、上級も曖昧なのだという。
別の国の、昔の名残のようなものだと陛下は少し苦く笑った。

何かあるのかな?

庶民もほとんど同じスタイルで、シャツが色付きで皮のズボンではなく布制だったり様々。

そうそう、この世界には階級がある。
とは言ってもざっくり分かれているという感じだろうか。
特に弱肉強食実力主義のこの世界。
階級は、登ろうと思ったら難しいけど登れないわけでもない。
ざっくり分かれで身分的には4つ。

王族、貴族、騎士、聖職者、庶民かな。

その中で、更にわかれているけど。
実際は、結構曖昧。
貴族でいうと、上級貴族、下級貴族。
僕は、本来は下級貴族にあたる。
王族の血は持っててもそんなものだ。
身分とか、階級とか分かれているけど結構雑。
僕のように、陛下の妃として一度娶られるとかすると、その後は、離縁されても一応王族としての身分は残る。
離縁されたら、身分はサブとしての扱いになるから、一代限りだけども。

サブの職業の称号もあるから、雑になるのは仕方ないのかな。
結構身分とか曖昧な所も多い。
サブっていうのは、僕のようにメイン職業は王妃で、サブ職業は王子…みたいなもの。
称号の身分で効力は薄い。

僕が、陛下に離縁されると、サブ職業が 元王妃になってその時の職業がメインになる。
なので、その時に例えば冒険者とかしてると、メイン庶民で元王族。
で、その後子供を作ったとしたらその子供は、庶民ってことになる。

陛下とか騎士団長は、サブの職業をいっぱい持ってる。
冒険者とかの時は伝説級らしい。
それでもメインの王族とが騎士団長が強い。
彼らが、引退しても陛下は大公、騎士団長は公爵がメインになるので王族は王族なんだよね。
生まれながらの身分は中々変わらない。
そういうのは、守られる制度っぽい。

まぁ、僕のような玉の輿?はガンガン変わるけどもな。
単純にならないな。
身分って深く考えて行ったら、よくわからない事態になる。

ぐるぐるする。

まぁ、サブの職業は身分関係なく能力で色々ついている。

でいいのか…。

聖職者は、貴族でも、庶民でも神官試験などでなれる。
僕の王子の称号のように、称号だけという神官もあるけども。

貴族と聖職者を同等と扱う人も多いから、身分で分けるて…というのも少し違うのかな。

まぁなんでこんな身分の話になったかと言うと…王都の作りがそれに、関係しているから。

陛下と、ジークハルトがかみ砕いて説明してくれているのだけど。
僕はぐるぐるし始めた。

「…ラスティ…だいじょうぶかい?」

陛下が何故か頭からお腹まで撫でてくれる。
気持ちいいけど…服に手を突っ込む必要ありますか?

「陛下…なぜラスティ様の服の中に手を…。」

ジークハルトがドン引きしてるよ。
陛下くすぐったいからやめて。
僕が必死に笑いを堪えているのを見て陛下が、楽し気に僕をいじってくる。

「いや…ついつい…ラスティのさわり心地が良くて…特にお腹のあたり…」

ジークハルトまで手をつっこんでくるな!!!

「……たしかに…これは」

気持ちいいですとか言ってなでるなジークハルト!!!

二人のばかぁ~。
僕の半泣きをみて止めてくれたけども…。
もうもう!!!





でも…、まぁ…エスターに会う前の嫌な緊張感はなくなったかな?





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

処理中です...